●一足先に、世界の注目をあびたのがコウノトリの野生復帰事業でした。
2005年9月、5羽のコウノトリが大空に放鳥されてから5年。国際生物多様性年の今年、名古屋でのCOP10にあわせて、「第4回コウノトリ未来・国際かいぎ」が10月30日、31日、豊岡で開催されました。
テーマは「野生復帰がもたらすもの~コウノトリが紡ぐ いのち・地域・経済・文化~」。
ロシア、中国、韓国から行政官や研究者を迎え、また、宮城県大崎市、新潟県佐渡市をはじめ「コウノトリに選ばれたまち」からも多数の参加を得ました。
二日間にわたって熱い議論が繰り広げられ、最後に、地元の高校生が力強く「コウノトリ宣言」を読み上げました。
小中学生100人がステージに整列したフィナーレでは、
コウノトリファンクラブ(外部サイトへリンク)の柳生博会長の飛び入りMCの「ハプニング」が勃発。
特急「北近畿」が来年3月、「こうのとり」に改名されることにちなんで来場されたJR西日本の佐々木社長とのかけあいもあって、会場は大いに盛り上がりました。
生物多様性を一言で要約することはできませんが、「つながり」がその重要なキーワードであることは間違いないと思います。
いのちはつながっている。連綿と続くいのちの営みのつながりを通じて、生き物たちの惑星・地球の自然環境はかたちづくられてきた。
人のいのちも、人が暮らす地域もつながっている。そして経済や文化の活動が営まれる人間の社会は、自然という大きなつながりの中の小さなつながりにほかならない。
とりわけ現代の経済システムは、数十億年の生物の歴史、一万年の人類の歴史からみて、たかだか数百年の歴史しかもたない新参者であるにすぎない。
「コウノトリが紡ぐ いのち・地域・経済・文化」には、そのような思いがこめられています。