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兵庫県立考古博物館加西分館「古代鏡展示館」春季企画展「聖獣 麒麟ーこころ優しき獣の長ー」(加西市)
古代中国では、想像上の動物「聖獣」が数多く生み出されました。麒麟(きりん)もそのひとつで、春秋時代頃にはその概念が成立したとされます。漢時代になると、麒麟は鳳凰(ほうおう)・霊亀(れいき)・応龍(おうりゅう)とともに「四霊(しれい)」と呼ばれるようになり、具体的な姿で表現されるようになります。鹿のような体に牛の尾や1本の角を持ち、その姿は今日の我々がイメージする麒麟とは大きく異なります。肉に覆われた角や丸い足は、他に害をなさないとされ、仁獣とも呼ばれました。
本展では、聖獣・仁獣といわれる麒麟の、時代とともに変貌するその姿や概念の変遷を紹介します。
【観覧時間】午前9時~午後5時※入館は午後4時30分まで(県立フラワーセンター入園は午後4時まで)
【休館日】水曜日(ただし3月18日(土曜日)から5月9日(火曜日)の期間は無休)
【観覧料】一般100円、高校生以下無料、障害者手帳及びミライロID提示で本人は75%減免、介助者1名は無料
別途フラワーセンター入園料(一般500円/各種割引有り)が必要です。
【展示内容】
瑞獣龍鳳紋鏡(ずいじゅうりゅうほうもんきょう)など6点(当館蔵)
呉州赤絵写魁手鉢(ごすあかえうつしさきがけではち)など6点(兵庫陶芸美術館蔵)
(一部展示期間が異なります。)
【主な展示品】
1.褐釉博山酒尊(かつゆうはくざんしゅそん)(後漢時代)当館蔵、高さ25.6センチメートル、幅23.0センチメートル
青銅器の酒尊(酒等を温めておく器)を模した褐釉陶器(鉛釉陶器(えんゆうとうき))です。3本の箍(たが)の間に獣や魚等が描かれており、蓋は神仙(しんせん)が住むという博山(はくざん)を象(かたど)っています。
2.瑞獣龍鳳紋鏡(ずいじゅうりゅうほうもんきょう)(唐時代)当館蔵、径20.4センチメートル、重さ2,173グラム
中央の半球形の鈕(ちゅう)の廻りに2羽の霊鳥、2匹の霊獣が鋳出され、外縁に銘文が時計回りに巡る青銅鏡です。銘文には「鸞翔鳳舞(らんしょうほうぶ)龍謄鱗跳(りゅうとうりんちょう)」とあることから、鹿形の霊獣は「鱗(りん)」に対比でき、「鱗」と「麟」が同音の「リン」であるため、この霊獣は「麒麟」であると判断できます。
3.呉州赤絵写魁手鉢(ごすあかえうつしさきがけではち)(江戸時代後期から明治時代前期)兵庫陶芸美術館蔵(田中寛コレクション)、高さ10.1センチメートル、口径19.2センチメートル
珉平焼(みんぺいやき)の鉢で、中国の漳州窯(しょうしゅうよう)で明時代末期から清時代初期にかけて作られた呉州赤絵を手本に作られています。見込みに「魁」の字が書かれ、側面に麒麟が描かれています。一本の角と幅広い尾は麒麟の特徴を表しています。
褐釉博山酒尊(かつゆうはくざんしゅそん)
瑞獣龍鳳紋鏡(ずいじゅうりゅうほうもんきょう)
呉州赤絵写魁手鉢(ごすあかえうつしさきがけではち)
会場名 | 兵庫県立考古博物館加西分館「古代鏡展示館」 |
会場住所 | 兵庫県加西市豊倉町飯森1282-1(県立フラワーセンター内) |
会場へのアクセス | 【車】(無料駐車場あり) 中国自動車道加西インターから南へ3km 山陽自動車道加古川北インターから北へ9km 加古川バイパス加古川西ランプから北へ17km 【電車】 北条鉄道北条町駅からタクシー又はバスを利用 その他アクセスについては、加西分館ホームページをご覧ください。 |
上記会場へのアクセスをご覧ください。
兵庫県立考古博物館加西分館
主催者名 | 兵庫県立考古博物館加西分館「古代鏡展示館」 |
住所 | 兵庫県加西市豊倉町飯森1282-1(県立フラワーセンター内) |
電話 | 0790-47-2212 |
FAX | 0790-47-2213 |
【関連行事】
講演会「聖獣 麒麟」(事前予約(6月17日(土曜日)から)が必要)
日時:令和5年7月15日(土曜日)午後1時30分から午後3時
講師:村上賢治(当館学芸員)
会場:当館2階第1会議室
定員:先着20名(中学生以上が対象)
学芸員による「ギャラリー・トーク」(事前予約は不要、観覧券が必要)
日時:3月25日(土曜日)、4月8日(土曜日)、4月22日(土曜日)、
5月6日(土曜日)、5月20日(土曜日)、6月17日(土曜日)、
8月12日(土曜日)
いずれも午後1時30分から午後2時
会場:展示室
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