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更新日:2015年12月16日

平成28年度税制改正大綱について(平成27年12月16日)

1 総括

 今回の税制改正は、戦後最大のGDP600兆円の強い経済実現に向け、我が国の立地競争力の強化や企業の競争力を高めること等を主眼とする。その一環として法人実効税率の更なる引下げが実施されるが、企業の内部留保の充実ではなく、設備投資の増強や企業における賃金の引上げにつながり、個人の消費が拡大する景気の上昇への好循環とならねばならない。
 消費税率10%への引上げ時に導入される軽減税率の適用が、飲食料品について「酒類及び外食を除く飲食料品」とされたことは、国民生活に一定配慮されたものとなった。しかしながら、軽減税率の導入に必要な安定的な恒久財源の確保が先送りされたことから、消費税率引上げの目的である社会保障の充実・安定化が後退することのないよう代替財源の確保が求められる。あわせて、軽減税率の線引きについての実態に即した制度設計と十分な周知、インボイス制度導入に向けた対応について万全の準備を求める。
 政府が取り組む地方創生に関しては、ふるさと納税の企業への拡大や、今年度導入された企業の地方拠点強化税制の要件緩和も盛り込まれた。東京一極集中の是正を進めるためにも、引き続き検討するとされた地方法人課税の偏在の見直しに加え、地域別法人税率の設定等の抜本対策に取り組むことを求めたい。

 

2 個別事項

(1)法人税率引下げに伴う税収減の代替措置
 法人実効税率を法人税の引下げで対応することにより、法人税額を課税標準とする地方税の法人住民税法人税 割が減少する。この減収分に対しては、代替財源の確保や地方交付税の法定率の引上げ等の恒久的な措置により、必要な地方税財源を確保するべきである。

 

(2)地方法人課税(法人住民税、法人事業税)における偏在の是正
 消費税率の10%への引き上げに伴い、税制改革の暫定措置である地方法人特別税・譲与税制度が廃止されることとなっているが、消費税率の引上げは、社会保障財源の確保を目的としたものであり、国・地方を通ずる税財源の充実を図る税制の抜本対策とはいえないことから、抜本改革が行われるまでの間は地方法人課税の偏在是正機能を有する地方法人特別税及び同譲与税は維持されるべきであるが、この度廃止が打ち出された。
 この地方法人特別税等の廃止に伴う地方法人課税の偏在是正措置の代替として、法人住民税法人税割の税率を引き下げ、地方法人税の拡充による交付税原資化がなされる。あわせて、現行地方法人課税における均衡から、法人事業税の一部を都道府県から市町村へ交付する法人事業税交付金が創設されることとなった。しかしながら、法人事業税は都道府県税として徴収しており都道府県間の偏在が依然顕著である中で、この交付金はあくまで特例的な措置でありむやみに拡張すべきではなく、地方税財政制度本来の機能を踏まえ偏在是正に引き続き取り組むべきである。
 なお、法人住民税法人税割の交付税原資化による偏在是正により生じる財源(不交付団体の減収分)は、確実に地方財政計画の歳出に計上するとともに、交付団体の留保財源の減少分を基準財政需要額として確実に措置するべきである。

 

(3)企業版ふるさと納税(寄附)における課題
 特例措置として導入される寄附金の税額控除は、地方税の法人事業税及び法人住民税が中心となっている。しかし、地方法人課税は、地域社会の費用を構成員が分担する会費的性格を有することや、法人の寄附は事業所単位ではなく本社一括で行うことが多いことから、基本的に税額控除は国税で対応すべきものである。
 また、法人事業税と法人住民税の減収相当分については、国による財源補てんを求める。これに加えて、寄附控除の特例措置が受けられる事業の認定基準の策定等については、地方の意見を十分に踏まえるべきである。

 

(4)環境性能課税の導入に伴う適切な財源措置
 自動車取得税が廃止され、自動車税及び軽自動車税の環境性能課税が創設される。この制度変更に併せて行う燃費基準の見直しに伴う減税は地方財政への影響が大きいことから、その全額が補てんできる確実な財源措置を求める。
 また、この制度変更に伴う大規模な賦課徴収システムの改修に対しては適切な財源措置を講ずるべきである。

 

(5)森林整備等のための新たな税制等の適切な制度設計

 森林整備や木材利用を推進することは、地球温暖化防止のみならず、国土の保全や地方創生、快適な生活環境の創出につながることから、森林整備等に関する市町村の役割の強化や、地域の森林・林業を支える人材の育成確保策について必要な施策を講じた上で、市町村が主体となった森林・林業施策を推進することとし、これに必要な財源として、都市と地方を通じて国民に等しく負担を求め、市町村による継続的かつ安定的な森林整備等の財源に充てる税制(森林環境税(仮称))等の新たな仕組みを検討することとされた。
 この新たな仕組みを検討する際には、①都市と地方を通じて国民に等しく負担を求め市町村による継続的かつ安定的な森林整備等の財源に充てる制度趣旨に鑑みれば、地方税での制度設計は困難であり、国税として制度設計すべきであること。②国税として制度設計する場合でも、地方が地方税と合わせて徴収すると地方税に対する負担感の増大につながることから、徴収は国において行うこと、③新たな仕組みにより得られる財源は、その全額を市町村が主体となった森林整備等のための施策に活用すること等を基本とすべきである。

 

(6)ゴルフ場利用税の堅持
 ゴルフ場利用税は、アクセス道路の維持管理、治水等の災害防止、ごみ処理・不法投棄、水質調査等の環境対策などゴルフ場特有の行政需要に対応するための必要な財源である。ゴルフ場利用税は今後も堅持すべきである。

 

(7)償却資産に係る固定資産税課税の堅持
 中小企業等が取得する機械・設備等に係る固定資産税の課税標準を2分の1に減額する特例措置が創設された。地域経済を支える中小企業を鑑みた措置に一定の理解はするが、固定資産税の持つ応益性の観点からもむやみに拡張することがないよう、当該特例措置の延長や拡大は慎重に検討すべきである。

 

(8)農地保有に係る税制の見直し
 農地法に基づく農業委員会による農地中間管理機構の農地中間管理権の取得に関する協議の勧告を受けた遊休農地については課税を強化する一方、農地中間管理事業のための賃貸権を新たに設定する農地については固定資産税及び都市計画税を軽減することとされた。
 遊休農地への課税強化については、農業委員会による勧告の対象となる農地が限定的であり、手続が煩雑であること、また固定資産税及び都市計画税の軽減措置については、農地は元々評価額が低く減税によるインセンティブが働きにくいことが指摘できる。
 引き続き、TPPに対応する攻めの農林水産業への転換を促進するため、遊休農地の再生利用に向けた抜本的な対策に期待したい。

 

 

平成27年12月16日 兵庫県知事 井戸 敏三

 

 

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