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暦の上では秋になりましたが、例年にも増して暑い日々が続いています。
今暫くの間は、新型コロナウイルス感染症への注意と合わせて、熱中症への対応にもご留意下さい。
また、異常気象が異常では無くなってきている昨今、豪雨災害により当たり前の日常を奪われた北陸、東北地方の方々に平穏な毎日が早く訪れることを願ってやみません。
さらには、これからの本格的な台風シーズンが何事も無く過ぎ去ってくれることを祈るばかりです。
さて、今回は「外から見ると、不思議だらけの但馬地域」第三回です。
「当たり前」をキーワードに、但馬地域の不思議さを傍観してみました。
いつもにも増して、お寒い文章になっていますので、お読み頂き涼しさを味わって頂ければ幸いです。
第三回:但馬の当たり前は当たり前では無いことに気づいていない但馬の当たり前
私が最初に但馬に赴任した8年前。
地域の方々から「こんな何も無い所に良く来てくれた。」とのお礼を賜ることが多くあった。
話の前後から、「宅配ピザ屋さんが無い」ことや「某有名コンビニが無い」ことを指しているのではない。
今回は、但馬の方々が「何も無い」と当たり前のように言われるが、凄いこと、素晴らしいことが当たり前になっている但馬の凄さについて話をしたい。
とある日。いつものように公舎から職場まで徒歩出勤。
「カタカタカタ」。通勤途中の水路沿いの道で聞き慣れぬ音に遭遇。
水路に大きな鳥が居る。コウノトリだ。
昨今では300羽を超えるコウノトリが野生復帰しているが、特別天然記念物には違いない。
それが当たり前に、朝の挨拶よろしく水路に佇んでいる。
水路を泳ぐ小魚を狙っているらしいが、動作が鈍く中々食事にはありつけていない様子。
また違うある日。
別の場所では、小学生の通学路を何におびえるでも無く歩くコウノトリ。
但馬の当たり前の光景である。
最初に耳にした時は、遊園地の一種ではないかと勘違いした「山陰海岸ジオパーク」。
そこに、船越英一郎氏が居れば、サスペンスドラマのワンシーンに成るに違いない光景が但馬の海辺には広がっている。
夏のある日。
ジオタクシーなる小型遊覧船?に乗って海上からジオパークを視察。ガイド兼船長の方の解説付きだ。
インディアンの酋長にそっくりな岩やエメラルド色に染まる洞門など、人の手では決して作ることができない奇景が広がっている。
船長の抑揚の無い、淡々と事実のみを語るその解説に、「どうだ、凄いだろう、但馬の自然は。。。」の気負いは無い。
ジオパークの凄さはこれに留まらない。
詳細は他に譲るが、玄武洞や「裏見の滝」と呼ばれる吉滝、さらには但馬牛や松葉ガニなどもジオパークの成せる技、自然が作り出した但馬の地域資源である。
凄いものが当たり前にある。
但馬の当たり前は当たり前では無いのだ。
ちなみに、二度目の赴任となった今回。庁舎近くに宅配ピザ屋さんができている。某有名コンビニの出店が残された課題になった。
(但馬県民局長 登日 幸治)
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