“具体”は阪神南地域が世界に誇るアートです。
…ではありますが、この地域の人でも知らない方がとても多い。県全域では、知らない人が大部分かも。(あくまで肌感覚)
世界的な地域資源なのにあまり知られていない?
アート版グローバルニッチトップといったところでしょうか。
私自身、今年4月に県民センター勤務になるまではほとんど知識がありませんでした。
お前が無知なだけだろう。という批判は甘受しつつ、あえて反論を試みれば、いやいや、実際に知らない人が多いんです。
と、冒頭から、よく分からないことを書き連ねていますが、「禅問答」をもう少し続けます。
“具体”は抽象です。
「具体アート」ともいわれますが、絵画や彫刻だけではなく、行動や考え方も表しています。
世界では「GUTAI」として知られ、作品によっては、数億円以上の値札が付きます。
芦屋発祥の前衛美術
革新的な絵画やパフォーマンス
…やはり、“具体”の説明は一介の行政マンには荷が重い。美術評論家が紙数を費やして解説すべきものでしょう。
せめて箇条書きでポイントをお伝えすると・・・
- “具体”は1954年から18年間、阪神南地域を中心に「具体美術協会(協会)」が展開した活動
- 協会は芦屋の前衛美術グループで、吉原治良と阪神地域在住の若い作家達で結成し、吉原の逝去とともに概ね活動終了
- 冒険的で革新的な絵画やパフォーマンスは当時の国内美術界で揶揄されることも少なくなかった
- やがてフランスやアメリカで「GUTAI」として紹介され、今では20世紀を象徴する現代美術の国際的な運動体として各方面から注目されている
…といった感じになります。
芦屋川の河畔沿いの芦屋公園。園内で開かれた具体野外展は堤防や自然を芸術的に利用する画期的な試みとして注目を集めた。当時の展示物は残っていないが、景観はほぼそのまま残り、海外からも美術愛好家が訪れる隠れた名所。
“具体”を知る、見る、体験する
「具体フィールドミュージアム」
でも安心してください。
文章で説明は難しくとも、渾身の特設ホームページ「具体フィールドミュージアム」があります。
阪神南県民センターで2年かけて制作したものです。“具体”ゆかりの美術館・博物館の学芸員や大学教授等の協力を得て、コンテンツの作成・監修に当たっていただきました。
(外部サイトへリンク)
今も観られる“具体”アートのマップやモデルコース、各種エピソードも紹介するなど盛りだくさんの特設ホームページ
“具体”の歴史、内容、阪神間具体マップ、モデルコース、様々なエピソードを紹介するコラムなども。各美術館・博物館所蔵の写真や絵画、図なども贅沢に掲載しています。
自信作です。是非ご覧ください。そしてマップを見ながら地域が誇る資源を訪ねてみてください。
新たな阪神南地域の魅力が見えてくるはずです。
嶋本昭三《平和の証》1999年 © shimamoto LAB Inc.
新西宮ヨットハーバーの一角。「瓶投げアート」として知られる嶋本昭三の「平和の証」がある。
(外部サイトへリンク)
(特設ホームページ「具体フィールドミュージアム」)
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