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ようこそ知事室へ
本日、第356回兵庫県議会の開会にあたり、県政推進に日頃からご指導いただいている議員の皆様に敬意と感謝を申し上げます。
知事就任以来、4ヶ月が経過しました。新型コロナウイルスの第5波への対応や社会経済活動の再開支援をはじめ、コロナ禍を乗り越える取組に力を注いできました。引き続き、県民の命とくらしを守るために全力で取り組んでいく決意です。また、デジタル化への対応や地域の再生などポストコロナに向けて取り組むべき県政の課題にも、県民との対話、現場主義を徹底しながら、地に足をつけ、一歩一歩前に進めていきます。新しい時代を切り拓く、躍動する県政の実現に向け、今後とも、議員の皆様のご理解とご支援をよろしくお願いします。
提出議案の説明に先立ち、諸般の報告をいたします。
新規感染者数は、10人を下回る日が続くなど、県民・事業者・医療関係者の皆さんのご努力やご協力により、第5波は収束に向かっています。改めて感謝申し上げます。
今後は、「次なる波」に備えつつ、徐々に飲食、レジャー、旅行などの日常生活を取り戻して行くことが大切です。
新たな変異株オミクロン株が昨日、国内でも確認されました。本県では、ウイルスの遺伝子配列を調べるゲノム解析を実施するなどサーベイランス体制を整えています。引き続き、予断を許さない状況が続きますが、「次なる波」への備えについては、国が示した「新たなレベル分類」もふまえ、適切に対応していきます。
第5波の入院患者数の2割増及び、自宅療養者等の2割減などを目標とした新たな医療提供体制確保計画に基づき、更なる病床等の確保の取組を進め、新たに病床60床、宿泊療養施設400室を確保しました。あわせて、同意を得た発熱等診療・検査医療機関を公表して外来医療の利便性の向上を図り、自宅療養となる場合でも、血圧計の貸出などにより特に妊婦への対応を強化しています。
また、保健所体制については、初動体制を強化し、感染拡大時に機動的に増員できるよう、これまでに職員約1,000人に対し、応援職員の研修を実施しました。
ワクチンの3回目接種については、迅速かつ円滑な接種体制の構築が図られるよう、市町や医師会などと調整を進めるとともに、県も阪神地域及び姫路地域において大規模接種会場を設置し、引き続き接種の支援を行います。あわせて、国に対しては、市町が希望するワクチンの確保などを全国知事会とも連携して要望しています。
ワクチンの接種歴やPCR等の陰性の検査結果を活用し、各分野の行動制限の緩和を可能とする「ワクチン・検査パッケージ」について、健康上の理由によりワクチン接種ができない者等への検査の無料化を実施するとともに、感染拡大時に、知事が新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき、「不安に感じる無症状者は検査を受ける」ことを要請した場合、ワクチン接種者も含め無症状者に対しても検査を無料化します。
次に、日常生活や社会経済活動を継続していくための行動制限の緩和です。
感染者の減少状況やワクチン接種の進捗などを踏まえ、行動制限を緩和しました。飲食店等における人数制限を緩和し、新型コロナ対策適正店認証店舗の人数制限を撤廃しています。新型コロナ対策適正店認証制度の認証の受付期間を今年度末まで延長し、登録の推進も図っていきます。
また、感染防止安全計画を策定した大規模イベントは、大声を出さないことを前提に収容定員までの入場を認めています。
本県の経済情勢は、個人消費は一部に弱い動きが続いており、有効求人倍率も16か月連続で1倍を下回るなど、引き続き厳しい状況にあります。一方で、輸出・生産を中心に全体としては持ち直しの動きも続いており、一日も早く本格的な社会経済活動の再開を図っていく必要があります。
早期に観光需要を喚起するために10月からプレ実施していた「ふるさと応援!ひょうごを旅しようキャンペーン」は、11月12日より、対象者の要件緩和やOTAの販売する旅行商品を対象に追加し、本格実施へ移行しました。期間中の予約は35万人泊を超え、観光地からも客足が戻ったとの喜びの声をいただいています。旅行者には旅のエチケットを守るよう呼びかけるなど、感染対策と観光需要喚起の両立に引き続き取り組んでいきます。
GoToEatひょうごキャンペーンの販売済み食事券は、10月に利用自粛を解除し、12月からは販売も再開しました。県民の皆様には、感染防止対策を講じているコロナ対策適正認証店での利用をお願いします。なお、利用期限については、国の方針を踏まえ、3月21日まで再度延長しています。
酒類を提供する飲食店への休業や時短要請により、日本酒の消費量が減少しています。
11月に実施した県産清酒の消費拡大キャンペーンでは、三宮センター街でのPR活動イベントに私も参加しました。県産酒米を原料にした日本酒購入者に対し金券を配布するキャンペーンも実施中です。県産酒米・清酒の消費回復・拡大に、引き続き取り組みます。
また、認証食品の認知度向上と県産農畜水産物の需要喚起を図るため、県認証食品キャンペーンを12月13日より実施します。
11月17日に姫路市の農場で、高病原性鳥インフルエンザの発生が確認されました。自衛隊や他県の協力も得て殺処分などの防疫措置が完了し、殺処分鶏の焼却処分が完了しました。
また、更なる発生を防ぐため、県内すべての養鶏場に対して、消石灰を配布し消毒を実施するとともに、異常発見時の早期通報や最大限の防疫対策を徹底することなど、改めて周知を図っています。鶏肉・鶏卵の安全性に関する情報発信など風評被害対策にも取り組みます。
11月5日に、南海トラフ地震や日本海沿岸地域地震を想定した津波一斉避難訓練を実施し、沿岸18市町の313施設から、過去最多となる約11万人が参加しました。今後も、県民の防災意識の高揚と地域防災力の向上を図ります。
12月5日には、大規模災害の発生を想定した近畿府県合同防災訓練を淡路島などで実施します。緊急消防援助隊近畿ブロック合同訓練も同時開催し、関係機関相互の広域的な連携を図ります。
水上オートバイによる危険行為や死亡事故により、県民の不安が高まっているため、関係機関と連携した第1回の対策検討会議を11月に開催しました。既存ルールの周知徹底に加え、罰則強化、新たなルールづくりなどについても更に検討を進め、1月を目途に、対策の方向性をとりまとめます。
コロナ禍で暮らしが大きく変わり、とりわけ女性が大きな影響を受けていることから、オンラインを活用した女性のためのSNS相談や、WEB居場所を開設しました。不安や悩みを抱える女性に寄り添った支援を継続していきます。
また、家族などのケアを担う子どもや若者たちを的確に支援できるよう、学識者や実務者が参加する委員会を設置しました。ヤングケアラーの早期発見や、福祉サービスへの円滑なつなぎなどの検討を進めています。
さらに、思いがけない妊娠などにより様々な課題を抱える妊産婦等に対し、新たに部局横断のプロジェクトチームを立上げ、出産だけでなく、住まいや雇用を含めた総合的な支援に向けた検討を開始しています。現場で支援に携わる方の声にも耳を傾けながら、誰一人取り残さない温かい兵庫づくりに向け、取組を進めていきます。
市街化調整区域や農振農用地区域など土地の利用規制により、UJIターンの移住や企業誘致などが上手く進まないという切実な声があります。各分野の有識者や市町の代表による兵庫県土地利用推進検討会を立ち上げました。人を呼び込み、民間投資を促進するため、規制緩和を含めた土地利用の促進方策について検討を進めます。
神戸市や国連機関UNOPSと連携した、グローバルなSDGs課題解決を目指す共創プログラム「SDGsCHALLENGE」の一環として、選考を経たスタートアップ19社に対し、10月より育成プログラムを開始しました。エキスパートによるメンタリングやネットワーク形成を支援しながら、事業開発や海外実証に向けた取組を進めています。
世界規模のSDGs課題解決に挑むスタートアップを支援し、本県からグローバルな社会変革を生み出すイノベーションの創造を目指します。
広域交流につながる基幹道路ネットワークの整備を着実に進めます。
引き続き、名神湾岸連絡線、大阪湾岸道路西伸部、北近畿豊岡自動車道、神戸西バイパス、東播丹波連絡道路、東播磨道などの早期整備、播磨臨海地域道路の早期事業化を図ります。
中国横断自動車道姫路鳥取線は、今年度中に全線開通を予定しています。
11月に、企業や大学生など約220名の参加を得て、神戸・淡路・大阪を結ぶ海上交通の実証実験を実施しました。船内では県内大学生や企業との懇談会を実施し、交通手段としてはもちろん、クルージングMICEの可能性も確認することができました。2025年大阪・関西万博に向けて、大阪湾ベイエリアへの人の流れや投資を呼び込むためにも、企業や沿岸自治体と連携し、ベイエリア再生に向けた取組を進めていきます。
全国豊かな海づくり大会兵庫大会の開催まで1年を切りました。10月には開催地である明石市において1年前プレイベントを実施しました。引き続き大会記念リレー放流や作品コンクールなどを通して大会情報の発信を図り、機運醸成を図ります。また、豊かで美しい瀬戸内海を再生するため、改正瀬戸内海環境保全特別措置法を踏まえ、海域への栄養塩類供給を可能とする「栄養塩類管理計画」を大会までに策定します。
本県の豊かな海づくりの率先した取組を国内外に発信し、活動を広げていく機会とするとともに、兵庫五国の魅力も楽しんでもらえる大会となるよう、開催に向けた準備を進めます。
本県出身の元沖縄県知事島田叡氏の生い立ちや功績を語り継ぐとともに、令和4年度が兵庫・沖縄友愛提携50周年であることから、生誕日である12月25日に、「島田叡生誕120年記念・兵庫・沖縄友愛提携50周年記念事業」を開催します。沖縄友愛の絆の大切さ、平和や命の尊さを次世代に伝えます。
第6回コウノトリ未来・国際かいぎを10月末に、秋篠宮皇嗣殿下のオンラインでのご聴講を賜り、開催しました。オンラインも含め、国内外から多くの方に参加いただき、コウノトリの野生復帰の今後の展開について活発な議論が繰り広げられました。人と自然が共生する環境づくりの輪が、さらに広がっていくことを期待します。
11月19日に実施を予定していた第1回のワーケーション知事室は、鳥インフルエンザの対応により、延期することとなりましたが、今後順次、県下各地で実施します。
知事自らが、日中はリモートで仕事をこなし、時間外に余暇を楽しむ新しい働き方を実践し、ワーケーションの定着を図るとともに、様々な現場におもむき、県民との意見交換を通じて、地域の課題やニーズを把握し、それを施策につなげていく「県民ボトムアップ型県政」の礎とします。地域の魅力を発信し、本県に人や企業を呼び込むトップセールスにもつなげます。
少子高齢化や人口減少、コロナ対応など、複雑化する社会課題を解決するためには、行政だけではなく、企業・大学・団体などとの幅広い連携やネットワークによる取組が重要です。
本年10月に設置した公民連携プラットフォームにおいて、企業などとの連携事業を進めています。今後さらに、企業等の掘り起こしや、事業の質的充実により、県民サービスの向上や地域の活性化を図っていきます。
県職員の働き方改革を促進し、業務のあり方の見直しを進めています。
翌年度の主要施策について全庁一律で協議していた重要施策ヒアリングは廃止し、適宜、協議を実施する形に見直しました。
予算編成では、知事査定の対象事業を特に重要なものに厳選し、部局長のマネジメントによる創意工夫を尊重します。
これらの見直しにより新たに生み出した時間は、県民のためよりクリエイティブな仕事を創造することに向けるよう、そのあり方を見直します。
行財政運営方針の見直しについては、現在、見直し案策定に向け、作業を進めています。課題と検討方向に対する県議会のご意見も踏まえ、事務事業の見直しや投資水準、財政フレームのあり方など、新たな行財政運営の見直し方針のたたき台として、今月半ばを目処にとりまとめる予定です。
今後、県議会における調査・審議をはじめ、市町との協議など幅広いご意見をいただきながら、最終案を来年2月までに策定します。
本年度の本県の財政状況は、県税収入は経済状況の回復基調により、現段階では、当初予算で計上した税収を確保できる見込みですが、新型コロナウイルス感染症の動向やサプライチェーンを通じた影響による下振れリスクの高まりなど、予断を許さない状況です。引き続き、税収の確保や歳出の効率的な執行などに努めます。
国においては、先に決定された新たな経済対策に基づき、補正予算が編成されます。本県としても、この経済対策を活用して、緊急に対策が必要なものに取り組みます。できる限り早く補正予算を編成し、提案したいと考えていますので、よろしくお願いします。
これより、提出しました議案について説明します。
条例案件は、「職員の給与等に関する条例等の一部を改正する条例」等4件です。
県人事委員会からの「職員の給与等に関する報告及び勧告」を踏まえ、期末手当の引下げ改定を行います。
事件決議は、工事請負契約の締結等14件です。
以上で、提出議案の説明を終わります。
議員の皆様におかれましては、よろしくご審議のうえ、適切なご議決をいただきますようお願いします。
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