R4.7 局長メッセージ 但馬県民局長・登日 幸治(とび こうじ)
一ヶ月前には落ち着きを見せていた新型コロナウイルス感染症が、またもや拡大の兆しを見せてきました。
ウイズコロナ社会において、私達ができること。それは基本的な感染防止策の徹底しかありません。
一度しか無い令和4年度の夏を、楽しい時間に変えるためにも、今一度、こまめな手洗いや手指の消毒などの徹底をお願いします。
また、これから暑い日が続きます。熱中症予防の観点から、可能な場面ではマスクを外すなどの熱中症対策にもご留意ください。
さて、今回は「外から見ると不思議だらけの但馬地域」第二回です。
とかく煩わしいことの多い昨今。駄文をお読み頂き、僅かばかりでもほっこりして頂ければ幸いです。
第二回:人情とは。。。
「人情が紙風船のごとく軽くなった」と言われて久しい。
広辞苑によると人情とは「自然に備わる人間の愛情」とある。
私は、「人」の「忄(心)」の「青(清々しさ)」を人情だと思っている。
但馬地域には、紙風船どころか、飛行船もびっくりの人情が脈々と受け継がれている。そんな出来事を2つほど。。。
普段は総合庁舎で勤務しているが、時折会議で出かけることがある。
会議が金曜日の勤務時間外に終わると、庁舎に戻らずJRの利用促進よろしく出張先から「はまかぜ」で直帰させて頂くことがある。
「はまかぜ」で神戸の自宅に戻る醍醐味は車中でのグビッ。
持ち前の嗅覚で、とある特急停車駅近くの酒屋を探し出す。
ロング缶(もちろん、第三のビール)におつまみを買い込み、いそいそと駅に向かう。
すると、「お兄さん、ちょっと待って!」との声がする。
「お兄さん」と呼ばれなくなって久しく、付近に知り合いも居ないため無反応の私。するとまた、「ビール買ってくれた人!」とのかけ声。
私のことだと悟り、振り返ると、息せき切った男性が駆け寄ってきた。
「家内が勘定を間違えた」とのこと。てっきり支払いが少なかったものと財布を取り出すと、男性から10円を手渡される。店番をしていた奥様が10円多く徴収されていたとのこと。
たかが10円、されど10円である。
車中での第三のビールはプレミアムの味わいに変わった。
これも、出先での話。
とある市役所に午後からの会議のため、昼過ぎに出かける。
駅近くで昼食を取ろうと思っていたが、店が見当たらない。
暫く商店街を歩いたが、一向にお店が無い。
たまたま、通り沿いを掃除されている初老の方がいらっしゃったので、「この辺りで食事ができる場所はないですか?」と尋ねる。
HEROに出てくるマスターのごとく、「あるよ」の返事。
教えてくれるのかと思いきや、無言のまま、私の前を歩き出すご主人。
後を追うと、「ここらは何もないからなぁ」との言。
2~3分後、「そこ。コロッケ定食が旨い」とのご推薦も頂いた。
「ありがとうございます」。私のお礼の言葉もそこそこに立ち去るご主人。
もちろん、コロッケ定食を頂いたが、格別の昼食となったことは言うまでも無い。
但馬には人情が溢れかえっている。