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更新日:2021年9月22日

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知事記者会見(2021年9月22日(水曜日))

  【発表項目】

  1. 新型コロナウイルス感染症の現状と対応(PDF:709KB)
  2. 公民連携プラットフォームの設置に向けて(PDF:128KB)
  3. ローカル5Gを活用したスポーツ科学の実証実験の公開~産学官の共創によるイノベーションの創出~(PDF:103KB)
  4. 猪名川河川上空での距離12kmのドローン輸送実証実験(PDF:481KB)
  5. 「ひょうご認知症希望大使」の委嘱及び当事者からのメッセージ動画
    (PDF:133KB)

動画

 知事会見を動画で見る(外部サイトへリンク)

知事記者会見内容

知事:

 1番目は「新型コロナウイルス感染症の現状と対応」です。

 本日の新規陽性者数は267人で、1週間前比で100名の減少になっています。徐々に感染者数は減っています。入院、病床使用率についても、全体で40.0%、それから重症病床については41.5%で、大きく5割を下回りつつある状況になっています。

 引き続き、新規感染者数を抑制しながら、今月末が緊急事態宣言の期限になっており、報道等で様々な状況は見ていますが、引き続き予断を許さず、しっかりと県民の皆さんとともに、感染を防止することを続けていきたい、と思っています。


 2番目は「公民連携プラットフォームの設置に向けて」です。

 私の選挙中の公約の中でも、やはりこれからは、行政課題・社会課題に対して、行政だけですべての問題を解決する時代ではなくて、民間の皆さんの知恵やノウハウを一緒になって活用して、連携して、社会課題を解決していくことが重要だ、と言ってきました。

 今回、公民連携のプラットフォームを設置したので、これから動き出し、進めていきたい、と思っています。

 やはり大事なのが、民間企業の皆さん、民間の様々なセクターの方々と行政がしっかりと連携し、それから人脈を作りながら、どんなところで連携できるのかということを、1つずつ作っていくことが重要なので、そういう意味で、地域創生局内に推進体制を置きました。

 地域振興を担当する企画参事のもとに、包括連携担当の企画官を設置して、一元的な窓口となって、企業からの様々な事業提案に対応していきます。

 地域創生局内の企画官5人が中心となって、この地域創生局が中心となって、兵庫県庁内の様々な部局でこういった課題がある、その解決策を模索しながら。一方で、企業や団体などの民間のセクターから、こういった提案で一緒になって事業ができますよ、ということに繋げていく役割をやってもらいたい、と思っています。

 これから、様々な取り組みを、来月以降、また発表します。今、調整中の事案は、資料の(2)に記載していますが、1点目が、郵便事業者と連携した地域での子どもや高齢者の見守りの活動ができないかどうか。2点目が、外食チェーンの事業者と連携して、兵庫県の食材を使ったメニューを提供してもらえないかということ。3点目が、建材メーカーと連携して、環境負荷低減活動、それから子どもたちの環境学習が実施できないかについて、今、どう連携ができるのかを調整しています。

 これは整い次第、順次報告をしていきたい、発表していきたい、と思っています。

 今後さらに、プラットホームを中心にして、各部局と連携しながら、さらなる掘り起こしをしっかりとやっていきたい、と考えています。県民の皆さんの生活に関する、例えば、見守りの活動であったり、県産の食材を使って、子どもたちが県のおいしいもの食べましょうというような、地域の県民の皆さんの生活に関する連携もやりつつ。

 一方で、大阪湾のベイエリアの活性化など、そういった大きなプロジェクトという意味でも、官民連携が大事になってくるので、そういった幅広い社会課題に対応していくような大きな視点を持ってやっていきたい、と思っています。

 さらには、民間人材にも県庁に入ってもらうなどして、更なるこのプラットフォームの充実に向けて、しっかりとやっていきたい、と思っています。


 3番目は「ローカル5Gを活用したスポーツ科学の実証実験の公開」です。

 これから、第5世代の通信システム「5G」が重要になってきます。

 ここで、1つのキーワードがローカル5Gということで、様々なローカルの中で5Gを使っていくということが独立性、柔軟性、安定性という面でポイントになっています。

 今回、そのローカル5Gを使って、スポーツの分野での実証実験をやりたい、と考えています。県立三木総合防災公園をフィールドとして、取り組んでいくものです。

 具体的には、コーチングです。テニスを中心に今回やりますが、遠隔でアスリートに対する指導を支援できるようなシステムが構築できないかというところです。

 兵庫県は広いエリアですから、海もあれば多自然地域もあります。まずは、そういった、例えば、多自然地域に住んでいる高校生や子どもたちも、こういったコーチングのシステムを使って、一流のアスリートの指導が受けられるのではないか。そういう方向も見出していければ、と思っています。

 取材会としては、9月28日の13時から、ブルボンビーンズドームで開催します。

 アスリートの指導の実証実験は2つあって、1つがリアルタイムデータ収集による遠隔コーチングを株式会社アシックスの協力のもとに、テニス選手のプレーについてローカル5Gを用いて、高速で映像伝達することと。あとは、ウェアラブルデバイスから得られたデータをリアルタイムで収集して、テニスの動きをしっかりとコーチングしていく様子を見てもらえれば、と思っています。

 それから、もう1つが株式会社インパクト、県テニス協会の協力のもとで、テニス選手のフォームを、高性能のカメラで撮影した映像をこのローカル5Gで伝送してフォームの改善に向けたコーチングをやっていきます。

 特に、テニスや、ゴルフもそうですが、フォームが重要になるスポーツなので、そういったものをこういった5Gを使う映像を通じて、動画を通じて、コーチングができるのではないか、というものです。

 それ以外にも10月下旬目途で、AIカメラやローカル5Gを活用した新たなスポーツの観戦システムの実証実験も調整中です。

 ぜひ、9月28日の取材会に参加してもらえれば、と思います。


 4番目は「猪名川河川上空での距離12kmのドローン輸送実証実験」です。

 県は地域創生戦略に基づいて、大学等との連携で、ドローンの利活用、これは多自然地域を中心にターゲットにしますが、そういったドローンの実証実験を共同研究しています(「多自然地域一日生活圏維持プロジェクト」)。

 今年の3月に猪名川町内で、2キロの往復でドローンの輸送実験をしましたが、今回は12キロまで距離を延ばして、ドローンの輸送実験をしたい、というものです。

 具体的には、よりリアルな社会の中での活用に近づけるために、南部にある猪名川町役場から、北部の杉生の診療所まで約12キロ、ここに医薬品を運ぶミッションを設定してやりたい、と思っています。

 10月1日の13時から約1時間で、この実証実験を予定しており、飛行時間はそれぞれ片道10分程度を予定しています。

 何を運ばせるかというと、猪名川の町役場から緊急輸血用の血液を運びたいと考えています。復路の杉生の診療所からは、けが人の緊急搬送依頼、それから、患者情報を配送するものです。

 こちらにドローンの現物がありますが、こちらを使って、箱をつけて血液を乗せて12キロ運びます。

 通常数キロでやっているケースありますが、10キロを超えるのは、なかなかトライアルな実証実験です。ぜひ今回を機に、特に災害が起こった時に、道路などが寸断された時に、やはりこういったドローンという手段を使うことによって。緊急に必要な医薬品であったり、そういった血液、薬を早急に届けることができるシステム構築をしていくことが大事なので、しっかりとやっていきたい、と思っています。


 5番目は「「ひょうご認知症希望大使」の委嘱及び当事者からのメッセージ動画」です。

 県では、「認知症の人も安心して暮らせるまち」を目指して、認知症の人、本人に講演してもらうなど、発信の機会を設けて、認知症への理解を、社会的な理解を深めていくことを目指しています。このたび、「ひょうご認知症希望大使」の制度を創設して、9月21日に本県の第1号の大使として、古屋一之さんを委嘱しました。

 古屋さんは現在63歳ですが、59歳の時にアルツハイマー型の認知症と診断を受けて、認知症の講演、それから啓発活動についても、精力的にしている人です。

 これから、県から大使として委嘱して、認知症の理解のための普及啓発活動などについて、県と連携しながら進めていきたい、と思っています。

 委嘱式は緊急事態宣言後に、また改めて調整をしたい、と思っています。その際には、また発表します。

 それから、メッセージ動画についても。古屋さんから、自身の思い、それから、認知症になった後でも、このようにしたことを含めたメッセージ。自らの体験を語ってもらうメッセージを、配信したいということで、9月17日から県のホームページで配信をしています。よろしくお願いします。

 (項目外)水上オートバイの危険運転に関する、県の対策について。

 今日、二見港から、県の漁業取締船「はやたか」で約1時間ほど、海上から視察をしました。先日言いましたとおり、淡路の岩屋で3名が亡くなるたいへん痛ましい水上バイクの事案があったことを踏まえて、この事案は広域的な問題になりつつあるということで、まず私自身も現場を今日、視察しました。二見から出て、明石市の海岸沿い、そこから須磨の海岸も見渡せるところまでいって、そのあと岩屋の方に来て、3名が亡くなった事故現場を見て、帰着する行程でした。

 海上は、今日は平日だったということで、水上バイクは走ってはいませんでしたが、やはり思ったのが、見渡しが結構よいということと、スピードが出しやすい環境にある、ということが1点。

 一方で、タンカー、漁船も含めて船の往来は比較的多いということです。それから、この間台風が過ぎ去った影響か、今日は風が比較的ありました。やはり波がそれなりにあって、海流が強いという状況も、岩屋の事故現場の近くはまさにそうだったので。スピードを出し過ぎたり、不注意な運転をすると、大きな事故に繋がるというリスクは潜在的にある、と強く感じました。

 特に、取締船の船長さんとも話しましたが、夏の海水浴シーズンになると、砂浜の海水浴場のお客さんのギャラリーが多いと、そういったところに水上バイクで近くに寄って、アピールをしたいという心理が働いている人も多いようです。そういった意味で、今回現場を見て、どのような対応をしていくかのイメージを作るという意味で、今日、行きました。

 今後、県としてどのように対応していくかですが、やはり県民の皆さんが安心して、海岸域を利用してもらえることが大事だと思いますので、対策検討会議を立ち上げることとしたい、と考えています。

 メンバーについては現在調整中で、また改めて発表しますが、県の公安委員会をはじめ、国の関係機関、海上保安庁や国土交通省、そういったところにも入ってもらいます。また神戸市にも、大きな港湾管理者ですから、入ってもらうことになる、と思っています。

 あとは民間の関係で、ジェットスキーの利用者の団体など、そういったところにも入ってもらうことを予定しています。

 具体的には、10月中に第1回の会議を開催して、まずは現状に関する意見交換を行う予定です。その上で年内には一定の方向性を取りまとめたい、と考えています。

 来年11月には明石市で海づくり大会も開催されます。やはり安全・安心な兵庫の海づくりというものも大事だと思っているので、この取り組みを着実に進めていきたい、と考えています。

 私からは以上です。

質疑応答

記者:

 現状の県の感染状況の分析について。感染者数は、非常に減ってきているのは、数字上でも、グラフで見ても明らかだと思う中で。

入院の病床使用率も落ちてはいるが、まだ国が示すステージⅢ(20%以上)を下回るような状況ではなく、知事は現状をどう受け止めていますか。

 

 

知事:

 

 ここ数日の感染者数については、今、言われたとおり減少傾向にあります。それから、ポイントとなる病床使用率についても、先週の後半ぐらいから50%以下で、これは国のステージⅣ以下になっており、改善傾向にあります。

 国が示している緊急事態措置の解除の考え方で8つの指標がありますが、この8つの指標についても特に大事な重症病床使用率について、改善傾向にあり、8つの指標すべてについては今、改善傾向を満たしている状況に、ここ数日はなってきています。

 ただし一方で、やはりまだ40%台で、病床については予断を許さない。引き続き、今週いっぱいは、病床使用率や感染者数の状況をしっかりと見ていく必要がある、と思っています。

 やはりここは、県民の皆さんの大きな協力により、感染者数の減少、それから病床使用率についても、一時50%台を超えた中で、若干そこで足踏みをしていたのですが、ここ数日、一気にそこが40%台に減ってきています。

 1つの山場は越えてきた、というのが今の感じです。まだ予断を許さないので、引き続き、状況を見ていかなければならない、と思います。

 

 

記者:

 

 それに絡めて、知事も発言していましたが、今月末で緊急事態宣言の期限を迎えます。状況は一定、改善傾向ではあるものの、現時点での考えとして、緊急事態宣言を延長した方がよいのか、それとも全面解除した方がよいのか。それとも、まん延防止等重点措置に移行するような措置にした方がよいのか。また、まん延防止等重点措置の内容を、酒は解禁にするのかなど、その点は現時点でどのように考えていますか。

 

 

知事:

 

 10月1日以降の対応をどうするのかは、今、国も報道等で出ているとおり28日に、という話も出てきていますが。しばらく今週いっぱいなど、そのあたりの感染状況などを踏まえながら、これは全国的な問題なので、検討していく形になると思っています。

 本県の状況を数字上で見ると、新規陽性者数は減ってきている状況と、病床使用率も5割を切って、これは確実に日々減っています。そういった意味で、下降局面にあることを考えると、今月いっぱいで、緊急事態宣言については、何とか区切りを迎えたい、というのが、今の見通しと思いです。
 その後の10月1日からどうするのかは、やはり、今週いっぱいの状況を見なければなりません。いきなり全面解除がよいのか、下りのまん延防止等重点措置に一旦移行した上で、徐々に解除していくのがよいのかは、もう少し様子を見なければならない、と思っています。

(病床使用率)40%前後の状況では、いきなり全面解除はなかなか難しい、という声もありつつ。今のまん延防止等重点措置は、酒類の提供が一定程度、知事の判断でできるスキームにもなっていますから。そういったことをかませながら、どのように移行していくかだ、と思います。

少なくとも緊急事態宣言をまた大幅に延長したり、あとは完全に延長していく状況ではないと思っていますが、ここ数日の様子を見ながらだ、と思います。

 

 

記者:

 

 大幅に延長するのは、現時点では、可能性として様子を見なければならないが、という話でした。

 大幅に延長しない、とは国が決める話ですが、その際には、やはり経済などを回復していく。例えば、宿泊業や飲食業など、そういったところを視野に入れて、宣言を長く続けなくてもよいのではないか、という考えですか。

 

 

知事:

 

 第6波に対するリスクがありますが、今、県民の皆さんと事業者の皆さんとの協力のおかげもあり、せっかく感染状況がかなり減ってきて、もう少し、という状況なので。私は、できるだけ早くこの事態を収束させて、経済活動もおそらく徐々にだと思いますが、平常化に向けて歩みを進めていくことが大事だ、と思っています。

 観光については、県内割の独自キャンペーンや、そういったものを出しましたが、できるだけ早く、第5波を収束させて経済活動を平常化したいのが今の私の思いです。

 

 

記者:

 

 水上バイクの件について。今日の知事の視察は、県の船で明石沖を出て、明石も見つつ、須磨海岸も回って、淡路の先端部分や岩屋の方に行って、明石に帰ってきた、というルートですか。

 

 

知事:

 

 そうです。

 

 

記者:

 

 県の対策として、対策検討会議で、関係団体、関係機関等と会議を立ち上げる、ということです。この際に、1つの検討課題になるのは、規制内容といったところも含めて議論をしていく、というイメージですか。

 

 

知事:

 

 そうです。対策検討会議を10月に立ち上げて、年内に1、2回か、数回開催します。その上で、対策を取りまとめていきますが。

 方向性としては今、言われたとおり、パトロールなど、注意をしてくださいと、啓発をどのようにしていくのかも出てくるでしょう。

 あとは監視カメラなど、そういったものをどうするのか、と予算も関係することです。

 法規制という意味で、国に対して、要望していかなければならないことも出てくる。なかなか網の隙間にある状況なので、そういった法規制の関係で国への要望も出てくる、と思っています。

 それから最後が、言われた条例の改正の中で、罰則も含めた内容をどのように強化していくのかを議論していく。

 この4つと思っています。

 

 

記者:

 

 公民連携プラットフォームについて。これまでも各部局が民間企業と連携することがあったと思うのですが。

 今まで各部局が独立してやっいたものを、このプラットフォームを介することで、より事業の進め方がスムーズになる、ということですか。

 

 

知事:

 

 そのつもりでいます。各部局が当然、今までも連携してやってきていますが、やはりこれからは、社会課題は複数の部局に跨るようなことなど、いろいろと出てきます。例えば、子どもと高齢者の見守りであれば、後半は高齢者福祉ですが、前半は場合によっては児童福祉もあれば教育の問題になるかもしれないので。

 部局横断的に、いろいろな取り組みを県庁内としてやっていくためには、1つのヘッドクォーターが、1つのところで作る方がスムーズにいくのではないか、ということで、そのようにしました。

 

 

記者:

 

 名称は「公民連携プラットフォーム」でよいのですか。

 

 

知事:

 

 そうです。

 

 

記者:

 

 緊急事態宣言からかなり経ちます。そもそも、感染者は現時点で8月下旬をピークに、一貫して、直近1週間(平均新規感染者数が)下がっていますが、なぜ減っているのか、県当局としてはどう考えていますか。

 

 

知事:

 

 まん延防止等重点措置の強化から緊急事態宣言の措置で、人流抑制は、第1回目の緊急事態宣言と比べるとそこまでは減っていない、という指摘もありますが。人流自体は抑制されていることもありますし、飲食店についても、事業者の皆さんにとってはかなり厳しい状況ですが、夜の飲食についても、私自身も着任してからも全然行っていませんが、夜のそういった場もかなり減っていますので。かなり、接触の機会が減っていますから、そういった効果が出てきている、と考えられます。

 ただし、減り方としてはかなり急なので、これがどういった原因なのか、要因なのかは、おそらく専門家の皆さんもなかなか分からないとは思いますが。事実として、今、抑制していく段階にはあるものを、このまま引き続き、抑えていきたい、と思っています。

 

 

記者:

 

 緊急事態宣言の取り扱いについて。先ほどの話では、下りのまん延防止等重点措置を使って、段階的にする可能性の方が濃厚だ、と聞こえました。

 現時点で、これまでにずっとリバウンドが起こっていて、解除した途端にまた上がっていく、その繰り返しになっています。今の話では、完全解除も政府の案としてはある中で、県もその案の可能性も消さないのは、経済の両立を図る意味で、その可能性は消していない、ということですか。

 

 

知事:

 

 選択肢として完全解除になるのか、あとは、下りのまん延防止等重点措置だと思うのですが。言われるように、リバウンドがこれまで4カ月おきくらいに繰り返している状況なので、どのように判断していくかは、なかなか難しいところもあります。

 国は、おそらくワクチン接種率が5割を超えている状況などを踏まえると、今回は、下り(新規感染者数減少局面で)のまん延防止等重点措置ではなくて、完全解除の選択肢もあるのではないか。そういう判断もある、と思っています。

 私自身も今回は、ワクチン接種について、これからもっと接種率を増やしていかなければならないと思っていますが、ワクチン接種の状況はかなり進んでいることを考えると、全面解除の選択肢もゼロではない、と思っています。しかし、可能性が高く現実的なのは、下りのまん延防止等重点措置で、若干の様子を見ながら、平常化に向けて行く方が、選択肢としては最も現実的、と思っています。

 

 

記者:

 

 その場合、取り扱いとして大阪と京都との一体の交流圏なので、対応を今まで重視してきましたが、今回も大阪と京都と話し合いをするのか。

 もしも、下りのまん延防止等重点措置を政府に申請する場合は、対策本部会議を2段階で開いて、政府に要請していくことになるのですか。

 

 

知事:

 

 3府県との連携については、実務レベルでも今もしっかりとやっています。しっかりと足並みそろえていく必要がある、と考えています。

 それから、下りのまん延防止等重点措置についての要請をするのかどうかは、特に今の時点では考えてはいなくて。国の内閣官房とは、県の状況は密に連携はしていますが、前回の緊急事態宣言の時も、延長の時も要請はしませんでしたし。

 今回もそこは要請という行動よりも、全国的な判断の中で、3府県の状況と本県の状況をしっかりと国に伝えながら調整をしていく、と思っています。

 

 

記者:

 

 関西広域連合について。県として何を訴えたい、と思っていますか。

 

 

知事:

 

 明日、ウェブで関西広域連合委員会があります。様々なテーマがありますが、感染拡大がかなり抑制されている中で、関西広域連合、それから4府県(滋賀、大阪、京都、兵庫)としても、引き続き感染抑制に向けて、もうひと踏ん張り頑張りましょう、ということをメッセージとして取りまとめる方向です。そこを確認できればよい、と思います。

 

 

記者:

 

 ウェブの後で、特に、例えば、3府県知事による会合のような意見交換は行うのですか。

 

 

知事:

 

 ウェブで関西広域連合の知事との意見交換をするので、そこでしっかりと、関西広域連合としてのメッセージを取りまとめていきます。

 4府県や3府県で何かをすることは、特に考えていません。

 

 

記者:

 

 下りのまん延防止等重点措置も視野に、ということですが。管轄保健所別の患者数などを見ると、県内でかなり段差が出てきていて、例えば、豊岡であれば、この1週間で(10万人当たり)4.6人とかなり少ない人数になっています。

 今後の、仮に完全解除とならない場合は、県内の地域ごとで飲食店の営業時間をどうするのかなど、地域ごとに考えていく方針でしょうか。それとも緊急事態宣言のように、全県一律で網をかけるのが望ましいのでしょうか。

 おそらく、当然に、阪神間の人的交流の側面もあるので、連携も含めた調整が必要になるかと思うのですが、今の考えを聞かせてください。

 

 

知事:

 

 そこはこれからの議論になります。制度としては、緊急事態宣言が終わって、まん延防止等重点措置になれば、まん延防止等重点措置は基本的にエリアを分けて、対象となるエリアと、その他のエリアになります。そこで対象にならなかったエリアは基本的に、通常どおりの営業ができるのですが。そこも、任意に、県としての要請をどのようにしていくのか、その議論もゼロではありません。

 一方で、まん延防止等重点措置の適用対象になったところについて。今回の新たなまん延防止等重点措置のスキームの中で、基本的に20時までの営業時間短縮等、酒類の提供は行わないことを要請するのが原則ですが。

 あとは、知事の判断で、下降局面にある時は、一定の要件緩和が、酒類の提供は第三者の認証制度が行われた店については、午後19時半までなど、またさらには、午後21時までの営業と20時までの酒類提供など。若干、その規制緩和もあるので、そこをどのように適用していくのかは、まだこれからの議論です。

 それから、エリアの問題をどうするのか。この2点をこれから詰めていかなければなりません。もしも仮に、まん延防止等重点措置になるとすれば、そうなると思います。

 

 

記者:

 

 もうすぐ緊急事態宣言解除の可能性が出てきています。明日、広域連合の会議がありますが、関西で一番感染者の多い地域の大阪府の吉村知事も欠席のようです。大阪市の松井市長も、もうずっと出席をしていない状態が続いています。

他府県から見ると、大阪は感染者が非常に多いところなので、やはり大阪がどういう意見を持っているのか、どういう方針なのかについては、知りたいし、議論もしたいかと思うのですが。このあたりは斎藤知事はどのように考えますか。

 

 

知事:

 

 やはり、関西で一番感染者が多いのは大阪府、その中心は大阪市で、関西広域連合について出席をどうするのかは、それぞれの自治体の判断だ、と思っています。大阪府から知事は出ていなくて、大阪市も市長が出ていませんが、副知事(副市長)が毎回きちんと出ていますから、大阪府や大阪市の意思や状況はしっかりと伝えてもらっています。

 関西広域連合全体として共有すべきもの、それから認識としてみんなで持つべきものは、今回のコロナもそうですが、しっかりと共有して確認できているので、そこは問題ない、と思っています。

 

 

記者:

 

 どんどんと感染者が増えている状態であれば、対策することが見えているかと思うのですが。まさに今のような局面、感染者は減ってきている、今後どうする、という話をするのに、トップどうしの議論というは非常に意味があることだと思うのですが、それがなかなか。

 実際、齋藤知事と吉村知事で直接、2人で話をすることはあるのかもしれませんが、皆さんがいるところで、そういう議論をすることが大事なのではないか、と思います。

 「出席しませんか、話し合いましょう」と齋藤知事は一番言える立場だと思います。非常に関係性のある人だと思うので、そういうところも頑張ってもらいたいのですが、そのあたりはいかがですか。

 

 

知事:

 

 関係性が近いのかどうかは。年齢は近いですから、関係性は遠くはないのですが。

 公務など、吉村知事のそれぞれの状況もあります。そこを促すのは、それぞれの立場がありますから、「せっかくだから出ましょう」のような感じで言うのは、なかなか難しい、と思います。

 先ほども言いましたが、副知事も出て、しっかりと状況共有と認識は、関西全体で一体としてやっているので、そういった意味で大丈夫だ、と思っています。

 

 

記者:

 

 緊急事態宣言の関連について。知事の発言の確認ですが、先ほど緊急事態宣言を大幅に延長したり、完全に延長していく状況ではない、という話がありました。

 大幅に、や完全に、という言い方をしているのですが、基本的には10月1日以降は緊急事態宣言を延長する状況にはない、という認識ですか。

 

 

知事:

 

 今の時点ではそうです。そういう状況だ、と思います。

 

 

記者:

 

 それから先のこと、まん延防止等重点措置の話も出ましたが。知事としては、いきなりの全面解除ではなくて、やはり規制というのか要請をしていく必要がある、という考えですか。飲食であったり、酒の場というような認識なのか、あるいは、それ以外も含めて、いかがですか。

 

 

知事:

 

 今の、まん延防止等重点措置を要請できる対象が飲食店、それから大型店になっているので、そういったところに関しては一定の、もしも下りまん延防止等重点措置になったとすれば、要請はしなければならない、と思っています。

 今の、まん延防止等重点措置のスキームが、先ほど、説明したとおり、原則は20時や、(酒類)提供なしになっていますが、一定の規制の緩和というのか、この時間帯までなら、19時半までなら酒類提供できます、というところがあるので。ここも様子を見ながら調整して、感染抑制と経済活動の両立を何とか図っていく、バランスを持ってやっていくことが大事だ、と思っています。

 それが、どれぐらいの期間やればよいのかは、また別の議論があります。1カ月、2カ月、また、だらっと続けるのがよいのか。半月なり、どれぐらいで、期限を決めてしっかりとやっていくのがよいのか、その判断もあります。

 

 

記者:

 

 この流れでいくと、28日、という政府のスケジュールも出ていますが。県としても、政府が、緊急事態宣言の取り扱いについて方針を決定する日には、対策本部会議を開く予定ですか。

 

 

知事:

 

 9月28日、と報道が出ていますが、そのあたりのタイミングについては、状況を把握しつつです。国がそういった方針決定をするのであれば、それに合わせて、県の対策本部も開催する形になります。

 いずれにしても10月1日までの期限なので、それ以降どうするのかは決めなければならないので。それは、9月の最終週のあたりに、必ずやらなければならない、と思っています。

 

 

記者:

 

 政府の行動制限緩和(の実証実験)について。今月17日に、各都道府県の参加の意向を締め切った、と聞いています。兵庫県としては、参加の意向は示したのでしょうか。

 

 

知事:

 

 はい。今回、都道府県から飲食店、それからライブハウス等の候補を提案する、という形になっていました。兵庫県としても、飲食店での技術実験ですが、これに参加したいという意向は持っていました。

 ただし、参加する場合には、飲食店で参加することを検討はしていました。一緒になってやってもらえる一定のエリア、10店舗から20店舗の1つのエリアを、1エリアとして想定して、そこと一緒になって技術実験をやっていくのですが。手を挙げてくれるところなど、合意して一緒にやりましょう、というところを探して、調整していかなければならないのです。

 今の時点では、やる方向で、意思を持っているエリアがありましたので、そこと一緒になって、今回、技術実証実験については参加したい、という方向でエントリーはしています。

 具体的に、どの場所かは、まだ調整中なので、非公表となりますが、いずれ国が、近々全国的にどのエリアでやるのかを内定していきますので。その時点で、示すことになる、と思っています。エントリー自体はしていく方向で今、調整しています。

 

 

記者:

 

 エリアは非公表ですが、例えば、神戸市、阪神間など。

 

 

知事:

 

 神戸市内です。これは、技術実験という形なので、詳細はこれからですが。ワクチン接種をしているかのチェックや、PCR検査と抗原検査をしていく体制をどのようにしていくのかという技術実証で、そういったやり方のようです。国で、全国で何エリアか指定する、という形です。

 やはり、兵庫県も、神戸市を中心に一定の飲食店数がありますから。少しずつ日常に戻していくためにも、こういった技術実証に参加することの意義はあるのではないか、と考えています。そこに、一緒になってやりましょうというエリアが出てきたので、そこでエントリーをしよう、という判断で今、調整しています。

 

 

記者:

 

 姫路市の小学校の特別支援学級について。男性教諭が暴言や体罰を繰り返していた問題が発覚しました。県の教育委員会はその男性教諭を懲戒免職にしました。

 この問題に対する知事の受け止めと、もしも県として、個人的な資質の問題というのもあるかとは思うのですが、何か再発防止に乗り出すような考えはありますか。

 

 

知事:

 

 先日、姫路市内の小学校の教諭が、数年間にわたって特別支援学級の生徒に対して、著しく人権意識に欠けた暴言や体罰を繰り返していた、ということです。教師は、児童・生徒の模範となるべき存在でもあるので、そういった行為は絶対に許されるべき問題ではない、と私自身も思っています。

 教育委員会は、様々な服務規律の研修を実施してきて、こういった行為がないように取り組んできたと思うのですが。こういった事案が出てきたことは、極めて残念で、遺憾だ、と思っています。引き続き県の教育委員会に対して、「こういった事案がないように徹底してもらいたい」と申し入れていきます。

 特に今回、同僚の職員が、言動の記録を取っていて、それがあったからこういった行為がきちんと、処分に向かって進み始めたというのはあるのですが。その間に、上司、校長先生に相談していたけれど、1回だけだったからよいのではないか、という感じで、教育委員会に報告しなかったところも問題です。

 こういった暴言など、体罰的なことをやる人というのは、自分自身ではすぐに忘れたり、すぐ後でさらっと思うものですが。そういうものを受けた子どもであったり、これは教育現場だけではなくて、いろいろなパワーハラスメントもそうですが。そういうことを受けた側の人というのは、それは例えば1回であっても、ものすごく心に傷がついて負担となって、精神的な苦痛になっていますので。そこは1回であっても、すぐに校長先生が、教育委員会なりに報告をしなければならない。

 特に子どもは、そういったものが一生のトラウマとして残る可能性が極めて、これは大人でもそうなのですが、そういったナイーブな子どもたちの成長過程の中で、1回であってもきちんと教育委員会に対して報告をして、再発防止と対処をきっちりとやるべきだった、と思っています。

 それが、できていなかったことが、今回、数年間の長期にわたって、子どもたちを苦しい状況に、私自身も子どもがいるので、そういった状況が放置されたということは極めて遺憾だ、と思っています。教育委員会においては、そこの再発防止を、徹底してもらいたいと思っています。

 こういったハラスメント行為は、教育現場だけではなくて、いろいろな現場で、行政もそうですが、そういった職場にもあります。パワーハラスメントを含めた、ハラスメント行為は、やはり社会全体として許されないということを、しっかりと伝えていくことが大事だ、と思っています。

 

 

記者:

 

 知事として、先ほど言われたように、教育委員会に対して申し入れをするのですか。

 

 

知事:

 

 教育委員会に対して、再発防止の徹底を申し入れしていきます。これは市町の教育委員会と県教委がしっかりと連携していく事案でもあるので。

また、教員の人事については、政令市以外は、基本的に県がやっていくものでもあるので。そういった人事面の話でもあり、そこは県教育委員会教職員課が中心となって、再発防止をどうするのかを、しっかりとやってもらいたい、と思っています。

 

 

記者:

 

 先日の補正予算案で、今まさに9月議会に提案している中に、若者のワクチン接種に向けたインセンティブがあります。

 弊社に読者から、特に電話で寄せられた声がありました。それは、20歳の息子を持つ母から、ワクチンを息子は打ちたいと言っているが、浪人中で、なかなか大学の集団接種も受けられなくて、同じ年齢なのに学生ではないからという理由で、その特典がもらえないと気の毒だ、という声がありました。

 実際に、知事も浪人の経験がある、と聞いていますが、そういった方々は対象になるのですか。

 

 

知事:

 

 今は、18歳以上の大学生、それから短大生、専門学校生等という形で、対象にしています。今の時点で、浪人生には予備校という1つのコミュニティはあるものの、一応、大学生なり専門学校生なりの、1つの学校コミュニティの中での感染拡大防止であったり、あとは、早く社会生活を平常化していくという意味で、制度の構築をしていますので、浪人生など、そういった人については、今のところは対象にはしていないのですが。

 そういった声があったことを受けて、検討はしたい、と思っていますが。今の大きな制度としては、大学生、短期大学生、それから専門学校生という、1つの学校コミュニティの中で、しっかりと接種をしていきましょうということなので。

 そうすると同じ年齢でも、社会人で働いている人もいますが、そういった人は職場の中で、職域接種など接種の要請もあるので。

 受験生に対しては、今年の冬の、センター試験や私立大学だと、その後の試験、二次試験も含めて、しっかりと突破をしてもらうことが大事だと思うので。ワクチン接種の優先枠を、県としても、来月から園田と姫路に増やして、できるだけ早く受けてもらう枠を設置して、そこでしっかりと浪人生も受けてもらいたいので。

 インセンティブの件は、今回は対象外になっていますが、そこは気持ちはよく分かりますし、一旦は受け止めますが。まずは、接種を、もしも受ける意思があるのであれば、早くしてもらって、引き続き学業をやってもらって、安心して受験ができる形に持っていきたい、と思っています。

 そういった投書があったのですか。

 

 

記者:

 

 はい。検討してもらえればと。少数派を放置されている気がして悲しい、という声でした。

 

 

記者:

 

 行動制限緩和の実証実験について、エントリーの意向を国に伝えたということです。

 何日付で国へ伝えたのか。周辺では、大阪、京都、滋賀も、参加の意向を示しているので、それが参考になったり、また、そのことに関して相談があったのでしょうか。

 

 

知事:

 

 技術実証実験のエントリーについては、21日付です。昨日、一緒にやっていこうと合意ができたので、昨日付で、国に対して提案、エントリーをしたという状況です。

 

 

記者:

 

 実証実験自体は、各県単位で、エリア単位でされるかと思うので、そこの実証実験段階での連携というよりは、大阪もやっているし、京都もやっているから、というような参考なり、エントリーに対しての情報共有などはありましたか。

 

 

知事:

 

 もともと、こういった提案ができるということがあった時から、兵庫県内も神戸市を中心に一定の飲食店の集積がかなりありますから、エントリーすることについて一定の前向きな考えを持っていました。

 問題は、一緒にやってくれるエリアがあるのかどうか、そこが問題でした。そこは調整がついたので、今回、エントリーしましたが、その間も大阪や京都の状況も、よく見ていたので、そこも参考にしながら判断した、という状況です。

 

 

記者:

 

 21日、昨日エントリーしたということです。期限は17日との認識ですが、21日でも間に合ったのですか。

 

 

担当部局:

 

 国と調整して、21日付でエントリーを行いました。

 

 

記者:

 

 公民連携プラットフォームについて。公民連携という考え方は、知事が行った東日本大震災被災地で取り組みが進んでいると。実際に、被災地ではさらに深い連携もあると聞いています。

 その場合に、やはり決め手になるのは、その繋ぎ役がとても重要になってくると。企業のノウハウと、公の場面でのニーズ、ここをうまく繋げる人が重要で、ポイントになると聞いています。

 先ほど、民間人材を入れていく話がありました。例えば、東日本大震災の被災地では、民間のNPOなど、そういった人たちの報告を活用することもあるのですが、知事から話のあった民間人材とは、どんな人材ですか。

 

 

知事: 

 

 ご指摘のように、やはり繋ぎ役としては、行政だけではなくて、民間のセクターで働いていたり、ノウハウを知っている人に入ってもらう方が、よりよい形で繋ぎ役ができるということなので、民間人材の活用を考えていきたい、と思っています。
 NPOの人も、もちろん検討対象になりますが、あとは民間のビジネスをやっている人も含めて、検討になるので、その両にらみだ、と思います。

 

 

記者:

 

 姫路の特別支援学級での暴言と体罰の件について。これは、なぜ周りが気づけなかったのかと、気づいたとしてもなぜ周りが積極的にかかわれなかったか、というところが、私自身は気になっています。

 先日、他の新聞社でも記事がありましたが、コロナ禍の疲れによる学校の先生の休養がかなりの数としてあると。確かに、コロナ禍で、学校の業務が通常に比べてかなり増えている。そうすると、やはり周りの先生がどうしているのかが見えなくなることは、想像に難くありません。

 そうしたことを考えて、今後、学校への具体的な人的な支援などが必要になってくるかと思います。今後の検証にもよるのでしょうが、知事は現段階で、何か考えはありますか。

 

 

知事:

 

 確かにコロナ禍で、学校現場はたいへん忙しくなっている面はある、と思います。そういう意味で、県でも市町教委でもやっていると思いますが、子どもの悩みの相談や、保護者からのSOSを電話やSNSを通じて、届けてもらうということは、常に開設をしていますし。今回のコロナ禍でも、そのあたりは充実させようということはやっていますので。

 そこはしっかりとやっていますし、あとはスクールカウンセラーなど、そういった制度も、国庫で支援がありますから、そのあたりをしっかりと充実させていくものと思っています。

 今回の事案を見ると、実は平成30年度から発生している事案なので、実はコロナの前からの事案です。コロナ禍で確かに横の連携が、というのがあったのかもしれませんが、そこは校長先生なり教頭先生のマネジメントの世界で、しっかりとやっておくべきこと。

 通常の業務の忙しさとは違って、これは子どもの人権であったり、心の安全・安心も、体罰なので体も危ないのですが、そういった事案ですので。やはり1回でもあれば、すぐに県の教育委員会にきちんと報告をするなりして対処すべき事案であった、と思っています。

 

 

記者:

 

 今回の事案が、特別支援学級という一般の教室とは違った環境であったことが気になっています。校長先生が市教委に連絡・報告したからといって、そこの先生をすぐに外すことが果たしてできたのか。そのまま指導しながら、上手く溶け込ませていくという現場の考え方は、いろいろとあったかと思うのですが。

 コロナ禍というのは確かに少し違うのかもしれませんが、より人手を厚くするなどの、そういう考え方はあるかと思い、質問をしました。

 

 

知事:

 

 特別支援学級は、ある意味、小学校の中で言うと、1クラスで少人数の先生で固定してやっているところなので。そこが全体のクラスからすると、一部の閉鎖された空間になっていたというのは、もしかすると今回の要因の1つだったのかもしれません。

 

 

記者:

 

 昨日、行財政運営調査特別委員会が議会に設置されて、行財政運営の「課題と検討方向」が報告されました。財政フレームで今後6年で330億円の収支不足が予測されると。(一方で、)知事は選挙戦の中で、他の都道府県との見合いで100億円程度の財政調整基金が必要だ、と述べられました。

 少し長期にわたりますが、収支不足の解消ということと、財政調整基金への積み上げを足さなければならない、ということになるかと思います。一筋縄ではいかないかと思うのですが、知事としては、まずはどのくらいのレベルで、収支不足をまずは解消することを1つのメルクマールにするのか、さらにそれ以上を目指すのかなど、どのように考えていますか。

 

 

知事:

 

 非常に難しい質問ではあるのですが、収支不足の解消も視野に入れつつ、大事なのは、事務事業全般を1つ1つ見せてもらいたいと。これは、財政課と各課と連携しながらですが、その中の指標の1つが、予算と決算の乖離です。

 予算ではこれぐらい積んでいるが、決算ではこのようになっているというのが、本来これが数年続いていれば、財政の認識からすれば、そこはもうやめなければならない事業なのですが。そういったものでも、これまでの経緯等を踏まえて続けている事業がかなりあるという話を聞いていますので。そういった事業など、時代の流れに沿ってもう、(やめても)よいのではないかという事業を、1つずつ精査していく形になろうか、と思っています。

 その結果として、収支不足が解消していく面もあるかもしれないですし、収支不足の対応以前に、県の財政構造が今どのようになっているのかも、一度洗い出しをしてみたい、と思っています。これまで、行財政改革をしっかりとやってきたという面があるのですが、しっかりと財政当局と見ていきたい、と思っています。

 その先に収支不足の解消が見えて、その結果として、財政調整基金の積み上げも出てくるのかもしれないのですが。まずは、足元の事業のあり方と、あとは県の財政構造がどのようになっているのかを見て、対処方針を考えていきます。その先に、ご指摘の330億円であったり、県の財政調整基金をどう積み増していくのかがありますが、それは少し先の話だ、と思っています。 

 

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