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更新日:2010年8月9日

但馬県民局/局長メッセージ(平成22年7月)

 『「産直」的な小さなネットワーク』

岩崎地区(しいのき森林公園)

 但馬の小規模集落めぐりを始めました。
 これまでに、養父市八鹿の岩崎(いわさい)、豊岡市但東の薬王寺、同市竹野の三原、香美町小代の実山(さねやま)、同町村岡の熊波、新温泉町浜坂の久斗山を訪れました。
●岩崎では、区長さんのお宅で2時間近く、村づくりの取り組みと区長さん自身のライフヒストリーを聞かせていただき、手づくりの山椒の佃煮をおみやげに頂戴しました。
(区長さん、奥さん、ありがとうございます。山椒の木の薄皮を佃煮にした「辛皮」(からかわ)は、ほんの数ミリ囓っただけで、口がきけなくなるくらい痺れました。)
 薬王寺では、空き家を改修し、住民中心の株式会社で運営する交流施設を見させていただきました。三原と実山で、しばし村歩きを楽しみ、熊波の渓流をのぞき見たあと、久斗山では、廃小学校を活用した県民交流広場を拝見しました。
 三日かけて、ひとつひとつの集落を、ゆったりとめぐったので、あの時あそこに流れていた時間と、そしてどこか懐かしい空間とが、今でもくっきりと印象に残っています。
 ここには、何か、失ってはならない大切なものがある。そんな感じが、私の中でしだいに強くたちあがってきました。

薬王寺地区(小規模集落元気作戦での田植え風景)

●私の両親は、岡山県の美星町の出身です。子どもの頃から再々通い、夏休みには連泊して、従兄弟たちに宿題の工作を手伝ってもらうこともありました。
 亡くなった伯父がよく、「ここはお前の田舎や、いつでも帰ってこい」と言ってくれたものです。
 最近では、数年に一度、それも法事かなにかのときに日帰りで出かける程度で、親戚の数も減り、しだいに疎遠になっています。それでも、美星という美しい名をもつあの土地は、いまでも私にとって大切な「田舎」です。
 田舎(ふるさと)があるということは、たとえそれが記憶の中の「心のふるさと」でしかないとしても、とても幸せなことです。
 小規模集落をめぐりながら、ここには大切なものがある、という思いが募ってきたのは、私自身の田舎体験が、そこに重なっていったからです。
 ここで、失ってはならない大切なものとは、田舎(ふるさと)の記憶やその風景とのリアルなつながりにほかなりません。

三原地区(ハス植えイベントの様子)

●県では、平成20年度から、小規模集落元気作戦を展開しています。
 住民の4割以上が高齢者で、世帯数が50戸を下まわる集落を対象に、都市地域のパートナーとの継続的な交流活動を通じて、その再生・活性化を図ろうとする事業です。
 モデル集落には、アドバイザーの派遣や様々な交流事業・拠点整備への助成、集落支援員の配置などの支援を行います。
 対象集落は全県で約250あります。そのうち40%強が但馬地域に点在しています。現在、モデル集落は31で、但馬では、私が訪れた6つの集落を含め、15の集落で取り組まれています。
(事業の詳細はここ(外部サイトへリンク)をご覧ください。)
 この施策が始まったきっかけは、「さわやかトーク」のため知事が岩崎を訪れた際、住民の一人が発した次の言葉にあります。
「限界集落化、過疎化がひしひしと押し寄せていて、先が不安です。多いときで230人あった人口が、いまでは3分の1。一昨年、鹿による農作物の被害を防ぐため、約3千メートルの金網を張り替えました。これが、村の最後の共同作業になるのではないかと思いました。」
 そのとき、知事は次のように答えています。
「難しい問題ですが、都市との交流を恒常的に進めることが、ひとつの解決策になるのではないかと思います。自分たちの地域の問題だからといって、自分たちだけで背負い込んでいては、やがて行き詰まってしまうでしょう。都市の人に助けてもらうことで、第二のふるさとにしてもらう。外との交流をいろんな場面でつくり、都市の人に訪ねてもらい、大切に思ってもらえる地域づくりをしていくことではないかなと思います。」
 こうして、小規模集落元気作戦が始まりました。

実山地区

●坂本龍一さんが、あるところでこう語っています。
「20世紀の大量生産、大量消費、大量廃棄を象徴するようなマス的なものに対し、今後は世界的にローカルで有機的で、生産者と消費者が近い関係をもつ「産直」的な小さなネットワークがたくさん生まれていくのではないかと思います。」
 この発言は、インターネット上の音楽環境をめぐるものなのですが、私は、ここで言われる「マス的なもの」を、田舎(ふるさと)との絆が切れた都市的生活に、「産直的な小さなネットワーク」を、都市住民との顔の見える交流の場面をたくさんもった集落に、それぞれなぞらえることができるのではないかと考えています。
 小規模集落元気作戦は、集落のためというよりも、むしろ、都市を元気にする事業なのかもしれません。

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