更新日:2023年11月1日

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真珠加工

概要

  • 日本の加工技術の水準は非常に高く「日本品質」として海外市場においては別格の認識
  • 日本の真珠輸出のうち約8割が神戸から行なわれている

起源・沿革

展示会出展

天然真珠は昔からペルシャ湾、インド、オーストラリア沿岸、セイロンなどで真珠貝から産出され、その希少価値と高貴な光沢によって、世界中の人々に珍重され愛されてきた。

日本においても、日本書紀・古事記・万葉集ですでに記述が見られ、また東大寺三月堂の観音像や正倉院の御物に真珠を使用したものがある。
真珠養殖も古くから試みられてきたが、量産は難しかった。その産業化の始まりは、明治26年(1893年)に御木本幸吉が作った半円真珠である。その後に多くの人々により研究が続けられ、御木本幸吉、西川藤吉、見瀬辰兵その他の協力者の努力により明治40年(1907年)に「真円真珠施術技術」が発明され、一連の特許が出願された。大正13年(1924年)にはパリ真珠裁判でアコヤ養殖真珠は本物の真珠であることが認められ、昭和3年(1928年)には特許の公開を契機に全国各地に真珠養殖事業が広まった。施術作業がきわめて微妙なものであるため、アコヤ真珠養殖は日本独特の産業として発展した。
神戸と真珠の関わりは、神戸港開港後の明治中期頃からと言われており、昭和3年(1928年)の真円真珠特許公開後には真珠の集散地として活況を呈するようになった。
神戸において真珠加工業が発展したのは、1.三重、愛媛、長崎、熊本などのアコヤ真珠生産地に近く立地条件に恵まれていたこと。2.貿易都市として天然真珠の時代から長く輸出貿易を促進していたこと、3.大正時代に神戸の北野町周辺に加工技術を開発した真珠業者が集まり、研磨や穴あけの加工技術が次々に開発されたこと、4.海と山に囲まれた神戸の自然環境による安定した採光条件が穴あけや連組み等の真珠加工工程に適していたことの要因によるとみられる。
戦中・戦後の混乱期を経て、戦後間もなく海外への輸出が再開された真珠は政府間貿易という管理貿易体制のもとで、外貨獲得に重要な役割を果たした。また、進駐軍やその家族が持ち帰る土産物として人気を集め、さらに民間貿易が再開された昭和24年(1949年)以降には、輸出はアメリカを中心に著しく伸長した。
この状況は、作れば売れることによる生産増大、品質低下をもたらし、昭和40年代には輸出不振による不況期に入った。これを克服して昭和50年代からは安定成長を続けてきた真珠業界であるが、バブル崩壊後は、アコヤ貝の異常斃死による浜揚げの激減、中国産の淡水真珠をはじめとする海外産真珠の生産量の増大、加工技術の一部流出と低コストを背景とする海外での加工品の大量生産などによる市場の混乱から、多くの問題に悩まされていた。一方、オースラリアや仏領ボリネシア諸島で生産された南洋の白蝶・黒蝶真珠(原珠)が神戸の加工を求めて集積され、現在は南洋(白蝶・黒蝶)真珠が6割、アコヤ真珠が3割の輸出構成となっている。
しかし、依然として日本の加工技術の水準は非常に高く「日本品質」として海外市場に於いては別格の認識となっている。
平成15年(2003年)度より従来は香港で開催されていた海外産真珠の入札会を神戸で原則として年2回程度「国際保税展示入札会」の形態で行うことで海外顧客の神戸来訪を促し国際的な取引の増進を図ることや、香港において開催されている大型の国際宝飾展への団体参加により輸出の促進を行ない、神戸は真珠の加工、取引の場として、また海水産真珠の集散地としての世界的地位を堅持している。財務省全国通関統計をみれば、昭和50年代以降は日本からの真珠輸出の約8割が神戸から行なわれていることが確認できる。平成28年(2016年)以降は香港におけるジュエリーショー(会期5日間)での成約・成約見込額合計が約70億円を記録し続けている。生産工程図(PDF:20KB)

問い合わせ先

日本真珠輸出組合

住所:〒650-0031神戸市中央区伊藤町121 神戸伊藤町ビル7F
電話:078-331-4031
FAX:078-331-4345

事業活動

  • 海外ジュエリーショーへの出展およびジャパンパールパビリオン運営
  • ジャパンパールフェア運営
  • 真珠の品質検定事業および指導
  • 海外市場における戦略的ブランディング
  • ホームページ(https://japan-pearl.com/(外部サイトへリンク))の運営
  • 輸出不適格真珠の集荷処分事業
  • 国際保税展示入札会の開催
  • パールミュージアムの運営による真珠関連製品などの展示及び紹介

お問い合わせ

部署名:産業労働部 地域産業立地課

電話:078-362-3331

FAX:078-362-3801

Eメール:chiikisangyorichi@pref.hyogo.lg.jp