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ようこそ知事室へ
【発表項目】
知事:
改めまして、昨日付で知事に就任しました、斎藤元彦です。本日が事実上の初登庁です。
最初に、職員の皆さんに対して挨拶をして、政策会議に出て、あとは、挨拶回りをしたところです。
私自身、これから、やはり県民の皆さんの大きな負託をもらったということ、これまでの県政の中から少し変えていくということで、新しい県政、新しい兵庫県をつくっていくことをこれから頑張っていきます。まずは、そういう意味でも、第一歩ということになります。
これから、まず大事なのはコロナ対応です。今日からまん延防止等重点措置の適用が兵庫県になされました。本日の感染者は165名で、先週(7月26日、75名)と比べると、倍以上に増えています。
県が把握している48名の感染者の内訳を見ると、30名以上は20~30代以下で、20~30代以下の感染者が7割近くになっている状況です。
こういった状況を踏まえて、やはりこれからのお盆のシーズンに、しっかりと若い世代に対して、これまで以上に協力を呼びかけることがかなり重要です。
そういう意味で、今日、私自身が若い世代の方々に向けた、コロナに関するこれまで以上に協力をして欲しい、というメッセージ動画を、おそらく夕方以降にはなりますが、YouTubeから配信をしたい、と考えています。
あとは、昨日のコロナ連絡会議でも確認しましたが、病床の確保、それから、様々なワクチンの接種も含めて、しっかりとこれまでの流れを引き継いで、継続していく。そして、これからの感染の急拡大にとって、やはりこれ以上もっとやるべきだ、ということがあればスピーディーに対応していく。そのような対応を、コロナについてはしっかりとやっていきます。
また、県民の皆さんの命と暮らしを守るということで、これまでに加えて、事業者の皆さんの協力への支援、これもスピードアップをして、やっていきます。コロナ対応を、まず、第5波に向けて、全力投入していくということが、まずは、県政の第一歩として大事だ、と考えています。
その上で、様々な公約でも掲げました、これからの、兵庫県をどのように形づくっていくのか。新しい兵庫、これから腰を据えてやっていくことになりますが。人口減少の問題であったり、あとは、今回のコロナでかなり傷ついた経済状況をどのように立て直していくのか。そして、コロナを越えた、コロナからの創造的復興を、新たな兵庫という社会をどのようにつくっていくのか、ということをしっかりとやっていきます。
あと、議会にも挨拶をしましたが、やはり二元代表制の知事部局と、それから議会と、ここはしっかりと政策などについて議論をさせてもらって、ともに兵庫県を前に進めていくということを、私自身もしっかりとやっていきます。
いずれにしても、これから、コロナ対応をはじめ、兵庫県は様々な難しい局面になってきます。税収もこれから厳しくなってくるかと思います。さらには人口減少の問題、様々な難しい課題がこれからの兵庫県には直面してくるかと思いますが。そこは私が、県民の皆さんから大きな期待と負託をもらったという立場として、しっかりと前に進めていく。
そして、失敗を恐れないで、あらゆることに挑戦をしていく。それを県職員の皆さんと一緒になって、そして議会も一緒になって、何より、県民の皆さんと一緒になって、この兵庫県を前に進めていくということを、全身全霊をかけて、これからやっていきますので、どうぞよろしくお願いします。
私からは以上です。
記者:
今日から本格的に新しい県政がスタートしたわけですが。コロナ対応以外で、政策や組織づくりで、まず着手したいと考えていることを教えてください。
知事:
この後、改めて発表しますが、まずは、新県政推進室の立ち上げを行っていきます。
今日付けで立ち上げという方向を示して、来週あたりから本格的に稼働させたい、と思っています。
挨拶でも言いましたが、元々無い組織をつくるということで、これはやはり、20年ぶりの知事の交代ということです。そして、これまでの兵庫県の知事が生まれた流れからはかなり違う、新知事の誕生ということで、大きな県政の変換点という形になります。
そういう意味で、私自身は、新県政推進室を立ち上げて、そこはしっかりと新しい兵庫県をつくっていく。県政をつくっていく推進の母体にしていきたい、母体というよりベースにしていきます。
後でまた説明しますが、何も県庁の中でハレーションや対立を生むということではなくて、あくまで、そういった大きな県政の転換点における、1つの推進の力としてつくるということです。ベースはやはり、県庁職員の皆さんと一緒になって、この県政をしっかりと前に進めていきます。
記者:
新県政推進室について。県民の中には、効率性を重視したり、都市部を重視したりするような、維新的な改革というものを警戒する声も一部ありますが。
どのようなスタンスで今後の県政を進めていこうと考えているのか、教えてください。
知事:
今回の選挙で、県民の皆さんの大きな期待としては、やはりこれまでの流れの県政ではなくて、新しい県政、そして兵庫県に変えて欲しい、という声がかなり大きかったということも事実です。
選挙戦で各地を回った時にも、とにかく今の兵庫県を変えて欲しいという声は多くありました。これは都市部だけではなくて、いわゆる県内全体でそういった声があったということも事実です。
その声をしっかりと私は受け止めて、期待に沿えるように、やはり改革をしていかなければならない、ということが思いとしてあります。
ただし一方で、やはり兵庫県は大きな5つの地域から成る。そして都市だけではなくて、離島や過疎地も中山間地も含めて、様々な地域があります。そういったところの住民の皆さんや、あとは事業者の皆さんも含めて、やはりみんなで、兵庫県全体として、しっかりと県政をやっていくという視点も大事です。
選挙中も言っていましたが、安定した県政運営の中で、守るべきことを守り、そして、変えていくべきことをしっかりと変えていく。安定と改革のバランスをしっかりと図っていく、ということが大事です。約20年、総務省などで公務員人生をやってきましたから、そういったベースのところは、しっかりとやらせてもらいます。
記者:
選挙前、出馬会見の頃から、繰り返し話をされている行財政改革について。兵庫県の財政調整基金に関して、全国的に非常に劣後する状況にある。ここはやはり、立て直していかなければならない、と話をされています。
経済が底冷えする中で、税収も当面はなかなか見込めない状況の中で、支出を、そうなれば削っていく、そういう作業が不可欠だと思いますが。そのあたりの財政再建に関してのタイムスケジュールは。
どれぐらいの時期までに、どれぐらいの見通しをつけるなど、そのあたりについて、今、思い描いているプランはありますか。
知事:
県知事に着任して、まずは全部局の所管事項をしっかりと、まずは聞いていきます。そこをまずは聞いて、県庁でどういう仕事をしているのか、どういう課題があるのか、まずは把握していくことが大事です。これは、おそらく今週か来週ぐらいに、しっかりとやっていくことになります。
その上で、どのように、ご指摘の行財政改革をやっていくのか、ということが大事です。
財政調整基金が約30億円というのは、全国の中でもかなり少ない方です。私としては、やはり増やしていくべきではないか、という思いは、これは選挙中も伝えていましたが、そこは何とか努力をしていきたい、と思っています。
スケジュール的には、コロナの対応もあるので、そこをにらみながら、まずはコロナの対応をやりつつ、その上で、必要な行財政改革に着手していくということを、並行してやっていかなければならない状況です。
しっかりと留意しつつやっていきますが、おそらく、来年度の当初予算編成、令和4年度の当初予算編成までに、100%は無理かもしれませんが、何らかの形で、事業の洗い出しを含めて、見直しも含めて、精査をしていければ、と思っています。
令和4年度に向けて、100%、全部見直していくことは難しいかもしれません。コロナもありますし、様々な課題がありますから。まずは、令和4年度の予算編成までに、一定の何かしらの方向性は出していきます。
記者:
コロナ対策を最優先ということで。今日から、まん延防止等重点措置が始まって、感染者の数も多いということについて、改めて県民に対して、メッセージをお願いします。
知事:
今日から、まん延防止等重点措置ということで、県民の皆さんと事業者の皆さんに、これも何度も何度もになって本当に恐縮ですが、改めての自粛と、あとは、様々な事業の協力をお願いするという形になってしまいます。
改めて、大変申し訳ないという思い、つらい思いですが、やはりここは、社会全体として、県全体として、感染をしっかりと抑え込んでいくというところなので、何とか協力をお願いしたい、という思いです。
もう1点が、やはり20代・30代の若い世代の人に、決して彼らを悪者にするつもりはないのですが、やはり感染者の7割近くを占めているということを踏まえると、やはり協力をしてもらいたい。
お盆のシーズン、夏休みのシーズン、友達とバーベキューをしたり、あとはカフェ、それからランチをして、同窓会をやりたい、という気持ちはよく分かるのですが。私自身もそういうことが大好きなのですが、やはり、今回はそこをぐっとこらえてもらって、できるだけ自粛してもらったり、あとは、食事をするにしてもマスクを着用して会話をするということを、改めて協力をお願いしたいと。
記者:
知事は以前から、県の情報発信が今ひとつではないか、と話されています。自身のX(旧Twitter)なども含めて、会見の時間なども含めて、どのように今後、変えていきたいと考えていますか。
知事:
まず、X(旧Twitter)については、引き続きやっていきたい。1日何回できるかは別にして、毎日、できればやっていきます。
それから、会見については、今日は後の予定があるので、途中となり申し訳ないという形になりますが。私自身は、基本的には特に時間を区切らずに、公務が後にない限りは、皆さんの質問が終わるまでやり続けたい、と思っています。
記者:
この後、井戸前知事との引き継ぎもあるかと思います。井戸県政の20年の中で、「参画と協働」という理念をずっと掲げてこられました。
この点について、知事はどのように捉えて、今後の県政をどのようにしていきたいのかを伺います。
知事:
「参画と協働」ということは、まさに当然やらなければならないことで、阪神・淡路大震災後に、様々なボランティアの方々などを含めて、いろいろな復旧・復興をやられてきた流れから、県民の皆さんと一緒に、この県を良くしていくということです。
共にいろいろな方々とやっていくことは当然ですし、私も今日の挨拶でも言いましたが、兵庫県も、公だけですべてをやるという時代ではなくて、やはりもっと外の、民間の方々ともっと連携をして、オープンな県政をやっていくべきだ、と思っていますので、その理念はしっかりと引き継いでいきます。
記者:
コロナの第5波の中での知事交代となり、かなり難しい時期での交代だと思います。
どういったことに注意していかなければならないのか、どういったことに取り組まなければならないのか。この時期の知事の交代というところで、思うことを教えてください。
知事:
まん延防止等重点措置が今日から適用され、私は就任2日目というところで、まさに、大変な局面の中での知事就任となりますが。昨日も連絡会議を開いて、対応としては、前知事時代に確認をしてもらった方向性を、まずはしっかりとやっていく、ということです。
具体的に、病床の確保を、フェーズに合わせて少し変えていくということと、あとは、県民の皆さんへの発信です。先ほど言いましたが、20代・30代の人の割合が7割になっている、ということを考えると、これは、昨日の全国知事会でも述べましたが、もっと発信をしていかなければなりません。
今日、まさに動画をつくって、今日から、特に若い人向けの発信を、今日は第1弾ぐらいに考えて、どんどんといろいろな機会でやっていきます。
3点目は、ワクチンの接種です。これは、国にしっかりと総供給量の確保をもっとお願いしなければならない。海外製のワクチンを使うという時点で、やはり、国が窓口になって、製薬会社との交渉をしてもらうということになります。自治体でやるというよりも、国がしっかりとやってもらうことなので。兵庫県だけというよりも、日本全体で、しっかりと確保してもらうことを、これからもお願いしていきます。
記者:
先ほど、アフターコロナを見据えてかと思いますが、「コロナからの創造的復興」という言葉を使われました。この言葉を選んだ理由を教えてください。
知事:
創造的復興という言葉は、まさに、阪神・淡路大震災で兵庫県がつくり出した言葉で、災害前よりもよりよい社会にしていこう、という言葉です。東日本大震災や、国連防災会議でも引き継がれたということで、かなり普遍的な概念になっています。
この言葉を、この理念を、コロナに関しても同じように、やっていくべきなのではないか、というのが私の思いです。コロナ前よりもよりよい社会にしていく、ということです。
記者:
人口減少対策について。知事選の時に、選挙中も、土地の規制緩和などを挙げられていました。具体的な対策として、今、どういうことを考えているのか。コロナ禍で難しい時期ではありますが、何か目標、例えば、何年後にどのくらいなど、があれば教えてください。
知事:
目標は、正直なかなか立てられないというのが、今の状況です。ここは現状をよく見て、社会減であったり、自然減の状況を見て、具体的な状況、実態がどうなのかを把握して、対策を打つ中で、また示すことができれば、と思っています。
土地利用の規制の問題は、選挙中も公約の中で掲げましたが、やはりここは、おそらく庁内横断的な、検討の場をつくることが必要になってくるか、と思います。
今は、コロナ対応をしっかりとやっていきつつ、あとは、庁内の仕事の状況などをしっかりと確認していくことになります。それが1つ見えた段階で、そういった会議体なりをしっかりとつくって、プロジェクトチームになるのか、何になるのかはこれからの検討ですが、そういった形で腰を据えて取り組んでいくべき問題です。
記者:
知事を支えることになる副知事について。今、1人になりましたが、人事についての考えがあれば、教えてください。
知事:
まずは、荒木副知事に引き続き、昨日からも一緒にやってもらうことになっているので、当面は、荒木副知事とともにやっていきます。
それ以外のこと、人事は、特に今は考えていません。
記者:
就任2日目でこういうことを聞くのは酷ですが、コロナについて。どうしても去年までと違って、今年は、いわゆる3府県、関西の京都・大阪・兵庫で少し条件面等にばらつきがあります。
京都・兵庫は、まん延防止が解除されたが、大阪は継続された。今回は、大阪は緊急事態宣言に格上げ、京都・兵庫はまん延防止がスタートということで、条件もいろいろと異なってきました。
やはり、人流ということを考えると、どうしても3府県は、ある程度、足並みを揃えなければならないと思います。
知事自身は、揃えるべきなのか、あるいは独自で、それぞれがやればよいという考えなのか。現時点でどのように捉えているのか、教えてください。
知事:
そこは当然、連携をとっていかなければならない、と思います。結果として、感染状況や、病床の状況によって、まん延防止であったり、緊急事態の指定の違いが出てきたりするのは仕方がありません。
一方で、ご指摘のように、ビジネスでも人の流れでも、やはり関西圏域、特に3府県は一体ですから。そこは、しっかりと連携を、政治レベルでもそうですし、あとは実務レベルでも、これまでもやってきていると思うので、しっかりと引き続きやっていきます。
記者:
より、このコロナをきっかけに、この3府県が一体化して、コミュニケーションをかなり密にしなければならない。これは、一部メディアが言っているような、大阪に引きずられるとかではなくて。(京都府の)西脇知事も含めて、いろいろと連携を取らなければならないと思いますが、そのあたりはどうですか。
知事:
そこは、当然やっていかなければならない、と思っています。
記者:
新県政推進室で、追加の行財政改革プランを作成する、ということについて。
歳出削減の、当面の規模感というのか、財政調整基金を30億円から100億円に、任期中に増やすことを掲げていますが。今年どれぐらいの歳出削減の額をイメージしているのか、目標みたいなものがあれば、教えてください。
また、その手法として、事業見直しや、出資法人や施設の廃止・統合なども入ってくるかと思いますが。そのあたりの、現時点で考えていることがあれば教えてください。
知事:
規模感というのは、特に今はありません。やはりこれは、私がまだ就任した直後なので、しっかりと事業の内容を把握して、その上で、行財政改革の方向性を示していくことが重要です。今の段階で、何億円を目標にするというのは、結果として何億円になるのかもしれないのですが、額を言うことは、あまり適切ではありません。
結果として、1つ1つの事業を見ていった先に、一定の額が出てくることになるのか、そこはやはり、やりながらです。
記者:
ピンポイントの話になりますが、知事の公約で、「誰も置き去りにしない」という、とても素敵な言葉がありました。
兵庫県は、外国人学校振興費補助という名目で、各種外国人学校に補助を出していますが、朝鮮学校について、2014年からかなりの減額が進んでいて、今年は、4000万円を切る形になっています。他の自治体では、全く新たな要件を出して、ゼロにするような自治体もあります。
知事は今、その補助金について、どういう考えでしょうか。
知事:
その問題は、公約でも出してはいませんでした。実状を聞いてみることが、まずは大事だと思います。
記者:
女性幹部の登用について。兵庫県もあまり女性幹部の数が多くはない、と思います。今後、何か目標として、どれぐらい増やしたいなど、ありますか。
知事:
率を言うのは、まだ早いかと思います。やはり、公約でも言いましたが、女性が、これからの時代を考えると、男性だけで、いろいろな社会課題を解決していく時代ではない、ということはもちろんです。子育てにしても、教育の問題など、いろいろな問題について。
そこは、意思決定過程に県庁の中の女性、それから、いろいろな審議会など、研究会もあるかと思いますが。そういうところに、女性の、あらゆる世代の方々に入ってもらう、ということはしっかりとやっていきます。
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