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新型コロナウイルス感染症
知事就任以降、新型コロナウイルス感染症(以下、コロナ)への対応に最優先で取り組んできました。県民の命と健康、暮らしを守ることは、県の最大の使命です。引き続き、コロナ対策に最大限の力を注ぎます。
コロナとの闘いは長期戦です。
困難な状況は続きますが、県民の皆さまと共に乗り越えていきます。引き続き、ご協力をお願いします。
コロナからの創造的復興
コロナ禍を乗り越えた先に希望を持つことはもちろん、コロナ前よりも安心で活力に満ちた兵庫を目指さねばなりません。
県政の羅針盤としてまとめた「ひょうごビジョン2050」では、特に大切にすべき価値観として「包摂」と「挑戦」を掲げました。
「包摂」は、誰も取り残されることのない社会をつくることです。大都市から農山村まで多様な地域に暮らす全ての県民が、安心して、育ち、学び、働き、遊び、幸せに生きられる環境をつくっていきます。
「挑戦」は、人も地域も思い思いのチャレンジができ、それぞれの可能性が開ける社会をつくることです。失敗を恐れず、進取果敢に挑戦する。そんな未来志向で行動する社会を目指します。
新年度予算編成に当たっての三つの視点
私にとって初めての当初予算編成では、その思いを具体化すべく3点に重きを置きました。
一つは、新たな成長の種をまくことです。スタートアップ支援の強化。デジタル化やグリーン化に挑む中小企業等の後押し。インバウンドの回復もにらんだ新たな観光戦略の推進。人口減少や産業構造の転換が進む中でも、持続的に成長・発展する兵庫を築いていくことに力を入れました。
次に、地域の価値を高めることです。SDGs(持続可能な開発目標)を切り口とした各地の食や地場産品の磨き上げ。高いポテンシャルを持つベイエリアの活性化。スポーツや芸術文化に親しめる機会の拡大。働き方や価値観の変化によって地方への関心が高まり、大阪・関西万博も控えるこの機を逃すことなく、人や投資をもっと引き付けられる地域づくりを目指します。
三つに、安全安心の網を広げることです。困難を抱える妊産婦やヤングケアラー、医療的ケア児への支援の創設。高齢者等の特殊詐欺被害対策やデジタルディバイド(情報格差)解消。災害に強い県土づくりや避難対策の強化。新たに顕在化している課題も捉え、安全安心の網を広げることに意を用いました。
躍動する兵庫の実現を目指して
あの〝太平洋ひとりぼっち〟の航海から60年目、83歳で単独無寄港での太平洋横断に挑戦する堀江謙一さんは、私との対談の中で言われました。「単に頭で考えているだけでなく、行動を起こすことが大切。行動を起こせば今まで見
えなかった世界が見えてくる」
150年余りの歴史を持つ兵庫県も、キラキラした心持ちを忘れず、行動を起こしていかねばなりません。
県民の皆さん、躍動する兵庫の実現を目指し、共に未来を切り拓いていきましょう。
新たに策定した「県政改革方針」に基づき、持続可能な行財政基盤を確立。新型コロナウイルス感染症への対応、人口減少、超高齢化、多発する災害、温暖化、経済構造の変容等、挑戦すべき課題に立ち向かい、「躍動する兵庫」の実現に向けた施策を推進します。
歳入
県税等 〔8735億円〕
企業業績の回復に伴う法人関係税・特別法人事業譲与税の増や、輸入額の増加に伴う地方消費税の増等により、前年度から14・2%増の8735億円を計上しました。
地方交付税等 〔3866億円〕
給与関係費の減等による基準財政需要額の減、法人関係税の増等による基準財政収入額の増で交付基準額が減少したことにより、前年度から19.4%減の3866億円を計上しました。
国庫支出金 〔2553億円〕
新型コロナウイルス感染症対策として、入院医療提供体制や自宅療養者等への対応強化等のために必要な国交付金の増等により、前年度から16.2%増の2553億円を計上しました。
県債 〔1059億円〕
地方税収等の減収措置として3年度までの地方財政措置であった特別減収対策債の減や、事業進捗に伴う緊急防災・減災事業債等の減により、前年度から17.5%減の1059億円を計上しました。
その他の収入 〔7620億円〕
中小企業制度資金貸付金償還金の減等により、前年度から33.1%減の7620億円を計上しました。
歳出
人件費 〔4521億円〕
3年度給与改定の影響による職員給等の減や、退職見込み者数減に伴う退職手当の減により、前年度から1.7%減
の4521億円を計上しました。
行政経費 〔1兆2514億円〕
看護、介護職員等の処遇改善実施等による社会保障関係費の増、新型コロナウイルス感染症対策強化等による増の一方、融資目標額の見直し等に伴う中小企業制度資金貸付金の減により、前年度から19.1%減の1兆2514億円を計上しました。
投資的経費 〔1811億円〕
県政改革方針に基づく見直し、地方財政計画の伸び率を踏まえたこと等により、前年度から7.2%減の1811億円を計上しました。
公債費 〔2685億円〕
県債管理基金を活用した県債残高縮減対策(繰り上げ償還)の取りやめ等により、前年度から14.3%減の2685億円を計上しました。
その他 〔2302億円〕
地方消費税等の税収増に伴う税交付金の増等により、前年度から6.9%増の2302億円を計上しました。
「躍動する兵庫」へ3つの視点
~人・モノ・投資・情報を呼び込む~
新しい成長の種をまく
人口の減少や産業構造の転換が進む中にあっても、持続的に成長・発展する兵庫を築きます。
▶スタートアップの育成強化
▶中小企業等の革新
▶チャレンジHYOGO就職大作戦の展開
▶新たな観光戦略の推進
▶水素社会の推進など
地域の価値を高める
地方への関心が高まり、大阪・関西万博が控えるこの機を逃さず、人や投資をもっと引き付けられる地域づくりを目指します。
▶五国の魅力を高める地域創生の推進
▶ひょうごフィールドパビリオン
▶大阪湾ベイエリアの活性化
▶スマートシティーモデル事業の実施
▶スポーツ・芸術文化の振興など
安全安心の網を広げる
困難を抱える妊産婦やヤングケアラーなど新たに顕在化している課題も捉え、安全安心の網を広げます。
▶ヤングケアラー支援体制の構築
▶発達障害児の認定こども園への受け入れ支援拡充
▶困難を抱える妊産婦の支援
▶高齢者・障害者等の避難対策の推進
▶災害に強い県土づくり
▶防犯・交通安全対策の強化など
兵庫県版SDGsの推進
官民連携で「社会的課題(安全・安心、環境等)の解決」と「地域経済の発展」の両立を図る兵庫版SDGsを推進します。
全庁的な推進体制の構築
部局横断的な本部を設置
公民連携の推進体制の構築
官民連携により全県的に取り組みを推進するプラットフォームを構築
SDGs未来都市」認定を目指した取り組み
兵庫の特性を生かした3年間の取り組み計画を策定
県政において特に重要な施策を「5つの柱」とし、さまざまな事業に取り組みます。
医療・検査体制等の強化
感染状況に応じた病床・宿泊療養施設の運用、検査体制の強化、保健所の体制整備
3回目のワクチン接種の加速
県大規模接種会場における接種の推進、県民への啓発強化
感染症対策機能の強化
大学など専門機関と連携し、検証・データ分析により得られた知見や専門家からの助言を対策に反映
感染症対策と地域経済活動の両立
感染状況を踏まえた旅行・宿泊割引支援、商店街の消費拡大キャンペーンの実施
産業競争力の強化や農林水産業の振興などにより、新たな価値を育む経済を構築します。
産業競争力の強化 グリーン化の推進 |
県内大学と連携した起業人材育成講座 |
健康・福祉分野の取り組みの強化や、強靭(きょうじん)な県土を築くインフラ整備など、安全安心社会を先導します。
医療確保と健康づくり はりま姫路総合医療センターの開院、歯および口腔の健康づくり 福祉社会づくりの推進 ヤングケアラー支援、医療的ケア児支援、高齢者の安心確保 安全安心な暮らしの実現 犯罪や事故を防ぐまちなか安心づくり、水上オートバイ対策 災害への備えの強化 強靱な県土の構築、地域防災力の強化 |
5月に開院予定のはりま姫路総合医療センター |
子育て・学びの環境の充実など、兵庫の未来を創る人づくりに取り組みます。
子ども・子育て環境の充実 不妊治療の推進、発達障害児等の認定こども園への受け入れ支援、課題を抱える妊産婦への支援 学びの環境づくりの充実 確かな学力の育成、学校問題への対応、特別支援教育の環境整備 |
課題を抱える妊産婦への支援 |
五国の多様性を生かした取り組みや、スポーツ・芸術文化の振興など、個性を磨く地域づくりを進めます。
五国の魅力向上 地域創生の推進、2025年大阪・関西万博「ひょうごフィールドパビリオン」の展開 大阪湾ベイエリアの活性化 兵庫県域の活性化基本方針の策定、海上交通の充実 地域の活力の創出 空家活用の促進、元町周辺再整備グランドデザインの検討、eスポーツを通じたにぎわい創出 デジタル化の推進 スマートシティーモデル事業の実施、デジタルディバイド解消プロジェクトの展開 スポーツ、芸術文化の振興 アーバンスポーツの推進、「県民プレミアム芸術デー」の創設 交流を支える社会基盤の形成 基幹道路ネットワークの整備 |
大阪湾海上交通実証実験の様子 |
民間や他府県との連携による開放性の高い県政、県民との対話や現場主義の徹底によるボトムアップ型県政を推進します。
新しい将来ビジョンの推進 地域の多様な主体をつなぐプラットフォームの設置 開放性の高い県政の推進 ひょうご公民連携プラットフォームの機能拡充、兵庫版シビックテックの実施、広域連携の推進 県民ボトムアップ型県政の推進 ワーケーション知事室や学生未来会議の実施、情報発信力の強化 |
ワーケーション知事室で多可町の住民と意見交換 |
兵庫がめざす社会像を示した「21世紀兵庫長期ビジョン」の策定から20年、改訂から10年がたちました。大きな社会変化により、先の見通しがますます難しくなる中、コロナ禍でさまざまな問題も浮き彫りになりました。
そこで、県では兵庫のめざす姿を改めて明らかにするため、県民の皆さんとの意見交換を積み重ね、30年先の2050年ごろのめざす姿を描いた「ひょうごビジョン2050」を策定。今後、県が進める施策の羅針盤として運用していきます。
県民が共にめざす姿を描く
県民が主役になり、地域から取り組む
変化を生み出し、成長する
1万人を超える県民の想いが反映されています
各地で開催した「地域未来フォーラム」や「ビジョン出前講座」、市町との意見交換、県民アンケート、パブリック・コメントなどで1万人を超える県民の声を聞きました。皆さんから寄せられた意見を基に有識者、団体代表から
なる審議会に新ビジョンの案を諮り、議会の議決を受け、策定しました。
県民の皆さんの想いに共通する「開放性」の高い社会への願いを意識し、「大きな連携の輪をつくる」「試行錯誤のプロセスを楽しむ」「地球規模で考え、足元から行動する」「バーチャルを使いこなし、リアルを大切にする」の4つの基本姿勢で取り組みます。
詳しくはこちら |
県の事業や県庁組織の見直し、民間活力の導入など県政全般を見直し、県議会、県民、市町、関係団体等からのさまざまなご意見を踏まえ、このたび、令和10年度までの県政改革方針を取りまとめました。今後はこの方針の下、時代の変化に対応し、持続可能な行財政基盤の確立に向けて取り組んでいきます。
【Q1】なぜ県政改革をする必要があるのですか? |
【A】兵庫県では、2050年ごろになりたい姿として「誰もが希望を持って生きられる 一人ひとりの可能性が広がる『躍動する兵庫』」を掲げています。その実現には、行財政全般にわたる改革を行い、持続可能な行財政基盤を確立する必要があります。
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【Q2】兵庫県の現在の財政状況はどうなっていますか? |
【A】平成20年度から取り組んできた行財政構造改革により30年度以降は収支均衡を保っています。しかし、阪神・淡路大震災からの復旧・復興のために行った借金がまだ2,000億円以上残っており、これからもその返済が続きます。さらに、中長期的な税収見通しはコロナ禍もあり予断を許しません。最新の試算では令和10年度までに140億円の収支不足や財政指標の悪化が見込まれるため、今後も収支改善に取り組む必要があります。 |
【Q3】県政改革による事業の見直しによって、県民サービスが低下しないか心配です。 |
【A】今回の県政改革方針の特徴の一つは、「ビルドを重視した行財政運営」を掲げていることです。「ビルド」には「作り上げる」という意味があります。施策の見直しは、削減ありきではなく、新たな内容や手法への見直しに重点を置きます。例えば、県施設の広報などを目的として実施している「県民交流バス事業」について、今後は県立芸術文化施設の無料開放日を設けるなど、各施設のイベント、広報により対応していきます。 |
【Q4】民間活力の活用とは何をするのですか? |
【A】皆さんの身近な所には、たくさんの県の施設があります。今までは、県が自ら施設を整備して運営することがほとんどでしたが、これからは、施設の整備や運営にもっと民間のアイデアや資金を取り入れていきます。早速、県営住宅の建て替えや県立公園の維持管理について、取り組みを始めました。今後は、こうした取り組みをいろいろな県の施設に広げて、皆さんが使いやすく、より良いサービスを提供できる施設を目指し |
【Q5】県庁組織も変えるのですか? |
【A】県庁のどこの部が何の業務を担当しているのか、これまで以上に分かりやすくするため、5部から12部に体制を変更します。 |
【Q6】今後は、どのように県政改革を進めていくのですか? |
【A】県政改革は皆さんのご理解とご協力なくして実現しません。県民の皆さん、県議会、市町、関係団体などへ丁寧な説明を行い、幅広い意見を取り入れながら進めていきます。また、職員もこれまでのやり方にとらわれず、自ら考え、自ら工夫することによって、県政改革に挑戦していきます。 |
【Q7】取り組みの詳しい内容は、どのように知ることができますか? |
【A】県政改革の取り組みの詳細は、県ホームページに掲載しています。また、今後、内容をまとめたリーフレットやSNSを活用して、幅広い世代の皆さんにより分かりやすく、丁寧にお伝えしていきます。 |
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