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今年も残り僅かとなりました。
振り返ると、令和4年は、後世の歴史家から「激動の一年であった」と言われるに違いありません。
個々の出来事を上げ出すとキリがありませんが、来年こそ穏やかな、そして幸多き一年になることを願わずにはいられません。
この原稿を書いている今、外は雪で覆われています。
この世の中にはびこる嫌な出来事、災厄を、雪が覆い隠してくれないだろうかと思う今日この頃です。
さて、今回は「外から見ると不思議だらけの但馬地域」の第七回です。
ちょっとした心遣いが人に元気を与え、生きる勇気をもたらせてくれます。
今回は、但馬地域の些細な街中の風景から、但馬地域の方々の心の温かさに触れてみました。
今年はこれが最後の投稿になります。
駄文にお付き合い頂いている皆様方。ご家族、大切な方々共々、良いお年をお迎え下さい。
第七回:心の贈り物
人と人との出会いは偶然に満ちている。
地球上の人の数は、約80億人。
同じ地域、同じ職場、同じ学校で出会う人は、地球上の人の数と比べるとほんの僅か。。。
それだけではない。
一生のうちに、報道の映像を通しても出会えるひとはほんの一握りの方々に過ぎない。
その中で、出会い、そして話をする人との巡り合わせは、奇跡という必然かもしれない。
つい先日、10年ほど前に同じ職場に居た方と自宅最寄りの駅近くで出会った。
当時は、まだ新婚さんだった彼女も、今は立派な小学生お二人のお母さん。
孫の居る我が身はさておき、彼女のお母さんぶりに時の流れを感じた次第。
それはさておき。。。
県に奉職以降、異動の度に、前任地でお世話になった方々に挨拶状を書くことにしている。
挨拶状のような堅苦しいものは時代にそぐわないと思われる方々もおられるとは思うが、そこは昭和生まれの性。義理と人情は大事にしたいと思っている。
但馬への赴任直後、少し落ち着いたこともあり、前夜書いた挨拶状を手に郵便ポストを探すことにした。
しかしながら、探すまでも無く、公舎から一歩外に出ると、公舎の前に郵便ポスト。勇んで投函。それで終わる筈だった。
ところがである。
普段はあまり気に止めなかったが、職場までの道程で再度郵便ポストを発見。少し歩くとまたポスト。さらにまた。。。
街中に何故郵便ポストが多いのか。
そういえば、朝方ベランダのプランターへの水やりの際、車を止めて、公舎前の郵便ポストに投函される姿をよく見かける。
また、8年前の但馬勤務の際お世話になった方々から、近況を交えた丁寧な年賀、暑中見舞い、寒中見舞いを頂くことも多い。
メールやラインが主流になる昨今、但馬地域では、人と人との関わりを大切にし、奇跡とも言える必然を大事にされているのだろう。
想像の域を出ないが、「手紙は贈り物」を実践されているからではないかとの結論に至る。
新年を迎えるにあたり、年賀状と向かい、お相手の顔を思い浮かべながら、今年はどんな贈り物をお届けしようかと悩む毎日である。
(但馬県民局長・登日幸治)
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