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例年に比べ春から目撃・痕跡情報の件数は増加しており、但馬地域の8月末の目撃・痕跡情報件数は350件(全県449件)でした。また養父市内では8月に人身事故も1件発生しています。
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令和6年度は、ナラ類などのドングリ類が14年ぶりに大凶作となりました。ツキノワグマは冬眠前に木の実などを食べ脂肪をつけますが、ドングリは重要な食料です。
ご存知のとおり、柿も不作の年で甘柿はすでにクマなどに食べられほとんどなく、渋柿が一部残っている状況です。
山の実りが凶作の年は、ツキノワグマが冬眠のために食べ物を求めて集落への出没の危険が高くなります。今年は、クマが集落内の頻繁に出没する可能性があります。
甘い物、匂いのするものは要注意!
危険箇所など | 対処 | |
集落周辺の柿・栗 | 残った実のクマが集中します。 銀杏も食べます。 |
実の除去、トタン巻き(注1)、周囲に電気柵設置(注2)など、至急対策を! |
家庭菜園の果樹 | 庭先のブドウにも来ます。 | 実の早期収穫、周囲に電気柵設置(注2)を! |
軒先の干し柿 | 家の壁をよじ登って食べたり、納屋の中に侵入して食べます。 | 屋内で干す。 納屋などは戸締まりをしっかりと! |
放置された残飯や生ゴミ |
残飯でも野生動物にとっては栄養価の高い食料です。 | 裏の畑などに捨てない。 しっかり埋めるか一般ゴミで処分を! |
コンポスト | 生ゴミの腐臭にも寄ってきます。 | 一時的に使用を止める。 |
納屋や倉庫、車庫 | 柿もなくなると、倉庫や車庫、納屋へ侵入するおそれがあります。 米ヌカ、ヌカ漬け、ペットフード(犬、猫、魚)、ペンキや燃料、酒やジュースの洗っていない空き缶なども誘因物に。 |
シャッターは必ず閉め、戸締まりをしっかりと! 匂いのするものは密閉する。 ※昨年秋田県で事例あり。 |
民家の台所 | 流し台の前の窓から侵入した例があります。 | 戸締まりをしっかりと! 屋内でも食物を放置しない。 |
牛舎、鶏舎、豚舎、養魚場 |
家畜の飼料にも来ます。 鶏舎ではニワトリも食べられます。 |
周囲に電気柵の設置(注2)を! |
果樹園(ビニールハウスで果樹栽培) | クマだけでなくハクビシンなど多くの動物が来ます。 | 周囲に電気柵の設置(注2)を! |
趣味の養蜂の巣箱 | 蜂蜜も幼虫も大好物です。 | 周囲に電気柵の設置(注2)を! |
(注1)柿の木のクマが登れないように、幹にトタンを巻きます。トタンは釘かネジで固定しましょう。(番線で止めると登られます。)
(注2)周囲100mのセットが3万円程度で販売されています。ご検討ください。
出会い頭でクマに会うのが一番危険です。
クマは目が悪く音に敏感です。音を出して自分の存在を気付かせることが大事です。
朝夕夜は民家の周辺にクマがいるかもしれません。民家の玄関前に大きな糞があることもあります。玄関を出るときから注意です。
早朝・夕方の散歩やランニングでは鈴や音楽を流しましょう。
夜帰宅時に車から降りるとき、クラクションを1回鳴らすことも有効です。
クマを目撃しても決して追払いや威嚇をしてはいけません。走らず、ゆっくり距離を離しましょう。逃げるものを追う習性があります。
クマによる人身事故では、死亡事故は少ないですが、重傷となります。
クマは一撃して逃げることが多く、人の顔を狙います。顔や頭に酷い怪我を負います。
クマの目撃や、集落周辺で新しい痕跡(爪痕、足跡、糞、食跡)を見つけたら、市町の農林水産担当部局へ速やかに連絡してください。
クマの出没を放置すると大変なことになります。早急に対処することが大切です。
秋のクマは食糧が目当てです。有害鳥獣で捕殺しても、原因となる誘因物の対処をしないと、別のクマがやってきます。捕獲だけでは人身事故の危険を取り除くことはできません。
誘因物の除去は集落ぐるみで取り組みましょう。誰かが誘因物を放置すれば集落内にクマを誘因してしまいます。
凶作の年でもクマの来ない集落づくりを目指しましょう。
お問い合わせ
部署名:但馬県民局 豊岡農林水産振興事務所 森林課
電話:0796-26-3698
内線:429
FAX:0796-24-8163