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更新日:2024年6月10日
令和6年6月10日配付
健康福祉常任委員会付託
訪問介護費の引下げ撤回及び介護報酬の引上げの再改定を早急に行うことを求める意見書提出の件
1 受理番号 第21号
2 受理年月日 令和6年5月28日
3 紹介議員 庄本 えつこ 丸尾 まき
4 請願の要旨
「訪問介護事業所がなくなれば住み慣れた家で暮らしていけない」、「親を介護施設に入れざるを得ない」。3年に1度の介護報酬の改定で、訪問介護の基本報酬が4月から引き下げられたことに怒り不安の声が広がっている。身体介護、生活援助など訪問介護は、とりわけ独居の方をはじめ要介護者や家族の在宅での生活を支える上で欠かせないサービスである。このままでは在宅介護が続けられず「介護崩壊」を招きかねない。
介護報酬は介護保険から介護事業所に支払われるが、今回の引下げで訪問介護事業所、とりわけ小規模・零細事業所が経営難に陥り、在宅介護の基盤が壊滅的になるおそれがある。既に2023年の訪問介護事業所の倒産は67件と過去最多を更新し、ほとんどが地域に密着した小規模・零細事業所である。兵庫県内でも同様に、廃業したため利用者の受入を私たちの事業所に依頼されるケースが多々ある。
厚生労働省は、引下げの理由として、訪問介護の利益率が他の介護サービスより高いことを挙げているが、これはヘルパーが効率的に訪問できる高齢者の集合住宅併設型や都市部の大手事業所が利益率の平均値を引き上げているものであり、実態からかけ離れている。
訪問介護は特に人手不足が深刻である。長年にわたる訪問介護の基本報酬が引き下げられた結果、ヘルパーの給与は常勤でも全産業平均を月額約6万円も下回る。ヘルパーの有効求人倍率は2022年度で15.5倍と異常な高水準である。
政府は訪問介護の基本報酬を引き下げても、介護職員の処遇改善加算でカバーできるとしているが、既に加算を受けている事業所は基本報酬引下げで減収となり、その他の加算も算定要件が厳しいものが多く、基本報酬引下げ分をカバーできない事業所が出ると予想される。今回の介護報酬改定では、介護職員の処遇改善のため報酬を0.98%引き上げるとしている。これにより厚生労働省は職員のべースアップを2024 年度に月約7,500 円、2025 年度に月約6,000円と見込んでいる。しかし、財源の根拠が不明確でべースアップが確実に実行される根拠はない。このままでは、介護人材の確保はますます困難になるだけである。
よって、下記事項を内容とする意見書を国へ提出するよう要望する。
記
1 訪問介護費の引下げ撤回及び介護報酬引上げの再改定を早急に行うこと。
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