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更新日:2024年11月11日

ひょうご県議会だより高校生web版

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県民と議会とのキョリ ~県民の視点と議会の視点のギャップ~

滝川第二高等学校/サバンライス

取材記事

政治って遠い存在?堅苦しい存在?文化祭の話し合いと政治を重ね合わせて考えてみた!

 “文化祭での話し合い”という経験から考えた、県民と議会のキョリ

 近年日本全国で注目されている、若者の政治離れ。

 この今の政治の現状が私は「とある状況」に似ていると感じました。それは、「高校の文化祭での話し合い」です。

 これは私の経験に基づくことなのですが、去年の文化祭出し物の話し合いがうまく決まらないことが多く、円滑とは言えないものでした。

 リーダーばかりが話し合って、私たちの意見は通らない。みんなも意見を言いたそうにしているが、これ以上話し合いが複雑で面倒にならないように言わないでいるが実は不満がある。意見が通らないと諦めて関心を失う。

 これって「リーダー=議員さん」、「それ以外のクラスメイト=県民」としたときに、今の兵庫県の政治の様子に似ているのではないかと感じました。

 そこで、アンケート調査を実施。さらに総務常任委員会の委員長の門間雄司議員と副委員長の麻田寿美議員に直接お話を伺いました。

 

 「もうちょっとこうしたらいいのにと思ったら、それが政治」

総務常任委員会委員長 門間 雄司議員 インタビュー 

~ 今の県議会は私の高校の文化祭での話し合いの状況に似ていると思いますか?

門間:めちゃくちゃ思います。実はね、34歳で議員になった時は、意見の異なる有権者の方とちょっとケンカ腰だったんです。でも今はやらないようにしている。昔は「対話と説得」、今は「対話と共感、共鳴」につなげたいと思っています。具体的には、いいところを見つけ出そうと思って話を聞いています。そうやって会話すると、こちらの意見のいいところも見つけ出そうとしてくれます。

ー否定があったから話し合いがうまくいかなかったのかなって思いました

~ 県民と議会の関係づくりでもっとも気を付けていることは何ですか?

門間:気軽に話しかけていただけるように心がけています。「してほしい」という声があれば、すぐに駆け付ける。解決できないこともあって心苦しいけど、動くことで何かに繋がると信じているので。

~今、若者の政治離れが叫ばれています。今の学生たちにメッセージをお願いします。

門間:うーん、説教じみたくない。でも自分が高校生の頃、政治というよりは、世の中で起こっていることに興味があって、だからこそ政治家になっちゃった。学校の勉強は答えを見つけ出す作業。でも世の中は答えを作り出す作業だと思う。その出発点として、なんでこれはこうなってるんだろうと疑問に思うことが大切かな。普段の生活の中で、当たり前になってるけどなんで?と思い始めるといろいろあると思う。「本当に制服って必要なの?」とか疑問を持ったら自然と政治にたどり着くんじゃないかなぁ。暮らしやすくするためには何かしらの背景、理由があると思う。面白いのはそこから先。もうちょっとこうしたらいいのにと思ったら、それが政治

―私の中の政治の考え方が変わった。今までは教科書で習うことが政治だと思っていました。

門間:調べたら分かることやどこかに載っていることは、世の中に出たら、そこにたどり着く手段さえ持っていたらいい。問題はそれをどう使うか。ただ、情報は人によって感じ方が違うから伝え方も違う。新聞を三つくらい並べて、同じ記事がどう書かれてるか比べると、すごく面白いですよ。そういう視点も大事にしてほしいです。

 門間議員1

 

 「人任せで世の中が回らないために」

副委員長 麻田 寿美議員 インタビュー


~今の県議会は私の高校の文化祭での話合いの状況のように、議会と県民との距離は感じますか?

麻田:感じます。そもそも県民が政治に興味を持たれているのかなぁと思います。チラシやSNSを用いて伝えようとしていますが、うまく伝わりませんね。たとえ県民にとってかなりお得な情報だとしても伝わりません。

―私も今回の活動をするまで、議会が議論してることとか、正直わかってなかった。そもそも常任委員会があって・・という体制もインタビューすることになって、やっとそういうことかと分かったくらいで。

麻田:やっぱり実体験が大事ですよね。でも県はやっぱり遠いですよね。生活って考えると行政、政治とつながるかな。学生さんやからまだ分からないかもしれないけど、一人暮らししたらゴミ一つ出すのにもゴミの収集の問題がある。生活の実体験ができたら行政、政治に興味持つかも。人ごとにしてたら自分の思いとはかけ離れちゃうなと思う。

~県民に政治の内容を伝えるときに最も重視することはなんですか?

麻田:わかりやすさです。どのように話し合って、結果につながったのかというプロセスすべてをわかりやすく伝えようとしています。

~今、若者の政治離れが叫ばれています。今の学生たちにメッセージをお願いします。

麻田:ルールを作るためには議論が必要で、その議論の場を議員に託してくれている。選挙に行けるのに行かないというのは、世の中が変わることがあってもそこに自分の意見は反映されないということ。自分の意思を反映するための選挙、政治だと知ってほしい。政治は難しいなと思うかもしれないけど、選挙の時は公報を見て、自分の意見と近いなと思う人に、自分の代わりに代表として投票する。人任せで世の中が回ってることは怖いなと、自分ごとに置き換えて考えてほしいなと思います。

  麻田議員1

 

 数字でみてみると・・・・?! ーアンケート結果よりー

 全7常任委員会の委員長と副委員長の議員の皆様、計14名にアンケートを実施させていただきました。その結果をご紹介します。

 図1 

 図2

アンケートの結果をみて・・・

 「県議会と県民をつなぐコンテンツや情報は十分だと思いますか?」という質問の結果は「十分だと思わない」と 思っておられる議員さんが顕著に多いことがわかります。

 対して「今の兵庫県議会と文化祭の話し合いの様子は似 ていると思いますか?」と言う質問の結果はなんと半々!

 また、議員の方々(常任委員会の委員長と副委員長方々計14名)のアンケート回答からは「政治は身近である」ということ、そして「私たちも政治にたくさん加わることができる」ということが読み取れます。

 皆さんはこの結果をみてどう感じましたか?

アンケートの最後に高校生へのメッセージをお願いしたところ、これだけたくさんいただくことができました
  • ぜひ、高校生の皆さんから「もっとこうしてほしい」と言う意見が聞けたら嬉しいです。いろんな体験をして、様々なときに感じる社会に対する感謝や疑問、怒りを大切にしてほしいです。(健康福祉常任委員会 奥谷謙一議員
  • 政治がよくなれば、その国や地域は繁栄します。政治とはそれほど、住民の生活にかかわる大切な事柄です。政治に関心を持っていただき、選挙の時は投票に行ってもらえるよう期待しています。(健康福祉常任委員会 長崎寛親議員
  • 親や友人と政治に関する話をして知見を広げるとともに自ら情報を集めて判断していってほしい。(産業労働常任委員会 増山誠議員
  • 県議会議員は特別な存在でなく、一人の兵庫県民です。県民の皆さんの多くがどのように日ごろ考えているか、県民目線の視点を持つことを重視しています。高校生の皆様が身近なことでいいので、政治に興味を持っていただければと思います。(産業労働常任委員会 橘秀太郎議員
  • 「おためごかし」の大人の笑顔にだまされてはいけません。そのうらに潜むものへ、その先を見通す知識と想像力をたくわえていただきたく、切に願います。自らに問いかけよう。「いま、我がなすべきことはなにか」。(農政環境常任委員会 松井重樹議員
  • 常に「自分なら何ができるか」という思考パターンが大事だと思います。そして「何のために?」という切り口で自分の考えを掘り下げていく習慣も大切だと思います。あとは、ほんの少しの勇気をもつこと。(農政環境常任委員会 なかい隆晃議員
  • 高校三年生の18歳以上の人は、必ず選挙権を行使してほしい。17歳以下の人は選挙ルールを学び、準備してほしい。(建設常任委員会 大豊康臣議員
  • 学校、医療、交通などあらゆる分野が政治につながります。政治は思った以上に幅広い分野です。どうすれば公にアクセスできるか体験してみてください。(建設常任委員会 橋本成年議員
  • 議員は県民の代表として、県民の声を聴く側となります。政治は主権者のためにあります。何か困ったことがあれば、北上に相談してみようと思っていただくために、日ごろから様々な形で接点を多く持つよう心がけています。(文教常任委員会 北上あきひと議員
  • 玉石混交のインターネット情報からご自身の意思で検索して「政治」を見てください。「政治」とは県民の暮らしそのものであり、ゆりかごから墓場までのすべての事柄が「政策」となります。皆さんも「知って」「語り合って」ください。 それそのものが「政治」であり「政治」はとてもおもしろいものです。(文教常任委員会 長瀬たけし議員
  • 高校生の皆様に政治にもっと興味を持っていただくことで、政治にも変化が起こります。一人が十人に、そして百人に…と増えれば増えるほど、声は大きくなります。(警察常任委員会 小泉弘喜議員
  • 関心の薄さや、実態を知らないということもあるかもしれませんが、私たちは、 皆さんからの意見をちゃんと聞ける仕組みを作らないといけないと思っています。(警察常任委員会 松本裕一議員

 

 若者政治離れが叫ばれている今日の日本で、できること ー取材後記ー

 政治は、私たち高校生にとっても、小さな子供たちにとっても、大人にとっても参加する権利があります。そして、私たちはいつでも政治家たちに助けを求めることができるし、政治家の皆様はそれに必ず耳を傾けてくださいます。

 私たちが日常で不便だな、いやだなと思うこと…例えば、「通学路なのに信号がなくてあぶない」や「道路がデコボコで車や自転車で通りにくい」など、日常の気づきが政治につながるのではないでしょうか。

 意思を政治に反映させる方法は多岐にわたります。まずは「日常のことがどのように政治にかかわっているのか考えてみる」こと。それから政治への関心は広がっていくのではないかと今回の取材を通して強く感じました。

 


 

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