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更新日:2011年8月12日

但馬県民局/局長メッセージ(平成23年6月)

県民局長から地域の皆様へのメッセージを掲載しています。

いなか暮らし塾にて

 さあ、いよいよ本格的な雨のシーズンを迎えました。

  但馬には「弁当を忘れても傘を忘れるな」という言い伝えがあります。今年は例年より12日も早く梅雨入りし、6月に入る前から傘を使うことが多くなりました。

  但馬の雨のシーズンをどう楽しむか。家で但馬本を読んで過ごすも良し、「春来峠」や「愛しの但馬」、「夢千代の宿」など但馬の歌を聴くも良しです。

  しかし、城崎の大谿川(おおたにがわ)沿いにしっとりと濡れた柳を楽しみながら温泉街を散歩するのは但馬ならではの贅沢な時の過ごし方です。志賀直哉、司馬遼太郎など文人ゆかりの地を訪ね歩くのもお勧めです。

  少し足を延ばして平家落人(おちうど)伝説の地も是非訪ねたいと思っています(主に壇ノ浦の合戦に敗れ落ち延びた平家の残党が香美町香住区御崎などの地で隠れ住んだという形跡や言い伝えが今も残っています)。また、できれば来年のNHKの大河ドラマ「平清盛」とからめてこのことが広く紹介できないものかと考えています。

生野まちづくり工房井筒屋の様子

 

 さて、梅雨入りの少し前、南但馬を巡って来ました。

  最初に訪ねたのは朝来市多々良木にある「いなか暮らし塾」。

  代表の西垣さんは、田舎暮らしを希望する方々の様々な相談に乗っておられます。何度も家族揃ってこちらに来られて、その良さも不便な点も十分理解して田舎暮らしに入られることがうまくいくポイントとのこと。

  現在、再生した古民家でレストラン、民宿、米の販売等を並行して行い、クラインガルテン(農業用小屋付農地の賃借制度)事業も進めておられます。

  建設会社、デザイン会社、農場の三者連携の運営の仕組みが全体の事業の円滑な遂行と持続性の確保にうまく機能しているとのこと。事業モデルとして学ぶ点が多いと感じました。

 

  朝来市奥田路のお寺を改築した季節料理店「いちりん」でおいしい山菜料理やお蕎麦をいただいた後で、次に訪れたのは朝来市口銀谷(くちがなや)にある「生野まちづくり工房井筒屋」。

  江戸時代に建てられた旧吉川(きっかわ)家住宅で県が指定する景観形成重要建造物等を口銀谷地区のビジターセンター等として活用しているところです。

  この口銀谷地区自体が県の景観形成地区に指定されていて、生野銀山で栄えた地域の伝統や風情を今日に伝えている素晴らしい地区です。周辺には産業遺産も数多く残り、是非、多くの皆さんに訪れていただきたいお勧めの場所です。

  この井筒屋には様々な機能があり、生野を訪れるみなさんに見どころ情報の提供をしたり、地域の人たちの手作りの土産物を販売したり、蔵ギャラリーを運営し、地域の人たちの芸術文化の発信を促進したり、地域活性化に向けたまちづくりや特産品づくりなどの住民活動の場としての役割を担ったりしています。私が訪問している間にも団体の旅行客が本当に多く来られていました。

  この施設は、旧生野町に寄贈されたもので現在も朝来市の所有ですが、運営は地域のみなさんが担っておられます。ご案内いただいた斉藤さんと中井さんもこよなく生野を愛される方々で、「若い人達が一旦地域を離れることはやむを得ない点もあるけれど、生活そのものはもう何とかやっていける世代が頑張ることで、次の世代へつないでいくことができれば」と話しておられました。

  歴史的な施設の維持・保存に行政が主導性を発揮し、その運用について地域を愛する年配の方々が深く関わり、その施設が地域のコミュニティの場となって、地域の賑わいにつながり、地域の誇りとなる。そしてそれが地域として引き継がれて行くことになれば但馬における施設運営のあり方として望ましい一つのモデルとなるように思いました。

傷ついたオオサンショウウオ

 さて、今回最後の訪問地は朝来市生野町黒川の小規模集落です。

  小規模集落とは概ね65歳以上の人口が全体の40%以上で世帯数50戸以下の集落のことを言います。

  私を案内してくれた奥藤さんは黒川地域活性化協議会の事務局長さんです。

  6集落が一つの黒川区を形成しているのですが、それを一つにつなぐ役割を持っていた黒川小中学校が廃校になり、地域としての衰退が懸念されていた頃、地区内にあるNPO法人日本ハンザキ研究所(「ハンザキ」とはオオサンショウウオのかつての標準和名。大きな口を開けると半分に裂けているように見えることからこの名がついたとの説があります。)の栃本所長からオオサンショウウオによる地域の活性化の呼びかけがあったとのこと。

  早速、研究所を訪問。所長から研究所の活動内容をうかがいました。国の特別天然記念物であるオオサンショウウオの保護や生態研究を中心に、それを取り巻く環境全体の保全を目指しておられます。

  具体的にはプールを使って河川改修工事などの現場で発見されたオオサンショウウオを保護して飼育したり、生態系を調査研究するために多くのオオサンショウウオを識別登録し、マイクロチップを埋めて追跡調査したり、環境学習として多くの生徒を受け入れたり、地域の人々との交流を図ったりとその活動は多彩です。

  所長は、姫路市立水族館の元館長で、長年オオサンショウウオの飼育、研究に取り組んで来られた方です。今の研究所運営は所長のボランタリーなお気持ちにより成り立っていると言っても過言ではない状況です。

  現在70歳の栃本さん。「これまで続けてきた研究を誰かに引き継ぎ、この活動が将来継続されるようにしたいが、研究者はいても今の状況では安定した収入もなく若い研究者が来てもらえることは無理だと思う。」と話されていました。

  多くの人がここを訪れ、地域の賑わいももたらしている研究所。黒川地区の維持のためにもここを存続可能とする取組みは公民協働で進めていくことが必要だと強く感じました。

  また、もっと積極的に世界に誇れる財産として魅力を発信し、地域振興へとつなげていくことも可能ではないかと感じました。

栃本所長からお話しをうかがう

 

 こうして地域を巡り、いろんな方々から直接聞かせていただくお話が現実の施策展開の助けになっています。

  先月、ご紹介した「コウノトリの箱庭」運動も大きな広がりを見せ、ひょうごボランタリープラザや県の防災部局、兵庫県園芸・公園協会などの賛同、ご協力を得て、今月、東日本大震災の被災地の仮設住宅へ届けることができる見込みとなりました。

  このコーナーが夢を現実へとつなげるきっかけになれば、こんなにうれしいことはありません。

 

 

但馬県民局長 石井孝一         

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