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更新日:2022年9月28日

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「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~」選定棚田

2月15日(火曜日)に「つなぐ棚田遺産~ふるさとの誇りを未来へ~」に選定された、兵庫県内の7つの棚田を紹介します。

兵庫県認定棚田位置図

宮垣(ミヤガキ)の棚田〈養父市〉

農地を守り、農村を未来へつなげる。

養父市のほぼ中心部に位置する宮垣棚田は、地形が急峻で、昔ながらの風景が残る棚田です。
蛇紋岩(岩石の表面に蛇のような紋様が見られることから命名)地帯で、天満山のミネラル分を多く含む豊かな土壌と、そこから流れ出る天満谷川の水を用いた、粘りが強く甘みがあると言われる米「蛇紋岩米」を生産しています。
農家数が減少する中、農村を維持していくために、棚田地域振興法の活用に積極的に取り組み、兵庫県内で指定棚田地域振興活動計画の認定第1号になりました。非農家の方の意識改革に重点を置き、農道・水路の草刈りを協同活動として位置付け、非農家を多く含む草刈隊を編成。これまで非農家だった方が、共同利用の農業機械を活用し水稲を栽培、営農面積を徐々に拡大している事例もあり、地区全体で棚田の良好な景観を維持しています。

※指定棚田地域(棚田地域振興法)

宮垣棚田(全景)  宮垣棚田(草刈り隊)

能座(ノウザ)の棚田〈養父市〉

集落・企業・行政 三位一体で歩むむらづくり

かつて、能座集落は農業者の高齢化に伴う農地維持に苦慮し、地区農地の過半を休耕田を占める時期もありました。
このような状況下、養父市が平成27年に国家戦略特区の認定を受けました。三木市の建造タイル会社が農業参入し、休耕田であった農地8.4haを含む農地で酒米を栽培、能座地区の田に稲穂が蘇りました。
現在は、参入企業と集落が役員となった組織を設立し、行政も含めた3者が一体となって、むらづくりを進めています。

※指定棚田地域(棚田地域振興法)

能座(全景)  能座(阪米) 

別宮(ベックウ)の棚田〈養父市〉

これまでも これからも そこにある 別宮の棚田

別宮地区は、兵庫県の鉢伏山の中腹に広がる高原地帯に位置しています。
別宮の棚田からは県最高峰である氷ノ山(標高1,510m)が一望でき、氷ノ山で営巣している国の天然記念物「イヌワシ」が舞う姿も棚田から見ることができます。また、田んぼに水を張る時期は、水面に氷ノ山が逆さに映る「逆さ氷ノ山」が有名で多くの写真愛好家に親しまれています。
「棚田を棚田として守りたい」「氷ノ山を望みながら土を耕し、大カツラの湧き水で米を作る」。この思いのもと、地区では先祖から受け継いだ棚田を、誇りを持って守っています。

別宮(全景)  別宮(逆さ氷ノ山)

山田(ヤマダ)の棚田〈宍粟市〉

石垣を活用したあかりイベントの開催!

棚田のある山田地区では、都市住民との交流を目的に、平成4年から「やまだの里石垣まつり」で地元野菜の販売等のイベントを開催してきました。更に平成25年からは「棚田のあかり」を開催し、石垣に沿った2,000個の灯篭と3,000個のPETボタルを使ったイベントを開催しています。
石積みの後世への継承を申し合わせするなど、地域ぐるみで棚田を守る活動を実施しています。

山田(ライトアップ)  山田(昼)

飯見(イイミ)の棚田〈宍粟市〉

棚田でつくった安全安心な米を後世に繋ぐ!

美しい農村景観と棚田を守り、次代に繋いでいくために、有機栽培や減農薬栽培に取り組み、手間ひまをかけて美味しくて体によい米づくりを実践しています。
収穫した米は、道の駅の新米まつりでの販売など消費者とのやり取りのなかで改良し、地道な積み重ねでリピーターを獲得に努めています。また、地域の子ども向けの虫送り行事の開催のほか、旅行会社と提携した都市住民のツアー企画などの取組も実施しています。

飯見(全景)  飯見(虫送り)

岩座神(イサリガミ)の棚田〈多可町〉

黄金の田園風景を守る棚田の里づくり協定

兵庫県のほぼ中央部、名峰千ヶ峰の南麓に位置し、秋には一面黄金色になる棚田風景が広がります。最も高い法面には「寺積み」と呼ばれる反身になったものや、草刈りのために法面の中ほどに突き出た「にんじゅう」(踏み石)、「とび重」など高い技術の特殊な石積みが見られます。
岩座神では早くから保全活動に取り組んでおり、現在は1996年に発足した「岩座神棚田保存会」が主体となって保全活動を行っています。

※「日本の棚田百選」認定地区


岩座神の棚田  岩座神(夏)

うへ山(ウヘヤマ)の棚田〈香美町〉

地域の宝を未来へつなぐ

兵庫県北部の香美町にあるうへ山の棚田は、その美しい風景から、古くから多くの方に親しまれてきました。
近年は、農家の高齢化による耕作放棄地が発生したことをきっかけに、地域の宝である棚田の景観を守るため、地域の有志が立ち上がり棚田を耕作しています。もともとは景観保全が目的でしたが、現在は田植えや稲刈りの時期に地元中高生のほか、隣県の大学生も保全活動に参加し、棚田をフィールドとした環境学習など教育活動の場としての役割も担っています。
米の付加価値を高めるための取組や水路・農道整備、有害鳥獣対策など、持続可能な仕組みづくりを目標に活動しています。

※「日本の棚田百選」認定地区

うへ山(全景)  うへ山(農業体験)

お問い合わせ

部署名:農林水産部 農地整備課

電話:078-362-3431

FAX:078-341-2101

Eメール:nouchiseibika@pref.hyogo.lg.jp