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更新日:2024年10月15日

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令和3年(不)第2号事件の命令概要

兵庫県労働委員会は、令和5年2月15日、標記事件に係る命令書の写しを当事者に交付しました。その概要は次のとおりです。

1 当事者及び申立要旨

  • (1)申立人 X組合
  • (2)被申立人 宍粟市
  • (3)申立要旨
    • ア 申立日
      令和3年8月26日
    • イ 請求する救済内容(労働組合法第7条第2号)
      • 団体交渉応諾

2 命令要旨

〔主文〕

申立人X組合から令和3年5月27日付け及び同年11月18日付けで申入れのあった団体交渉における被申立人宍粟市の対応は、労働組合法第7条第2号の不当労働行為に該当することを確認する。

〔事件概要〕

被申立人宍粟市(以下「被申立人」という。)は、令和3年4月1日に調理作業業務等に従事するパートタイム会計年度任用職員として任用したA2(以下「A2」という。)に対し、同年5月18日付けで正式採用を不可とし条件付採用期間を延長する旨通告した(以下「本件通告」という。)。
本件は、本件通告を受けてA2が申立人X組合(以下「申立人」という。)に加入し、申立人が被申立人に対し本件通告に係る説明を求めて令和3年5月27日付け及び同年11月18日付けで申し入れた団体交渉(以下「本件団体交渉」という。)において、被申立人が申立人の理解を得ようとする説明を行わなかったこと等が不誠実であり、労働組合法(以下「労組法」という。)第7条第2号の不当労働行為に該当するとして、救済申立てのあった事案である。

〔判断要旨〕

(1)本件団体交渉における被申立人の対応は、不誠実な団体交渉に該当するか。

本件団体交渉における被申立人の本件通告に係る理由の説明及びB4園長が本件団体交渉に出席しなかったこは、不誠実な対応とはいえず、労組法第7条第2号の不当労働行為に該当しないが、被申立人が、第2回団体交渉においてB4園長の発言のハラスメント該当性の再調査に同意したにもかかわらず、要綱を理由に調査ができない旨の説明をしたこと、及びB3調理員の発言について、本件団体交渉において十分な説明を行わず、第2回団体交渉におけるハラスメント該当性の再調査要求にも何ら回答せず追加的な説明をしなかったことは不誠実な対応であって、労組法第7条第2号の不当労働行為に該当する。

(2)救済の方法

申立人は、本件の救済内容として誠実な団体交渉を行わなければならない旨の命令を発することを求めているが、第1回団体交渉を自ら打ち切り、当委員会が団体交渉を申し入れるよう促すまで第2回団体交渉の申入れをしていない。その他、本件の調査期日における申立人の姿勢等一切の事情を考慮すると、申立人は被申立人の不当労働行為に関する判断を求めているものの、もはやこれ以上の団体交渉による解決を望んでいるものとは認められない。
また、申立人は、第2回団体交渉申入れにおいて、一次評価が事実に基づいた評価をしていない場合は本件通告の撤回を要求しているが、本件通告に当たり、一次評価に加えて、二次評価を実施する手続が採用されており、本件通告の事実関係についても一応の説明がされたと認められる。
以上のことから、救済の方法として、本件団体交渉申入れに係る誠実な団体交渉の実施を命ずるまでの必要はないと思料する。
そこで、当委員会は、被申立人の不当労働行為の責任を明確にして将来の正常な集団的労使関係秩序の確保を期すため、主文のとおり、被申立人の対応が不当労働行為であることを確認する旨の命令を発することとする。

3 審査の経過

調査8回

令和5年2月9日の公益委員会議で、全部救済命令を発することを決定

4 命令書全文(PDF形式)

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