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更新日:2024年11月1日

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【防災の実践3:伝える】震災の経験や教訓を次世代に継承・発信する

人と防災未来センター東館3階「BOSAIサイエンスフィールド」

「1・17は忘れない」、多くの尊い命とかけがえのないものを奪った阪神・淡路大震災。被災地では、創造的復興をめざして懸命の努力を重ねつつ、震災の経験と教訓の発信、災害被害の軽減にも積極的に取り組んできた。しかし、自然災害がなくなることはなく、完全に防ぐこともできない。私たちにできるのは、事前に備え、被害をできるだけ軽減し、被災してもすみやかに復旧復興できるようにすること。それだけに、震災の経験と教訓をしっかりと伝え、次なる災害に備えていくことが何より大切。

震災を風化させない「ひょうご安全の日

阪神・淡路大震災の経験と教訓を継承するとともに、いつまでも忘れることなく、安全で安心な社会づくりを期する日として、1月17日を「ひょうご安全の日」と定め、県民の参画のもとさまざまな事業に取り組んでいる。

  • (1)ひょうご安全の日のつどい(追悼行事)
    震災の経験と教訓をいつまでも忘れることなく、安全・安心な社会づくりに向けて歩む決意を発信する。

ひょうご安全の日のつどい【2020年1月17日】

 

  • (2)ひょうご安全の日推進事業(助成事業)
    県民グループ等による、震災の経験と教訓を発信し災害への備えや減災に寄与する活動に対し助成を行う。

  • (3)防災力強化県民運動
    県民・地域・企業などさまざまな主体に対し、防災に関する実践活動を促す県民運動を推進。

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阪神・淡路大震災の経験と教訓を後世に継承する「人と防災未来センター」

阪神・淡路大震災の経験と教訓を後世に継承し、国内外の災害による被害の軽減に貢献するための施設「人と防災未来センター」。2002(平成14)年の開館以来、1,000万人超が来館している。困難を乗り越え、復興を遂げた阪神・淡路だからこそ伝えることができる安全確保のための知識や、災害時に自分や家族など、大切な人をどう守るかを学ぶことができる貴重な施設となっている。2022(令和4)年には、開館から20周年の節目を迎え、国と連携した「防災推進国民大会2022(通称:ぼうさいこくたい)」などの記念行事を実施した。また、2024(令和6)年には、阪神・淡路大震災の体験談を交えた展示や体験型コーナーが充実している点、小中学生等を対象にした防災セミナーが多く実施されている点等が評価され、NIPPON防災資産に「優良認定」された。

最新技術で災害をリアルに体験できる「BOSAIサイエンスフィールド」

2021(令和3)年6月、人と防災未来センターに、最新技術を取り入れた「BOSAIサイエンスフィールド」(東館3階)が誕生した。自然現象と人々の生活が交わることで発生する自然災害を学ぶ「ディザスターウォール」、自然現象のメカニズムと自然災害の結びつきが体験できる「ジオ&スカイホール」、災害時の行動が本当に最善かをクイズ形式で学ぶ「クエスチョンキューブ」など、6つのエリアで構成されている。

なかでも注目なのは、地震や津波、風水害の現場をVR映像と音声で体験できる「ハザードVRポート」と、コンビニからの避難行動を学ぶ「ミッションルーム」。「ハザードVRポート」では360度に広がる映像や座席の振動装置を通じて、まるで地震や津波などの災害に直面したような脅威を疑似体験できる。コンビニをリアルに再現した「ミッションルーム」では、地震・津波発生時の避難行動をシミュレーションするなどのミッションに挑戦することができる。BOSAIサイエンスフィールドは、楽しみながら最新の防災知識を学び、災害に遭遇した時に自分や大切な人の命を守るために自分で考え、判断し、行動できる力を身につけることができる空間となっている。

また、東館1階の「こころのシアター」においても、2022(令和4)年4月にリニューアルを行い、災害に遭遇したとき、自らの命を守ることができるのか、そのためにはどうすべきかを問いかけるオリジナル映像「にげよう-大切な命を守るために-」を上映している。上映時間は15分。

クエスチョンキューブ

ミッションルーム

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震災直後のリアルなまち並みを歩き、語り部による実体験を聞く

人と防災未来センター西館にも様々な展示を用意している。4階の「震災追体験フロア」では地震破壊のすさまじさを迫力ある大型映像と音響で再現する「1.17シアター」、ジオラマ模型でリアルに再現した破壊されたまち並みの中を歩く「震災直後のまち」、そして「大震災ホール」では復興に至るまでのまちと人をドラマで紹介する。来場者は一連の展示を通じて、震災を乗り越え復興を遂げた人々の物語を、自分の身に起きたことのように体感できる。

3階の「震災の記憶フロア」では、約800点の震災関係資料を提供者の体験談とともに展示する「記憶の壁」、震災直後からの復興過程における事象や教訓等を4つのテーマに分け、リアルな映像やグラフィック等で解説する「震災学習テーブル」のほか、阪神・淡路大震災を体験した語り部による話を聞くことができる「語り部コーナー」もある。語り部の話を聞くことで、災害時の食料調達の苦悩や、人と人との繋がり、生きることの大切さなどを改めて実感できる。

2階「防災・減災 体験フロア」では世界で起こっている自然災害の情報を伝える「災害情報ステーション」や、簡単な実験やゲームを通して、防災・減災に関する実践的な知識を学習する「防災・減災ワークショップ」、防災に関する様々な企画展示を行う「防災未来ギャラリー」を展開。1階「ガイダンスルーム」では、語り部による震災時の体験談やセンター研究員による防災セミナーを予約制で行っている。所要時間は30分。

ジオラマ模型で再現した震災直後のまち並み

語り部コーナー

地域を守る災害対策専門研修を実施

人と防災未来センターのホームページでは、災害に関する豆知識や減災グッズチェックリストを公開している。減災グッズチェックリストは日本語のほか、英語、中国語、韓国語にも対応しているので、ぜひチェックしてほしい。

また、人材育成事業の一環として、自治体の首長や職員などを対象とした「災害対策専門研修」を実施。阪神・淡路大震災等過去の災害事例で得られた貴重な経験と教訓をベースにした実践的カリキュラムにより、組織トップから防災業務初心者までを対象に、役職や経験に応じた危機管理能力を備えた人材育成を目指している。

地方公共団体首長を対象とし、自然災害を中心とした危機管理のあり方を学ぶ「トップフォーラム」では、最新の研究成果による知見等をもとに、今後発生する大災害時に各地方公共団体のトップに求められる対応などを学ぶことで、地方公共団体の防災・危機管理体制の充実を図ることを目的としている。

このほか、地方公共団体の防災を担当する職員に向けた「マネジメントコース」のほか、テーマや対象者を限定した「特設コース」を用意している。

阪神・淡路大震災記念 人と防災未来センター

住所 神戸市中央区脇浜海岸通1-5-2
問合せ先 078-262-5050
時間 9時30分~17時30分
※最終入館は16時30分
定休日 月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始
料金 西館・東館大人600円、大学生450円、東館のみ大人300円、大学生200円
※両館ともに高校生以下無料
※別途障害者・70歳以上の高齢者料金あり
交通

阪神電鉄「岩屋」駅「春日野道」駅から南へ徒歩約10分

JR「灘」駅南口から南へ徒歩約12分

阪急電鉄「王子公園」駅西口から南へ徒歩約20分

ホームページ https://www.dri.ne.jp/
 

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