令和3年度(2021年度) 兵庫県内の消費生活相談状況~定期購入トラブル増加 若者に目立つ“もうけ話”トラブル~県内の消費生活相談窓口に寄せられた相談の総件数は47,218件と、新型コロナ関連の相談で急増した前年度(2020年度)(51,601件)から8.5%減少したが、一昨年度(2019年度)(46,864件)とほぼ同件数となった(図1)。コロナ禍で、インターネット利用の増加の影響を受け、ネット検索、ネット通販、SNS、電子メールがきっかけとなる消費者トラブルは引き続き増加している。インターネット通販を含む定期購入の苦情は過去最高となり、特に化粧品に関する苦情が、倍増した(図5)。1 定期購入トラブルが過去最多 コロナ禍での外出自粛等の影響で、インターネット通販(12,292件)の苦情が増加傾向にあり(図4)、苦情相談全体(40,942
件)の約3割を占めている。「お試しの1回だけのつもりで申し込んだが、複数回の購入が条件だった」というような、定期購入に関する苦情は年々増加し、インターネット通販以外も含めた全体で2,982件。商品別では「化粧品」(1,767件)「健康食品」(858件)の2品(2,625件)が約9割を占め、とりわけ「化粧品」は、前年度(887件)のほぼ倍増となり、過去最多となった。(図5) インターネット通販でのわかりにくい申込画面でのトラブルが多発したことから、昨年、特定商取引法が改正され、本年6月から最終申込画面に申込内容、回数、金額、期間等の表示をすることが義務づけられたため、必ず確認してほしい。2 偽メール、偽サイトなど ネットトラブル多発 商品やサービスを特定しない「商品一般」の中では、SMS、メール等に関するものが各世代で増加傾向にある(図8)。身に覚えのないサイトの利用料金、その他の未納料金などの架空請求の相談が幅広い年代から多く寄せられた。 偽メールや偽SMSは、大手事業者(宅配事業者、通販事業者、携帯電話会社など)を装うものが多い。メール等に記載のあるリンクをクリックしたり、こちらから電話をかけることで、相手に個人情報を取られたり、お金を要求されるケースもあるため注意が必要である。 また、偽サイトで、格安と思って購入した商品が届かないという相談も多く、極端に安い価格、事業者の連絡先の記載がない、日本語が不自然等、少しでもあやしいと感じたら利用しないことが重要である。3 水回り修理 件数急減も 高額請求トラブルは高水準が続く 県内で急増していたトイレ等の詰まりの修理で、広告とかけ離れた料金を請求されるなどの「水回り修理」の相談件数は、403件と前年度(672件)から40%減少し(図10)、既払平均額も、17.3万円で前年度( 20.4万円)より減少したが、引き続き高い水準にあるため、引き続き注意が必要(図11)。 また、同様の手口での、鍵の修理、害虫駆除等の、暮らしのレスキューサービスでの苦情が増加している。4 20歳代以下の若者に目立つ「エステ」「マルチ取引」「出会い系サイト」「情報商材トラブル」 未成年者取消権が使えなくなる成年年齢20歳を境に相談が増加する傾向が続いており、2021年度も19歳以下1,074件と、20~24歳1,784件と急増している(図3)。令和4年4月から、成年年齢が18歳に引き下げられたこともあり、若者世代の消費者トラブル防止のためラップ動画などを活用し注意喚起を強化していく。SNSや動画サイトの広告などがきっかけとなる消費者トラブルが多くなっているが、「エステティックサービス」「マルチ取引」「出会い系サイト」「情報商材」では、20歳代以下が相談全体に占める割合が大きかった(図13)。「エステティックサービス」が240件と、前年度(153件)から56.9%と急増した。(図14)「マルチ取引」では、特に成人になりたての「20~24歳」が36.4%を占め、突出して多かった。(図15)
【2022年6月30日付け追加】解説編、別表編を訂正いたしました。以下の正誤表をご参照ください
【2022年9月1日】概要、解説編を訂正いたしました。以下の正誤表をご参照ください。