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ようこそ知事室へ
【発表項目】
(資料に沿って説明)
記者:
高齢者向けの施策について。新しい内容としては、これまで入所施設等で退院後の高齢者を受け入れるのに10万円としていたのを30万円に引き上げるということです。
これは国の対処方針に照らした内容になるのか。財源についてと、新しい政策で病床のひっ迫を和らげたいという狙いがあるのかと思いますが、改めて説明をお願いします。
知事:
今日の対策本部会議でも議論が出ましたが、高齢者の入院が増えていて、その人々が2パターンあるのですが、1つはもともと基礎疾患を持つ人がコロナで陽性になって、コロナが治った後に、引き続き療養に移行していくために、回復者転院支援窓口で転院支援をやっていますので、そこをさらに促進していくことです。
もう1点が、体力が弱って新たに介護が必要になる人も増えてきています。その人が、コロナや病状が改善した後は、介護施設や在宅介護に移行してもらうことは、退院して病床のひっ迫を改善していくための極めて大事な施策になりますので、今回、新たに県として、協力金の増額を、10万円から30万円にしました。
それと同時に、もともと施設入所を主な対象としていたのですが、今回、新たに「定期巡回・随時対応型訪問看護介護」、「看護小規模多機能型居住介護」での受け入れに対しても、今回30万円にした上で、対象としました。
やはり、施設で受け入れてもらうことも大事ですけれども、施設も空きがなかったり、自宅で過ごしたい人も増えてきていますので、施設や自宅での介護の両面を円滑に退院移行できるような仕組づくりをしていくことが大事です。まず1つとして、30万円への増額、それから居宅サービスの一部を対象にすることにしました。
あとは細かい話ですが、県から病院に対して地域包括支援センターのリストを送付する取組を新たにします。
病院の実態を聞いてみると、今、広域で入院患者をコロナで受けていると、例えば、加古川の病院だと少し遠いところから入院した人が、介護施設に行く際に。病院のある地域以外の包括支援センターが、調整を繋がなければならないのですが、広域的に入院をすると、どこにそのセンターがあるのかがすぐに分からないので、そこを探すのに結構手間がかかる、ということです。
要介護認定や入所を調整するセンターが中学校単位であります。介護施設や訪問介護などとのサービスの利用調整のために、そことの繋ぎをしっかりと、病院からやっていくことが大事なので。それを、病院がどこにどういうセンターがあるのかを、一見してすぐには分からない状況があったので、今回、県からそのリストを病院に直接送付して、円滑な連携がしやすいような取組をすることにしました。
そういった形で入院した人が、地元の市町の介護施設や訪問介護などに円滑に移行してもらえるような体制を財源面でも仕組の面でも、今回、新たにすることになります。
これについては、財源は国の臨時交付金を財源に対応していこう、と考えています。若干、交付金については今年度も含めて残余がありますので。
記者:
現在、病床使用率を引き上げている要因が、高齢の人だという前提に立って、ということですか。
知事:
亡くなる人の大半も、70代・80代で、CCC-hyogo(新型コロナウイルス入院コーディネートセンター)で入院調整をしている年齢構成を見ても、60代・70代以上の割合が、かなり増えています。入院は高齢者が増えているのが実情です。
記者:
死者ですが、2月に入ってからも200人以上の人が、コロナで亡くなっています。県の内訳を見てみますと、ワクチンを打っているのに亡くなっている人もいて、3回目接種の人も中にはいます。
ワクチンの接種はもちろん効果があるとは思いますが、ワクチン接種を進めているけれども死者が出てしまうことをどのように分析していますか。
知事:
今日の本部会議でも議論がありまして、死者が出ているのは、本当に残念で痛ましいことですが。この死因については、より詳細な分析が必要ではないか、という議論がありました。
コロナによって肺炎が重症化して亡くなるケースなのか、基礎疾患がもともとあって、コロナを原因にして悪化したのか、それともそもそも基礎疾患が悪くなったケースなのか。そこの詳細な分析をしなければならないとの指摘もありました。
ワクチン接種3回済みの人が1人亡くなっていますが、この人についても、基礎疾患を持っている可能性が高いのです。そういった場合には重症化を予防する効果は、もちろん3回目接種についてある中で。一方で基礎疾患がもともとある人は、それでもなおケースとしては、そこが悪化する要因は出てくることだ、と思います。
ただし、そうは言いつつも、ワクチン接種3回目の重要性は、大事ですので、県民の皆さんにおいてはぜひ、3回目のワクチン接種を、引き続きの協力をお願いしたい、呼びかけたい、と思っています。
記者:
まん延防止等重点措置の期限が3月6日になり、その日までに、県内がどのような状態になっていることが、解除に向けて好ましいのか。何がどのような数値になっていればよいのか、目標のようなものはありますか。
知事:
今、新規感染者数は減少傾向にあります。病床使用率が7割、重症病床使用率が3割の状況です。
今日の国の分科会資料の3で出されましたが、今回5つの県が解除になる考え方として、新規陽性者の7日間の先週今週比が継続して1.0を下回っている、または、低い水準にあることが1点。
あとは、医療への負荷についてが大事で、病床使用率が概ね50%を下回って、下降傾向にあることです。それから、重症病床使用率が概ね50%を下回っていること。自宅療養者数と療養等調整中の合計が下降傾向にあることが、1つのメルクマールとして示されています。
兵庫県は、現在、先週今週比で6日連続減少傾向になっています。
自宅療養者と入院、宿泊療養調整者の推移の比較でも、少しピークアウトして減りつつある状況にあります。
一方で、病床使用率が、(今回、解除対象の)沖縄県、山口県、山形県、大分県、島根県は、概ね50%を下回って下降局面にある状況です。兵庫県は、今まだ上昇局面にあって、50%を超えている状況ですので、引き続き、今日の対策本部会議でも医師からの発言がありましたが、医療現場のひっ迫は実態としても厳しい状況です。
重症病床についても、50%のメルクマールというよりも、トレンドを見てもらいたいのですが、山口県、島根県はずっと低位で推移している状況です。沖縄県もかつては80%ぐらいになっていましたが、それが50%を下回り下降局面になっています。兵庫県は、50%には達していないものの、40%弱ですが、やはりまだ少し上昇局面で、下降局面には至っていない状況です。
引き続きその病床使用率がピークアウト、下降局面になっていない段階なので。今の段階で、解除についての議論はできないですし、しっかりと下降局面になっていくこと。そして下降局面になって、50%に向かうところが見えてくることが大事だ、と考えています。
記者:
先ほど示した基準を満たせば、解除の要請や、国が解除することもあり得る、ということですか。
知事:
あり得ると思いますが、今の状況では、まだ病床使用率が下り局面になっていないので。引き続きしっかりと、まずは入口の、ベースから感染の抑止をしていく意味で、まん延防止等重点措置を引き続き行います。
これは、飲食店への要請も含めて、アナウンス効果として、県民の皆さんにしっかりと危機意識を持って、行動に気をつけてもらいたいというのが1点。
それから病床使用率についても、しっかりと引き下げていく意味でも、高齢者の退院などをどのように円滑にしていくのか。上手く病床を回転させていきながら、ピークアウト、下げていくことをしっかりとやっていかなければならない、と思っています。
記者:
3月6日までには、もしかすると可能かもしれない。そういう現状ということですか。
知事:
そこはこれからしっかりと感染を抑え込みながら、病床使用率を抑えていく。何とか下降局面にもっていくために、感染対策の徹底と3回目のワクチン接種をいかにしていくかが大事になってきます。
記者:
今回の延長について。もうこれで終わりにしたい、などの知事の思いを聞かせてください。
知事:
もちろん、できれば、今回で延長については最後にしたい、という思いです。その上で、しっかりと病床使用率を下降局面にもっていくことが大事です。そのためにも、重症病床も含めて、下降局面にもっていくためにも、引き続きの感染対策の徹底、ワクチンの接種を、しっかりと県民の皆さんにも協力をお願いしたい、と思っています。
保健所のひっ迫や医療提供体制の確保、今日も約80床を病院と協力しながら増やし、退院していきやすいような仕組づくりを、我々としても必死で、全力を尽くしてやっていきますので、何とかこれを最後にしたい、という思いでやっていきます。
記者:
今日の対策本部会議は、2時間ほどの議論になりましたが、特にどのあたりに議論が集中したのか。何か意見がぶつかり合うような場面や、委員の間で意見の齟齬などがあったのでしょうか。
知事:
何かぶつかり合うことがあったというよりも、焦点は高齢者の対策です。
病床の使用率を上げているのが、高齢者が大きな要因になっていて、その人々をどのように退院しやすくするのか。出口をしっかりとやるべきだ、という議論のもと、今回、さまざまな対策をさせてもらいました。
高齢者施設でのクラスターが発生しているため、医師会の皆さんとも連携しながら、アウトリーチ型の訪問について、今すでに仕組はありますが、それをしっかりとやっていく必要がある、という議論が中心でした。
あとは、ワクチン接種の促進も含めて、やらなければならないことを皆で確認し合いました。それぞれの先生方から、現場の状況や課題を丁寧に説明してもらったため、2時間ほどかかったという状況です。
記者:
高齢者の退院支援強化は、県独自の施策ですか。
知事:
財源は、国の交付金を使っていますが、協力金の創設も含めて、県独自です。県単事業ということで、今回増額するのも、県の判断として行いました。リストの送付等、実務的で細かな話なのですが、これも現場の意見を聞いて、県として円滑にやりやすいように改善していきます。
あとは対象施設についても、居宅サービスの一部に拡充することも、県の判断で仕組を作ることになっています。
記者:
入院医療体制の強化について。82床を確保したということですが、実際の運用としては、スタートしているのか。これからであれば、いつからスタートするのですか。
知事:
多くがすでに受け入れをスタートしていますが、(病床使用率の)分母にはまだ入れていないという状況もあります。ただし、コロナ病床については、今回の82床が、すでに運用をスタートしている状況です。
記者:
飲食店に対する営業時短の要請やそのような規制の部分を、継続するということですが、知事会の中でも飲食店への規制に対して、疑問を呈するような知事もいます。
実際に、高齢者施設のクラスターが多発していることが、かなり感染者数を伸ばしている要因であるかと思いますが、あえて飲食店に対する規制を継続した理由について、改めて説明してください。
知事:
数字上、飲食店は出ていないですが、いろいろなケースを見ると、飲食店でのマスクなしでの会話から感染したものは、以前から言われており、引き続きその部分を制限することは、必要な措置だと思っています。
実際にそのような流れの中で、飲食店を含めて県民の皆さんの行動が変容している面もあります。継続していくことは、飲食店の皆さんに対してたいへん申し訳ないのですが、引き続き、厳しくすることは、一定の効果もあるため、そこは理解してもらいたい、と思います。
そういった形で、時短要請は、引き続きやらせてもらいたい、と思っています。
記者:
ピークアウトが見えてきたとする理由を、もう一度お願いします。
知事:
2月10日に、10万人当たり719.1人となったのが、直近で570.8人まで減っているため、この数字上も新規陽性者の数としては、ピークアウトが見えつつある、ということす。
記者:
対策本部会議の挨拶の際に、対前週比で新規陽性者の発生数が減っているということを言われましたが、そういう理由からですか。
知事:
そうです。対前週比で1.0を切ることが、減っている指標になります。今日2月18日付で0.79になっており、6日連続で1.0を切っている状況です。対前週比でも減ってきているため、新規陽性者に限っては、ピークアウトが見えてきた、ということです。
記者:
対前週比で6日連続新規陽性者が減っているということですか。
知事:
今週先週比(1週間単位の比較)で、6日連続で減っている状況です。
記者:
高齢者への支援について。退院後の訪問(看護)介護など、それに対する支援金を増額するということですが、やはり受け入れが困難で、退院しにくいような状況が出ている、ということですか。
知事:
いろいろと現場の声を聞いていますと、オフコロナになって、コロナは陰性になった人であっても、受け入れ側としては、少し心配であったり、引き続きの健康観察をどのようにすればよいか、というところで、いろいろな工夫が必要です。
そのために人を増やしたりや、さまざまなかかる経費が出てくるのが、課題としてあると聞きました。
そういった意味でかかる経費も含めて、これは人員も含めて、増額するということで、より円滑に受け入れが進むようにしていきたい、という趣旨です。
記者:
現場からの声をすくっての施策だと思いますが、これはやはり知事が、どちらかを訪問してそういう声を聞いたのか。それともそういう声が、県の方に寄せられてきたのか。どちらですか。
知事:
これは部局長、課長と話し合う中で、受け入れが進まない理由は何かというところで。いろいろな調査をしてもらうと、医療も含めて介護も含めて健康観察や、そういうところでやはりスタッフが必要であったり、いろいろな感染対策の経費がかかるという意味でも。
そこを少し後押しするという意味で、支援金を増やすことが必要だ、という議論をしながらです。
記者:
入院している人の中で、高齢者がどれぐらいの割合でいますか。
担当課:
確実には分かりませんが、6、7割くらいです。
知事:
CCC-hyogo(新型コロナウイルス入院コーディネートセンター)の入院調整のデータでも、70代が約20%、80代が約30%、それから90代が約20%なので、今、担当課からあったように、約70%前後になります。
記者:
高齢者施設への支援について。30万円への増額とは、措置期間中のみということですか。それとも、この支援金自体が措置期間中のみということですか。
知事:
今のところ、まん延防止等重点措置の期間中を考えています。その後もやはり、病床の退院促進が必要だという判断が、状況などがあれば、延長もありますが、今のところは、措置期間中で考えています。
記者:
増額部分が、ということですか。
知事:
支援金を10万円から30万円に増額して、対象についても拡充したということです。
記者:
措置期間以外は、支援金は出ないのですか。
知事:
そもそもの10万円は、措置期間であってもなくても、ずっと続いているものです。
記者:
30万円への増額は、まずは措置期間中ということですか。
知事:
ベースとしては、今もそうですが、10万円の支援金を措置するというのは、これまでも、まん延防止ではない時も、ありました。
今回、やはり高齢者への対応が問題だということで、臨時的、応急、緊急的に20万円プラスで、対象も拡充するということを決めました。
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