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兵庫県立考古博物館加西分館「古代鏡展示館」春季企画展「漢王朝のやきもの」(加西市)
漢代(紀元前202年~紀元後220年)は、一時期を除き、400年もの長きにわたり統一国家として安定を保った時代です。中国をはじめて統一した秦の末期から前漢にいたる時代は、戦乱により国土が疲弊していましたが、第5代文帝と第6代景帝の頃(紀元前180年~141年)には、社会が安定し漢王朝の基盤が固まりました。この頃から、より下の階層まで丁寧な葬礼を行うようになり、墓に納めるやきもの(明器)が普及し、褐釉陶(かつゆうとう)や緑釉陶(りょくゆうとう)など多くのやきものがつくられるようになりました。
本展では、令和3年に新しく千石コレクションに加わった焼成(しょうせい)、胎土(たいど)、色、紋様などが異なる多様な漢王朝時代のやきものを紹介します。
【観覧時間】午前9時~午後5時※入館は午後4時30分まで(県立フラワーセンター入園は午後4時まで)
【休館日】水曜日※3月23日(水曜日)~5月10日(火曜日)は無休
【観覧料】100円(障がい者減免有り)高校生以下無料
別途フラワーセンター入園料(一般500円/各種割引有り)が必要です。
【おすすめの展示品】
1.黒陶双耳壺(こくとうそうじこ)年代:前漢
中国では黒色の土器を黒陶と呼びます。中国の新石器時代の山東龍山(さんとうりゅうざん)文化期(紀元前2000年頃)や、紀元前400年頃の戦国時代に発達し、前漢時代に終焉を迎えます。
本作品は、胴部の四面に円形のくぼみがつき、全面が磨研されています。菱形の口と胴部をつないで2本の把手が取り付けられており、外面には円形のくぼみが2箇所につけられています。口頸部は縦方向の櫛描紋(くしがきもん)と3条の沈線で飾られています。
このような形の黒陶は、四川省理県の理番文化に特徴的に見られ、日本では「理番の黒陶」と呼ばることもあります。
2.灰釉双耳壺(かいゆうそうじこ)年代:前漢末~後漢
漢代の灰釉陶器を代表する形の壺です。
灰釉陶器とは、植物の灰を水に溶かして釉薬とし、高火度焼成を行ったやきもののことで、殷代中期(紀元前1500年頃)に出現しました。
ごく短い立ち上がりの平縁の口が付き、肩部には、縄状の模様が刻まれた3条の突帯が巡り、器壁から高く浮き上がった1対の耳が付いています。この耳は大きな双角をふり立てた鬼面の形を型抜きしてつくられています。外面は全て灰釉が施釉されていますが、内面は底部のみにとどまります。
3.灰陶加彩龍紋鈁(かいとうかさいりゅうもんほう)年代:漢
灰陶とは一般に灰色の色調の土器のことで、日常生活の器として用いられました。焼成の最終段階に空気を送らずに還元炎(かんげんえん)で焼き上げるため、灰色をしています。
加彩灰陶は、焼成された灰陶に赤や黒・白などの絵の具で彩色されたものをいいます。春秋・戦国時代(前770年~221年)頃から青銅器や漆器を模倣して盛んに作られ、漢代にも副葬品として引き続き作られました。
本作品は、青銅器の鈁(横断面が方形の鐘(壺))の形をそのまま模した灰陶に、赤、白、緑、青の絵の具で彩色したもので、上面がやや平坦な方形の蓋が伴います。胴部には、雲気紋と口を開けた龍一体を描き、相対する二面には獣面形の「鋪首(ほしゅ)」を型抜きして貼り付け、不游環(ふゆうかん)を赤色で大きく描いています。
【鋪首】壺等に付く環状の耳を取り付ける部分
【不游環】花瓶等の耳に付けた環が固着して動かないもの
黒陶双耳壺(こくとうそうじこ)前漢
灰釉双耳壺(かいゆうそうじこ)前漢末~後漢
灰陶加彩龍紋鈁(かいとうかさいりゅうもんほう)漢
会場名 | 兵庫県立考古博物館加西分館「古代鏡展示館」 |
会場住所 | 兵庫県加西市豊倉町飯森1282-1(県立フラワーセンター内) |
会場へのアクセス | 【車】(無料駐車場あり) 中国自動車道加西インターから南へ3km 山陽自動車道加古川北インターから北へ9km 加古川バイパス加古川西ランプから北へ17km 【電車】 北条鉄道北条町駅からタクシー又はバスを利用 その他アクセスについては、加西分館ホームページをご覧ください。 |
上記会場へのアクセスをご覧ください。
兵庫県立考古博物館加西分館
主催者名 | 兵庫県立考古博物館加西分館「古代鏡展示館」 |
住所 | 兵庫県加西市豊倉町飯森1282-1(県立フラワーセンター内) |
電話 | 0790-47-2212 |
FAX | 0790-47-2213 |
【関連行事】
講演会「漢王朝のやきもの」開催日時:7月9日(土曜日)午後1時30分から3時、講師:村上賢治(加西分館学芸員)、定員:先着20名、対象:中学生以上(要予約:6月11日から)
学芸員による「ギャラリー・トーク」開催日時:4月9日(土曜日)、5月14日(土曜日)、6月11日(土曜日)いずれも午後1時30分から2時(予約不要、要観覧券)
古代体験講座「スタンプポン!して古代鏡づくり」開催日時:7月23日(土曜日)(要予約:6月25日から)、8月6日(土曜日)(要予約:7月9日から)時間:各日とも午前11時から正午、午後2時から午後3時の2回、定員:各回先着10名程度、対象:どなたでも(小学生以下は保護者同伴)、参加費:100円
古代体験講座「金属で鏡を作ろう」開催日時:7月30日(土曜日)(要予約:7月2日から)、8月20日(土曜日)(要予約:7月23日から)時間:各日とも午前10時から正午、午後2時から4時の2回、定員:各回先着5名
対象:小学生以上(小学生は保護者同伴)、参加費:1,000円
イベント「クイズに正解して、古代鏡缶バッジをつくろうよ!」開催日時:8月の毎日曜日(7日、14日、21日、28日)時間:午後1時30分から午後3時(予約不要、要観覧券)
いずれも事前予約は直接電話で「古代鏡展示館」まで。(電話:0790-47-2212)
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