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生野ダム50年の歴史

はじめに 

二級河川市川は、その源を朝来市青倉山に発し、2市3町を経て瀬戸内海に注ぐ長さ約78km、流域面積約506k平方メートルの河川です。

生野ダムはこの上流の朝来市生野町竹原野に位置し、治水対策や工業用水、水道、灌漑用水の補給を目的に建設され昭和47年に完成した高さ56.5メートル、総貯水量1800万立方メートルトンの多目的ダムです。

管理開始から50年を迎えたことを記念し、建設から50年間にわたって担ってきた役割や歴史についてここに紹介する。

当ページは順次情報を追加しいく予定です。

 

生野ダム概要

所 在 地 :兵庫県朝来市生野町竹原野

河 川 名 :市川水系市川

型 式 :重力式コンクリートダム

ゲ ー ト :ラジアルゲート×2門

 ホロージェットバルブΦ850×1基

 ホロージェットバルブΦ350×1基

 ジェットフローゲートΦ350×1基

堤 高 ・ 堤 頂 長 :56.5m・220.0m

総 貯 水 容 量 :1800万立方メートル

管 理 者 :兵庫県

本体着工/完成年:1970/1973年

生野ダム1

 

生野ダム2生野ダム3

 

建設当時の課題

洪水対策

市川は、梅雨や台風による集中豪雨を受けやすい流況であり、浸水被害が発生していたことから、

洪水対策が急務であった。

過去の大きな被害としては、昭和 38 年 6 月洪水では、市川の堤防が決壊し、浸水面積 3,020ha、浸水家屋 2,179 棟の被害が発生した。

都市用水の需要拡大

播磨地域の臨海地区では昭和39年に播磨工業整備特別地域に指定され、工業地帯として飛躍的に発展し、工業用水の需要が高まった。これに伴い姫路市の人口も急増すると同時に上水道用水の需要も高まり、水源難の解決が急務だった。

かんがい用水の安定供給

播磨灘にそそぐ市川は夏期渇水が著しく、稲作にとっては植付けすらできない年もあった。

河川流水を取水堰で引水する方法で流水を調整せず利水している状況では、何れ干ばつ被害から逃れることができない状態にさらされていた。

安定した農耕収穫が得られるように抜本的な対策が施されるのを待つしかない状況であった。(当時は市川本線から取水している耕地は流域内耕地の50%であるが他は渓流やため池に依存している。)

生野ダム目的

 

生野ダム建設

目的

洪水対策

都市用水(上水道・工業用水)の補給

かんがい用水の安定供給

計画

計画流量

生野ダム建設地

昭和38年に予備調査開始され、朝来郡生野町上生野地内がダム適地であることが確認され、

生野ダム建設により、生野町上生野部落で本村、管町の58戸が水没、魚ヶ滝9戸が孤立することから、(移転先地区)への立ち退き移転を行った。水没による移転家屋は420棟に及んだ。先祖代々から続く貴重な土地を提供していただいた。

上生野2上生野1

 ダム湖に沈んだ集落(上生野)

 

生野ダム建設工事の状況

昭和46年4月に堤体コンクリート打設開始しました。
使用するコンクリートの総量は約15万立方メートル、弧動式9tケーブルクレーンで打設し、一日の平均打設量は430立方メートルとして延べ17ヶ月の打設を行った。
こうして昭和47年8月にコンクリート打設が完了し、10月から試験湛水を開始、昭和48年2月25日に完了、3月27日に竣工式を挙行した。

 

工事1工事2工事3

 

工事5工事6工事7

 生野ダム建設工事の状況

 

 

生野ダムの効果

洪水対策

洪水時において、洪水調節容量320万立方メートルを利用して、下流の水害を防除する。
平成23年9月の豪雨では総雨量が計画規模を超える357mm降ったが、生野ダムでは416万立方メートルを貯留し、下流の福崎水位局において最大約24cmの水位低減効果を発揮した。

効果1

 生野ダム洪水調節効果(H23)

都市用水の補給

工業用水

工業用水の水源として播磨工業整備特別地域として飛躍的に発展していく関西電力や出光興産などの水需要に対して11万立方メートル/日を供給することで、発展に貢献してきた。

上水道用水

上水道用水の水源として姫路市全域〇〇人の人口増加による水需要の不足分15万立方メートル/日に対し7.5万立方メートル/日供給し、人々の生活を支えている

かんがい用水の安定供給

かんがいは下流の市川沿岸3071haの灌漑用水並びに下流既得用水等の補給を行い、干害を防止し安定供給に貢献している。

 

小水力発電設備

生野ダム小水力発電設備を平成30年に設置し運用しています。これは普段放流する水を利用して発電する従属発電となっており、一般家庭約700世帯分にあたる年間約2400kWhの発電を行っている。

発電した電気は生野ダムの管理用に必要な電力に使用され、その他の余剰分を関西電力に売電しており、脱炭素にも貢献している。

小水力1小水力2小水力3

小水力図1小水力図2

 生野ダム小水力発電設備

 

生野ダム周辺の見所のご紹介

生野銀山

かつてこの周辺には、織田、豊臣、徳川幕府直轄鉱山として栄えた生野銀山があり、生野ダムの貯水池である「銀山湖」の名前の由来になった。

銀山

 

銀の馬車道

銀山で働く人たちの生活に必要なものや掘り出された鉱物を一度におおく運べるように、生野銀山と姫路港の間に作られた日本初の高速産業道路

淤加美神社と銀山湖

生野ダムの貯水池である銀山湖は「ひょうご百景」の一つに選ばれており、湖面に浮かぶ淤加美神社と合わせた四季折々の豊かな景観が楽しめる。

釣りの名所としての銀山湖

生野ダムの貯水池である銀山湖は釣りの名所としても知られブラックバスのプロフィッシング大会が開催されたり、冬にはワカサギ釣りが盛んに行われるている。

黒川温泉

生野ダム上流に位置し、「美人の湯」ともよばれる秘湯、黒川温泉がある。

 

生野ダム完成50周年記念動画について

 

 生野ダム完成50周年記念動画(外部サイトへリンク)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

お問い合わせ

部署名:中播磨県民センター 姫路土木事務所 福崎事業所 ダム管理担当

電話:079-022-1290

FAX:079-023-0784

Eメール:himejidoboku@pref.hyogo.lg.jp