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更新日:2024年12月3日

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第369回(定例)兵庫県議会 知事提案説明(令和6年12月3日)

本日、第369回兵庫県議会の開会にあたり、今後の県政の推進について、私の所信を申し述べます。まずは、文書問題を通じて、多くの県民の皆様にご心配をおかけしていることを、改めて心よりお詫び申し上げます。先の知事選挙において、県民の皆様から大きなご負託をいただき、兵庫県知事として再び県政を担うことになりました。重責に身が引き締まる思いであり、兵庫の躍動を止めないという強い志を胸に、県政を前に進めていく決意です。

≪県政の基本姿勢≫
3年前の知事就任以来、私が全身全霊を注いできたのは、県民の幸せのために、兵庫の未来のために何が大切なのかを考え、新たな事業展開や改革に挑戦することでした。しかしながら、その過程で、驕りや慢心があったのかも知れません。新たなスタートを切るにあたり、こうした点を冷静に見つめ直し、丁寧な対話と謙虚な姿勢を胸に刻んで、県政運営に臨むことをお誓いします。県議会の皆様には、県政の発展に多大なご尽力をいただいていることに改めて敬意を表します。様々な考え、ご意見はあるかと存じますが、より良い兵庫をつくっていきたいとの思いは同じです。議会と知事が車の両輪として、ともに歩みを進めていけるよう、真摯に議論・対話を積み重ねていく所存ですので、引き続き、格別のご指導とご鞭撻をよろしくお願い申し上げます。県庁の仕事についても、言うまでもなく一人でできる訳ではありません。本庁や地方機関において、日々それぞれの立場で汗を流す職員がいるからこそ、県民にサービスを届けることができます。私が不在の約50日間も、県政が停滞することのないよう全力で仕事に取り組んでいただきました。幹部のみならず、中堅、若手の職員とも対話を重ね、皆で思いを共有しながら、一つのチームとして県政を進めてまいります。

≪県政の基本政策≫
今回の選挙を通じて、県内各地に足を運ぶ中で、県民の皆様から改革を止めないで欲しいというご意見が数多く寄せられました。そして何よりも、これまでに実施してきた施策を評価いただく言葉をたくさん頂戴しました。県立高校の環境が目に見えて改善したと喜ぶ高校生、不妊治療支援が大きな支えになっていると語ってくれた女性、校内サポートルームによって不登校気味だった子どもが学校へ行けるようになったと話す親御さん、地域の新たな可能性としてフィールドパビリオンに期待を寄せる方々。こうした声を受け、これまでの県政の歩みは決して間違いではなかったと意を強くしました。様々な取組の種を蒔き、育て、少しずつ実になってきた1期目の3年間。2期目はこれをさらに大きく育てていかなければなりません。

<若者が輝く兵庫>
一つには、若者が輝く兵庫づくりです。
少子化、人口減少が進む時代だからこそ、未来を担う若者の不安を取り除き、夢や希望に挑戦できる環境をつくることが、兵庫の持続的発展にとって不可欠です。これまで進めてきた「若者・Z世代応援パッケージ」の取組を充実強化してまいります。とりわけ、多くの県民の皆様から期待が寄せられたのは、教育費の負担軽減です。県立大学の無償化について、国の高等教育無償化の議論の先鞭となるよう、引き続き、県議会の皆様と丁寧に議論を行ってまいります。あわせて、奨学金返済支援制度や県立高校の環境整備、高校生チャレンジ留学の拡充、不登校対策の強化、不妊治療支援施策の充実など、若者に向けた施策を推進します。選挙中に、本当に多くの高校生・大学生の思いが届きました。若い世代に直接響く取組を進めることが、県政への関心や主権者意識を高めることにつながり、ひいては兵庫の未来を担う人を育てることになると実感しています。

<誰もが活躍できる兵庫>
二つには、誰もが活躍できる兵庫づくりです。
今回、県内をくまなく回り、改めて、広大な県土が持つ、自然・文化・産業の多様性、そして、地域の現場で輝いている一人ひとりが、兵庫の強みだと確信しました。誰もが活躍できる環境をさらに創り出していきます。その一つが、ひょうごフィールドパビリオンです。認定プログラムはすでに240を超えました。国内外からの誘客拡大やシビックプライドの醸成など、万博後にもつながる持続可能な地域づくりの原動力にすべく、取組を加速させます。水素などの次世代産業やスタートアップ、有機農業など、兵庫が持つポテンシャルをさらに磨き上げ、社会課題の解決と産業の活性化の両立を図ってまいります。特に、就農に際して多くの方が希望される有機農業については、担い手の育成や流通・販売、学校給食を含めた消費の拡大などに向け、条例の制定も視野に強力に推し進めます。

<安全安心に暮らせる兵庫>
三つには、安全安心に暮らせる兵庫づくりです。
気候変動等に伴う自然災害の激甚化や、物価の高騰、増え続ける特殊詐欺被害など、暮らしをおびやかす様々なリスクが顕在化しています。県民生活の基盤となる安全安心の確保に、一層力を注ぎます。阪神・淡路大震災から30年の節目を迎えます。震災の記憶が風化するなか、震災の経験と教訓を次の世代につなげていくことは、私たちの責務です。年明けの1月17日には、県公館とHAT神戸を会場に「ひょうご安全の日のつどい」を開催します。万博期間中の来年9月には、国内外の被災地の参加を得て「創造的復興サミット」を開き、創造的復興の歩みを改めて確認し、広く発信していきます。能登半島地震では、孤立集落対策や避難所運営の改善など、新たな課題が浮き彫りになりました。現在、検討会において対応策をとりまとめており、できることから来年度の予算化を図るとともに、防災訓練や地域防災計画の見直しに反映していきます。また、長期化する物価高騰を踏まえ、「はばタンPay+(プラス)」による家計応援キャンペーンの申込みを受付中です。さらに、自動録音機能付き電話機の購入支援等による特殊詐欺被害対策、AI防犯カメラ等も活用した客引き防止対策、通学路等の横断歩道安全対策など、子供から高齢者まで、誰もが安全安心に暮らせる環境を整えます。

<県政改革の推進>
四つには、県政改革の推進です。
改革は道半ばであり、県政改革調査特別委員会での議論を踏まえながら、一層の推進を図っていかなければなりません。地域整備事業については、地域の魅力づくり等の公的な役割を果たしてきた一方で、社会経済情勢の大きな変化の中で、広大な未造成用地の残存や多額の累積債務、収支の悪化等の経営課題を抱えています。さらなる収益の悪化と将来の県民負担の増大を防ぐ手立てについて議論を進めます。分収林事業は、現行のスキームが事実上破綻しているため、県支援のもと多様な主体による新たな森林管理へ移行するとともに、ひょうご農林機構の債務整理を検討、推進します。県庁舎については、「県庁舎のあり方等に関する検討会」や「BCP改定アドバイザリー会議」において、新しい働き方、県庁舎周辺地域のにぎわいづくり、能登半島地震を踏まえた災害対応といった観点から、多角的な議論を重ねています。質の高い行政サービスの提供や災害時の対応強化、建設コストの高騰といった点を考慮しつつ、コンパクトな新庁舎の整備に向けて具体化を図ってまいります。

<文書問題への対応>
もとより、今般の文書問題に対する県民への説明責任を果たしていくことは極めて重要であり、文書問題調査特別委員会や第三者調査委員会の調査に誠実に対応してまいります。また、公益通報窓口の外部化や、物品受領の厳格なルールづくりをできるだけ早期に行うとともに、ハラスメントのない組織風土づくりに取り組みます。

≪ワンチームで坂をのぼる≫
3年前の知事就任後の所信表明の際、私は司馬遼太郎さんの著書「坂の上の雲」を引用し、「兵庫県のさらなる発展、県民生活の一層の向上に向け、希望を持って一心に坂をのぼっていきたい」と申し上げました。私たちの前には多くの課題が横たわり、ともすれば立ちすくみかねない時代だからこそ、新たなスタートにあたり、改めてこの言葉を胸に刻んでいます。県議会、市町、県職員、そして県民の皆様と広く信頼関係を構築し、ワンチームで、オール兵庫で坂をのぼり、未来の扉を開いていきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

≪提出議案の概要≫
続いて、提出しました議案について、説明します。
条例案件は、「兵庫県立高等学校の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例」等6件です。
高等学校の望ましい規模を確保し、多様で活力ある教育活動を維持するため、兵庫県立高等学校を発展的に統合するに伴い、関係条例について所要の整備を行うものです。その他案件は、「兵庫県公立大学法人第三期中期目標の策定」、兵庫県立但馬飛行場の「公共施設等運営権の設定」等26件です。専決処分承認案件は、天神川氾濫災害補償に関する「和解及び損害賠償額の決定」等2件について、承認を求めるものです。

以上で、提出議案の説明を終わります。
議員の皆様におかれましては、よろしくご審議のうえ、適切なご議決をいただきますようお願いします。

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部署名:総務部秘書広報室広報広聴課

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