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更新日:2025年12月2日

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第373回(定例)兵庫県議会 知事提案説明(令和7年12月2日)

本日、第373回兵庫県議会の開会にあたり、県政の推進に日頃からご指導いただいている議員の皆様に敬意と感謝を申し上げます。

このたび国において新たな政権が発足し、政策の基本方向が示されました。最優先で取り組む物価高対策をはじめ、危機管理投資・成長投資による力強い経済成長、地域の活力を取り戻す地域未来戦略の推進といった重点課題は、本県にとっても極めて重要なテーマです。こうした国の動きと歩調を合わせつつ、地域の実情に即した施策を引き続き積極的に展開し、県民の暮らしを守り、未来を切り拓いていきます。

以下、提出議案の説明にあわせて、主な施策の進捗状況等をご報告します。

その1は、安全安心な兵庫づくりです。

(兵庫県津波一斉避難訓練及び兵庫県・播磨広域合同防災訓練の実施)
昨年11月から1年間にわたり、阪神・淡路大震災30年事業を実施してきました。当事業の期間は10月末をもって終了しましたが、震災の経験と教訓を、世代や地域を超えて継承・共有していく取組に終わりはありません。先月5日の「世界津波の日」には、南海トラフ地震等による津波浸水想定区域内にある県内15市3町を対象に、11万人以上が参加して津波からの避難に特化した訓練を行いました。また、9日には、姫路市大手前公園等を会場に、兵庫県・播磨広域合同防災訓練として、救出救助や避難所運営、ライフラインの復旧などの訓練を実施しました。会場の展示ブースでは、学生が防災体験コーナーを運営するなど、次世代への継承も着実に進んでいることを実感しました。

(兵庫県住宅再建共済制度の見直し)
震災の教訓を踏まえて創設した兵庫県住宅再建共済制度は、平成21年台風第9号災害や平成25年淡路島を震源とする地震などにおいて、被災者の生活再建に大きな役割を果たしてきました。一方、制度創設から20年を経る中で、南海トラフ巨大地震の被害想定の発表、国の被災者生活再建支援制度の拡充、民間の地震保険の普及など、制度を取り巻く環境は大きく変化しています。このため、制度のあり方を検討する有識者検討会を設置し、先月、報告書が取りまとめられました。制度の理念を継承し災害への備えとしつつ、財政的リスクにも対応するため、給付金支払限度額を設けるなどの見直しを行います。

(特定外来生物対策の推進)
本年8月の特定外来生物対策本部の設置以降、県内各地で開催した地域部会の結果を踏まえ、近く第2回対策本部会議を開催します。各地域で早期に必要な対策等について議論し、全庁横断的に取組を進めてまいります。また、19日には「ひょうご生物多様性シンポジウム」を開催します。学識者や民間企業、高校生による講演や事例発表を行うほか、今後も多様な主体が連携して対策に取り組んでいくことを「特定外来生物拡大防止Hyogo宣言」として取りまとめ、広く発信します。

(インターネット上の誹謗中傷、差別等による人権侵害の防止に関する条例の制定)
インターネット上の誹謗中傷やプライバシー侵害、差別的言動等による人権侵害が深刻な社会問題となっています。国においては、本年4月より「情報流通プラットフォーム対処法」が施行されていますが、県としても、インターネット上の人権侵害に関して、取り組むべき施策や関係者の責務を明確化する条例を定めることとし、今定例会に提案します。すべての人の人権が尊重される兵庫の実現に向け、行政、県民、事業者が一体となった取組を進めます。

その2は、若者が輝く兵庫づくりです。

(HYOGO高校生「海外武者修行」応援プロジェクト 帰国後報告会の開催)
HYOGO高校生「海外武者修行」応援プロジェクトは、今年度は支援人数を20人に拡充して実施しています。10月の帰国後報告会では、途上国の医療支援や、ラグビーのレフリーなどの夢の実現に向け、海外に赴いたからこそ得られた学びを高校生が熱く語ってくれました。来年度以降も段階的に拡充を図り、若者の可能性を開花させる機会を創り出していきます。

(県立特別支援学校の新設)
東播磨地域の特別支援学校に在学する児童・生徒の増加に対応し、教育の充実を図るため、新たに県立かこがわ清流特別支援学校を来月1日付で設置し、4月より開校します。校舎は旧加古川市立平荘小学校を改修・増築し、空調完備の体育館や、多様な教育活動が行える実習室等を設けるとともに、地域との交流を深められるカフェスペースも設置するなど、充実した教育環境を整えます。

(こどもまんなかフォーラムの開催)
先月25日に、「こどもまんなかフォーラム」を国と連携して開催しました。「こどもまんなか」とは、こどもたちのために何が最善かを常に考えることであり、兵庫県知事としてその趣旨に賛同し、「こどもまんなか応援サポーター」に就任しました。引き続き、こどもたち一人ひとりが健やかで幸せに成長できる兵庫づくりを進めます。

(ひょうごグローバル人材活躍企業認定制度の創設)
人手不足が深刻化する中、県内の中小企業では、多様なスキルや経験を持った外国人材の雇用を目指す動きが広がっています。このため、外国人材が働く環境の整った企業を認定する「ひょうごグローバル人材活躍企業認定制度」を創設しました。本制度の運用により、地域経済の持続的な成長を図ります。

その3は、活力がわきあがる兵庫づくりです。

(養殖マガキのへい死対策)
今年の養殖マガキは10月下旬から水揚げが開始されましたが、県内のほぼ全地区で多くのマガキがへい死しています。私も赤穂市の養殖現場を視察し、生産者の皆様から切実な状況を伺いました。広島県など瀬戸内海の主要な生産地も同様の状況と聞いており、夏の高水温とマガキの餌となる植物プランクトンの不足が原因と推測されるものの、より詳しいメカニズムの解明とそれを踏まえた対策が必要です。このため、国に対しては、事業継続のための財政的支援や、養殖マガキの大量へい死メカニズムの解明に加え、対策技術の研究開発や環境変動に対応した漁業者の取組への支援など、かき養殖の安定化に向けた対策について要望したところです。加えて、県としても、海域環境や養殖状況をきめ細かく調査するとともに、当面の資金繰り支援など生産者の経営支援と観光誘客支援の両面から必要な対策を検討します。

(大阪・関西万博の取組の検証)
大阪・関西万博の開催を機に、「ひょうごフィールドパビリオン」をはじめとした事業を通じて、五国の魅力の掘り起こし、発信などに力を注いできました。これを一過性のものとすることなく、レガシーとして継承・発展させることが重要です。そこで、外部有識者による委員会において、万博事業の検証作業を進めています。客観的・専門的な観点から、この間の取組の成果と課題を検証していただき、今後の県政に活かしてまいります。

(新観光戦略の中間見直し)
神戸空港への国際チャーター便の就航により、兵庫がインバウンドの新たな玄関口となりつつあります。こうした変化も踏まえ、新観光戦略の中間見直しでは、「兵庫を拠点とした新たな広域観光圏の創出」、「大阪や京都などインバウンド拠点からのプラスワントリップの促進」という2つの方向性を打ち出しました。オーバーツーリズムにならないよう量と質のバランスを図りながら、兵庫を訪れる人々だけではなく、地域住民も観光による恩恵を実感できるよう、持続可能な観光地域づくりを進めます。

(神戸マラソンの開催)
先月16日に開催した神戸マラソンには、国内外から2万人を超えるランナーが集まりました。明石の大蔵海岸まで延伸した新たなコースは、フラットで走りやすく、神戸・明石の絶景の海岸線を楽しめたと、ランナーの皆さんからも好評でした。沿道の温かい声援は途切れることなく続き、都市と自然、そして人の心が一体となる神戸マラソンの魅力を改めて感じました。

(東播磨道の全線開通)
高規格道路ネットワークを形成する「東播磨道」が、先月30日に全線開通しました。地域間連携の強化や医療機関へのアクセス向上、周辺道路の混雑緩和など、地域のさらなる発展の礎となる道路です。来年春には、東播丹波連絡道路の「西脇北バイパス」も開通予定です。広大な県土を有する兵庫の産業・観光・防災に欠かせない高規格道路の整備を計画的に推進していきます。

最後に、県政運営基盤の構築です。

(新庁舎整備 基本構想の策定)
新庁舎等整備プロジェクトについて、基本構想案をまとめました。安全・共創・交流の拠点となる県庁舎を目指し、機能的でコンパクトな県庁舎の整備、災害対応力の強化、県民活動を支える交流拠点の整備などを基本理念に据えました。また、その実現に向けて、「県庁舎・県民交流機能の再整備」及び「モトキタエリアのにぎわい創出」それぞれの基本方針を定めました。先月実施したパブリック・コメント等を踏まえて年内に基本構想を策定し、基本計画の策定に着手します。

(令和8年度予算編成等)
新年度の予算編成が進んでいます。阪神・淡路大震災からの復旧復興にあたり、本県は多額の県債発行や県債管理基金の取り崩しを行ってきたため、今なお、公債費の償還が重くのしかかり、実質公債費比率などの財政指標にも大きな影響を与えています。加えて、金利上昇による公債費増加などの課題もあります。こうした中、若者支援や安全安心の基盤づくりといった次世代へ繋ぐ投資と、財政健全化の両立を図っていかなければなりません。この点について、先般の政府主催 全国知事会議では、私から総務大臣に対し、最大限の配慮をいただくよう要望を行ったところです。今後、先に県議会からいただいた申し入れも踏まえて、予算編成を行ってまいります。また、国において、先月21日に総合経済対策、28日に補正予算案が閣議決定され、年内の成立が見込まれます。本県としてこれを活用し、はばタンPay+の追加実施など物価高騰に直面する生活者や事業者への支援をはじめ、防災・減災、国土強靱化の取組などを着実に推進するため、速やかに補正予算の検討を行ってまいります。
なお、過日、はばタンPay+の申込受付において、委託事業者のシステムトラブルにより個人情報が漏えいする事案が生じました。情報が漏えいした方々をはじめ、ご心配をおかけした多くの県民の皆様に、改めて深くお詫び申し上げます。
本事案のほかにも、公式SNSアカウントに対する不正なアクセスが疑われる事案などが発生したことから、全庁的な総点検の実施を指示する通知文書を発出するとともに、政策会議の場でも、改めて再発防止の徹底とその具体策について指示しました。今月中にすべての職場で研修等を完了させるほか、はばタンPay+の事案については、情報分野の専門家も交えて詳細な原因調査を行い、同様の事案の再発防止に繋げます。

これより、提出しました議案について、説明します。
予算案件は、「令和7年度兵庫県一般会計補正予算(第3号)」等8件です。
職員の給与改定について、県人事委員会勧告を踏まえ、国に準じて給料表の引き上げを行います。期末・勤勉手当についても勧告どおり引き上げを行います。
条例案件は、「インターネット上の誹謗中傷、差別等による人権侵害の防止に関する条例の制定」等10件です。
このうち、「知事及び副知事の給与の特例に関する条例の一部を改正する条例」について、概要をご説明します。
本改正条例は、6月の定例会に上程され、この間、本会議、総務常任委員会等を通じて、議員の皆様と議論を積み重ねてきました。これを踏まえ、今回、修正を行うこととしました。再提出した改正条例では、減額措置の期間を、今定例会の時点にあわせて令和8年1月から3月までの間に改めます。給料月額の減額割合については、従前と同様です。また、県が設置した2つの第三者委員会の調査報告書を踏まえ、情報が適切に管理されなかったことに対する責任を明確にするために、知事及び副知事の給与の減額措置を行うことを明記します。
その他案件は、「当せん金付証票の発売」等24件、専決処分承認案件は、物品調達事務に関する「和解及び損害賠償額の決定」1件です。

以上で、提出議案の説明を終わります。
議員の皆様におかれましては、よろしくご審議のうえ、適切なご議決をいただきますようお願いします。

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