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更新日:2006年9月1日

グローバルスタンダードの危険 (平成14年7月15日配信)

ようやく製造業を中心に業績見通しに明るい兆しが見え始めたと言われます。アメリカのIT景気が持ち直しつつあること、円安による実質競争力の向上などによる輸出関連企業の動きが中心のようです。まだまだ多くを占める非製造業には厳しいものがあるものの、回復期のパターンは製造業先行であるだけに今後に期待したいものです。


しかし、不安材料もあります。アメリカでの不正経理問題です。既にテキサスのエンロンという世界的なエネルギー企業が、架空利益の計上や違法な株価操作の後、破綻しました。続いて、世界的な通信とインターネット接続を営むワールドコムが高収益に見せかけるために粉飾決算していたことから経営危機に陥っているし、あのコピーのゼロックスでも同じ疑惑が判明しました。このように企業業績を偽ることは投資家の不信を招き、株式市場も下落しています。また、これを監査するアンダーセン監査法人も加担していたため監査法人への信頼も揺らいでいます。もともと、好調な企業業績を基盤として世界の金を集めていたはずなのに、その業績に疑いが生じるとすると、アメリカへの投資が激減しかねません。さすがのアメリカ資本主義の基盤が揺るぎかねない危機事態なのです。


企業経営のグローバルスタンダード(世界基準)の本質は私は十分理解していると言えませんが、巷間、株主利益最優先主義だと言われています。会社経営の基本は株主のためであって、この要求に応えられない経営者は去れ、ということです。しかし、経営者が株主利益の確保のために不正行為をし、そのことでかえって会社を損なう。それが株主の不信を招き、株券を屑にしてしまうというパラドックスをもたらしているのではないでしょうか。会社を合理的にさえ経営すれば良い、利益を確保すれば良いという傲慢に陥ってしまう危険があると思います。会社経営が余りにも技術的、分析的技法に依存しすぎていて、それなりの根拠をもって会社が社会的に存在していること、そのために活動し、そして報酬を得ているということを忘れてしまっているようです。


私達は、今一度企業のあり方を考えてみる必要があるのではないでしょうか。


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