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更新日:2003年11月26日

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第277回兵庫県県議会 知事提案説明(平成15年11月26日)

本日、第277回兵庫県議会の開会にあたり、議員の皆様のご健勝を心からお喜びし、日頃のご精励に感謝します。
提出議案の説明に先立ち、若干のご報告をします。

まず、三位一体改革と行財政構造改革の推進です

三位一体改革については、国の平成16年度予算において、1兆円をめざして国庫補助負担金の廃止・縮減等を行うとともに、これに伴う税源移譲を16年度に確実に行うこととされ、現在、経済財政諮問会議や政府税制調査会等において、審議・検討が進められています。
この方針は、全国知事会が「三位一体の改革に関する提言」のなかで、来年度にとるべき措置として示した、約2兆円の国庫補助負担金の廃止と1兆8千億円程度の税源移譲という規模には及ばないものの、改革の初年度である16年度から実施すべきであるとされたものであり、地方交付税改革の動向をも見定めながら、全国知事会等との連携を図り、国に対して積極的に働きかけていきます。
一方、本県の行財政構造改革については、総点検により抽出された諸課題に対応するための検討を進めており、先般、検討素案を取りまとめました。
これらに対する市町や関係団体からの意見等を踏まえ、12月上旬を目途に、今後5年間の具体的な取り組みを明らかにした推進方策案を取りまとめます。
そして、県議会特別委員会でのご審議やパブリックコメントを経て、新たな推進方策を策定し、成熟社会にふさわしい行財政構造を確立するとともに、新しい時代の県民の要請に応えうる県政の機動的な展開を図ります。

その二は、震災復興の推進です

「阪神・淡路大震災10周年記念事業」基本構想が、「復興10年委員会」において取りまとめられました。平成16年4月から18年3月までの2年間、「1.17は忘れない」を統一テーマとし、「経験と教訓の継承」「心からの感謝」「がんばりの確認・励まし」「先導的取り組みの発信」の四つの意義・目的に沿って、被災地を中心に多彩な事業を展開するものです。今後、各種団体や被災市町等の参画を得て推進組織を設置し、記念事業の広報や支援のあり方を検討するなど、円滑かつ効果的な事業推進を図ります。
復興10年総括検証・提言事業については、12月を目途に検証テーマ等を決定して本格的な作業に着手し、震災直後の初動対応から本格復興までの取り組みを客観的・多面的に検証します。
また、平成17年1月に開催予定の「国連防災世界会議」については、先般、推進協力委員会を設置しました。関連行事の企画など、地元として会議の円滑な推進を支援していく態勢を整備します。震災復興10周年記念国際公募展「兵庫国際絵画コンペティション」の開催準備も進めます。
一方、住宅再建支援制度については、その実現に向け、すでに全国知事会や都道府県議会議長会など地方六団体が一体となった緊急決議を行い、平成16年度に必要な立法措置や財政措置等を講じることを国に強く要望しています。今後とも、国に対して積極的に働きかけを行いますので、議員の皆様のご支援、ご協力をよろしくお願いします。また、住宅再建共済制度に関する仕組みについても引き続き検討を進めます。
近畿2府7県震災時等の相互応援に関する協定等に基づき、神戸市内を中心に近畿府県合同防災訓練を実施しました。
今回の訓練では、市街地を活用した実動訓練に加え、実戦を想定した大規模な図上訓練を初めて行いました。2府7県や防災関係機関等が一斉に連携した対応がとれるかどうかが課題でしたが、相当の成果をあげることができました。今後さらに、被害情報の収集や広域応援体制等について検証し、災害対応力の一層の向上を図ります。
また、平成11年9月の台湾大地震の復興支援として、県民の皆様から寄せられた義援金を活用して再建が進められていた「台中県・健民国民小学校」が竣工しました。地元の方々から様々な感謝の言葉が寄せられことをご報告します。
なお、先に実施された阪神タイガース優勝記念「神戸パレード」は、雨天にもかかわらず、25万人の方々の熱気のなか、大盛況のうちに終えることができました。監督や選手の皆さんの活躍があったからこそ、阪神・淡路大震災からの復興の姿を全国にアピールすることができたものと考えます。多くの方々からの募金やボランティアのご尽力など、県民の皆様のご協力にあらためて感謝申し上げます。

その三は、経済・雇用対策です

本県経済は、輸出が好調を持続し、設備投資が回復基調を強めるなど、全体として持ち直し傾向にあり、ようやく回復の兆しもみられるようになりました。
しかしながら、個人消費が弱めの動きを続け、若年者や中高年者の雇用も厳しい状況が続くなど、決して楽観できる状況にはありません。こうした変化の兆しを的確にとらえ、本県経済を自律的な成長軌道に乗せるための取り組みが必要です。
このため、「ひょうご経済・雇用再活性化プログラム推進会議」からいただいたプログラムの充実・見直しに関する提言を踏まえ、明日を担う人材の育成・活用や中小企業をはじめとする産業の活性化、多様な就業・生き方を支える地域づくりなど、プログラムの総仕上げに向けた施策の検討を進めるとともに、経済・雇用情勢の変化に対応した的確な対応を図ります。
一方、若年者の就職支援対策として、兵庫労働局とともに、経済団体に対して中学・高校生の求人枠の拡大を要請するとともに、ハローワークと連携して、若年失業者や不安定就労者の早期の常用就職を促進する「若者しごと倶楽部」を開設しました。
また、ひょうご産業ウィークとして、「ITあわじ会議」「国際連携兵庫会議分科会」「国際フロンティア産業メッセ2003」をリレー開催しました。ITをめぐる日韓の技術連携や環境と産業における国際連携、産学の技術交流や研究基盤の形成を促進し、21世紀を先導するフロンティア産業の創出等につなげます。
なお、黄華華広東省長を団長とする広東省友好代表団が来県され、20年にわたる友好のきずなを確かめ合い、経済、観光、芸術文化など広範な分野で交流を促進していくことを確認しました。12月中旬には、経済交流の一層の推進を図るため、広州市で日本広東経済促進会の第三次年次会を開催します。
また、上海・長江プロジェクトとして、神戸・阪神と長江中下流域地域との交流・連携を推進する日中代表者会議も開催され、県民レベルの幅広い地域交流が期待されています。

その四は、BSE対策です

先般、兵庫県で生まれ広島県で飼育されていたホルスタイン牛のBSE感染が確認されました。
これまでから、疑わしいものは一切牛肉として流通させないことを基本に、二段階にわたる厳しい検査を行っており、今回の件はその仕組みが有効に働いた証左であります。牛肉については検査体制が確立されており、BSEと確認された牛はすべて焼却され、安全な牛肉しか市場には出回りません。また、この牛の本県での飼養期間は23日と短期間でしたが、直ちに生産農家に飼養牛の移動を制限するとともに、同居牛の追跡調査等を実施し、すべて異常ないことを確認しております。今後とも農林水産省、広島県等と連携しながら、感染原因の解明等に全力をあげます。

その五は、環境対策です

「第6回世界閉鎖性海域環境保全会議(EMECS2003)」が、東南アジア地域で初めて、タイ・バンコク市で開催されました。
これまでの会議において、閉鎖性海域から沿岸海域の生態系へ、さらに流域全体の環境保全へと考えを広めてきており、今回は、第5回の兵庫会議での議論を踏まえ、環境創造など人と自然の持続可能で友好的な共生、そのための責任ある沿岸保全をテーマとして、研究者やNPO、市民等の参加のもと、様々な取り組みの報告と議論が行われました。また、初めて高校生等の環境教育交流プログラムも実施され、環境管理に取り組むマンパワーの重要性が確認されました。
一方、環境省と瀬戸内沿岸知事・市長会議等の主催による「瀬戸内海環境保全特別措置法」制定30周年記念シンポジウムが神戸市で開催され、21世紀の瀬戸内海の環境保全について議論を深めました。
今後とも、瀬戸内海を貴重な財産として維持していくため、尼崎21世紀の森や瀬戸内なぎさ回廊等、海と人との共生空間づくり、青少年の環境教育などに積極的に取り組みます。
国道43号等沿道の環境について一層の改善を図るため、国土交通省や関係市と連携し、阪神高速5号湾岸線を通行する大型車の料金をさらに割り引く環境ロードプライシング社会実験を来年2月に実施することとしました。この実験を通じて湾岸線への交通転換を促進し、環境や交通への効果や採算性への影響等を調査・検証して、沿線の環境改善を図る効果的な方策の検討を進めます。

その六は、医療・福祉対策です

小児救急(災害)医療システムの整備について、学識者等で構成する委員会での検討をもとに、県民の皆様のご意見等を踏まえ、基本方針を策定しました。
初期救急や2次救急の充実、医療機関相互の連携や救急情報・救急搬送ネットワークの強化を図るなど、誰もがいつでも適切な救急医療を受けられる体制づくりを進めるとともに、3次救急の充実など高度救命救急医療を受けることができる体制づくり、社会全体で小児救急医療を担う体制づくりをめざし、今後、その具体化に向けた検討を進めます。
また、子どもたちの三つの広場事業として、昨年度開設した「まちの子育てひろば」に加え、「子どもの冒険広場」と「若者ゆうゆう広場」が各地域で運営を開始しました。今後とも、地域の子育て支援やこどもたちの居場所・なかま・体験をつくるこれらの事業を積極的に推進します。
一方、障害のある方の仕事確保の一環として、授産施設や小規模作業所の新たな受注先や販路の開拓など、運営基盤の強化と活動の活性化を支援するため、県庁舎内に授産製品の展示コーナーを開設するとともに、ホームページによる商品の案内等を行っています。また、ユニバーサル社会実現の第一歩として進めている障害のある方への声かけ運動について、障害者週間にあたる12月上旬に集中的に展開するなど、さらに自立支援の取り組みを進めます。

最後に、県財政の運営です

本年度の財政見通しについては、県税の10月末調定額が前年度同期比で97.4%に止まっており、年間の県税収入額が当初予算額を下回ることが見込まれるなど、大変厳しい状況にあります。このため、12月を全県統一の重点月間として税収の確保に全力をあげるとともに、経費節減の強化や地方債の確保等を図り、適切な財政運営に努めます。
また、平成16年度においても、依然として経済状況が不透明ななか、県税収入の早期回復が期待できないことや、地方財政計画の歳出見直しによる地方交付税の総額抑制が見込まれるなど、厳しい財政運営が続くものと見込まれます。
来年度予算の編成にあたっては、昨年度より厳しいシーリングを設定し事務的経費等の一層の節約に努める一方で、「安全」「家庭・子ども・コミュニティ」等をテーマに、新規施策に係る特定重点項目枠を設定するなど、スクラップアンドビルドを徹底するなかで、重点的・効率的なメリハリのきいた施策展開を図ります。
なお、職員の給与等については、去る10月8日に行われた県人事委員会からの「職員の給与等に関する報告及び勧告」の趣旨を基本に、厳しい社会経済情勢や国及び他府県の改定状況等を踏まえ、所要の改正を行うこととしました。
また、職員の退職手当についても、国家公務員の退職手当の引き下げ措置が講じられたこと等を考慮して、所要の改正を行います。
 
これより、提出議案の概要についてご説明します。
まず、歳入歳出決算認定の件です。
平成14年度決算は、
一般会計で、歳入2兆957億3,900万円余、歳出2兆864億9,000万円余、
特別会計で、歳入1兆275億8,200万円余、歳出1兆183億1,000万円余、
となりました。
平成14年度は、県税収入が2年連続して前年度を下回るなど、厳しい財政環境にありましたが、行財政構造改革の着実な推進を図りながら、県民生活の安定を図る諸施策を積極的に展開するとともに、緊急経済・雇用対策など、当面する行政課題にも機動的かつ弾力的に取り組みました。
この結果、14年度の一般会計決算額は、実質収支で引き続き黒字を確保したものの、実質単年度収支は2年連続赤字となり、赤字幅も拡大することとなりました。
この決算については、かねてより監査委員の審査に付していましたが、このたび審査意見書の提出がありましたので、今回認定を求めるものです。
条例案件は、さきほどご説明しました職員の給与等に関する条例等の一部改正のほか、電子証明書発行手数料及び失効情報等提供手数料に関する条例制定の件等7件です。このうち、職員の給与等に関する条例等に関しては、施行期日との関係で、先議をお願いしておりますので、よろしくお願いします。
事件決議案件は、養父郡八鹿町、養父町、大屋町及び関宮町を廃止し、新たに養父市を設置するための市の廃置分合の件等63件です。
専決処分承認案件は、平成15年11月9日執行の衆議院議員総選挙及び最高裁判所裁判官国民審査に要する経費に係る一般会計補正予算について承認を求めるものです。
 
以上で、提出議案の説明を終わります。
議員の皆様におかれては、よろしくご審議のうえ、適切なご議決をいただきますようお願いします。

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