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家庭刃物は古くから小野市を中心に発達し、剃刀(かみそり)・鋏(はさみ)・包丁類の家庭刃物の製造は江戸時代に農家の副業及び家内工業として小野周辺に広まり、三木金物(利器工匠具)とともに地域経済の発展に寄与してきた。
延亨年間(1744~48)に剃刀(又右衛門、大島町)が製造されたのをはじめ、文化3年(1807)に握鋏(にぎりばさみ)(宗兵衛、長尾町)、文化年間に包丁の製造が開始されたと伝えられている。
その後も生産技術の改良や機械化が行われ、特に明治時代に品種が多様化した。明治44年(1911年)には刃身にさや付けをしたナイフ(井上仁三郎、小野町)が開発され、小刀を改良した現在の包丁が考案された。さらに、握鋏の不振から昭和5年(1930年)ラシャ切鋏が研究開発され、池ノ坊(いけのぼう)鋏・剪定鋏・散髪鋏なども生産されはじめた。このような流れとともに業者数も増大し、小野周辺地域は刃物産地としての基盤を確立した。
家庭刃物業界の業態は、典型的な家内・零細工業として今日に至っているが、時代の流れとともに近代化され、協業化・機械化が行われている。生産工程図(PDF:39KB)
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