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ようこそ知事室へ
【発表項目】
(令和5年度9月補正予算(緊急対策)(案)にかかる会見に引き続き、北米におけるトッププロモーションのため、定例会見がないことから、その他項目の質疑のみ実施)
記者:
明石公園内の市立図書館の件でお伺いします。
昨日、前明石市長が、X(旧Twitter)でこのような投稿をされています。「斎藤知事から明石市に本日お詫びの電話があった。県からの提案が遅れていて申し訳ない。明石市が検討していただければありがたい」との趣旨だったというような発信をされていますが、このような発言されたのでしょうか。
知事:
全くしていないですね。
本来、一私人ですので、SNSの書き込みについて私から発言すべき問題ではないかもしれませんが、昨日の9月11日の12時50分頃に、私から丸谷市長に電話をしましたが、その際に、お詫びや、今の質問のようなお礼をした事実はありません。
電話の内容としては、あくまで明石市において、図書館の跡地における市立施設の導入検討が進められていることを担当からも聞いているので、その確認と、知事と市長が直接会い方向性を協議する機会を設けて、県民や市民に喜ばれるような公園づくりを協調して進めていくことを共有しました。
お詫びやお礼をした事実はありません。この点については、同席していた複数の県職員も確認をしています。
この問題の最終的なボールは、明石公園の土地を県から許可を受けて設置している明石市にあるので、明石市が主体的にどのような解体、その後の利活用をしていくかを考えるのは当然のことだと思っています。
記者:
一私人とはいえ、誤った情報が広がることは、よろしくないのかと思うのですが、改めて、抗議なりするお考えはあるのでしょうか。
知事:
県の秘書広報室から明石市の市長室に連絡をしています。
私は見ていませんが、そのような書き込みがあったということで、お詫びとかお礼をしたという事実はないということを確認した上で、県の秘書広報室から明石市の市長室に文書で申し入れを行ったという報告を受けています。
いずれにしても今回の件は、あくまで知事と現役の市長との電話の内容なので、これが外部に、前市長とはいえ伝わり、それが誤った内容でSNSを通じて数十万人に拡散した形になるので、これ自体はやはり恐ろしいことであり、大変遺憾なことだと思っています。
明石市の情報管理のあり方についても、少し、苦言を呈することが大事だと思っています。
記者:
企業庁の地域整備事業に関してお伺いします。
負債額が768億円あり、全てではないと思いますが、返済出来ない状況になりつつあるのではないかとのことですが、この問題に関して、知事の受け止めと、今後の対応をお聞かせください。
知事:
企業庁は、淡路夢舞台や水道事業など複数の事業を行っています。水道事業は、比較的経営が安定しています。
しかし、地域整備事業会計は、かつて県が土地を造成した後、企業団地等にして販売する事業ですが、なかなか当時の計画通りに販売が進んでいない状況です。
一方で、多額の企業債いわゆる借金をして、土地の造成などを行ってきたので、今後、その償還が発生してきます。
今の貸借対照表(BS)ベースで、700億円を超える企業債、いわゆる借金があるので、今後の課題になってくると考えています。
当然、順調に土地を売り、想定通りの計画で進めばいいのですが、なかなか計画通りに進んでいないのが現状です。
内部留保などを活用しながらでも、本当に償還ができるのかどうか、資金ショートが発生しないかどうかが、今後の課題だと思います。
これまでも前知事時代から単年度ベースで黒字収支でしたが、複数年度に渡って将来的にどうなるかの説明は行ってこなかったので、今回、外部の有識者会議を立ち上げ、少なくとも10年以上に渡る収支計画を出し、県民の皆さんに将来の収支見通しや課題を明らかにしていきたいと思っています。
その上で、地域整備事業会計や企業庁全体のあり方を、今後1年から2年かけて議論していくことが大事だと思っています。
記者:
これまで長い間、この問題に気付いている方もいたのではないかと思いますが、なぜ今になって明らかになったのか、いつわかったのかを教えていただけますか。
知事:
議会側からも都度指摘されていました。
また、企業債の償還が700億円以上あることは財務諸表を見ればすぐ分かります。
斎藤県政も任期が折り返しに入り、コロナ対応もある程度落ち着いてきました。また、県議会の構成も変わり、本格的に前を向いた県政をしっかりできる基盤になってきましたので、残りの2年間で、これまで積み残されてきた負の遺産を処理していくべき時期に来ているのではないかと私自身も判断しました。
先日の県政改革審議会でも、単年度では黒字だが、中長期的に見ると非常に厳しい状況だとの意見をいただいたので、今回の9月議会からその方針を示して議論をしていきたいと判断をしました。
記者:
なぜこの問題が長期に渡って起きたと考えていますか。
知事:
外部有識者の意見も含めてしっかり検証していかなければいけないと思っています。
当初の経営見通しの甘さを早いタイミングで、県民や議会に対して明示すべきだったと思いますが、震災からの復興途上で県は行革に取り組んできましたので、この問題を明らかにすることに少し躊躇があったのかもしれません。
だからこそ、分収造林事業も含めて、現在の企業庁が持っている中長期的な課題や収支見通しを明らかにした上で、かつ、これまでの県政における政策判断がどうだったかの検証も併せて外部有識者の会議で検証していきたいと考えています。
今年度中には委員会として、意見を出していただいて、次の1年でこの問題をどう処理していくかについて議論していきたいと考えています。
記者:
県庁舎にも絡みますが、本日の知事の説明だと、新庁舎の建て替えについて、建てない方針がより強くなったと感じました。
やはり、分収造林事業のような問題が出てきたことで、県が返済しなければいけない借金が多額になる状況も、県庁舎を新しく建てることに影響していますか。
知事:
そこは、否定できません。
もし県庁舎整備の前の計画で進んでいたら、1000億円から1500億円になった可能性があるので、その際、過去の処理しなければいけない負債がもし1000億円程度出てきた場合に、県の財政は非常に厳しくなります。
県庁舎の建て替え問題を1度立ち止まったことは、判断として良かったと思っています。
単に県庁舎を建て替える方向性は、厳しいのが今の思いです。
記者:
泉前市長のX(旧Twitter)に関して、県の秘書広報室から市の市長室に申し入れを行った内容は、前市長の投稿内容が間違っていることも含めているのか、何を申し入れたのか教えてください。
知事:
後ほど申し入れの文書は提供します。
あくまで私と丸谷市長が会話をして、両首長同士で議論をした内容が、私は見ていませんが、突然、外部の一私人のSNSで話の内容が発信され、かつ、その内容が、「私がお詫びをした、市がアイデアを出してくれて感謝をしている」など、私は一言も言っていませんが、それが発信され、かつ、数十万人の方に誤った事実が拡散されていることは非常に問題だと思いましたので、秘書広報室から文書で先方へ申し入れを行い、このような事実はないと改めて確認をしました。
その後、SNS自体は削除されたと聞いているので、市で何らかの対応があったのではないかと思っています。
記者:
泉前市長は、市は県からの提案を待っていたことにより、3年半も放置した状態になってしまったと主張されていると思います。
知事としては、3年半放置されている事実に関して、一定程度県にも責任があると感じているのか、昨日、ボールは最終的に明石市が持っていると発言されていましたように、市から提案するなど動く必要があったのではないかと考えられているのか、県の責任をどう考えているかお伺いします。
知事:
私は、民間活用を図ることで、解体費を圧縮するなどの方向性自体を検討したら良いのではないかと指示はしていました。
担当同士では、パークPFIを活用して、施設の解体や建て替えを民間事業として実施することで、費用の軽減を図る提案を明石市とも話をしていました。
その後も随時明石市とも意見交換をしている過程で、市が国の補助を使い建て替えていきたいと新市長の元で判断されました。
土地の返却問題は、基本的に明石市が借りているので、明石市が主体的にどうすべきかを決めて判断すべき問題だと思います。
どちらにボールがあるかよりも、最終的なボールは明石市にあるということを明確にしておいたほうが良いと考えています。
また、市議会からも、この問題をいつまでも放置しておくわけにもいかないので、早く解決をしなければいけないのではないかという質問も出ていたと思います。
市当局や市議会としても、明石市が借りている土地なので、期限が過ぎている問題をどのように解決するかは、市が市議会と話をしながらどう進めるか判断することが、重要だと考えたのだと思います。
記者:
今までは若干明確ではなかった、あやふやな認識になっていたのですか。
知事:
返済期限が来ていることは文書でやりとりをしていますので、公文書としても一定明確にはなっていると思います。
解体費が8億円かかることもあり、県としても、市と協議しながら、一番良い方法を模索していきたい思いは私自身も持っていましたので、意思疎通を取りながらやってきました。
最終的に解体費の負担も含めて、どのように進めていくのかは明石市が判断しなければいけない問題です。
ただ、方向性として、丸谷市長の元で出てきつつあることは、望ましいと思いますので、知事と市長で会って、方向性を共有し、前を向いて進んでいきたいと思っています。
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