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【発表項目】
(資料に沿って説明)
記者:
「自宅療養者等相談支援センター」については、これも医師会との連携ですか。
知事:
これは、県で作るもので、この流れの中で、医師会との連携にもなるということです。
記者:
相談支援センターは、県として設置するということですか。
知事:
はい。
記者:
小児の医療提供体制の強化が重要ということですが、なぜ重要になってくるのか、もう一度説明してください。
県医師会理事:
第5波から小児の感染例は増えてきていましたが、第5波までに比べて、第6波では非常に増えています。
大多数の小児の感染例は、発熱等の軽症で軽快することが多いのですが、最近の感染例を見ると、発熱だけではなくて、咳や激しい喉の痛み、特にものを飲み込むのも、痛くて水も飲めないといった、上気道の有症状例が増えてきました。
大人であれば、必要に応じて、水分だけは取るといった対応ができますが、小児の場合は、脱水等が進んでしまうことがあります。
そのため、そのような症例に対して、小児科医の対応が必要になるケースが出てくることを予測して、体制を確保しておかなければ、対応が十分にできないことがあります。
今、大変なことになっている小児がたくさんいる訳ではないのですが、ニーズが出てから、「小児科の先生よろしく」と言っても、なかなか医療体制というものは(確保できないので)、前もって体制を確保しておく、ということです。
記者:
今、話には出なかったのですが、昨日、厚生労働省が都道府県に通知した受診無しの療養の件は、対策本部会議では話が出たのでしょうか。
知事:
はい、話は出ました。自治体の判断で適用することになっていますが、今の段階で適用する判断には至っていません。
検査のキャパが十分に確保されているのかがポイントになってくるという話があり、それが不足してくると、検査ができなくなってくるため、検査をせずに陽性者と判断する場面が出てくるのでは、という指摘がありました。
今の発熱外来では、順番を待つ状況にはありますが、急を要するほど逼迫している状況ではありません。
検査体制を確保しているのであれば、症状がある人は、きちんと外来を受けてもらうのがベースです。検査がしっかりとできる体制整備について、われわれも流通に声をかけていますが、できるだけ医療機関でPCR検査ができる環境を作っていくことが大事だ、と思っています。
県医師会理事:
知事が言ったとおりです。兵庫県下においては、患者数が増えて、各医療機関の受診者数がかなり増えているため、待ち時間も長くなっています。
しかし、例えば抗原定性キットは迅速性があり、その場で検査判断ができますし、PCRに関しても、結果判明までに今まで以上の時間がかからなければ、十分に対応できる、と考えています。
何よりも、病気の人を診ることが、われわれ医師の仕事であるため、それを診ずに診断というのは、甚だ例外的な対応ということになります。
県民の皆さんにお願いしたいことは、県のホームページにアクセスできる人は、発熱等診療検査医療機関を検索してもらい、有症状者には医療機関を受診してもらうことです。この発熱した人に関する医療機関の案内は、非常に丁寧でポイントを押さえてあります。
今のところ、国が示したような、診断をせずに自宅療養というのは、われわれも考えてはいません。
記者:
昨日、厚生労働大臣から、一部地域では発熱外来の予約が取れない事態が生じているという話がありましたが。県内では、今のところそういう事態は無い、という認識ですか。
県医師会理事:
はい、今のところは無いと認識しています。
記者:
検査無しで診断ができるという厚労省の方針について。現時点では、県内では適用する判断にはなっていない、と知事、先生から話がありました。
まだ、そこまでは医療機関での検査が逼迫していないから、と理解したのですが、この先どのような状況になれば、判断が必要となる、ターニングポイントになりそうですか。
知事:
県と医療機関、医師会も含めて、これから綿密に連携をしていかなければならない状況です。現在は、順番待ちはあるものの、何とか医療機関で回している状況ですが。今後、さらに人数が増えていき、検査のキャパがオーバーする状況になってくれば、医療機関や医師会とも連携をしながら、自治体としての判断が必要になってくる、と思います。そこは、これからの状況を見極めながらやっていくことになります。
県医師会理事:
医師会でも、県と医療体制や方針について、これまでも密接に協議を行ってきています。検査体制に優先順位をつけなければならない事態となった場合には、そのようなことも考慮しますが。
もう1つのポイントとしては、一般医療や一般救急が圧迫されるような事態が進んでくると、コロナの重症度と一般医療の重症度との兼ね合いをどのようにバランスを取るのかが、非常に難しい点ですが、判断材料の1つになる、と考えています。
記者:
厚労省の話でもう1つ質問します。会議で議論になったと知事が言いましたが、検査無しで診断ができることについて、現時点で予定はないとのことでしたが、体制のメリット、デメリットを知事はどのように認識していますか。
知事:
現場の医師の判断として、以前から平林先生とも意見交換をしていましたが、急に検査をしないよりも、検査をきちんとして陽性かどうかの判断をして、療養区分を決めていく方が、大きな意味で合理的な流れであり、できるだけ確保していくことが大事だ、と思っています。
そのためにも検査キットができるだけ医療機関にうまく流れていくように、県からすでに流通業者へも要請をしています。そのような点もしっかりとやりながら、現場のクリニックや外来できちんと対応できる環境を整備していくことをまずはやっていきたい、と思っています。
県医師会理事:
確かにそのとおりで、正しい診断に基づいてこそ、初めて正しい治療ができるのが医療の原則であり、できるだけ診断はきちんと医師が行うことが必要です。
そのネックになるのが、検査試薬やキットの不足ですが、医師会から知事にも直接お願いしたところ、早速対応してもらい、キットの確保に動いているため、できるだけ医師がきちんと診療・診断する体制は維持していきたい、と考えています。
知事:
県と医師会の連携については、これまでも空地会長、足立副会長、そして平林理事をはじめ、医師会の先生方の協力あってのものです。宿泊療養施設の医師派遣も平林先生の尽力で、全国に先駆けたモデルを構築してもらっています。
また、この「追加情報提供書」も、記載の徹底について医師会に先導してもらっています。保健所の現場で早く患者をトリアージして、膨大な数の中でハイリスクの人をピックアップするために、すごく重要なファクターになっているという声もありました。
保健所を介さないシステムも、小児科の研修実施もいち早くやってもらえるということです。これからのオミクロン株の情勢も含めて不透明な中でも、県と医師会が、これまでどおり、これまで以上に、しっかりと連携していくことが大事です。
県として、医師会や他の関係機関とも連携をしながら、対応したい、と思っています。どうぞよろしくお願いします。
記者:
今の臨床での症状について、大多数は発熱と上気道の炎症、喉の痛みであると。これは、大人に見られる症状ということで、子どもにはそれほど見られてはいないのですか。
県医師会理事:
第5派、デルタ株までの子どもの症状と言えば、発熱も短くて、一晩熱が出れば終わりという程度でした。
第6波になって、まだエビデンスのあるデータは出てきておらず、あくまで臨床における印象ですが、発熱期間が少し延びている。それから、熱だけで何も訴えることのなかった子どもたちが、喉が痛い、咳が出る、と発熱以外の訴えも出てきていることは事実です。
大人もそうですが、子どもの有症状例が増えている、と思われます。
記者:
報道でも、大人で喉が痛い、上気道の炎症、とよく聞きます。何も飲み込めないほどの痛みと。
県医師会理事:
大人は今、咽頭痛が多いです。ただし、喉の症状は強いが、肺炎になるケースは少ないのが今の、リスクの少ない人への広がりの中での、臨床経験から言える症状の特徴です。
記者:
発熱は、38度以上など、どれくらいの熱が出るのですか。
県医師会理事:
特にデルタ株までの、第5波までの感染者は、1週間から10日間の発熱の後に、肺炎を起こす人がいましたが。
今の成人の例でも、3日間程度の発熱で、何も治療をしなくても終息する人が大部分を占めています。
38度は出ますし、人によっては40度も、瞬間値としては、見られます。
記者:
大人ではそういう症状が出てきていて、子どもではそこまで増えている認識はなくて、これからに備えて、小児科の対応を充実させる、ということですか。
県医師会理事:
それを契機として、症状が重くなって入院したというケースは、まだ把握していません。
ただし、やはり数が増えてくれば、出てくるであろうと。
記者:
往診対応医療機関が440あるとのことですが、小児科はどれくらいありますか。
県医師会理事:
小児科はまだあまりたくさんはありません。これから増やしていくと。
ただし、小児科の医師の中でもやはり、自宅療養や外来において、自分たちが対応していかなければならない、という認識を持っている医師はたくさんいます。
これから県と仕組みづくりを、もう少し参入しやすいような仕組みづくりをした上で、参加者を一気に増やしていきたい、と思っています。
記者:
場合によっては、成人を診る医療機関が、小児を診ることもあり得るのですか。
県医師会理事:
それは当然に、今、コロナ以外の診療も含めて、小児科を標榜していないところでも、プライマリーケアの一環として、子どもの診療を行う医療機関はたくさんあります。必要であれば、今でも診療を行っているところはあるので、小児科でなければ、ということではありません。
小児科の医師にたくさん協力してもらうことは理想的ですが、いよいよ患者の数が多くなってきた場合には、そういった体制も考慮していくことになります。
記者:
「③外来医療体制の強化」について。陽性診断後も引き続き、健康観察を実施する、保健所を介さずに、ということですが。
今、kintoneなど、スマホのアプリで体温などを観察して、症状の把握を行っていると聞いています。それを個別の医療機関でもする、ということになるのですか。
それとも、定期的に来院してもらったり、症状が悪くなれば電話をしてもらうなど、により対応する形になるのですか。
県医師会理事:
kintoneなどの県が使っている健康管理アプリには、われわれ一般診療所の医師はアクセスできません。
特に保健所では、そこから重症化のリスクの高い人を拾い出してもらう形になっています。
われわれ医療機関が果たす役割としては、先ほど言われたように、「何かあれば電話してください」と。これは、大したことではないと思われるかもしれませんが、患者の中には、保健所に一つひとつ伺いを立てなければならないと思っている人もいるので。「帰ってから何かあれば、また電話して、受診の予約を取ってください」と言えば、かなり安心をして帰ることができます。
そこの部分は大切なポイントだ、と思っています。何よりも、新たに医療体制を組むことなく、県内に1458件ある発熱等診療・検査医療機関の中で、多数の医療機関が携わることで、外来診療におけるコロナ感染者への医療対応がかなり強化されることは大きな利点です。うまく利用していくべきだ、と思っています。
記者:
そうしたところで重症化のリスクのある人を見極めて、宿泊療養を勧めるなど、いわゆる仕分けをしていくことも、外来の、発熱等診療・検査医療機関で行う、ということですか。
県医師会理事:
特に、「追加情報提供書」の中で、実際に患者を診て、(通常の)宿泊療養にするべきなのか、それとも、医師派遣型の宿泊療養施設にするべきなのか。または、入院にするべきなのか、自宅療養でよい、とすることなど。医師がチェックする欄があります。
それから、大切なポイントは、抗体療法を行うか否か。これは、診断がついてから、おおよそ1週間以内に、早い時期に開始する必要があります。その中で、抗体療法を行うリスクファクター(危険因子)に該当するものがないか、診断した医師がチェックをして、保健所に調整を依頼します。
もしくは、地域によっては、抗体療法が必要となれば、保健所には届けた上で、当該医療機関から抗体療法を行っている医療機関に紹介をして、実施してもらうシステムを取っています。
知事:
そのあたりが、保健所を介さずとも必要に応じた診療ができる、というところです。投薬なども保健所を通さずとも、すぐにクリニックを受診してもらったり、往診によって、必要であれば、平林理事が言われたとおり、つないでいくことができます。
これは、県医師会から各地域の医師会との連携になるかと思いますが、しっかりとやってもらえるということです。自宅療養者がここまで増えてきている状況にあって、非常にありがたい仕組みです。
記者:
まん延防止等重点措置実施地区に指定されたことへの受け止めと、県民への呼びかけをお願いします。
知事:
本日、兵庫県がまん延防止等重点措置実施地区に指定されました。本日の新規感染者数は3360人となっています。依然として、感染拡大が続いている状況です。重症病床の使用率は3.5%ですが、全体としては51%となっています。
医療逼迫を防ぎながら、濃厚接触者の増加も含めて、社会機能が停滞するリスクがある中で、再度、県民の皆さん、事業者の皆さんへ要請することとなり、たいへん申し訳ありませんが。今一度、危機感を持って感染の抑制に対応していくため、県民、県全体としてやっていかなければならないと判断して、まん延防止等重点措置実施地区指定の要請をしました。
1月27日~2月20日までの約1カ月となりますが、県民の皆さんには何度も負担・協力をお願いすることになって、たいへん申し訳ないという気持ちはありますが、今一度、オミクロン株に対して、県民の皆さんと一丸となって対峙して、ともに乗り越えていくためにも、協力をお願いします。
記者:
様々な要請・対処方針がありますが、今回のまん延防止措置によって、どの指標を下げたい、と考えていますか。
知事:
3点あります。
まず感染者数全体を、今の高止まりの状況を抑えていきたいという思いがあります。ここを抑え込まない限りは、結果として中等症、重症者数が増えてくることになるため、1日あたりの新規感染者数を抑え込んで行きたい、と思います。
次に、病床使用率について、50%を越えていますが、ここを持続可能な形で病床逼迫を抑えていくことが重要だと思っています。そういう意味で、軽症・無症状者には自宅療養をお願いする形になります。自宅療養者のフォローアップ体制についても、自宅療養者等相談支援センターの設置など、医師会との連携なども強化していきます。理解を得ながら、自宅療養者へのフォローアップをやっていきたい、と思います。
それから、数字にも出ていますが、高齢者や障害者、高リスクの人への感染の広がりが、これからやはり懸念されます。その方々に対しては、しっかりと注意深く見ていかなければならない。年代別に見ても60代以上については中等症以上の割合が10%程度と高くなります。
今後、かなり注視していかなければなりません。今のうちから、感染拡大をしっかりと抑え込むことで、高齢者をはじめ高リスクの人への感染抑止をできるだけしていきたい、と思います。
記者:
飲食店への時短要請で、酒類提供ありの場合は、20時30分まで酒類提供可能ということです。当初、知事は20時まで、と言われていましたが、3府県との足並みを揃えた、ということですか。
知事:
そこは足並みを揃えました。
当初、20時ということも念頭にあり、他県等でも多くが20時とされています。一方で3府県の中で、社会経済活動の、飲食店を含めた運営の観点から、30分でも延長するという議論もありました。
検討の結果、本県だけが20時にすることによって、阪神地区から大阪の方に流れるということがあってはならないので、そういうことを踏まえて3府県が足並みを揃えて、20時30分までとしました。
記者:
少し気の早い質問ですが、まん延防止等重点措置の解除について、今のところ20日までということです。感染状況によっては、広島県、山口県のように延長もあるかと思います。
これまでのことを考えると、その場合でも、3府県で要請したということで、解除においても3府県で足並みを揃えて、という判断になるのですか。
知事:
まだ先の話であり、今の段階で決めることはできていません。まずは、感染対策をしっかりとして、ピークアウトも含めて、病床使用率を抑えていくことが大事です。
その後、下りまん防になった時に解除に向けた流れをどう作っていくのかは、3府県でしっかりと連携しながら対応していきたい。今の段階では、まず上り坂のところをしっかりと食い止めていくことに専念することが大事だ、と思っています。
記者:
(まん延防止等重点措置が)始まっていない状況ですが、現時点の知事の考えとして。例えば、兵庫・大阪・京都で大阪だけが2月20日になっても感染状況を注視するべき状況で、京都は落ち着いている状況になった場合でも、大阪に合わせて3府県ともに延長というのがベターなのか。それとも落ち着いている兵庫・京都は、重点措置の解除をするのが妥当など、現時点の考えでよいので、そこはいかがですか。
知事:
状況に応じてという形になります。ベースは3府県の経済圏、生活圏は一帯ですから、3府県が横並びで解除が一番自然な流れだと思っています。あとは、状況を見ながら判断することになります。
記者:
これまで知事は、酒類提供は20時までとしていました。今回、20時30分にしたことで、緩和と捉えられる面があるのではないかと思いますが、このあたりについての説明をお願いします。
知事:
そこは先ほど説明したとおり、3府県が横並びで連携してやっていくために、時間を合わせた形です。時短要請を20時から20時30分にすることで、時間は長くなっていますが、人数制限もしてもらうことになります。
3府県でずれがあると、特に阪神間の場合は、大阪に流れるリスクも出てきます。20時も検討しましたが、3府県で足並みを揃えて20時30分にする判断をしました。
記者:
昨日の大阪府吉村知事の酒類提供を20時30分にする話を受けて、県としては、今日、決めたということですか。
知事:
昨日から議論をしながら、京都・大阪の状況等も聞いており、最終的には、今日、判断しました。
記者:
感染者が、今日3000人を初めて突破しました。先ほど高止まりしているという話がありましたが、まだ伸びしろというのか、残念なことに、止まる気配がありません。
県として、何人まで感染者が伸びると試算していて、今後の対応にどう生かしていきたい、と考えていますか。
知事:
今、県としての試算はしていない状況です。他県ではやっているケースもありますが、緊張感を持って常に対策をやっていくことが大事です。予断を許さないことも踏まえて、今は試算をしない状況になっています。
高まりについては、1週間平均患者数(の対前週比)は1週間前の6.01倍から2.97倍ということで、半分程度になっているという見方もあります。
ここがどれ位落ちてくるのかは、まだ危機感を持って見ていかなければならない、と思っています。
記者:
資料1の9ページの「(参考)」では、陽性患者数・人口10万人あたり人数が、前週比2.9倍と兵庫県は他の関西5府県に対して突出している状況です。
これは全国的に見ても、ほぼ3倍ということで、この資料の中では宮崎県に次いで2位です。2番目に多いのですが、原因をどう分析していますか。
知事:
0.1や0.2ポイントの差です。いろいろな数字の出方によって、ばらつきがあります。総じて見ると2倍台の後半がほとんどです。どこの県も前週比3倍近くの感染状況であり、同じような状況ではないか、と思っています。
本県も2.9倍と高いので、引き続き緊張感を持って、しっかりと対応していかなければならない水準であることに変わりはない、と思っています。
記者:
今回の大きな点として、医療体制について。中等症Ⅰを宿泊療養としていますが、資料1の8ページの①重症度別の図では、中等症が明らかに少ないので、中等症Ⅰを宿泊療養にしなくてもよいのではないですか。
知事:
宿泊療養施設の中でも、医療強化型に入ってもらうことにしています。常時、看護師や医師の健康観察、それから何かあった場合には、すぐに投薬や医療提供体制が充実している施設で、転院も含めて、対応が可能になっています。そのような運用で、今のところ大丈夫だと聞いています。
むしろ、それによって入院のベッドの稼働率に余裕を持たせておくことが大事だと判断します。宿泊療養施設に中等症Ⅰ程度の人に入ってもらう運用で、今のところ大丈夫だと聞いています。
記者:
緊急事態宣言についての考え方として。今日、病床使用率が50%を超えて、国が示す緊急事態宣言の目安を一応は満たしました。
今日の会議で、宣言についての考え方や意見等はありましたか。
知事:
今日の時点では緊急事態宣言についての議論は出ませんでした。
まずは、医療提供体制の拡大をしながら、保健所の疫学調査の省力化・重点化・効率化をやっていく、ワクチンの接種もしっかりとやっていく。全体の感染者数をしっかりと抑えていくことをこれからもやっていこう、となりました。
緊急事態宣言の措置についての議論にはなっていません。
記者:
宣言を要請する基準には達していますが、要請が必要だと思う基準は、どのあたりですか。
知事:
今は、具体的な基準の設定は難しい、と思っています。
これから病床使用率がどれぐらいで推移していくのか。それから大事なのが、重症病床の使用率です。この点がどう推移していくのか。入院患者にどのような人が多いのか、高齢者に広がっているのか、ということも含めて、見定めながら判断をしていくことになります。
記者:
すぐに宣言の検討に入ることはない、ということですか。
知事:
今は、ありません。
まずは、まん延防止等重点措置を適用して、県民の皆さん、事業者の皆さんに再度となり申し訳ありませんが、協力してもらいながら、しっかりと抑え込んでいくことに力を尽くしていきたい、と考えています。
記者:
今回の重点措置の対策内容について、県独自の判断が加わったところはどこですか。
知事:
今回は、基本的には国の対処方針に沿ったものがベースになっています。
オミクロン株の特性に沿ったものになるように要請はしましたが、大きなところでは変わっていませんので、国の対処方針の流れの中で、県の対処方針も設定しました。
記者:
酒類提供は20時までが国の対処方針に規定されていて、そこだけを変えているのですか。
知事:
そこを20時30分にしています。これは3府県の横並びでしています。
記者:
今日、病床使用率が50%を超えたので、フェーズでいうと「Ⅳ感染拡大期2」ですか。
感染症等対策室長:
「Ⅴ感染拡大特別期」の体制へ移行しています。「Ⅳ感染拡大期2」は確保しているため、Ⅴの体制に向けて構築しています。
記者:
県の病床フェーズは「Ⅴ感染拡大特別期」に入っていて、国のレベル分類でいうと4【避けたいレベル】でしょうか。
知事:
国の新たなレベル分類でいうと、3【対策を強化すべきレベル】相当です。病床については、県の「Ⅴ感染拡大特別期」を目指しています。
記者:
国のレベル分類が3で、県のフェーズでは、Ⅴが今日の段階ですか。
感染症等対策室長:
県はⅣを確定したので、Ⅴを目指して体制を整備しています。
記者:
現状は、県のフェーズはⅣですか。
知事:
今、Ⅳになっていて、Ⅴを目指している状況です。
記者:
ゆくゆくはⅤになるが、今日次点ではⅣということですか。
知事:
Ⅴに向けて、調整を進めている状況です。
記者:
県の病床、医療提供体制は、最大レベルまで、今日、引き上げることが決まったということです。ただし、感染がかなり急拡大しているので、そもそもこの確保している最大の数で足りるのかという議論にもなってくるかと思います。
その点については、この先どう考えていますか。最大レベルまで引き上げた先で、ということです。
知事:
そこはこれから、多くの症状が軽症・無症状であって、今、そのような方々には自宅療養を基本としているため、そのような中で、自宅療養者がどんどんと増えています。
それは一方で、病床全体の逼迫を防ぐことにもなります。オミクロン株は重症化リスクが低いという指摘もあるため、ここは高齢者、それからリスクのある人に備えて、病床をしっかりと確保しておいて、そのような方々が、中等症2.以上になった場合には、入院をきちんとしてもらえるような体制を、しっかりと作ることが大事だ、と思っています。
この設定自体も、前回のデルタ株が落ち着いた後に、入院患者が2割増えた場合に対応できる状況としています。それはデルタ株なので、重症化率が高い株での2割増しです。今回、オミクロン株は重症化率が低い中で、感染者数が多い状況であり、バランスを見ながらですが、何とか対応できるようにしていきたい、と考えています。
記者:
これ以上、病床数を増やすことは難しい、宿泊療養施設も難しいのですか。
知事:
今の段階では、入院病床1400床と宿泊療養2400室の中で、何とか運用していくことが大事です。
記者:
今日の国の対処方針について。知事はこれまでも、オミクロン株の特性を考慮した対処方針を作って欲しい、とたびたび要請してきましたが、大きなところは変わらなかった、という発言がありました。
実際に、国に、改めて求めたいことや、本当は、県はこのように対処方針を組みたかったなど、具体的な項目があれば教えてください。
知事:
対処方針については、今できることが、現場、現場での感染対策、マスクの着用などをきちんとやっていくことと、今の対処方針の中でやることになった時短要請です。
マスクを外しての会食については、会話をする場面自体が、国の分科会の専門家からもリスクが高いとの指摘があります。飲食店の時短要請については、一定の専門家から、合理性がある中でやることが、今の時点では、合理的と考えられています。
県としても、時短要請をすることとなり、事業者の皆さんには、苦労、負担をかけることとなり、申し訳ないと考えています。
もう1点が、国でもいろいろな議論が進められつつありますが、大事なのは、ここまで数が増えた時に、例えば、濃厚接触者の隔離期間や、社会的なエッセンシャルワーカーも含めて、そのような方々が陽性となった場合に、どのように社会機能を止めないように、運用を切り替えていくのかという議論を、できるだけ早く進めていくことも大事だ、と思っています。
県の現場レベルでは、実態としては、ずっと進んでいて、保健所の疫学調査の重点化や、軽症者を自宅療養にシフトしていくことは、コロナの対応として、かなり重点化しています。
現場の流れの中で、ずっとやっていくことになっているので、そこはきちんと方針として、オミクロン株の場合は、このように対峙していくということを、きちんと決めていくことが大事だ、とは思っています。
記者:
自宅療養者等相談支援センターについて、どこに設置されるのか、規模感を教えてください。
知事:
外部に委託をして設置します。趣旨は保健所の業務がかなり逼迫をしているため、業務について言わばアウトソーシングする形です。県として初めての取り組みになりますが、具体的には1月28日から24時間体制で事業者と調整しながら、今、やっています。
看護師などによる電話相談を、最大50回線用意し、健康相談を24時間体制で対応します。それから、往診外来への紹介や、様々な医療機関へのつなぎもやります。また、配食等の生活支援の希望もあれば、市や事業者につないで、保健所業務を代行するセンターを、28日からの立ち上げに向けて、今、調整をしています。
記者:
場所は、どこに設置されるのですか。
知事:
調整中です。また言える範囲で、決まれば、取材も含めて調整します。
記者:
看護師の確保は可能なのでしょうか。
知事:
看護協会や民間事業者で手配ができます。
記者:
まん延防止等重点措置に関するコールセンターについて。これまでも設置されてきたかと思いますが、要請内容についての相談を受ける場所との理解でよいのですか。
知事:
事業者や様々な人がまん防の場合にどのような内容になっているのかを、受け付けるところです。
記者:
先ほどの病床確保の件について。今日は50%を超えたということで、この1週間でかなり病床使用率は上がったかと。確か(1週間前は)30%程度ではなかったかと思います。
当初、知事の会見では、病床について、オミクロン株は比較的回転率が早いのではないかという話がありました。病床の使用率がどのぐらい上がるのかを見ている、という話がありましたが。
少し時間が経ち、上がり方としては、かなり上がっていますが、知事として、病床使用率の上昇の理由をどのように分析していますか。
知事:
数が増えている中で、病床の使用率自体が、50%代を含めて、広がりが出てきています。
一定の基礎疾患のある人など、リスクの高い人については、まずは医療機関で、例えば、大きな県立病院も含めて、受診した人は、陽性であれば入院してもらう対応をしています。そこで抗体カクテル療法や飲み薬を処方して、少し入院をしてから、宿泊療養や自宅療養に移るオペレーションでやっているため、数値としては上がってきているのではないか、と思います。
今日、民間病院協会を含めて議論がありましたが、比較的この回転率は高いというのが今の現場の感覚のようで、何か特別に今の時点で、医療逼迫が起きている状況ではないというのが、現場の感覚でした。
満床になったとしても、抗体カクテル療法をやることで、割と早く回復するケースが多く、入退院が回っている状況です。中和抗体薬の投与や、飲み薬の処置がやはり重要だという指摘だったので、それをしっかりとやっていくことで、何とか病床の使用率を抑えていくことが大事だ、と思ってます。
記者:
入院といってもいわゆる中等症Ⅱではなくて、基礎疾患のある人や高齢者、リスクの高い人は、軽症であっても一旦入院をさせて。抗体カクテル療法なりの処方をして、宿泊療養施設に移す対応をしているので、数字上、病床使用率が上がっている面もある、ということですか。
知事:
それもあるかと思います。少しリスクのある人は一回は入院をしてもらい、投薬もしながら様子を見ることで。比較的高齢の人でも、すぐに熱が下がって、体力のある限り、回復が早い人もいるようです。回転率が早い中で、うまく対応しているので、数字も上がっている面がある、と思っています。
記者:
比較的、転院等がスムーズにいっている、という認識ですか。
知事:
はい。
記者:
一方で、今のグラフの伸びを見ると、これが急に落ちるという予測はしにくいと。そうは言っても、入院病床がどんどんと埋まっていく可能性は捨てきれません。
重症病床は確かにあるが、もともと入院病床には重症化を防ぐ役割があることを考えると、入院病床が厳しくなれば、やはり重症化にもつながってくる部分があるかと思います。
そのあたりで、病床をさらに増やす事態も想定しておかなければならないとも思いますが、知事としてはどのように考えていますか。
知事:
病床数を増やすことは、1つの大事なポイントだと思いますが、この冬の時期に一般診療とのバランスは大事です。寒い時期には、大きな別の病気で、心筋梗塞などの大きな病気も出ているため、そこは一般診療とのバランスを見ながら、今、ぎりぎりできるラインがこの入院1400床と宿泊2400室です。
これからうまく運用を切り替えながら対応することが大事です。まん延防止の要請をして、これから県民の皆さんと一緒に、感染をできるだけ抑えていくことが大事だ、と思っています。
記者:
先ほど平林先生も、より一般の救急など、という話もありました。やはり、入院病床をさらに増やそうとすると、通常医療とのバランスというのか、その逼迫を招いてしまう懸念も、一方ではあるということですか。
知事:
そこのバランスは、しっかりと見ていかなければなりません。
記者:
まん延防止措置について。商業施設やパチンコ店などの施設には、時短は求めない、ということですか。
知事
多数利用施設には、時短は求めません。
記者:
飲食店と商業施設の対応が分かれたのは、なぜですか。
知事
飲食店は、飲食をする中でマスクを外して会話をする場面がやはり多いので。そのようなところでは、長時間の飲食を大人数ですることは、リスクが高いので。夜は21時までに時短を要請して、少人数とするのが合理的だ、と思っています。
多数利用施設については、例えば、百貨店などは、皆さんマスクを着けて感染対策を徹底していて、大声で騒ぐ場面ではないので。そこは、今までどおりのきちんとした、業種別のガイドラインに沿った感染対策をしながら、営業してもらうことが大事だ、と思っています。
記者:
個別に担当課に確認しましたが、Go To Eatは継続ですか。
知事
そうです。ここは時短要請の中で、その範囲内で使用してもらう形になるため、特段、今のところ、Go To Eatを止めるという判断はしていません。
記者:
経済活動と感染対策の両立を図るためにですか。
知事
まずは、時短要請をする中で、認証店は21時までをベースにしていくと。その中で、ルールの中で使用してもらえればよい、と思っています。
記者:
先ほどの商業施設と飲食店のところで、対応が分かれたという点について。もしも何か飲食店へ理解を求めるという点で、一言あれば、お願いします。
知事
飲食店においては、マスクを外して会食をする、会話をする場面が多いということで、専門家もリスクとしています。時短要請をすることが、一定の感染経路を防ぐためにも合理性があるという判断となっているため、私としてもその方向でやることが大事だと考え、今回、要請をすることになります。
事業者の皆さんには、「またか」と思われる人もいるかと思いますが、感染拡大の場面なので、今後の医療逼迫を防ぐためにも、何とか理解と協力をしてもらいたい、と改めてお願いをします。
記者:
これまで県内で、今回を数えて4回目のまん防になります。上りまん防には効果が薄いという専門家の指摘もあり、実際に県内では、感染拡大傾向にある時にまん防を出しても、結局は宣言を出さないと、感染者が抑え込めない状況が何回かありました。
今回については、知事はどんな効果があると考えていますか。
知事
効果はないけれどやるというよりも、やはり効果があるということで、今回、要請をして、県民の皆さんや事業者の皆さんに協力をしてもらう形です。
何とか緊急事態宣言にならないように、今の段階からしっかりと皆さんと共に協力しながら、この難局を乗り越えて、感染者数等を抑えていくことが大事です。
ここは、いろいろと指摘する人もいますが、何とか今一度、協力をお願いしたい、と思っています。
記者:
効果がこれまでになかなか見られなかった、効果を出すのが難しかった事実については、どのように分析していますか。
知事
効果が本当に無かったのかどうかも、エビデンスがどこまであるのかという点もあります。一定の時短要請など、まん延防止等重点措置をすることによるアナウンス効果も含めて、いろいろな効果が、無いとは言えません。
改めてにはなりますが、今回、措置をする中で、県民の皆さんには理解をしてもらいながら。再度の負担にはなりますが、一緒になって厳しい局面を乗り越えていくことが大事ですので、そこの理解をお願いしたい、と思っています。
記者:
(緊急事態)宣言まではやりたくないというのは、経済活動との両立の観点から、やはりそこまでは、踏み込みたくない、という考えからですか。
知事:
緊急事態宣言はかなり強い措置なので、できるだけ回避したいのです。
そのためにも、このまん延防止措置を今回、なかなか難しい判断で、することになりましたが。何とか理解をしてもらいながら、感染の抑え込み、それから医療の逼迫、社会機能の維持を、何とか県民の皆さんと共に果たしていきたい、と思っています。
記者:
先ほど言及がありましたが、国へ要望していた対処方針の見直しが、あまり進まなかったことへの受け止めをお願いします。
知事:
国の対処方針は変わっていませんが、できればいろいろな形で示してもらえることを期待していました。もう少し変えてもらえればよかった、と思っています。
一方で、時短要請については一定の効果がある、と私自身は考えています。事業者の皆さんには、負担してもらうことはたいへん申し訳ありませんが、しっかりとやっていくことが大事だ、と思っています。
それから、いろいろな意味で、対処方針以外でも、濃厚接触者の定義をどうするのかといった議論が、少しずつ進んできています。保健所での重点化など、現場レベルでは様々な効率化が進んでいますので、国もオミクロン株に対してどのように社会機能を維持していくのかという意味でも。濃厚接触者の隔離期間を含めて、早く方向性を出していくことが大事です。
現場で、いろいろな意味で重点化をしている、流れで簡素化されている部分がありますが、そこは感染症法に基づく対応なので、きちんとどのように対処していくのかの方向性を出すことは、対処方針をどうするのかとは別で、早く決めていくことが大事だ、と思っています。
今のままでいくと、いろいろなことが現場の判断でやっていく形になっているので。果たして感染症に対応する上で適切かどうかと言うと、大きな議論があると思います。
そのような中でも、県として、まん延防止等重点措置の指定による時短要請、保健所の重点化・効率化、自宅療養者等相談支援センターなど、今の枠組みでできることをしっかりとやっていきます。
本日、医師会の平林先生に来てもらったこともそうですが、関係機関と連携しながら、目の前のできることをしっかりとやっていくことが大事だ、と思っています。
記者:
保健所体制について。積極的疫学調査のさらなる重点化は、いつから開始するのですか。
知事:
現場では、既に重点化を進めつつあります。本日、県として改めて明示して、各保健所のオペレーションが重点化されることをアナウンスしました。
様々な議論がありますが、やはりリスクが高い人に保健所の業務を重点化していくことが大事です。医師会から各クリニックへの要請により、きちんと「追加情報提供書」を書いてもらえているので、膨大な発生届の中からリスクのある人を抽出することが、今のところはできています。
リスクの高い人を抽出するためにも、疫学調査のさらなる重点化について、今の段階できちんと県の方針を明示していくことが大事だ、と思って判断しました。
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