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更新日:2014年6月24日

「経済財政運営の基本方針(骨太の方針)2014」に対する意見(平成26年6月24日)

「骨太の方針2014」では、景気回復の持続と本格的な成長軌道への移行による経済の再生への決意、人口減少・超高齢化への対応について、安倍政権の強い意欲が感じられる。

しかし、人口減少・地域偏在の是正に向け、女性や若者の農村部から都市への流出抑制に向けた農村部での雇用創出や「国家戦略特区制度」を活用した規制緩和、税制措置の一層の推進などに関する具体的な処方箋が描かれていない。

また、オリンピックは日本全体の祭典と唱えつつ、空港をはじめ首都圏のインフラ整備に注力し、大企業の成長の成果を地方の中小企業に波及させるといった表現に見られるように、東京一極集中を是正し、地方の自立を推進しようとする姿勢が見られない。

総じて、今回の骨太の方針は、これまでの基本姿勢に大きな変化がないと見受けられる。

国づくりは地方の元気づくりから。

日本を分散型自立社会に再構築するための具体的な工程が示されることを期待したい。

 

 

[今後の推進に向け配慮すべき事項]

1.人口減少・超高齢化への対応

 (1)都市への人口流出抑制対策 

 ・都市への人口集中が人口減少を加速することが明らかになる中、女性・若者の都市への人口流出を抑制するため、地方への高等教育機関の立地、雇用創出などの具体的取組みを進めるべき。

 (2)少子化対策 

 ・50年後においても1億人程度の安定的な人口構造を保持するため、第3子以降の出産・育児・教育への重点的支援などの少子化対策が掲げられているが、その目標実現のための具体的な対策が必要である。

 ・少子化対策にあたっては、地方の実情に合わせた保育所等基準の見直し、現行の多子世帯保育料等軽減措置における同時入所要件の廃止など、目前にある課題に対して着実に取り組むべき。

 

2.社会保障制度改革の具体化 

(1)医療提供体制

 ・医療保険制度の改正に向け、都道府県において医療費の水準や医療の提供に

関する目標を設定され、そのために国による標準的な算定式が示されること

となっているが、算定数値の弾力的な運用を認めるなど、地域の実情や課題

に対応した目標設定ができるよう十分留意すべき。

(2)国民健康保険

国民健康保険について都道府県への移管についてのみ論じられているが、分立、不公平な医療保険制度を一本化し、制度設計と財源確保の責任、権限を有する国を保険者とすべき。

国民健康保険の保険者を都道府県とするならば、医療保険制度の一本化に向けた道筋を明らかにし、国が負うべき負担を地方に転嫁することのないよう、国の責任において財源を確保すべき。

 (3)年金制度

 ・年金制度については、高所得者層からは年金受給開始後であっても保険料を

徴収するなど、持続可能な年金制度とするための抜本的な改革を進めるべき。

 ・保険料の納付率向上に向け、年金加入のメリットや保険料の未払いにより受

給額が減額されることなどの不利益について十分周知を図ること。

 (4)地域包括ケアシステム

 ・疾病予防、介護予防のための健康づくりや医療・介護サービスを受ける前段階でのシステムとして、地域で高齢者を見守る仕組みづくりを支援すべき。

 

 

3.国土強靱化の推進 

 (1)安全・安心の国土の構築 

 ・成長戦略を具体化し、我が国の経済再生を進める基盤は、安全安心な国土構

造を構築することである。このため、防潮堤や河川堤防の強化、建築物の耐

震化など必要な防災インフラの整備を促進すべき。

(2)多軸型国土構造への転換 

日本海国土軸、関西都市圏のミッシングリンクの解消など高速道路網のリダンダンシーの確保など、社会資本整備を着実に推進し、国土強靱化の実効性を確保すべき。

(3)東京一極集中の是正 

 ・「東京一極集中の是正」についての姿勢が十分ではない。災害リスクへの脆弱性や地域間格差等を解消するため、東京一極集中の是正に向けたプロセスを明確にすべき。

 ・国際競争力を強化するインフラ整備は、首都圏に集中させるのではなく、国土の複眼構造を構築するとの姿勢で取り組むべき。

 

4.地域経済・地域振興

 (1)地域経済の活性化 

 ・地方の活性化なくして日本全体の活性化はあり得ないことを基本に、大都市中心の経済戦略ではなく、地方発の経済成長を牽引する政策を構築すべき。

 ・大都市中心の経済成長政策のみではなく、地方圏において、税制優遇措置、規制緩和、立地助成等に一体的に取組む「地域経済振興区域(仮)」を指定するなど、地方発の経済成長を牽引する政策を構築すべき。

 ・金融面での東京一極集中を是正するため、金融機関の貸出権限の分散化を進めるべき。あわせて、地域金融機関等による地域産業の再生を進めるため、多自然地域へのU・J・Iターンの促進する融資制度など、地域における資金循環を促進する仕組みの具体化を進めるべき。

 ・中小企業の育成の見地から適切な信用保証制度の活用を促進するなど、中小企業支援施策の充実を図るべき。

 ・我が国の農業の安全・安心性をベースに、農水産物の海外ブランド化による輸出促進、安定した供給力向上を図るための対策を明らかにすべき。

(2)雇用のミスマッチと人手不足への対応 

 ・女性や若者の活躍促進、高齢者や障害者の社会参加促進については、多くの施策の方向性が打ち出され、積極的な対応が期待される。あわせて、中・高年齢層の豊かな経験を生かした起業も促進すべき。

 ・一方で、中小企業を中心とした雇用のミスマッチや建設業や飲食・サービス業の一部における人手不足への対応を早急に進めるべき。

 

 (3)都市機能等の集約・活性化 

行政サービス・都市機能の集約により地域の活性化を進めるとの方向が示されているが、街なか機能の集約・再整備は、地域の実情にあわせて行われるべきであり、「平成の大合併」のように効率性のみを重視した地域切り捨て促進策であってはならない。

都市機能の集約・統廃合の観点だけでなく、今後も必要となる公共施設等の更新・長寿命化に対する財政措置を検討すべき。

商店街のコンパクト化や空き店舗の活用、街なか居住の促進など、まちづくりの装置としての商店街の再生・活用策を具体化すべき。

 (4)オリンピック・パラリンピック東京大会の効果の全国的な波及

 ・2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催による経済効果が、東京だ

けのものではなく、全国的な地域活性化に資するものとなるよう交流基盤の

ネットワーク整備を促進すべき。

 ・2019年ラグビーワールドカップ、2021年ワールドマスターズゲームズなど東京オリンピック・パラリンピック以外に行われる国際的なスポーツ大会に対する支援も行うべき。

 

5.地方分権改革 

 (1)権限移譲・規制緩和

 ・「提案募集方式」による事務・権限の移譲等の推進にあたっては、地方意見

が確実に反映されるよう、地方の提案に対する回答の義務づけや手続き等の

法制化など、提案の実現に向けた真摯に対応すべき。

 (2)道州制

 ・「道州制」についての議論よりも、中央府省の権限や組織のあり方の見直し、

道州の立法権の範囲の明確化・国会機能の見直しなど国と地方を通じた行政

機能のあり方について方向を明確にすべき。

 

6.地方税財政 

(1)地方財政規模・地方一般財源総額の充実・確保等 

危機対応モードから平時モードであっても、地方財政計画の計上の見直しにあたっては、単に、「歳出特別枠」を廃止するのではなく、社会保障関係費の確保、防災・減災対策など、地方が直面する喫緊の課題へ機動的に対応するため、地域の需要を的確に反映すべき。

地域振興、活性化について、地方が主体的な施策展開が行えるよう地方交付

税の特別な措置を設けるべき

行革努力や経済活性化の成果指標で配分を決める「地域の元気創造事業費」のように、国の政策誘導のために地方交付税を活用することは好ましくない。

 (2) 法人税改革 

法人税率の引下げについては、国内投資や雇用への波及を検討した上で、慎重に判断すること。仮に引下げを行う場合には、これに伴う地方への影響を遮断し、地方法人税の代替財源の確保や交付税原資が縮減しないよう地方交付税の法定率の引上げ等の代替措置により、必要な地方税財源を確保すべき。

 

7.公務員改革 

 ・地方公務員の給与は、地方公共団体の人事委員会勧告等を踏まえ、地方公共団体が自ら給与を決定する制度となっていることから、国は、地方公務員給与について関与すべきではない。

 

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