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更新日:2006年9月1日

四公団の民営化に思う (平成14年8月15日配信)

テレビ番組「報道2001」を日曜日の早朝見ていたら、高速道路論争が行われていました。いわゆる民営化促進派と道路整備の必要性を訴える側との論議です。7月末には、道路四公団民営化推進委員会において関係地方団体のヒアリングも行われました。これらのやりとりを通じて明確になったのは、彼ら委員やその支援者の主張は「採算性」の有無が道路整備の判断基準だということです。

ちょっと待ってほしい。そもそも道路などの社会資本は、その効用や利便性が使用者に独占できない基本的な社会基盤である、経済学でいうスピルオーバーがあるからこそ料金では整備しにくく、税等の負担で整備することが不可欠になる公共財とされています。民間で整備できないからこそ、公共事業であるのではないか。

したがって、本来、税等で整備すべきであるが、過去の日本は財源に比して道路への需要が大きかったがために、国民からの借金で先に整備し、その後の利用者から料金を徴収して償還する有料道路方式が取られ、日本の高度成長を支える構造の一つとなっていたのです。おまけに、高速道路のような施設は全国ネットワークが完成してこそその機能が全開するのに、ぶつ切りのままでよいという考え方はどうしても理解できません。

ただ、高度成長期、右肩上がりの需要が見込めた時代にふさわしい有料道路システムが、成熟社会という成長しない、インフレではないデフレ時代を迎えて、適合しなくなっているのも事実です。見直し、構造改革は必然です。

しかし、「採算性」だけの判断基準でよいのか、さらに、上下分離のように道路本体と借金を保有する機能と運営会社に分け、運営会社を民営化するというのは、まさしく「良いところ取り」の典型で、業務の運営委託と何らかわらず、しかもその会社を上場して株主利益をめざすなど、何のための改革か、即ち、国民資産を活用して利益を上げさせる明治の産業勃興期の民間企業育成策と同じアナクロニズムではないかと思うのです。私は、償還主義を止めて元金を株主に保有してもらい、経営責任を明確に果たさせる方式としてならば賛成したいと思います。これならば経営効率と社会資本整備との調整が実現しうるのではないかと考えるからです。

また、公団の機能についても、その担う道路の種別に応じていることを基本に検討されねばなりません。国道である高速国道は国が整備すべきものを道路公団が、一般国道である本四道路は国と地方が負担する国道として本四公団が、地方道である首都及び阪神高速道路は両公団が地方に代わり整備管理しているのです。特に、本四道路については、既に地方負担分を必要に応じ負担してきたうえに、さらに平成24年まで出資を行うこととしているのだから、さらなる負担を強制される理由や根拠は全くないと考えています。

公共事業に対する認識に厳しさは必要です。その整備方式のあり方、管理のあり方、優先順位のあいまいさ、過大投資、整備費用の高さなどを見直すのは当然です。しかし、単に道路等公共投資の役割が終わった、全て民間に委せればよい、で済むのか、民間でできないからこそ、公共事業であると強く主張したいのです。

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