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更新日:2023年10月23日

意見書 第10号

生涯を通じた国民皆歯科健診の実現を求める意見書

 

 現在、我が国では法的根拠に基づく歯科健診として、母子保健法に基づく健診、学校保健安全法に基づく健診が行われ、該当年齢の国民は歯科健診を受診している。一方、成人期では健康増進法に基づく40、50、60、70歳の歯周疾患検診、高齢者医療確保法に基づく後期高齢者歯科健診が行われているが、その受診率は極めて低い。また、事業所における歯科健診は歯科特殊健康診断として有害業務に従事する労働者に義務付けされているのみである。

 近年、歯と口腔の健康は、心身にわたる全身の健康の保持・増進にとって極めて重要な要素であることが明らかとなっており、健康寿命の延伸やQOLの向上のためにはライフステージに応じた切れ目のない歯科健診の実施が必要である。人生100年時代を迎える中において口腔ケアは健康寿命の重要な鍵であり、過剰な医療費の抑制という点からも、ライフステージに応じて継続的に歯科健診の実施が必要である。

 こうした中、国において令和5年6月16日に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2023」には、「生涯を通じた歯科健診(いわゆる国民皆歯科健診)」に向けた取組の推進等、歯科保健医療提供体制の構築と強化に取り組む旨、記載されている。また、令和6年度から適用される健康増進法に基づく「国民の健康の増進の総合的な推進を図るための基本的な方針(いわゆる健康日本21(第3次))」の実施計画では、「歯周病を有する者の減少」、「よく噛んで食べることのできる者の増加」とともに「歯科検診の受診者の増加」が「歯・口腔の健康」の目標として掲げられ、「過去1年間に歯科検診を受診した者の割合」を令和14年度には95%にすることが指標として明記された。

 よって、国におかれては、国民皆歯科健診の実現に向けた具体的な検討を早急に進めるとともに、下記の事項につき措置されるよう強く要望する。

1 早期に国民皆歯科健診の実現に向けた法改正を行うこと。

2 国民皆歯科健診の制度設計等に関する具体的な検討を進めるに当たっては、地方自治体をはじめ関係者の意見を十分に酌み取ること。

3 国民皆歯科健診の実施に際し、国において十分な財政措置を講じること。

4 国民に対して歯と口腔の健康づくり及び歯科健診の重要性についての啓発や健診受診後の定期的な歯科受診の勧奨を行うなど、歯科疾患の発症や再発、重症化予防のための総合的な取組を推進すること。

 

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

令和5年10月23日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官  
総務大臣             様
財務大臣
厚生労働大臣
経済産業大臣
内閣府特命担当大臣(経済財政政策)

兵庫県議会議長  内藤 兵衛

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