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更新日:2019年5月27日

但馬県民局/局長メッセージ(平成22年5月)

 「光を見ること」

満開のさつきの花に囲まれた「うちやまそば」の店構え(養父市)

 5月の連休を、みなさんはどう過ごされたでしょうか。
 私は、但馬の蕎麦処をめぐる旅に出かけることにしました。

●まず、赤花そばの郷(豊岡市但東町)を皮切りに、高中そば処(養父市)、床瀬そば(豊岡市竹野町)、殿さんそば(同日高町)、そば処春来・てっぺん(新温泉町)、うちやまそば(養父市長野)と、ゴールデン・ウィークの初日、二日目をつかって周遊しました。
 うちやまそばでは、お店のおばちゃんたちと話がはずみ、お手製の味噌やたけのこを土産にいただきました。(ありがとうございます!)
 どれもみな凛とした硬質の食感、品のある清涼な香りをもった絶品でした。それぞれの味わいに微妙な個性を感じたのですが、残念ながら、そのニュアンスの違いを言葉で上手に表現することはできません。
 ただ、あまりの美味しさと喉ごしのよさに、つい調子にのり、二食、三食と食べ歩きをしたのが体にこたえたのでしょうか。連休前、大量の黄砂で喉と鼻を痛めていたのをこじらせて、とうとう本格的に風邪をひいてしまいました。(蕎麦は体を冷やすといいます。やはり、なにごとも度を越してはいけませんね。)
 そのため、平家そば(香美町香住区)や清流の里手打ちそば(豊岡市日高町)、八平達磨そば(同但東町)、出石皿そばその他、「但馬ツーリズムマップ」(但馬ふるさとづくり協会発行)の名物料理の欄に掲載された蕎麦処への訪問は、後日に譲らざるを得ませんでした。
 それでも、やや体調が快復した連休の後半には、神鍋高原の風穴そばと生野の銀山そばに舌鼓を打って、ほんの少しだけ溜飲を下げることができました。

連休で賑わう今子浦海岸(香美町)

●この、ささやかな「蕎麦ツーリズム」の経験を通じて、私は、観光という営みがもつ意味について、あらためて思いをめぐらせていました。
 観光の語は、「観国之光」という易経の一節に由来します。ここで、「国の光を観る」というときの「光」とは、その地方(クニ)の文化のことにほかなりません。
 史跡、神社仏閣、花や巨木や温泉などの自然物、集落や都市の景観、郷土料理、習俗、祭り、産業遺産、等々。いま、思いつくままに並べた観光スポットは、なるほど、いずれも文化の範疇にくくられるものばかりです。
 それでは、これらの「国の光」を実地に見聞することで、私たちは何を求めているのでしょうか。観光の目的は何か、ということです。
 それは「感動体験」なのではないか。私はそう考えています。
 本居宣長は、「見る物聞く事なすわざにふれて情(ココロ)の深く感ずる事」を「あはれ」と定義しました。この「もののあはれ」を知ること、つまり訪れた地方(クニ)の光(文化)に直に接して、心を深く動かし感動することこそが、観光という体験のほんとうの意味なのではないかということです。
 そのような観光のための資源は、なにも目新しく新奇なものである必要はないでしょう。ありふれた日常のさりげない事物にだって、生き生きとした感動を覚えることはできます。極端な場合、何もないことが、観光の目玉になることだってありうるのです。
 何より大切なことは、その資源が、そこに住む人々の日々の「暮らし」のなかにしっかりと根づき息づいていることだと思います。
 どんなに歴史的な価値の高い史跡だったとしても、また優れた美しい自然景観であっても、それらがそこに暮らす人々の心身両面の生活実感から遊離したものであったなら、それはただ、たまたまその場所に陳列された「死物」でしかないでしょう。

北前まつりでの祭典20周年キャンペーン(豊岡市竹野町)

●暮らしたいまちが、訪ねたいまち。そんな言葉があります。「国の光を観る」の「光」とは、そのような「まち」がもつ魅力的な「暮らし」そのものだったのではないでしょうか。
 

 

 私が、蕎麦処周遊の小旅行に期待していたのは、美味しい蕎麦を食べることだけではありません。それだけのことなら、なにも時間をかけて蕎麦処を訪ね歩く必要はなかったのです。
 私が体験したかったのは、蕎麦に象徴される集落の人々の「いいくらし」に接し、その暮らしがもつかけがえのなさに「あはれ」すなわち感動を覚えること、そして、ひるがえってわが身とわが生活の更新をはかることだった。やや大げさにいえば、そういうことです。

但馬観光協議会設立総会

●昨年12月、但馬の3市2町や観光協会、農協や漁協などの産業・経済団体、交通機関、県民局で構成する「但馬観光協議会」が発足しました。
 広域連携で但馬の知名度を上げ、観光業を盛り立て合うことを目的に、当面、「但馬ブランドの確立」と「観光情報倍増」を柱とする事業(ご当地グルメの発掘や旅行商品の開発、ホームページなどによる情報発信)に取り組んでいます。
 確立すべき「但馬ブランド」とは、但馬の「光」、つまり但馬の「いいくらし」です。倍増すべき「観光情報」とは、その暮らしがこの地を訪れる人々にもたらす価値、つまり「感動」のことにほかなりません。
 そのような意味での観光が盛んになるとき、その先に、「訪れたいまち」から「暮らしたいまち」へ、究極の体験型観光としてのロングステイへの道がひらけるかもしれません。はては、観光交流から移住定住へという、次のステップが実現するかもしれません。

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