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更新日:2020年5月8日

意見書 第35号

新型コロナウイルスの感染拡大防止及び国民の不安解消に向けた更なる対策の充実・強化を求める意見書

 新型コロナウイルスによる感染症は世界で猛威を振るい、国内でも連日新たな感染者が確認され、感染経路が不明な者も増加しており、日本は今まさに「戦後最大の危機」に直面していると言っても過言ではない。

 本年4月7日、政府は、改正新型インフルエンザ等特別措置法に基づき、本県を含む7都府県を対象地域とする「緊急事態宣言」を発令するとともに、総額108兆円規模の「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」を決定し、「国難」とも言える困難に立ち向かう強い姿勢を示した。さらに、4月16日には緊急事態宣言の対象を全国に拡大し、本県は「特定警戒都道府県」に位置づけられた。このような状況において、国民の社会的不安を払拭し、命と暮らしを守り、国民の安全・安心を将来に渡って確保するためには、医療体制の充実・強化や抜本的な感染拡大防止対策の実施に加え、事業継続や雇用の確保等を担保する対策の充実・強化が必要である。

 よって、国におかれては、新型コロナウイルスの感染拡大防止及び国民の不安解消に向けた更なる対策の充実・強化を図るため、下記の措置を講じられるよう強く要望する。

Ⅰ 医療提供体制の充実、感染拡大の防止

1 入院病床確保のため、一般病床に新型コロナウイルス感染症の患者を入院させる際に医療機関に生じる経営上のすべての損失について、診療報酬の加算や新たな支援制度の創設等の対策を講ずること。

2 無症状患者、軽症患者等を受け入れるホテル等宿泊施設の確保に係る必要な経費の財源について、その全額を別途、国の責任において確保すること。

3 新型コロナウイルス感染症に対応可能な医療専門人材の広域融通を図る体制の整備に対し、医療専門人材の派遣を行う場合の派遣元医療機関の減収に対する支援制度の創設など、財政的、技術的、人的支援を行うこと。

4 医療従事者の家族への感染リスクを低減するために、宿泊施設の確保や費用等への支援を行うこと。

5 医療現場で支障が生じているマスクや消毒液のほか、著しく逼迫している簡易陰圧装置や防護服等の医療資機材不足を早急に解消すること。

6 社会福祉施設・事業所における事業継続および感染拡大防止を図るため、運営費の補助や衛生用品の確保への更なる支援を図ること。

7 新型コロナウイルス感染症に対する社会的不安の解消のため、特効薬やワクチンを早期に開発し、医療機関において適切な診療が受けられる体制を構築すること。

8 必要な者に検査を迅速に実施できるよう、他の検査法の早期の承認、迅速診断キットの早期開発、検査外来・発熱外来の設置を行う等、検査体制の強化を図ること。また、民間研究機関等での検査を積極的に行えるよう国として支援の充実を図ること。

Ⅱ 事業活動の縮小や雇用への対応

1 緊急事態宣言の対象となった都道府県の休業要請に協力して休業する事業者に対する協力金について、一律に実施できるように国が責任を持って財源を確保すること。

2 中小・中堅企業の資金繰り対策や事業継続のために新たに創設される給付金の早期給付、地域雇用の確保に向けた雇用調整助成金の特例措置の対象期間延長、更なる助成率の引き上げ、国の融資制度の審査条件緩和等、地域経済に及ぼすマイナスの影響を最小限に抑えるための総合的かつ抜本的な対策を早急に実施すること。

3 感染拡大防止のため休業を余儀なくされた宿泊・飲食・イベント業・観光業などのサービス業や、利用自粛により経済的損失を受けている社会福祉施設等に対する経済的支援を行うこと。

4 外食自粛の影響などにより需要が減少し、価格低迷や出荷抑制を余儀なくされている農林水産物の生産者に対し、価格安定制度では補い切れない所得減少や損失について更なる経済的支援を行うこと。

Ⅲ 国民生活の不安解消

1 新たに創設される生活支援臨時給付金(仮称)は早期に給付を行うこと。

2 小学校休業等に対する雇用労働者への対応助成金、フリーランスへの対応支援金の申請要件を緩和、煩雑な手続きを見直し、速やかに支給できるようにすること。

3 コロナウイルス感染症にかかる傷病手当支給の対象に、現在対象となっていない事業主・家族従業者、フリーランスを加えること。そのための財政措置を国が行うこと。

4 学校臨時休業対策費補助金の補助対象期間の延長、オンライン授業等の学習環境の整備支援、再開後の各学校の実情に合わせた「心のケア担当教員」の加配措置など、学校教育面での万全の支援を行うこと。

5 運転免許有効期間の延長申請手続が不要となるように政令を発すること。

6 新型コロナウイルス感染症の特性を国民に丁寧に説明し、感染患者やその家族等の人権や風評被害に配慮した対策を講ずること。

Ⅳ 地方公共団体等への財政支援

1 「新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金(仮称)」については、地方が地域の実情に応じたきめ細やかな対策を実施できるよう、自由度の高いものとすること。

2 地方公共団体や医療機関等が行う各種対策に要する費用について、特定警戒都道府県に位置づけられた地方公共団体、その中においても感染者の発生状況を踏まえ、重点的な財政措置や早期終息に向けた機動的な財政出動を行うこと。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

令和2年4月24日

衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
内閣官房長官
総務大臣
財務大臣
法務大臣
外務大臣
文部科学大臣               様
厚生労働大臣
農林水産大臣
経済産業大臣
国土交通大臣
環境大臣
防衛大臣
国家公安委員会委員長
経済再生担当大臣

兵庫県議会議長 長岡 壯壽

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