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ようこそ知事室へ
【発表項目】
知事:
1番目は「新型コロナウイルス感染症の県内の患者の状況等」です。
本日の新規陽性者数は76人で、対前週比で42人の減となっています。
2桁の新規陽性者数が続いており、第5波はかなり収束をしてきた状況です。
病床の使用率などについても、入院全体で17.9%、重症病床も18.3%で、20%を切ってきています。県民の皆さんにはこれまでの協力への改めての感謝と、これからも油断せず、気を緩めずに、引き続き感染を防止するための基本的なマスクの着用などの徹底を、よろしくお願いします。
2番目は「『ふるさと応援! ひょうごを旅しようキャンペーン(プレ実施)』の開始見込み」です。
長引くコロナ禍の影響により大きく落ち込んだ観光業に対して、県内の宿泊旅行業を支援するために、県民を対象とした県内旅行割を実施します。
県内旅行の宿泊代金の割引支援、そして期間中に使用可能なクーポン券を配布します。ワクチン接種の促進と感染の防止の両立を図る目的をもって、経済活動を活性化していくことを目指します。
感染を抑え込むことが前提で、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置の解除が条件の1つ目。もう1つは、ワクチン接種が県内全体で60%を超えることを事業開始の条件として設定しました。昨日、9月補正も議会で議決され、無事に成立しましたので、実施に向けての説明をします。
感染状況も日を追って改善しており、先ほど説明したとおり、病床使用率、新規陽性者数もかなり落ち着いてきている状況です。
1つの条件としての緊急事態宣言の解除も今、達成されている状況です。それからワクチン接種についても、県内の2回目のワクチン接種率は、4日時点で59.65%です。過去の伸び幅を踏まえると、来週の公表、10月11日時点では、おそらく60%以上になることが確実です。
したがって、特段の状況の変化がなければ事業を開始したい。1週間後の10月14日木曜日の旅行・宿泊分から、この割引支援を開始したいと考えています。予約については10月12日からのスタートで調整しています。
タイミングとしては、緊急事態宣言が解除されて感染者数もかなり落ち着いてきており、それからワクチンの接種も60%を超える見込みが立ってきていることを踏まえて。それから、観光の事業者からもできるだけ早く需要喚起をやって欲しい、という声が、昨日の町村会との意見交換の中でも、いくつかの町長から、特に「観光業、飲食業はたいへん苦しいので早く需要喚起をスタートして欲しい」という声もありました。そういうことを踏まえて、できるだけ早く、14日からのスタートにしたい、と思っています。
詳細は資料に記載のとおりですが、「ふるさと応援県民割」ということで、2000円から5000円分の人・泊あたりの割引、それから旅行中に使用可能な「ふるさと応援旅クーポン」も最大2000円を配布する、この2つがポイントになります。
対象期間は、10月14日から12月31日の旅行分です。対象としては、宿泊施設で、予約方法については宿泊施設に直接してもらうことが1点と、もう1点は旅行代理店経由という形になります。
利用対象者は、ワクチン2回接種済みの人を原則にしたい。ただし、様々な事情で接種が困難な人もいるので、PCR検査の通知等で同様の取り扱いとしたい、と思っています。
PCR検査(費用)については、今回は各人が負担する形になると思います。そこは国の大きな方向性の中でも、ぜひPCR検査等については公費負担でやって欲しい、と引き続き国に要望していますが。現時点ではそういった対応にはなっていないので、県としてもこのままの状況になっています。
一方で、PCR検査も受けられない、という人もいるかもしれないので、そういった場合も踏まえて、同居人かつ原則4人以下の少人数旅行であれば。原則としてはワクチン接種2回を条件としたいのですが、様々な事情でワクチン接種できないという人に対しても一定の要件をセットする形で、全体のバランスを図りながら、感染の抑制と経済活動の両立をしっかりとやっていきたい、と考えています。
一方で、感染拡大がまた出てくるという状況に対しても、停止条件を用意しなければならないと考えています。ここに書いているとおり、「①感染状況の指標」と「②病床率の指標」で、この2つの条件を満たした場合には、新規予約の停止や運用の停止もやっていきたい、と考えています。
新規予約の停止については、直近1週間の新規陽性者数が1週間連続で大幅に上昇傾向になったときと、例えば、病床使用率が上昇傾向になったときです。全面停止の大きなポイントとしては、「病床使用率が50%を超えたとき」というところです。いろいろな要件をセットしていますが、いずれにしても、一応の指標としては用意しながら、あとは全体を見ながら総合的に判断をしていきたい、と考えています。
今後、事業者の皆さんへの説明会などをしながら、混乱のないように制度をスタートしていきたい、と考えています。
次の別添資料が、旅行者向けの(制度の)大きな流れです。大まかには、宿泊施設に直接予約をしてもらうケースと、旅行代理店経由で予約するものと、それから最近伸びているオンライントラベルの会社を通じてやる場合です。今回、プレ実施するのが上の2つです。宿泊施設に直接予約と、旅行代理店を使う場合の、この2つでやっていきます。
県内の事業者の皆さんに、できるだけ多くのものが行くように、こういう形にしました。
今後、国のキャンペーン、補助をもらいながらのキャンペーンというものもありますが、「ステージⅡ相当」が今、条件になっています。これがどのような条件の下で、GoToキャンペーンも含めて実施できるのか。本格実施の時には、ここ(オンライントラベル会社)も対象になりますが、県の今回のプレ実施では、上の2つでやっていきたいというものです。
クーポン券についても、こういった形の券を用意しています。以前も兵庫のクーポン券をやっていましたが、今回のクーポン券はこういった形で今、準備をしています。
事業者の皆さん、ホテルも含めて、ワクチン接種2回をどうやって確認していくのか、というオペレーションが大事になってきますので。そのあたりは、説明会をやりながら、しっかりと円滑にできるような運用をやっていきたい、と思います。
イメージとしては、これは私の接種済み証ですが、こういった2回接種したというものを、今ワクチンパスポートのようなものがないので。おそらくこういう2回の接種シールを貼っている、臨時の接種済み証を、旅行代理店で買う際や、宿泊ホテルに行った際に、窓口で見せてもらうという形の運用になろうか、と思っています。
そのあたりを含めて、事業者の方々としっかりと意思疎通をしながら、制度の運用をしていきたい、と考えています。
3番目は「東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会にかかる県スポーツ賞『特別選手賞』受賞者の決定」です。
本県からも、オリンピック・パラリンピックでたいへん多くの選手がメダル獲得などで活躍しました。兵庫県ゆかりの選手に対して、兵庫県スポーツ特別選手賞を表彰します。
今回、東京オリンピックでメダルを獲得するなどした選手10名と、パラリンピックでメダルを獲得した選手3名を表彰する、と決定しました。
受賞者は、一覧のとおりですが、兵庫県にゆかりがあるということで、県内の学校に在学や、県内の事務所に所属、勤務する人などです。
贈呈式については11月9日に県公館において行います。
リストの、上から柔道の阿部一二三、詩兄妹や野球の金メダルなどで、錚々たる方々になりますが、おそらく本人が来ることは、かなかスケジュール上難しいかと思いますので、そういった形で進めていきます。
4番目は「『ひょうご北摂里山ライド2021』の開催」です。
10月10日に川西市の知明湖キャンプ場をスタート/ゴールとして、宝塚市、川西市、三田市、猪名川町の3市1町を巡る約90キロのコースで開催します。
当日は5カ所のエイドステーションで管内市町の商工関係、観光関係の方々が地場産品のおもてなしをすることで、リピーターを生むイベントにしていきたいというものです。
これは実行委員会の主催で、タイムを競うのではなく、個人のペースで楽しんでもらうロングライドという形式で実施します。7月末から募集して、9月3日時点で定員に達しています。
感染症対策をしっかりと行った上での実施で、走行中以外はマスクの着用、それからできるだけ車間距離も2メートル以上を保ってもらいたい、感染症対策もしっかりとやりながら実施していきたい、というものです。
私は今回、参加はしませんが、佐渡にいた時もロングライドも何回か出たことがあるので、機会があれば、来年度以降に出ることも検討したい、と思います。
私からは、以上です。
記者:
新型コロナの関係について。知事が言われたようにかなり、収束が見えてきて、国のステージ指標で言えば、病床使用率も20%を切って、10万人あたりの(1週間の)新規陽性者も今日で10.1人で、ステージⅡ相当となっています。
改めて、この収束に対する受け止めと、今時点での県民へのメッセージ。それに加えて、今、飲食店の営業時間の短縮を実施していますが、かなり順調に下がってきており、この傾向が続いた場合に、21日が期限ですが、これの前倒しの可能性はあるのでしょうか。
知事:
今、感染状況はかなり落ち着いてきている状況です。緊急事態宣言もあって、県民の皆さんの、かなり感染に対する意識が共有された状況になってきて、マスクの着用など様々な場面での徹底がなされた結果。
それからワクチンの接種が、国全体で6割にも達しつつある状況で。今、ニュースなどでも見ていますが、諸外国は鈍化してきている一方、日本だけが60%から伸びて、まだ上昇傾向にある。アメリカは横ばいの状況です。やはり日本人の中では、ワクチン接種を様々な事情で受けられない人はいますが、多くの方々はワクチン接種に対する一定の理解があって、急激な今回の減少にも繋がってきたのではないか、と考えています。
今は、いわゆる落ち着いてきている状態ですが、これから、特に冬に向けて、インフルエンザの流行も、通常出てくる時期で、空気も乾燥してきますので。できるだけ感染拡大にならないような行動を、引き続き県民の皆さんには、日頃から注意をしてもらいながら、飲食や先ほど発表した旅行についても、少しずつ緩和しています。
21時までの営業時間短縮や20時半までの酒の提供など、そういった範囲内で少しずつ緩和をしていきますので、その範囲内で、ぜひ、楽しんでもらいながら、一方で感染をしっかりと予防する意識も両方持ってもらいたい、ということをお願いします。
今のところ、予定どおりこの3週間でいこうと思っており、21日まで時短の要請期間になっていますが、このままグーッと下がり続けて、かなり感染が抑制されている状況になってくれば、前倒しの解除も視野には入ってくる、と思います。
記者:
ひょうごを旅しようキャンペーンの停止条件について。先ほど知事は、新規予約の停止条件として、直近1週間の新規患者数が、「大幅に」上昇傾向になったとき、と言われましたが、この「大幅に」という言葉は、資料には書いてありません。
具体的にどの程度の上昇であれば、「大幅に」というのか、例えば(前週比の)倍数で、1.5倍や1.6倍などにするのか、もしくは単純な新規陽性者の数にするのか。いろいろな考え方があるかと思うのですが、
基準を示されていますが、若干、曖昧な印象がぬぐえません。そのあたりはどのように考えていますか。
知事:
「大幅」と言ったのは、例えば、極端に1人だったものが2人になったり、というように、小幅に上昇局面が続いて、小さな波があるケースなど。単純に数字上の前日よりも増えている、というだけで判断してしまうと、本当の意味での感染のトレンドを捉えられない可能性もあるので。
「大幅な増加」いわゆる「感染が明確に拡大している」という局面で、総合的に判断したい、という意味で、「大幅に」と言いました。具体的なところではなかなか今の時点では難しいのですが、イメージで言うと、(モニタのグラフを示して)こういった今、局面ですが、ここの局面、こういう小幅の波が続いている状況でも、ここで切り取ると、1週間連続で増えている、となったとしても、小幅の波という状況もありますので。
そういった場合に無理に停止してしまうと、かえって経済状況が悪くなってしまうということです。そういった場合も様子を見ながらの判断になる、と思っています。
イメージとしてはこういった、グッと第5波の時のような明らかに拡大している、前週比で数倍以上になっているような局面になってくれば。ここはやはり、だいたい今までの経験で、これはというのは、だいたい分かりますから、そこは総合的に判断していきたい、と思っています。
具体的に何倍になったから、というのは、今の時点では示すことはできていませんが、総合的に判断して、こういった伸びが明らかになっている場合には、いろいろな意味で、停止をしていくことになる、と考えています。
記者:
停止条件について。そもそも全面停止としてのステージⅣを意図して、になるのですか。
知事:
病床使用率の指標など、このあたりはステージⅣの指標なので、イメージはそういった形になります。
記者:
重点措置(ステージⅢ)の基準ではなくて、ステージⅣとしたのは、何か県として意図があるのですか。
知事:
まずは、前の段階で新規予約の停止をしていく、という形で、一旦は、停止要件の前段階をはさむ形にします。それから明らかに状況が悪くなってきた時には、ここは全面停止をしなければならないので、この2段階でセットする形になります。
一段階目で素早く様子を見る、という形で、もしこれがやはり、小康状態にまた落ち着いていくのであれば、新規予約は再び停止から解除します。それ以上に伸びてきた時に、ここは1つの目安として、ステージⅣの状態で判断していきたいのが今の設定です。
ただし、これもステージⅣを超えた時よりも、トレンドがもう明らかに伸びてきて、極めて第6波の危機的な状況になることが見える場合には、ここは総合的判断になってきます。こういった(病床使用率)50%を超えていなくても、当然その全面停止の判断もあります。そこは、先ほどの質問の答えと同じになってきますが、全体の数字のトレンドを見ながら、総合的に判断していきます。
記者:
必ずしも、その2つの要件を満たさなくても、ということですか。
知事:
そうです。満たさなくても、こういった判断をしていくことはありますし、仮に満たしたとしても、特に、上は満たしても少し様子を見るということはあります。これで50%を超える状況になってくれば、必ずステージ4.で、第6波になるので、なかなか続けることは、今までの流れでは、難しいと思います。
ただし、ここはワクチンパッケージ、検査パッケージなど、どういった形でこれから国が、緊急事態宣言などの状況になった際に、一方で経済活動との両立もウィズ・コロナになってきた時に、どのようにしていくのかの全体像も見ていかなければならないので、そういう意味も含めて、総合的にしていく形になろうか、と思っています。
記者:
始める時よりも、一般的には停止する時の方が混乱する、と思います。そうした場合に、全面停止する場合には、ある日突然、停止するのか。どのようにして県は停止を周知していきたい、と考えていますか。
今回の認証店も数日後に一旦は区切る、ということで、少し混乱したかと思うのですが。どのように周知を図って、混乱を防ぎたい、と考えていますか。
知事:
緊急事態宣言の時と同じように、一定は前もって示さなければ、やはり事業者の方々も混乱しますので。そこはできるだけ早めに、上昇傾向が明らかに出てきた場合には、まずは新規予約の停止をしつつ。それをすれば、全面停止も場合によってはある、という予見性は出てきますから。そこは、まず1つ目の新規予約の停止をしながら、全面停止も予見性を出していくことができる、と考えています。
言われるように、一定の幅をもってしなければならないので、「明日から全面停止です」と前日に言うということは避けたい、と考えています。
記者:
オリンピック・パラリンピックの特別選手賞について。兵庫県スポーツ賞特別選手賞は、今回新たに、特別に作ったものですか。
知事:
これは、従前からある賞で、その中で今回表彰するもので、今回、特別に作ったものではありません。
記者:
県のホームページを見てみると、「特別選手賞」は従前からあるということですが、「スポーツ優秀選手特別賞」というものも県にはあるようですが、それとは同一ですか。
担当課:
「スポーツ優秀選手特別賞」はプロの業績を評価するもので、今回の賞はプロ・アマ含めた業績から評価を行うものです。
知事:
プロの選手と、アマチュアの選手で分けていて、別の物ということです。
記者:
改めて、今回表彰するにあたって、各選手のオリンピック・パラリンピックでの活躍を振り返って、一言お願いします。
知事:
今回、オリンピック・パラリンピックが無事に終えられて、特に日本で開催したこともあり、多くのスポーツ中継など、私もかなり見ることができました。金メダルもすごく多かったですし、あとは金メダルを取れなかった選手も、たいへん感動を与えてくれる状況を目の当たりにしましたので、本当にスポーツの力は大きい、と思います。
県にゆかりのある人に対して今回は表彰しましたが、スポーツの世界は、大きく言うとそういう枠組みというよりも、これは県内・県外、それから日本国民である・ないにかかわらず、やはりスポーツは感動を与えてくれるものなので、それはすばらしい機会だった、と思っています。
特に、オリンピックもすごく良かったのですが、パラリンピックです。海外でオリンピック・パラリンピックをする時には、なかなか中継が、そこまではありません。しかし、今回、やはり日本でパラリンピックをしたので、すごく多くの競技を、中継で最初から最後まで見られたのが大きな違いだ、と思っています。
私もテニスをするのですが、車椅子のスポーツ、テニスも国枝選手の試合も上地選手の試合も見ましたし、やはり迫力があり、このようにラリーができるというのはすごいと思います。あとは、ボッチャについても、今まで見たことのなかった競技ですが、最初から最後まで見て、すごく迫力がある、駆け引きがすごいスポーツで。いろいろなクラスがあって、手で投げる選手のクラスもあれば、完全な麻痺がある人の場合は、勾配具(ランプ)で、ボールをいわゆる台から押してするようなやり方で。それでも駆け引きがすごくて、本当に技術力がすごいと思ったので、たいへん感動しました。
そういう意味では、オリンピック・パラリンピックのいろいろな選手に、多くの感動を与えてもらったことに、改めて感謝を述べたい、と思っています。
記者:
和歌山の断水について。それを受けて、県として、同様の事故を防ぐために新たに点検をしたり、もしくは和歌山に応援職員の派遣を検討しているのかどうか、そのあたりをお願いします。
知事:
和歌山に対しては、基本的には和歌山市の事業なので、(和歌山県内の)市からそれぞれ応援が行っていると思いますが。兵庫県としては、特段の応援をする予定はありません。かなり早めに迂回路を作るという、収束と応急処置のめどが見えてきたので、今の時点で応援を何かするということは考えていません。
大事なのは、本県でも同じようなことが起こらないようにしていくことなので、企業庁でも、そういった老朽管の状況については、これまでもよく点検をしていると思いますが。要するに公共施設の維持管理の世界で、ファシリティーマネジメントの世界ですが。これから上下水道も含めて、道路も橋梁もそうですが、大きなテーマになってくるので。
これまでも兵庫県も少しずつ維持管理については、大規模修繕も含めて、しているので、それを引き続きしっかりとしていくことで、指示をしますので、そこでしっかりとしていきます。
記者:
和歌山市の事故を受けて、改めて何かをするというよりは、引き続き重点的に。
知事:
公共施設の維持適正化の管理を引き続きしっかりとするように、企業庁に、(指示)徹底しています。
記者:
ひょうごを旅しようキャンペーンについて。9月補正で7億3700万円計上していますが、これは何人分、もしくは何泊分ぐらいを想定していますか。
知事:
10万泊です。
記者:
国で始めようとしている「ワクチン・検査パッケージ」、行動規制の緩和をするための技術実証について。現在、国との調整の中で、どこまで調整が進んでいて、その進捗状況や、いつから始まるのか、どこでやるのかなどの具体的なところは、何か決まっていますか。
知事:
国から、今回の技術実証の概要を示してもらいながら、今協議をしている状況です。調整中なので内容は言えないところもありますが、参加してもらえる事業者や都道府県、自治体の負担がそれなりにでてきそうな感じです。
そうすると、県が負担するかどうかも含めて、大事なのは事業者の皆さんが、(一旦は)協力すると言ってもらっているものの、そこへの負担が余りにも大きくなり過ぎると、事業者にとってかなりメリットが薄れてくる状況もあるので。そこをできるだけ、国がいろいろな形で責任を持って負担してもらえるようにして欲しい、ということを今、協議しています。その協議がまだ調整中なので、具体的なところが言えない状況です。
他の12道府県、本県も含めて、手を挙げていますが、おそらく同じ状況で、蓋を開けてみるとなかなか思っていたようなものと、負担状況が違うので、その調整を今、鋭意しています。
以前もお伝えしましたが、事業者の負担や県の負担が多い場合に、最終的にどのように判断するのかは、しっかりとこれから国からの条件の提示などを見ながら、慎重に判断していきたい、と思っています。
記者:
事業者や県の負担とは、金銭的な問題なのか、それとも業務量的な問題なのか、マンパワー的な問題なのか、それとも全部ひっくるめてですか。
知事:
両方です。費用的な負担も一定発生しつつありますし、オペレーションでも、ワクチンが受けられない人に対する検査を、現場で全部やって欲しいなど、いろいろとオペレーションのための計画づくりをやって欲しい、というのがあって。いろいろな事務や費用負担が想定よりも発生するスキームになりつつあるので。
その一方で、もう今、事実上、認証店を中心に、21時までの営業や20時半までの酒類の提供なども含めて、緩和を段階的にしている中で。
あえてそこまで、事業者が負担をしてまで、やるのかとも危惧しています。そこが国とうまく調整できなければ、事業者も「それならばうちは参加しない」というところが、ほかの県でも出始めているらしいのです。
そこは県も慎重に、事業者の皆さんが、メリットがあって、そこを踏まえてやる、快くやってもらうことが大事なので、よく見極めなければならない、と考えています。
記者:
事業者の協力があって初めてできるような実験だと思う中で、もしも仮に、事業者が「やらない」となれば、それは兵庫県としてはもう参加できなくなってしまうのですか。
知事:
そうです。そこを道府県が全部、費用も含めて被ってやればよいのではないかという考えも、一方ではあるのかもしれないのですが。それは技術実証の本質とは少し違ってきているので。
確かに、いろいろな意味でウィズ・コロナ型の経営スタイルを模索していくことが大事ですが、あまりにハードルが高過ぎるやり方で最初からやると、それはかえって事業者はできない、自治体も含めてすごい負担を皆で負いながらやっていくスタイルでは、なかなかその持続可能性が、難しいところもあるので、そこをどういう条件でやっていくのか。
それでもあえて、今回は技術実証でやるのであれば、これは国の責任で費用負担なども含めて、やって欲しい、というのが我々の考えです。これは全国知事会、それから関西広域連合でも同じような要請をしていますので、そこを踏まえて、国でどのように制度設計してくれるかだ、と思います。
記者:
負担的な部分を置いておいたとしても、そもそも国が技術実験をやることについては、どういった期待などがありますか。
それとも、いろいろな費用が負担になると期待感が薄れてきてしまったのか。その点はどのように、現時点で受け止めていますか。
知事:
今後、第6波が発生した際に、それでもやはり経済活動を一定、回していかなければならない、いわゆる出口の世界も模索していかなければならないので。そういう意味でも、今回の技術実証は、大きな意義はある、と考えていますので。
最終的な運用の仕方がどうなるのかは、これから模索ですが、まずは国で、いろいろな意味で責任を持って実施する形になれば、まずは一番よい、と思っています。
大事な実証事業だと思うので、そこはしっかりと費用面や、実務上の負担も含めて、できるだけ現場が、これならやれそうだと思えるような形でやってもらえればよい、と考えています。
記者:
ひょうごを旅しようキャンペーンについて。利用対象者で、「同居人かつ原則4人以下の少人数旅行(未接種者の場合)」とありますが、これは未接種者を含む場合なのか。
12歳未満の子供については、そもそもワクチンを打っていません。そうすると、例えば、夫婦と子供3人で、12歳未満の場合はどういう取り扱いになるのでしょうか。
知事:
そこは柔軟に対応します。4人以下でなければ絶対にだめだとすると、例えば、お父さん・お母さん・子供3人だと5人家族で、それは4人以下でないからだめだというのは。制度の趣旨からすれば、そこまで厳しくするのではなくて、家族5人で旅行を楽しんでもらいたいという趣旨なので、運用の中で、しっかりとケアしていきます。
記者:
PCRの検査自体は子供も受けられるので、5人家族の場合は、子供は受けてもらって、親2人は接種済み、という仕分けになるのでしょうか。
知事:
利用対象者の区分は分かれているのですが、例えば、友達同士で行く場合などについては、ワクチン接種2回やPCR検査などの検査をしてもらうのが基本的な条件になるイメージです。もう一方は、家族で行ってもらうケースを想定しています。
友達同士で行きたいのであれば、ワクチン接種かPCR検査でしっかりと感染をできるだけ抑止していく環境で行ってください。それがどうしてもできない人は、申し訳ないが、家族単位の旅行に限定します、というのが今回の趣旨です。
記者:
ワクチン接種の有無で、適用の条件を分けた理由について、改めて説明をお願いします。
知事:
ワクチン接種を促進していくことが今回の制度の大きな趣旨なので、ワクチン接種の有無で区別をしたいという趣旨ではありません。
そもそも旅行については、緊急事態宣言が解除されている状況なので、基本的にはそこの行動については、自由に旅行ができます。
今回の補助事業については、あくまで県民割ということで、県民の皆さんにインセンティブを出すことが制度の趣旨なので、そことワクチン接種の促進を両方やっていくために、こういう条件にしました。
打てなかったら旅行はだめ、という趣旨ではない点は理解してください。
記者:
ワクチン接種の促進ですが、特に若者世代の接種の促進策で、今のところe-県民制度でのクーポン・ポイントがありますが、これは原則大学生、学生に限られています。
今回は、一般的な家族向けの割引になるかと思います。
それ以外の若い世代の方々に対して。例えば、大阪は景品を配るなど、比較的幅は限定していないと思いますが。今後、追加で若者の接種の促進のための、何か施策を打つ可能性はありますか。
知事:
今回、e-県民制度を活用した接種促進策については、e-県民制度の関係人口を作っていくという趣旨で、県内の大学生などこれから卒業した後もゆかりを続けたい、関係を続けてもらいたいという趣旨と両方で。今回は、大学生でe-県民制度とのコラボでやりますが、それ以外の様々な世代の人へのワクチン促進策は、今のところはありません。
あとは、しっかりとワクチン接種を受けてもらいやすいような環境づくり、ということで、県の大規模接種会場を、今、予約状況が園田競馬場では低い状況なので、若者ワクチン枠を拡大することも検討しています。
そういった形でワクチン接種を促進していく、またメッセージも含めて、しっかりとやっていくことがこれから大事だ、と思っています。
政策のターゲットとしては、言われる意味では、今回、大学生などに絞っています。
記者:
スポーツ賞について。、阿部兄妹に関しては「誉賞」も受賞の発表がありましたが、これは両方ともダブルで受賞するということですか。
また、贈呈式は11月9日になっていますが、この日に合わせて実施するのですか。
知事:
11月9日に、このスポーツ特別賞を授与しますが、おそらく阿部さん本人が来ることはないかと思います。誉賞は、すでに授与しています。
記者:
ひょうご旅しようキャンペーンについて。こういった旅行キャンペーンは県としては初めて実施するということですか。
知事:
こういったワクチン接種等を利用対象者として、という意味では初めてです。
このような県民割、自体は、過去にも1回やっています。
記者:
齋藤知事もこのキャンペーンを実際に利用したいですか。
公約に掲げていた、ワーケーション知事室も、こういうキャンペーンが始まるので、知事も県内、地方に出向くことも可能になってきたと考えられるのですが。いかがですか。
知事:
家族旅行はずっとやっていなかったので、特に、選挙もありましたので、ぜひ。土日も公務がある時はありますが、そろそろ行きたい、という思いがあって、機会があれば、使わせてもらいたい、と思っています。
ワーケーション知事室についても、今は場所や時期も含めて調整中で、10月中はなかなか難しいかもしれませんが、できるだけ早く実施していきます。また詳細が決まれば、お伝えします。
記者:
旅しようキャンペーンについて。宿泊施設は、県内の全施設が対象ですか。これも何か条件があるのですか。
知事:
パンフレットの裏面にも書いていますが、安全・安心に旅行してもらう「ひょうご安心旅」として、旅行の組合の方々と連携しながらやっているものですが。そういった対応をしている店が、県下に750軒あります。割引は750軒の「ひょうご安心旅」に加入しているホテル・旅館が対象になります。
旅行版の認証店のようなものです。組合と連携しながらやっているので、県が何か認定しているわけではないのですが、こういった安心旅をやってもらえるホテル・旅館が今回の割引の対象になります。
記者:
旅行代理店の予約も今回、対象ですが、これは県内の旅行代理店ですか。
知事:
県内に所在する旅行代理店になります。大手もこれは対象になり、例えば、JTBや近畿日本ツーリストなどもです。
記者:
改めて、このキャンペーンは非常に前向きな取り組みだと思うのですが、県民へのメッセージ、呼びかけがあればお願いします。
知事:
今回、プレ実施でひょうごを旅しようキャンペーンをしますが、これまで、第5波の緊急事態宣言下から、旅行も含めて、たいへん自粛の協力をしてもらっていました。ようやく、第5波も収束に向かってきているので、感染抑制に対する協力は引き続き理解してもらいたい。
一方で、経済活動である飲食や旅行も含めて、やはり楽しんでもらうことを、県としても、しっかりと進めていきたい、と思っています。経済活動と感染抑止の両立を図っていく意味でも、今回、こういったキャンペーンをします。
ワクチンの接種2回を原則、受けられない人に対するフォローもしています。県として、初めてこういったウィズ・コロナ型の社会での旅行を楽しんでいくやり方で、安全・安心なホテル・旅館の750軒に今、限っていることもそうですが。
ウィズ・コロナ型の旅行のあり方を、これから大事にしていかなかればならないので、このキャンペーンを使ってもらいながら、そういった県内の旅行を楽しんでもらいたい、と考えています。
記者:
Go Toキャンペーンについて。現時点で何か政府から、再開についての話は来ていますか。
知事:
Go Toキャンペーンについては、特段の細かな話は聞いていません。どういう形で実施するのかは、報道にも出ていますが、早急に再開する方向で、おそらく観光庁が中心に検討している、と思っています。
そういう意味でも、このプレ実施を早くして、先ほどの県民へのメッセージもありましたが、観光業の関係の皆さんも。観光はやはり裾野が広い、地域にとっての産業なので、早く需要を喚起してほしいとの声が強いので。
Go Toキャンペーンは県外からの誘客になるので、それはしっかりとやってもらいたいのですが。その前にできるだけ早く、プレ実施で、県内旅行の中でしっかりとキャンペーンをしていくことが今回のねらいです。地域の経済の活性化のためにも、しっかりとやっていきたい、と考えています。
記者:
衆議院議員選挙が、19日公示、31日投開票、と当初言われていたよりも少し早まりました。知事は、今回の衆院選にはどういった関わりをする考えですか。
知事:
衆議院選挙の日程等がかなり固まってきています。私としては、まずは引き続き、第5波をしっかりと収束に向けて、県民の皆さんに時短要請なども含めてお願いします、ということと。第6波などに向けた備えも、しっかりと準備していかなければならない、ということで。新型コロナウイルス感染症の対応を、これからも引き続きしっかりとやるのが1点。
もう1点が、新県政推進に向けた様々な事業展開もしていきたい、と考えています。昨日もX(旧Twitter)に載せましたが、姫路の視察など。今日も阪神の港の様子を水上から視察をしました。ワーケーション知事室もそうですが、様々な新県政推進に向けた事業展開の準備を、しっかりとやっていきたいので、日々の公務を優先したい、と思っています。
衆議院議員選挙もありますが、私としては、公務に専念していきたい、と考えています。
記者:
自身の知事選挙では、自民党と維新の会から推薦を受けて、支援を受けたかと思うのですが。特に、両党の候補を応援することなどは考えはない、ということですか。
知事:
はい。私としては、先ほど言いましたとおり、コロナの対応と新県政推進に向けた、日々の公務に専念したい、と考えています。
記者:
ひょうごを旅しようキャンペーンについて。ワクチン接種を2回受けたり、PCR検査で陰性が確認されているのかを、事業者側である旅館がどのように確認するのかなど、具体的なこともまだ決まっていないのでしょうか。
知事:
昨日、議会で予算を成立させてもらいましたので、これから事業者の皆さんとしっかりと説明会を含めて、どういうオペレーションでやっていくのかを確認していくことになります。
おそらく、旅行代理店などで、今までの県民割の時も「県内在住者です」というチェックをしてもらう形になっていたので。そのオペレーションの延長線で、そこにおそらく2回接種したことを、改めて、購入の際にチェックすることと。
旅館に直接予約するケースもあるので、その場合には、先ほど示したこういうワクチン接種済の用紙を示してもらうなどのオペレーションを、これから観光の担当課と旅行関係の事業者の間で、説明会をやるなりして、丁寧にやっていきたい、と考えています。
記者:
先ほど、具体例で5人家族や友達同士という話もありましたが。県として明確に基準を設けるのか、それとも旅館やホテルごとに、その都度の判断となるのか、どういうイメージですか。
知事:
大まかな方向性は、ガイドライン的な感じで、Q&Aも含めて、旅行関係者に示します。あとは、やっていきながらで、このケースはどうか、と都度都度、県に組合などを通じて、問い合わせをしてもらい、それはこうです、ということを都度都度、判断していく。それをまた皆さんにフィードバックしていく形で、実績を積み上げていく、と考えています。
記者:
先ほど衆議院選挙についての質問がありましたが、同時に、神戸市長選挙もあります。知事選では久元市長がマイクを握るシーンもありましたが、やはりマイクは握り返さなければならない、ということはあるのでしょうか。オファーが来れば、どうしますか。
知事:
久元さんには知事選の最初に握ってもらいました。
久元市長は、現職の市長で、私も現職の知事なので、引き続き、県と市が協調で様々な連携をとりながらやっていきたいと思っているので。久元市長に期待するところは、私自身もすごく強い状況なので。
基本的には公務に専念しながら、都度、状況に応じて、いろいろな判断をしていきたいと思っていますが。今のところは公務に専念していく、という状況です。
記者:
衆議院選挙についても、オファーが来れば都度考える感じなのか、基本的には断る姿勢なのか、そのあたりはいかがですか。
知事:
衆議院選挙の場合は、いろいろな党派の関係もあるので、基本的に私は公務に専念するという形でいくと思います。
市長選挙については、久元さんとのこれまでの現職同士の連携もありましたから。そういったところを踏まえながら、基本的には公務専念ですが、あとは判断の余地がある、と考えています。
記者:
水上バイクの検討について、会議がいつごろ開催できそうかなど、進捗を教えてください。
知事:
水上バイクの関係については、今、実務的にメンバーも含めて調整を最終的にやっているところで、10月中には開催する方向で検討をしています。
タイミングについてはまた発表しますが、県の方は、荒木副知事をヘッドにして、取りまとめをしてもらいます。最初の会議には、私もおそらく出るかと思いますが、実施日時については、調整中なので、追って連絡します。
第1回を開催して、検討しながら、できるだけ早く方向性を取りまとめていきたい、と考えています。
記者:
水上バイクの件で、先日、明石市で、県や海保、警察、それから民間の事業者も含めた連絡会議のようなものを開いていて、県からは県民局が参加をしていました。
明石市でもそういう会議をして、県でもそういう会議をするとなれば、二重に開催しているようにも見えますが。このあたりは、1つの会議体を目指していくのか、それとも、明石市は明石市、兵庫県は兵庫県で別の対応をしていくのか、どのような考えですか。
知事:
県としてやる意義は、明石市だけではなくて、淡路もそうですが、阪神間、それから日本海側、実は日本海側も漁業者との関係で様々な課題がある状況で、広域的に兵庫県がどうしていくのか。
あとは、条例の関係もあるので、ここは兵庫県として、きっちりとやっていく形で進めていきたい、と思っています。
明石市は今までやってきているので、そこを統合するなどは、今のところありません。それぞれでやっていく形で、そもそものエリア、ターゲットが違うので、県としては県できちんとやっていきたい、と考えています。
記者:
この件について、明石市長と何か意見交換するようなことは、これまでにありましたか。
知事:
以前、要望を秘書室に持ってきてもらったりということがあるので、それも見させてもらっています。今まで、しっかりとやってもらっていた流れが、県でもということで、そこは本当に感謝を述べたい、県としてもしっかりとやっていきたい、と思います。
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