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更新日:2024年12月17日

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兵庫県立考古博物館冬季企画展「弥生の墓ー玉津田中遺跡の方形周溝墓ー」

県立考古博物館冬季企画展「弥生の墓ー玉津田中遺跡の方形周溝墓ー」

R6冬季企画展チラシ

概要

玉津田中遺跡は弥生時代中期の居住域・墓域・生産域がいずれも良好に残っていたため、弥生時代のムラの様子を復元することができました。このうち墓域にある方形周溝墓群を取り上げ、供えられた土器や木製の棺、棺内に残った人骨や石矢じり、管玉などから、弥生時代の埋葬方法を紹介します。

【会期】令和7年1月18日(土曜日)~3月16日(日曜日)

【観覧時間】午前9時30分~午後5時(入場は午後4時30分まで)

【休館日】月曜日(休日の場合は翌平日)

【観覧料】大人200円(150円)、大学生150円(100円)、高校生以下無料

括弧書きは20人以上の団体料金、70才以上の方は大人料金の半額

障害者手帳もしくはミライロID提示で、本人は75%減免、介助者1名は無料


【展示の構成】

弥生の墓と玉津田中遺跡

弥生時代の墓は地域や時期によって異なります。近畿地方の弥生時代中期の墓は、棺を方形に囲むように区画の溝を巡らし、墳丘を盛るという方形周溝墓が一般的で、それらはまとまって一定の墓域を形成しています。玉津田中遺跡では方形周溝墓からなる墓域が良好な状態で見つかりました。

方形周溝墓と埋葬施設

玉津田中遺跡で方形周溝墓が造られ始めた頃、それらは3カ所に点在していました。やがて居住域の北端では、最大のSX40010(20m×14m)を核とし、溝を共有しながら次々に築かれ、群を形成していきます。調査した範囲だけで総数40基を確認しました。埋葬方法は、組合わせ式木棺や、木の蓋を被せた土壙(穴)などがあり、棺の規模や残った人骨からは成人や小幼児といった体形に合わせた棺を造っていることがわかります。

埋葬にかかわる祭祀

方形周溝墓の溝や墳丘の上からは、たくさんの土器が見つかりました。これらの土器は日常生活で使用される土器とほとんど変わりませんが、貯蔵に使用されるはずの壺が火を受けてススが付着していたり、孔を開けたり打ち欠いたりして使えなくしているものが多数あります。こうした土器に残る痕跡は、埋葬する際に行われた飲食物を共食する儀礼によるものと考えられています。

【主な展示品】

木蓋土壙墓(もくがいどこうぼ)(当館蔵)

実際の墓跡を切り取った資料で、方形周溝墓SX40018の西側の溝の中から見つかりました。穴を掘って木の蓋を被せるだけの簡単な埋葬方法で、頭部側には枕を意識したような板がありました。遺体の性別は不明ですが、身長は160cmを超え、北枕で膝を立て、仰向けに葬られていました。

方形周溝墓の溝から出土した弥生土器(当館蔵)

方形周溝墓から見つかる土器は日常生活で使用される土器とほとんど変わりませんが、大きく異なる点があります。

中央の壺(高さ30cm)は本来貯蔵に使用される器種ですが、火を受けて煤の付着や焼き爆ぜの痕跡があり、また孔が開けられて使えなくしています。内面にはコゲがないため液体を加熱したと考えられます。

こうした土器に残る痕跡は、埋葬する際の飲食物共食に伴う儀礼によるものと考えられています。

方形周溝墓の溝に供えられた木製器台と弥生土器壺(神戸市蔵)

方形周溝墓と考えられる溝の底から、弥生土器の壺が木製器台の上に載せられた状態で見つかりました。

器台はカヤの木で作られており、高さ28cmの円錐台形で、側面には6カ所の楕円形の透かし穴をあけて装飾しています。木製の器台は類例がなく非常に珍しい資料です。器台に載せられた弥生土器は、頸部に突帯を貼りつけ、体部に櫛描の直線文と波状文で飾っており、各所に円形浮文を貼り付けています。東播磨地域の特徴をもつ広口壺で、胴部下端に孔が開けられています。

木蓋土壙

木蓋土壙墓

供えられた土器

溝から出土した弥生土器

木製器台に乗せた壺

木製器台と弥生土器壺

開催期間

  • 2025年1月18日(土曜日)~2025年3月16日(日曜日)

開催場所

会場名 兵庫県立考古博物館
会場住所 兵庫県加古郡播磨町大中1-1-1
会場へのアクセス

(交通機関)

【電車】

JR山陽本線土山駅南出口から「であいのみち」を徒歩約15分

山陽電車播磨町駅から喜瀬川に沿って徒歩約25分

【車】

第二神明・加古川バイパス明石西ICから約3km

(駐車場)

近隣の播磨町大中遺跡公園駐車場か播磨町野添であい公園駐車場をご利用ください。

交通手段

会場へのアクセスのとおり

主催

兵庫県立考古博物館

お問い合わせ先

主催者名 兵庫県立考古博物館
住所 兵庫県加古郡播磨町大中1-1-1
電話 079-437-5589
FAX 079-437-5599

関連メニュー

講演会

[時間]13時30分~15時※12時45分開場[場所]当館講堂[料金]無料[定員]80人、事前予約が必要

1月25日(土曜日)「弥生時代の墓ー入門編ー」
講師:齋藤瑞穂(神戸女子大学准教授)
2月8日(土曜日)「年輪年代法からみた玉津田中遺跡出土木棺材の年代について」
講師:光谷拓実(奈良文化財研究所名誉研究員)
3月1日(土曜日)「玉津田中遺跡の方形周溝墓」
講師:篠宮正(当館学芸員)

3月8日(土曜日)「古墳の葺石と竜山石ー石ころが語る古墳造営ー」

講師:岡田大雄((公財)兵庫県まちづくり技術センター技術職員)


展示解説(要観覧券)特別展示室集合

2月15日(土曜日)13時30分~14時30分
企画展の展示解説

ミニ講座(要観覧券)テーマ展示室集合

3月8日(土曜日)15時30分~16時00分

テーマ展示室で企画展に関するミニ講座


事前予約の方法などについては当館のホームページをご覧ください。


お問い合わせ

部署名:兵庫県立考古博物館  

電話:079-437-5589

FAX:079-437-5599

Eメール:Kokohakubutsukan@pref.hyogo.lg.jp