県内各市町が2022年中(1~12月)に発行・発表した各種広報媒体(広報紙・広報写真・映像作品)のうちから、優秀な作品を選び表彰する「第70回兵庫県広報コンクール」の各部門入賞作品が決定しました。
1 審査結果及び講評
(特選作品のみ。その他の入賞作品は、参考1.の審査結果一覧表を参照ください)
<広報紙部門>
市の部 特選 洲本市 「広報すもと 11月号」
全体的にシンプルなレイアウトで読みやすい。
「ひきこもり」という誤解されがちな難しいテーマの特集だが、上り坂を杖で歩む男性の表紙写真に目を惹かれ、また、男性の心情が絞り出たタイトルに引き込まれた。デザインも、テーマと響き合っていて表現のクオリティが素晴らしい。それでいて(だからこそ)誌面全体に漂う「洲本」という町の空気感。以前から取り組んでいる余白を大切にしたデザインが結実したように思います。本人の体験や家族の思いなど複数の人に語らせて厚みがあり、支える側の取り組みをしっかり紹介することで優しく寄り添い、体温が伝わる記事となった。
町の部 特選 佐用町 「広報さよう 12月号」
地域の重要な交通インフラが廃止の危機に瀕しているという切迫した問題をストレートにぶつけた13ページにも渡る渾身の特集。喫緊の課題である赤字ローカル線問題の歴史を紐解き、すでに廃線となった鍛冶屋線沿線からの「言伝」や利用者の願いを飾ることなく掲載した。簡単な問題ではないが、データも揃えて誠実に向き合った。「自分ごと」「それぞれの立場」「問題提起」の広報誌に必要な全てが入っているのは秀逸である。
<広報写真部門>
一枚写真の部 特選 佐用町 「広報さよう 7月号」表紙
シンプルな構図だが、バッタを手に乗せた男の子の目線や表情が絶妙で、自慢げに見えるし、集中しているようにも見える。それが撮影できたのも、スマホという普段見慣れた機器を向けたことからなのか、撮影者との距離感なのか、子どもに負荷をかけないさりげない撮影が偶然ではない1枚につながりました。全体のデザインとしても、ボケ感を活かし、男の子の表情が生きるように思い切ったトリミング、控えめなキャプション、そして男の子のカラフルな洋服と呼応するようなタイトルの色合いがうまくまとまり、一人の表情ながらイベント全体のワクワク感が奥に感じられる。
組み写真の部 特選 多可町 「広報たか 10月号」表紙
「息る」という聞き慣れない言葉のタイトルと、その連想した2枚がとても「攻めて」いて、地域への思いが伝わる。命に向き合う多可町の人たちを取材したという特集の姿勢が、説明しすぎないこの二枚の写真を組んだことで、押し付けがましくなく読者にも届いたのではないだろうか。一枚ではなくあえて組写真である意味を非常に感じさせられる表紙である。
<映像部門>
特選 小野市「小野まつり」
豊かな色彩や笑顔を捉えたカメラワーク、曲に合わせたカット割、テンポの良い構成で、小野まつりの魅力を十二分に伝えた。祭りや曲の情報を映像と融合させつつ提示すれば、さらに感情を揺さぶり全国発信につながると思う。
2 主催・後援
主催:兵庫県、兵庫県広報協会
後援:兵庫県市長会、兵庫県町村会
(参考)資料
(1)第70回兵庫県広報コンクール審査結果一覧表
(2)審査講評(各部門の全体講評)
(3)部門別の応募総数・入賞数
(4)特選作品写真