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「高砂港向島突堤」の選奨土木遺産認定について

2023年9月25日

担当部署名/東播磨県民局加古川土木事務所港湾課  直通電話/079-421-9205

 このたび、令和5年9月22日に開催された土木学会理事会にて、「高砂港向島突堤」が選奨土木遺産に認定されましたので、お知らせします。

1 所在地

 (東播磨港高砂地区)

 高砂市高砂町向島町・相生町(別紙参照)

2 施設概要

 (1)種別  東防波堤(一文字波止):L=95m+75m=170m、西防波堤:L=25m

 (2)構造  石積み護岸他

 (3)竣工年 1866年(慶応2年)完成(着工:1808年(文化5年))

       1961~1964年(昭和36~39年)修繕工事

       1961~1967年(昭和36~42年)埋立工事時に一部撤去

 (4)管理者 兵庫県(東播磨県民局加古川土木事務所)

3 認定理由

 (1)工楽松右衛門が改修した当時(1800年代)の姿を偲ばせる石積みが部分的に残り、高砂港の改修と、そこ

   に用いられた土木技術の歴史を現代に伝える貴重な構造物である。

  (※ 丈夫な帆布「松右衛門帆」を発明し、築港工事で日本の海運を支えた高砂市生まれの人物)

 (2)「大型船が出入りできる港を整備したことで物流量が増加し、高砂の経済発展に寄与した功績は非常に大き

  く、現在も播磨臨海工業地域の一翼を担っている。

4 高砂港の改修経緯等

 ・初代工楽松右衛門が、長年にわたる土砂の堆積で、浅くなり船舶の碇泊に支障をきたす状況になっていた高砂

  港の改修工事に着工(1808年(文化5年))。

 ・工楽家はその後、三代にわたって55年の歳月をかけ、高い土木技術をもって高砂港の改修を行い、近世後期以

  降の新田開発や港湾整備などのまちづくりに活かしていた。

 ・当該港湾は、1964年(昭和39年)重要港湾「東播磨港」(高砂地区)に指定。

5 特記事項

 ・初代工楽松右衛門は、日本列島各地の埠頭、船たで場(ドック)等の造成および港・河川の浚渫工事を安全に推

  進し、省力化を図るため、多くの特殊作業船を開発・駆使した。