更新日:2023年3月17日

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下水道・主要施策の概要

(1)流域下水道事業の推進

  • ア)猪名川流域下水道
    猪名川流域下水道は、昭和41年4月に供用開始していた豊中市単独公共下水道を流域下水道としたもので、大阪府と共同で順次整備を進め、令和3年度末現在で425,500m3/日(うち兵庫県分223,560m3/日)の処理能力を有しています。
    また、平成8年度から大阪湾のより良好な水環境の保全・創造を図るため、窒素及びリンも除去できる高度処理施設の整備に取り組んでいます。
  • イ)武庫川上流流域下水道
    武庫川上流流域下水道は昭和60年5月に供用開始し、その後も引続き整備を進め、令和3年度末現在で100,000m3/日の処理能力を有しています。
    処理方法は、下流の水道原水に配慮し、当初から標準活性汚泥法に加えて急速ろ過処理を行っていましたが、放流水の窒素削減を図るため、平成2年度に窒素も除去出来る高度処理方法に計画変更し、平成11年10月に全系列の高度処理化が完了しました。
  • ウ)武庫川下流流域下水道
    武庫川下流流域下水道は昭和51年10月に供用開始し、その後も引き続き整備を進め、令和3年度末現在で357,000m3/日の処理能力を有しています。
    本流域下水道は、合流区域を有しており、雨天時汚水の放流負荷を削減させることを目的とした雨水沈殿地の整備を進め、平成13年度末に全系列が完成しました。
    さらに、大阪湾の良好な水環境の保全・創造を図るため、平成15年度に窒素も除去できる高度処理方法に計画変更し、高度処理化に取り組んでいます。
    また、夏場晴天時の電力需要ピークカット等に対応するため、太陽光発電設備の整備を進め、平成25年7月から運転を開始しました。
  • エ)加古川上流流域下水道
    加古川上流流域下水道は、平成2年6月に供用開始し、その後も引き続き整備を進め、令和3年度末現在で108,000m3/日の処理能力を有しています。
    処理方法は、下流の水道原水に配慮し、当初から標準活性汚泥法に加えて急速ろ過処理を行っていましたが、平成10年度に窒素も除去出来る高度処理方法に計画変更し、平成15年2月に全系列の高度処理化が完了しました。
    また、幹線管渠は、平成16年度末に加西幹線延伸部の整備完了により全線が完成しており、汚泥の増加に対応した2基目の汚泥焼却炉も平成17年度末に完成しました。
    なお、夏場晴天時の電力需要ピークカット等に対応するため、太陽光発電設備の整備を進め、平成29年4月から運転を開始しました。
  • オ)加古川下流流域下水道
    加古川下流流域下水道は平成4年6月に供用開始し、平成5年4月には加古川市単独公共下水道尾上処理区を流域下水道に統合しました。その後も引き続き整備を進め、令和3年度末現在で159,900m3/日の処理能力を有しています。
    また、本流域下水道は合流区域を有しており、雨天時汚水の放流負荷を削減させることを目的とした処理施設の改築を進め、平成25年末に完成しました。また、平成20年度から冬季に栄養塩である窒素排出量を増加させる運転に取り組んでいます。
  • カ)揖保川流域下水道
    揖保川流域下水道は、高濃度の汚濁物質を含む皮革排水に対応するため、処理方式を酸素活性汚泥法として昭和63年6月に供用開始し、その後も引き続き整備を進め、令和3年度末現在で106,750m3/日の処理能力を有しています。
    皮革排水については、平成6年6月に全量受入れを達成し、これにより揖保川の水質は大幅に改善されました。
    また、夏場の電力需要ピークカット等に対応するため、平成25年7月から太陽光発電設備の供用を開始しました。その他、平成30年度から冬季に栄養塩である窒素排出量を増加させる運転の試行に取り組んでいます。

流域下水道名

全体計画

令和3年度末整備状況

猪名川流域下水道
[対象市町]
伊丹市、尼崎市、宝塚市、川西市、猪名川町

処理面積6,462.6ha
処理人口364.4千人
事業年度S41~
管渠34.1km
処理場1ケ所

処理能力223,560m3/日
人口整備率99.9%
管渠整備率100%

武庫川上流流域下水道
[対象市]
神戸市、西宮市、三田市

処理面積6,979.1ha
処理人口211.4千人
事業年度S53~
管渠16.3km
処理場1ケ所

処理能力100,000m3/日
人口整備率99.5%
管渠整備率100%

武庫川下流流域下水道
[対象市]
尼崎市、西宮市、伊丹市、宝塚市

処理面積6,677.8ha
処理人口629.1千人
事業年度S44~

管渠33.8km
ポンプ場3ケ所
処理場1ケ所

処理能力357,000m3/日
人口整備率100%
管渠整備率100%

加古川上流流域下水道
[対象市町]
神戸市、西脇市、三木市、小野市、加西市、加東市

処理面積18,348.6ha
処理人口201.5千人
事業年度S51~
管渠46.3km
ポンプ場2ケ所
処理場1ケ所

処理能力108,000m3/日
人口整備率94.3%
管渠整備率100%

加古川下流流域下水道
[対象市町]
加古川市、高砂市、稲美町、播磨町

処理面積6,971.3ha
処理人口300.7千人
事業年度S62~
管渠22.6km
処理場1ケ所

処理能力159,900m3/日
人口整備率97.7%
管渠整備率100%

揖保川流域下水道
[対象市町]
姫路市、宍粟市、たつの市、太子町

処理面積9,397.1ha
処理人口160.0千人
事業年度S53~
管渠59.7km
ポンプ場2ケ所
処理場1ケ所

処理能力106,750m3/日
人口整備率97.0%
管渠整備率88.4%

(注1)人口整備率は、供用開始告示済み区域内現住人口/全体計画区域内現住人口である。

 

(2)流域下水道の管理状況

流域下水道は、普及率の向上に伴って、下水道施設の機能を十分に発揮させ、効率的で適正な管理を行うことが益々重要となっています。

流域下水道の管理状況(令和3年度)

流域下水道名

処理水量

水質

年間処理水量
(千m3/年)

日最大

処理水量
(m3/日)

BOD(年平均)
(mg/L)

SS(年平均)
(mg/L)

流入水

放流水

流入水

放流水

猪名川

62,959

170,667

150

5.2

174

3.0

武庫川

上流

25,063

73,494

130

1未満

140

1未満

下流

101,323

313,462

110

1.2

110

1未満

加古川

上流

29,198

90,428

170

1未満

200

1未満

下流

44,737

154,102

124

3.6

114

3.0

揖保川

28,190

98,247

310

6.8

200

6.0

合計

291,470

900,400

放流水の排出基準

放流水の排出基準

25(20)

90(70)

(注)()内は、日間平均値。

BOD(生物化学的酸素要求量)とは、水の汚れを表す代表的な指標の一つで、水中の有機物が微生物の働きによって分解されるときに消費する酸素の量をいう。
数値の値が大きいほど汚れの度合いが高い。

SS(浮遊物質)とは、汚れを表す指標の一つで、水中に縣濁している大小さまざまな粒子のことで、一定の試験で測定された量を浮遊物質と定義している。
数値の値が大きいほど汚れの度合いが高い。

猪名川流域下水道は兵庫県側市町4市1町分のみの処理水量を示している。

放流水の排出基準は、水質汚濁防止法第3条第3項の排出基準に関する条例による。

 
水のきれいさを表す生物指標(河川)

類型

AA

A

B

C

D

E

BOD

1mg/L以下

2mg/L以下

3mg/L以下

5mg/L以下

8mg/L以下

10mg/L以下

生物

自然状態

ヤマメ・イワナ

サケ・アユ

コイ・フナ

農業用水

快適な遊歩

 

(3)公共下水道事業の促進

市町は、主として市街地における下水を排除・処理するために公共下水道(狭義)を、また市街化区域以外の区域で特定環境保全公共下水道を整備している。公共下水道(狭義)及び特定環境保全公共下水道を公共下水道(広義)としており、令和4年4月1日現在、29市12町1組合で事業実施している。

(4)流域下水汚泥処理事業の推進

阪神地域及び播磨地域における下水汚泥の処理・処分については、日本下水道事業団が「エース事業」により実施していたが、国の「特殊法人等整理合理化計画」(平成13年12月閣議決定)において同事業団のエース事業は廃止・地方移管されることになりました。
これを受けて、県は関係機関との協議を経て「流域下水汚泥処理事業」として引き続き実施することとし、平成14年度末の事業移管とあわせて関係市町から事務委託を受け、同事業を行っています。

【施設の概要】
 

兵庫東流域下水汚泥広域処理場

兵庫西流域下水汚泥広域処理場

位置

尼崎市平左衛門町18番地4

姫路市網干区興浜字第一味岡2093

面積

64,400m2

126,000m2

供用開始

平成元年4月

平成元年11月

現有能力

200t/日×3基

145t/日×2基、200t/日×1基

関連市町

尼崎市・西宮市・芦屋市

姫路市・たつの市・太子町

流域関連市町

神戸市・尼崎市・西宮市
・伊丹市・宝塚市・三田市

姫路市・宍粟市・たつの市・太子町

 

(5)県代行下水道事業の実施成果

県代行制度が平成3年度に創設され、これまでに19町(現在9市4町)で事業を実施し、平成16年度末において全処理場が供用開始しています。平成17年度は、新温泉町(旧温泉町)及び淡路市、(旧津名郡一宮町及び旧北淡町)において汚泥処理設備工事を実施して、県代行下水道事業がすべて完了しました。

【県代行事業の概要】

市町名

事業概要

事業期間(年度)

供用開始

処理場
(処理能力:m3/日)

管渠
(延長:m)

篠山市(旧西紀町)

790

1,947

平成7~平成11

平成12年3月

佐用町(旧南光町)

1,379

3,760

平成5~平成11

平成10年6月

佐用町(旧三日月町)

1,700

5,420

平成4~平成10

平成10年4月

宍粟市(旧波賀町)

1,110

2,518

平成4~平成7

平成7年9月

宍粟市(旧千種町)

1,350

1,649

平成7~平成11

平成11年4月

豊岡市(旧城崎町)

8,900

580

平成7~平成16

平成15年12月

豊岡市(旧竹野町)

2,650

803

平成3~平成8

平成9年3月

豊岡市(旧但東町)

1,310

5,960

平成6~平成11

平成11年3月

香美町(旧村岡町)

1,551

5,460

平成4~平成8

平成9年3月

香美町(旧美方町)

1,440

3,449

平成7~平成14

平成14年3月

養父市(旧大屋町)

795

1,810

平成5~平成8

平成8年7月

養父市(旧関宮町)

900

1,500

平成6~平成10

平成10年7月

朝来市(旧生野町)

2600

2,381

平成9~平成11

平成10年4月

朝来市(旧朝来町)

1,400

2,579

平成7~平成10

平成10年4月

洲本市(旧五色町)

864

824

平成9~平成12

平成11年12月

淡路市(旧淡路町)

 

2,110

平成9~平成11

平成10年3月

新温泉町(旧温泉町)

2,900

5,341

平成12~平成17

平成16年11月

淡路市(旧北淡町)

1,920

3,630

平成14~平成17

平成17年3月

淡路市(旧津名郡一宮町)

2,230

7,090

平成13~平成17

平成17年3月

 

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お問い合わせ

部署名:土木部 下水道課

電話:078-362-3553

内線:計画指導班

FAX:078-362-4282

Eメール:gesuidouka@pref.hyogo.lg.jp