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更新日:2012年1月16日

社会保障・税一体改革に関する提言(平成24年1月16日)

 このたびの社会保障・税一体改革素案は、社会保障制度の課題に対応することなく、財源の一部を確保するための消費税率引上げが強調されてしまっている。

 このため、年金や医療保険などの社会保障制度と国・地方を通じた税制の抜本改革の具体化について、次のとおり提言する。

 

1 社会保障制度の抜本改革の具体化

(1) 不安感、不公平感の解消を目指した年金制度の見直し

年金制度の不安感や不公平感を解消し、国民の信頼が得られる持続可能な制度とするため、以下のとおり抜本的に見直すこと。

ア 受給資格期間を短縮するとともに、納付した保険料に応じた額を受給できるようにすること。

イ 納付拒否者等が多く存在し、実質的な国民皆年金制度となっていないので、全員の加入、納付を担保する実効ある措置を講じること。

ウ 年金制度は賦課制度であることから、負担と納付のあり方を抜本的に見直し、60歳以上の高齢者にも所得に応じて保険料の負担を求めること。

また、自らの生活費を確保できる高所得高齢者には給付を停止すること。

エ 高齢者の雇用対策の充実を前提とし、年金支給開始年齢を見直すこと。

(2) 公的医療保険制度の一本化

医療保険制度が分立し、加入する制度ごとに保険料負担に格差があるという問題や、国民健康保険には負担能力の低い低所得者や高齢者が多いという構造的な問題があることから、以下のとおり抜本的に見直すこと。

ア 将来にわたり国民皆保険制度を維持するため、乳幼児から高齢者に至る全国民を対象とする公的医療保険制度の一本化を図ること。

イ 一本化に当たっては国を保険者とすること。

(3) 介護保険制度における負担・給付の抜本的見直し

介護保険制度の持続可能性の観点から、以下のとおり給付、負担を見直すこと。

ア 軽度者に対する訪問介護サービス(生活援助)の利用者負担を引き上げること。

イ 高所得高齢者の利用者負担を引き上げること。

ウ 第2号被保険者(40歳~64歳)の範囲を拡大すること。

(4) 地方の創意工夫を生かせる子ども・子育て支援制度の構築

国が現在検討している子ども・子育て新システムについては、地域の実情に応じて、地方が子ども・子育て支援に主体性と責任を持って一層取り組めるよう、以下のとおり提言する。

ア 保育所の入所要件となっている「保育に欠ける」要件を早急に撤廃し、保育を必要とする全ての子どもを受け入れる施設とすること。

イ 地方の創意工夫により子育て支援が実施できる財政スキームとすること。

ウ 障害児やひとり親に対する支援、地方が独自で実施している子育て支援事業を新システムの対象とすること。

(5) 生活保護制度、障害者福祉制度の消費税対象経費への追加

生活保護制度、障害者福祉制度については、重要な社会保障制度であるにもかからず、消費税が充当される経費の対象とされていない。

消費税対象項目に加え、安定財源を確保していくことを明確にすること。

 

 

2 税制の抜本改革の実施

 

(1) 国・地方を通じた税制の抜本改革

このたびの素案では消費税率の引上げについて道筋がつけられたが、今後、早期に国・地方を通じて安定的な財源を確保するため、所得・資産・消費のバランスのとれた税制を構築すること。

(2) 地方税制の改革

地方税制については、1.税源の偏在性が小さい税体系とすること、2.個人課税について、高額所得者に更なる負担を求めること、3.法人課税について、経済動向にかかわらず応分の負担を求めること、4.地球温暖化対策のための税について、地方が担っている環境施策に応じた財源を確保することなどの観点からの改革を行うこと。

(3) 社会保障財源の確保

現時点においても国・地方を通じて大幅な財源不足となっている中、このたびの消費税引上げにより、今後も増加する社会保障関係費を賄う財源が確保されたとは言い難い。

社会保障の抜本的改革の具体化に併せ、地方が担う役割に応じたものも含め財源を確保すること。

(4) 地方法人特別税及び地方法人特別譲与税の維持

地方法人特別税及び地方法人特別譲与税は、税制の抜本的な改革において偏在性の小さい地方税体系が構築されるまでの間の措置として設けられたものである。

このたびの素案は、地方の社会保障関係費の財源として地方消費税の引上げにとどまっており抜本的な改革とは言えないことから、地方法人特別税及び地方法人特別譲与税は維持すること。

 

 

3 社会保障・税番号制度の円滑な導入

 

社会保障・税番号制度の導入に当たっては、効率的な整備を図る観点から、

ア 個人の識別に当たっては、既に整備されている住民基本台帳ネットワークシステムをベースとすること。

イ 情報連携基盤の運用については、(財)地方自治情報センターなど既存の団体を活用すること。

ウ 基本4情報についてはオンラインによる一斉更新を行うなど、効率的な仕組みとすること。

情報連携基盤のシステム整備については、国の負担により行うこと。また、地方のシステム改修に係る経費については適切に財源措置を行うこと。

番号を利用できる事務に関する法律を検討するに当たっては、条例によって利用可能となる地方独自の事務も含め、地方と十分協議の上決定すること。

 


 平成24年1月16日
 兵庫県知事 井戸 敏三

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