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更新日:2006年9月1日

大阪国際空港 (平成14年10月15日配信)

DC8というジェット機をご存じでしょうか。「空の貴婦人」と言われたとてもエレガントで乗り心地の良い、しかも飛行安定性もすぐれた機材でした。しかし、一つだけ欠陥がありました。騒音です。本来貴婦人であるが故に姿形が美しいのは当然ですが、何しろうるさいのです。離陸時の爆発音たるや、110デシベルを超える、即ち、電車のガード直下の音を飛行場の周辺にまき散らすのです。

このようなジェット機の就航に耐えて耐えて日本の戦災復興、高度成長の空の港としての西の玄関を担ってきたのはどこだったのでしょう。今や、関西国際空港という内陸部空港の弱点をクリアした空港に大きくその役割や機能を譲っていますが、今でも、大阪、京都そして兵庫県の人々の空の足として、国内基幹空港として、そして人々の交流のスポットとして活躍しているのが、大阪国際空港なのです。

なるほど、内陸部の空港として騒音問題をクリアするために、海上の国際空港、関西国際空港が整備され、今、二期工事も始まっています。しかし、大阪国際空港は国際線が就航しなくなっていることもあって、騒音エリアは大幅に減少し、その見直しも行われ、周辺の緑地整備も進行しつつあり、あの大騒音に悩まされた住民の方々と空港との共生への理解も進み、ようやく地域の核施設としながら、人々の生活との調和をめざすことが具体的かつ真摯に俎上(そじょう)にあげられている状況を迎えているのです。

こんな時に、いわばもう用済みとも言わんばかりに国土交通大臣が突然の大発言をしました。大阪国際空港は環境問題があるからその運用回数を減らす、第一種空港としての地位を見直す、環境コストの負担を見直す、というものです。大阪国際空港の運用について、周辺の住民、特に大阪国際空港騒音公害伊丹調停団連絡協議会、川西市、豊中市の航空機騒音訴訟団をはじめ、大阪国際空港騒音対策協議会(11市協)の人々が、様々な訴訟、調停に訴えてもあの環境基準をはるかに超えての激しい航空機騒音を阻止しようと立ち上がったことが、そんなに非難されることだったのでしょうか。東京の羽田と関西の伊丹があったればこそ、曲がりなりにも日本の空を支えてこられたのではないのでしょうか。ようやく国際便の関西国際空港への移転、飛行機自体の低騒音化、そして、周辺の緑地整備も目途が立ちつつある状況のもとで、周辺の人々がやっと空港と折り合いをつけて共に生きていくことを決意し、そのための地域づくり、空港とともに共生するまちづくりをしようとしているのに、同時に弊履のように捨てて良いのでしょうか。

環境対策費が6千億円にのぼることは、環境基準も達成しないのでやむなく運用のために暫定対策事業をせざるを得なかったはずなのに、最高裁でも騒音被害が認定され敗訴し、かろうじて運用中止だけを逃れたという立場を忘れ去り、しかも、たった10年程しか経ていない大阪空港のあり方についての協定の趣旨に反した主張をするものです。しかも何の事前協議もなく一方的です。国というのは、そんなに自分勝手なことをしても許されるのでしょうか。それならそれで私達も考えがあります。

私は、兵庫県の考え方を断固主張すべくこの10月7日に上京して国土交通省関係部局をはじめ関係者に説明してきました。

(1)大阪国際空港の第一種空港の位置づけの変更、発着枠の縮小はあまりにも一方的で、大阪国際空港のみの議論としては受け入れられない。
(2)環境対策費の負担の見直しは、騒音問題が未解決のなかでは、引き続き国の責任で対策を講ずるべきである。
(3)大阪国際空港は、関西唯一の空港として貢献してきたこと。環境対策費も要は環境基準未達成下での運行が強いられた結果であること。ようやく共生の地域づくりが目されていること。現在1,700万人も利用者がいる中でサービス低下を人為的に強行し得ないこと。利用者無視になること。
(4)近畿圏2,500万人の21世紀の航空需要を賄うためには、国際拠点空港としての関西国際空港、国内基幹空港としての大陸国際空港、地方空港としての神戸空港がそれぞれの役割、機能を果たすように整備、運用すべきであること。
(5)したがって、国民共有の財産として、大阪国際空港を今後とも地元住民と共生する中で引き続き活用していくべきであること。

これらの基本的考え方に沿って、兵庫県としては、強く行動、主張、推進していきますのでどうぞよろしくご理解を願います。

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