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喫茶フォルクス 店員

淹れたてのコーヒーと
自慢のガーデンで、地域に癒しを。

喫茶フォルクス 店員藤原 佳織さん(ふじわら かおり)

豊かな緑に囲まれ、爽やかな風が心地よい黒田庄地区。黒田庄駅から北西へ2kmほど進むといっそう緑が濃くなり、駅前とはガラッと雰囲気が変わります。生き物たちの声がにぎやかな、ゆったりとした時間が流れる柔らかい空間。そんな場所で、自慢のガーデンと美味しいコーヒーでたくさんの人々を癒してきた、喫茶フォルクスの藤原さんにお話を伺いました。

喫茶フォルクス 店員

ここ喫茶フォルクスについて教えてください。

藤原さん:このガーデンは、北播磨の豊かな自然と美しい景観を活かしたイングリッシュガーデンとして平成10年にオープンしました。もともとは別の方がここで喫茶店をやっていたのですが、引き継ぐようなかたちで、平成29年から喫茶フォルクスとして営業しています。

喫茶フォルクス 店員

このお店のおすすめしたい所は?

藤原さん:そうですね、ガーデンだとやっぱり青々とした緑が綺麗な新緑の季節に来てもらうのがおすすめですね。このあたりは鹿などの野生動物が多くて、花がつきづらいんです。だから、お花目当ての人には申し訳ないんですけど、緑の美しい時期にぜひ来てほしいですね。
あと、もちろんコーヒー。それと、地元の名物である黒田庄和牛の牛すじカレーがめちゃくちゃ美味しいのでおすすめです。年配のお客さんも多いので、牛すじが柔らかくなるよう手間暇かけてじっくり煮込んだ自慢の一品です。四季を感じられる庭を眺めながら、ぜひ食べていただきたいです。

喫茶フォルクス 店員

加古川線でいらっしゃるお客さんはいますか?

藤原さん:ここは黒田庄駅から歩いて20分くらいのところにあるので、駅前を散策しながら来られる方や、ハイキングの途中に寄ってくださるお客さんもいますね。ただ、やっぱり遠方の方は車で来られる方が多いですかね。そのほか、最近だと免許返納をされたご夫婦がお茶したいときに歩いて来てくださることもあります。

喫茶フォルクス 店員
喫茶フォルクス 店員

藤原さんは、ふだん加古川線を使うことはありますか?

藤原さん:正直な話、あまりないです(笑)。独身のころは粟生駅から加古川駅まで通勤で利用していたんですけどね。私の子どもは学生のとき、黒田庄駅から粟生駅まで通学で使っていましたよ。1本逃すと次が2時間後みたいなこともあるので、私は実際に乗らなくても駅まで家族を送ったりだとかはよくしていて、やっぱり身近な存在だなとは思います。

存続が危ぶまれているという話もありますが。

藤原さん:そうなんですよね。お店としては車を持っていないお客さんもいるので、その影響はあるのかなって。店を案内するときに「電車でも来られますよ」っていうのがあるのとないのでは全然違うし。
だからやっぱり、電車がなくなるとお店に来る選択肢が1つなくなってしまうかな。お店としてもですけど、何より学生さんのために残したいという気持ちはみんな一緒なんじゃないかなと思います。通学の手段としてあるのとないのでは大違いですし、電車がないと新しい方も住んでくれないかもしれないですから。
それに、高齢化が進んでいる地域なので、免許返納とかで交通手段がなくなると住み続けるのが厳しいから残してほしいというのもありますね。

喫茶フォルクス 店員
喫茶フォルクス 店員

加古川線の魅力はズバリ?

藤原さん:うーん、難しいな(笑)。加古川線は時間の流れが他の電車と違って、ゆったりとしていてなんだか安心する、そんな路線です。夏には田んぼの水面に自身の姿を反射させ、秋には黄金色に光る稲穂のなかを走る。まちの一部であり、まちの人々にとってなくてはならない。そんな存在自体が魅力の路線ですね。

喫茶フォルクス 店員

香ばしいコーヒーに美しいガーデン。日々の疲れを癒すにはもってこいの素敵な喫茶店でした。もし加古川線がなくなったら、たくさんの人の癒しの場が失われることになるかもしれない。交通網と地域住民の生活は、深く結びついていることを実感するインタビューになりました。

ここでしか、四季折々の植物たちと逢えま線。

喫茶フォルクス

所在地 〒679-0311
兵庫県西脇市黒田庄町喜多1518-1
TEL 0795-28-5120
営業時間 9:00~16:00(軽食は11:30~14:00)
定休日 水曜日(祝日の場合は翌日)、年末年始
喫茶フォルクス 店員