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今年もいよいよ残りわずかとなりました。4月に但馬県民局に赴任してあっという間の9ヶ月でした。この間、地域で頑張る多くの皆さんと出会い、地域の課題や取り組みについていろいろ意見交換ができました。この経験を踏まえて新年からまた新たな気持ちで但馬の振興に努めたいと思います。
今回は今年最後のメッセージということで11月下旬からの様々な管内の取り組みについてお知らせします。それでは皆さん良いお年をお迎えください。
11月26日豊岡市民会館において、JAたじまの第1回営農振興大会が開かれました。組合員や役員の皆さん約900人が参加し、消費者のニーズに応じた米生産への転換や畜産の生産基盤強化などに取り組むことが確認されました。また、但馬地域の特色ある農畜産物を国内外に発信して輸出に結びつけていくことも決議されました。
尾﨑組合長からは中山間地の多い但馬では、付加価値の高い安全安心な農畜産物の生産が重要で、それにより組合員の所得向上につなげていくことが重要とのお話がありました。
県民局も組合長と同意見であり、力を合わせて但馬の農畜産業の振興に努めます。また、前農林水産事務次官で(株)農林中金総合研究所の皆川芳嗣理事長から「但馬農業に期待すること」と題した講演が行われたほか、小泉進次郎衆議院議員も駆けつけ、直前にまとまった自民党の農協改革案の骨子の説明があり「日本の農業の構造改革こそが重要で、JAたじまで取り組んでいる『コウノトリ育むお米』のような良い取り組みを応援していきたい」とエールが送られました。
11月26日に香美町村岡の兎和野高原野外教育センター周辺の県道約2.6キロでヒルクライムという自動車レースが開催されました。これはレース仕様の外車やクラシックカーで上り坂を走る速さを競うもので、元レーシングドライバー伊藤教夫さん(明石市)が発起人になりハチ北観光協会や地元の皆さんが実行委員会を組織し開催されました。
ハチ北高原におけるスキーシーズン以外の集客イベントに育てたいとの思いもあり実施されましたが、公道を使ってのレースは珍しいことから全国から80台をこえる参加がありました。今回はあくまで試走会ということでしたが、今後課題を分析して来年正式の大会として実施するか検討することになっています。
県民局としても道路を活用した新たな地域の交流イベントとなるよう応援していきたいと思います。
本格的な雪のシーズンを前にして、但馬県民局管内の3土木事務所で編成する除雪機動隊の発隊式を12月1日、但馬県民局で行いました。また発隊式の後には、近くの豊岡ひかり幼稚園の園児を招いて除雪車の見学会も行いました。
冬の降雪時の交通確保は、地域の日常生活の維持や観光交流、医療、防災の面からも大変重要です。隊員の皆さんは大雪や吹雪の中で土曜、日曜を問わずまた早朝深夜にかかわらず除雪作業に従事していただきますので、体調管理に留意し事故のないよう安全運転を心がけるようお願いしています。ご家族の皆さんも含めその献身的な業務遂行に心から敬意を表したいと思います。なお、県民局が除雪を担当する県道、国道は約774キロで、業者への委託を含めて176台の除雪・排雪車両で作業にあたります。
12月2日、朝来市の生野工業団地で進められていた山林の未利用木材などを燃料とする「朝来バイオマス発電所」と「バイオマスエネルギー材供給センター」の完成式典が行われました。この事業は、兵庫県、朝来市、兵庫県森林組合連合会、兵庫みどり公社、関西電力が協定を結び、未利用木材の搬出から発電までの一連の行程を官民が協働で行う「兵庫モデル」とも言うべき先導的な取り組みです。
同発電所では年間に約6万3千トンの木材チップを使用して、約3,700キロ・ワット時(一般家庭約1万2千世帯の年間使用量)を発電します。チップの材料となる未利用木材は但馬や丹波、播磨北部などから搬入することになっています。これまで山に放置されてきた未利用木材でエネルギーを創るだけでなく、林地の再生や雇用の創出、再生可能エネルギーの普及に貢献できる事業であり、この事業が兵庫県のみならず日本の山の再生と林業振興に与えるインパクトは大きいものと考えます。
今後県民局としても、安定的な木材供給に向けた資源循環型林業の取り組みをさらに進めたいと思います。
JR西日本が「美しい日本をホテルが走る」をコンセプトに準備を進めてきた『トワイライト・エクスプレス瑞風』の運行が平成29年6月17日から始まります。兵庫県内では、JR城崎温泉駅に停車し、立ち寄り観光も行われます。去る11月22日その試験走行の途中、JR玄武洞駅に停車した際の重厚感ある雄姿を撮影しましたのでご紹介します。
運行が始まりますと全国の多くの鉄道ファンの注目が集まり、城崎温泉駅にも停車しますので、これを好機に但馬観光のPRを行っていきたいと思います。
(但馬県民局長 秋吉 秀剛)
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