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更新日:2022年3月2日

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知事記者会見(2022年3月2日(水曜日))

【発表項目】

  1. 新型コロナウイルス感染症の県内の患者の状況等(PDF:474KB)
  2. 県大規模接種会場における当日接種の予約受付の開始(PDF:47KB)
    (参考)新型コロナワクチン追加接種者数(VRS登録者)の推移(PDF:67KB)
  3. ウクライナ情勢の変化に伴う原油価格上昇への対応の強化(PDF:62KB)

動画

知事会見を動画で見る(外部サイトへリンク)

知事記者会見内容

知事:

1番目は「新型コロナウイルス感染症の県内の患者の状況等」です。

本日の新規感染者は3788人です。前週より956人減少で、新規感染者の数としては減少傾向が続いている状況です。

病床の使用率は67.1%、これは前日よりも0.5ポイント減、重症病床については26%、これも4ポイントほど減です。

病床使用率は少し下がってきている傾向が見えつつありますが、まだ高止まりの状況ですので、引き続き感染の抑え込みが必要です。

昨日、まん延防止等重点措置の延長について、国へ要請をしました。週内に国の対策本部会議などの手続きが予想されますので、それに合わせて県としても、対策本部会議を開いて対処方針を決めていきます。

 

2番目は「県大規模接種会場における当日接種の予約受付の開始」です。

(参考)新型コロナワクチン追加接種者数(VRS登録者)の推移

3回目の接種のさらなる促進が、今回の第6波への対応、そしてそれ以降の対応にも鍵となります。

現在、市や町と連携しながら精力的に接種の加速化に向けて対応しているところですが、県としても、さらなる加速化をしていきたい、と考えています。

県の大規模接種会場において新しい対応をします。

今の接種状況ですが、これはVRS登録者のワクチン接種者数の資料になります。青い線が高齢者以外も含めた接種対象者数です。例えば、高齢者であれば7カ月以上、高齢者以外でしたら8カ月以上たった人を含めた合計です。

この赤い線が高齢者接種の対象者数です。要は、接種から7カ月たった人がこの赤のラインです。今、ポイントとなっているのは高齢者への接種を加速化していくことです。その接種状況、この棒グラフが接種の済んだ数の累積になっています。

青い線が高齢者以外も含めた接種対象者数です。赤い線が高齢者ですが、1月の末時点ではそもそも接種対象となる人も少なかったのですが、この1月から2月にかけて、急に接種対象となる人が増えてきました。現在、約128万1000人が接種対象になっています。それに対して、2月の上旬ごろは接種状況がまだ進んでいなかったのですが、2月20日時点で41.9%、2月21日からは接種券なしの取組を(新たな仕組のもと)スタートしています(大規模接種会場開設の1月14日から31日までは、後日、本人から接種券を返送してもらう形で、接種券なしの接種に対応)。

それから、市や町でも接種券の送付が進んできたということで、ここに来て加速してきています。27日時点で57.7%、28日時点で61.3%の人が接種している状況です。これをさらに加速していくことがポイントになってきます。

本県では接種券なしの接種についても、2月21日から(新たな仕組のもと)開始しています。これによって姫路の接種会場であれば、もともとの予約率が20%程度だったものが70%、直近では8割を超える形で、接種の予約も進んできています。

これをさらに加速化していくことが大事ですので、県の大規模接種会場において予約枠に比較的空きがある日曜日から木曜日、この5日間について、当日の接種の予約受付を開始します。具体的な内容は配布資料のとおりで、接種の曜日は月曜日から木曜日の5日間です。接種実施時間は14時半から17時とし、予約は当日の9時から15時の間に電話をしてもらいます。

コールセンターについては、資料記載のとおり、0570-033-185に電話をしてもらい、当日が空いている場合にはもうその日に予約をして接種ができる取組を今回スタートさせます。3月6日から開始したいと考えています。

コロナの重症化予防にはワクチン接種の促進が重要になります。予定が空いたり、近くに立ち寄る日程がある場合には、当日接種の予約を活用してもらい、ぜひ積極的に追加接種をしてもらいたい、と考えています。

これについて、なぜやり始めたのかというと、実はコールセンターでこれまでもいろいろな声がありました。その中で、「急に当日になって仕事が空いた。予約をしたいが、できないか」ということで、当日の予約接種を望む声がかなりありました。それを踏まえて、今回から当日予約の接種を進めていきます。

ぜひ県民の皆さんには、特に高齢者の皆さんには、積極的なワクチン接種の協力をお願いしたい、と考えています。

なお、高齢者施設でのワクチン接種もポイントになってきます。これは市や町と連携しながら、県では、高齢者施設での接種券なしの場合でも接種が進むように、事務の代行サービスもしています。

2月末現在での接種状況については、2月16日の報告時点では69%程度でしたが、現在確認したところ、94%、9割以上の施設で接種がすでに完了したということでしたので、高齢者施設で残りの6%の接種をしっかりとしていきたい、と考えています。

 

3番目は「ウクライナ情勢の変化に伴う原油価格の上昇への対応の強化」です。

昨今のウクライナ情勢の変化により、原油などの資源の高騰、それからサプライチェーンの混乱等、県内の中小企業や小規模事業者への影響が懸念されることから、県の産業労働部内に「ウクライナ情勢・原油価格上昇に関する金融特別相談窓口」を今回緊急で設置しました。

企業の方々も、ロシアと直接取引をしている企業、それから欧米と取引をしている企業、そもそもサプライチェーン全体に対する金融面支援も含めて、様々な不安を持つ県内の企業もあると思います。その方々がまずは県庁に相談できるような窓口を今回、設置することにしました。

あわせて、金融相談についても、県の中小企業融資制度の要件緩和はもうすでに実施しています。原油価格の高騰などによる影響を受ける中小企業者への融資要件を緩和しているものです。

原油価格の高騰等の影響を受けた対象期間の要件を緩和していますので(直近3カ月→1カ月)、こちらも積極的な活用をお願いします。それについても、まずはこの窓口に相談してもらえれば、制度融資の内容や金融機関への申込の流れ等を案内します。

それから、一時支援金の支給を年度内に行います。原油高騰、それから原材料の高騰への支援として12月補正予算で可決した中小企業や飲食店への一時支援金についてです。

支給対象については、売上が50%以上落ちたという条件(飲食店以外)等ありますが、その方々に中小法人であれば20万円、そして個人事業主と飲食店であれば10万円です。飲食以外の業種にも支援するメニューを12月補正ですでに作っています。

これについて、2月末までの実績で約4万2000件の申請が、多くの事業者からの申請が、出てきている状況です。その支給実績については今、約3万2000件ということで、76%の支給はすでに終わっていますが、これについても、3月末までに支給を完了できるように、全力で今、対応をしています。

このように、事業継続をできるだけ応援する対応を、県としてもしたい、と考えています。

今回、ウクライナ情勢に伴って、さらなる原油価格の高騰や、サプライチェーンへの影響が懸念される中で。県としても新たな相談窓口の設置、そして、融資制度へのつなぎ、さらには一時支援金の年度内の支給を、加速化をしっかりとしていきたい、と考えています。

 

私からは以上です。

 

質疑応答

記者:

新型コロナ対策について。現在の感染状況をめぐって、まん延防止等重点措置の延長を先日、要請されました。改めて、県内の感染状況とまん延防止等重点措置による効果について、知事の考えを聞かせてください。

 

知事:

先週と今週比の推移は、昨日の囲み取材でも示しているものですが、先週比で比べると0.77倍になっていて、1をきる状態がずっと続いており、新規感染者は減少トレンドにあります。

一方で、病床使用率は直近のデータを踏まえたものです。大事なのが病床使用率と重症病床使用率のトレンドになります。新規感染者は、ピークアウトはして、減っている状況です。一方で、過去のトレンドを見ても、病床使用率は遅れて減少していく傾向にあるので、病床全体の使用率についても、徐々に減ってきている状況ですが、まだ7割前後から少し足踏みをしており、下げ止まりが少し見えてきています。

今の国が示している50%まで、少なくとも達成できる傾向になるぐらいまでは、抑え込んでいくことが大事だ、と思います。

重症病床使用率も上下していますが、少しずつ減ってきています。直近も26%で、3割を切ることが少し出てきた状況です。

これをさらに抑え込んでいくためにも、入口である感染者数を、減ってきたとはいえ、まだ数千人、3千人台なので、これをさらに抑え込んでいくことが大事です。そのためにも、まん延防止等重点措置の期間がもう少し必要だ、と考えていまして、昨日、再延長の要請をしました。

県民の皆さんに対しては、何度も何度も繰り返し、今回で何とか終えたい、と言っている中での再延長になり、たいへん申し訳ない、そして心苦しい、気持ちですが。今の状況を抑え込んでいくためにも、もう一歩の協力が必要ですので、何卒、理解をしてもらいたい、と思っています。

まん延防止等重点措置の効果については、様々な指摘がありますが、やはり感染源としての飲食店は、今の時点では家庭の感染が多くなってはいますが、飲食の場面でいろいろと酒を飲みながら、飛沫を交わし合うことが、感染の1つのルートとしてありますので、そこをもう少し我慢してもらうことも大事だ、と思っています。

専門家と意見交換をする中で、まん延防止等重点措置についてのアナウンス効果や、飲食店への時短要請についても一定の効果がある、と私も判断しています。対応をもう少ししていきたい、と考えていますので、よろしくお願いします。

 

記者:

まん延防止等重点措置の効果について。延長はこれで2回目になるかと思いますが、ようやく飲食店の時短要請が解除されると思っていた人も少なからずいるのかと。

延長にあたって、措置の内容は、前と変わりはないのかと、少しでも緩和しない理由は、どのあたりですか。

 

知事:

今、飲食店に対する時短要請は酒類提供について20時半などの設定をしています。これは先ほども説明したとおり、様々な指摘がある中で、最初に現場レベルでも多かった感染経路の1つが、飲食でのいろいろな会食をすることにより、感染した事例がありました。

今は高齢者施設での感染、それから高齢者の感染後の重症化、軽症であってもそういったケースが出てきている。

あとは、学校でもそういった発生も出てきていますが、元をたどっていくと、飲食店での会食によって、感染したということから、家庭内で感染したケースもありましたので。飲食店には申し訳ないのですが、今の措置をもうしばらく続けることが大事だ、と思います。

他県の状況を見ても、まん延防止等重点措置を解除した後に、少しまた上がり始めているところもありますから、今の兵庫県の病床ひっ迫の状況が7割前後で、もう少しやはり抑え込みを入口ベースでしてから、その後の判断、という形にせざるを得ない、と考えています。

 

記者:

先ほど、対策本部会議を開くという話がありましたが、だいたいの日程と、専門家会議をその際にあわせて開く予定はありますか。

 

知事:

対策本部会議については、今の目途では金曜日に開催する方向です。

その際には、対策本部会議の中に専門家の方々もいますし、状況に応じて専門家の方々からの意見も、専門家会議からの意見も聞きながら、会議を開催していきたい、と考えています。

今回もそうですが、保健所や病院の現場の意見、ひっ迫状況も聞いた上で、対応しなければならない、と思っています。

 

記者:

大規模接種会場の当日予約について。日曜日から木曜日の接種の利便性を高めた理由として、知事の発言では、当日の予約を望む声の部分にしか言及はありませんでしたが。

予約率が日曜日から木曜日の中で低迷していることも大きな要因だと推測していますが、そのあたりについていかがですか。

 

知事:

予約が多いのは金曜日や土曜日で、そういった休みの時に接種をしたい、という声が多いことも事実です。日曜日から木曜日については、今、予約率についてはそれと比べて低い状況になります。

そこは事実としてありますが、予約の空き状況をしっかりと活用してもらうことが大事ですので。県としても、当日予約、という声もある中で、日曜日から木曜日の午後の時間に、予約が当日でできるようにしていくことが大事だ、と思っています。

副反応のことなどを考えて、金曜日や週末に接種をする判断により、週末に多いこともあるかと思いますが、今は接種を、特に高齢者を中心に進めてもらいたい状況です。

人によっては、今日は時間が空いたから接種をしたい、金曜日や土曜日に接種をしたい、仕事の都合があるから週末にしたい、という声もあります。

人によっては、ウィークデーでも、月曜日や火曜日でも急に仕事が空きそうだから接種をできるならしたい、という声もありますので。そこは利便性を高めるために、当日予約接種を開設すべきだと判断して、今回、することにしました。

 

記者:

今、発言のあった副反応について。金曜日、土曜日であれば翌日が休みで、接種の予約率が少し高まる傾向にある、と取材でも聞いています。

例えば、金曜日、土曜日で、夜間の接種があるかと思いますが、早朝から深夜まで接種をする体制の整備など、そういったことも、本気で接種率を上げたいのであれば、効果が上がる1つの方法かと思われますが、そのあたりいかがですか。

 

知事:

金曜日、土曜日と、早朝も含めて、キャパシティをどう広げていくのかは、1つの課題です。そこは運営してもらっているパートナーとの相談にもなる、と思います。

どこまで柔軟にできるのかは、今後の課題だと思います。そこはどこまで、実際の予約が埋まるのかどうかもあります。ニーズがどこまであるのかも含めて、引き続き、状況に応じて柔軟に検討・対応していきたい、と思っています。

 

記者:

ウクライナ問題について。県下を見ると支援に動き出している自治体も一部ある、と聞いています。

まず、今回の一連の動きに対する知事の受け止めと。そのような自治体に追随する、ウクライナに対する支援の動きはあるのか。もしもなければ、それはなぜなのか、についてお願いします。

 

知事:

今回のウクライナ情勢に関して、昨日、県議会でも非難する声明を出す決議を取りまとめられました。

私も一昨日の議会の答弁の中で、オープンな場で、知事の公式な声明として、ウクライナへの武力侵攻に対して、断じて許されるものではない、1日も早く平和的解決を求めることを表明しました。

地方自治体、県議会が、車の両輪として、ウクライナ問題への早期の平和的解決、国際的な協調をしながらの平和的解決を、一日でも早くしていくことが大事です。そのために声を上げていくことが大事だ、と思っています。

その中で、県内を含めて、神戸市が昨日、寄付などをされましたが、県としては、まずは平和的解決の声を政府に対しても、自治体、自ら上げていくことが大事なので、その動きをしっかりと、まずはしていきたい、と考えています。

その上で、今日、発表したとおり、広域的な産業労働政策も所管している県として、足元の原油高騰等を含めた経済情勢の悪化不安に対する、県内の事業者へのフォローをしっかりとしていく、下支えしていくことが大事だ、と思っています。

コロナ禍で、観光も含めて、厳しい経済情勢になっている中で、そこをより下がらないようにフォローするための相談窓口や金融支援、一時金の支給をしっかりと下支えすることが、県としてまずはしていくべきことだ、と思っています。

 

記者:

ウクライナ情勢に伴う金融相談窓口について。去年11月にも、原油価格上昇に関する窓口は設置しているかと思いますが、この組織が扱う相談内容にウクライナ情勢も加えるということですか。

 

知事:

そうです。県産業労働部の地域金融室内に原油価格に関する相談窓口は設置しています。それをある意味、拡充していくことで、ウクライナ対応もしっかりとしていきます。

どこに相談すればよいのかが分からない事業者もいますので。そこはしっかりと県として、ウクライナ情勢で、ロシアのみならずヨーロッパを含めた、様々な半導体も含めて、サプライチェーンの滞りというものは、世界的な問題になっています。そこが経営に大きな影響を及ぼしかねない、というリスクがある中で。どのようなメニューがあるのか、支援があるのかも含めて、相談窓口をまずは作って、それを県内の事業者の皆さんにアナウンスすることが大事だ、と思っていますので、今回、拡充する形ですが、設置をしました。

 

記者:

ロシアのウクライナ侵攻をきっかけに、例えば、ロシア、ウクライナと取引のある事業者から、これまでに具体的に相談は何かありましたか。

 

知事:

まだ、これからだと思います。すでに数件あったと聞いていますが、これには、原油価格の高騰に関する相談も兼ねたものもあるかと思います。

こういった窓口を、「ウクライナ」という名称で設置をすることで、これから世界情勢が、サプライチェーンを含めて、経済情勢もどのように変動していくのかは不確定なところもあります。恐らくこれから相談は増えてくるのではないか、と思っていますので、そうなる前に、早めに設置をすることにしました。

 

記者:

県の職員で対応するのですか。

 

知事:

そうです。地域金融室の職員が対応して、融資制度の内容や金融機関への申込の流れ等を案内します。

 

記者:

営業時間としては、平日の何時から何時まで、と特に具体的に決めていますか。

 

知事:

基本的には平日の営業時間になります。

この問題は長期的な問題であり、金融機関と連携し、きちんと話をしながら、相談をしていくことが大事なので、まずは県庁での営業時間の中で、いつでも相談できることが大事だ、と思っています。

 

記者:

12歳未満の子供へのワクチン接種について。今月から、県内の自治体でも始まりますが、大人に比べて、将来的な影響や副反応を懸念して、子供へのワクチン接種は、と懸念する保護者もいます。

そういう保護者の懸念も踏まえて、12歳未満へのワクチン接種について、知事はどのように考えていますか。

 

知事:

国の方針などもあって、対象年齢を引き下げた、12歳未満の子どもへの接種も可能になった状況です。

県内でも神戸市をはじめ接種券を送付し始めて、接種は判断できる形になっています。子どもへの接種については、基本的には、未成年、小さいお子さんですから、保護者がどのように判断するのかが大事なポイントになってきます。

そういった意味で、学校でも今、感染が広がっている中で、接種をした方がよい、という判断もあれば、今ご指摘のとおり、様々な健康への影響も懸念されることから、判断を控えている人もいます。最終的には保護者の判断になります。

県としては、「必ず打ってください」と言うよりもここは、保護者が判断しやすいように、今、分かっている限りの情報をきちんと提供していくことが大事です。今、何かをしているわけではないのですが、これからそこは専門家の方々とも相談をしながら、小さい子どものワクチン接種について、今、分かっている情報を、県としての提供を、何ができるのかは検討していきたい、と思っています。

以前、副反応について、神戸大学の森先生と共同会見したスタイルでするのかどうかは別ですが。兵庫県として、子どもへのワクチン接種に、どのような情報があるのかを整理して、県のホームページなどから発信するだけでも違うと思いますので、そこはこれから検討していきたい、と思っています。

 

記者:

情報発信に力を入れていく、ということです。今後の調整かと思いますが、現段階で考えられるものとして、ホームページ以外に、例えば、子どものワクチン接種に特化した相談センターやコールセンターを作るなど、具体的な知事の考えはありますか。

 

知事:

今、大事なのが、重症化リスクが高い高齢者への接種を、VRSで6割台になっているものを9割台に上げていくことに注力することが、県としてのポイントだ、と思っています。

一方で、子どもの接種について、接種をしたい気持ちもあるけれど、少し悩んでいる人など、様々な保護者にとっての、私自身も子供が小さいですので、そういったいろいろな判断に悩んでいる人もいる、と思います。

そういった方々に、県として必要な情報提供をどのように発信していけるのかは、しっかりとしていきたい、と思っています。

具体的にどのようなやり方ができるかは、今後の検討課題で、そのあたりも早急に考えたい、と思っています。

 

記者:

いつぐらいまでに、形として公表していきたいですか。

 

知事:

まだこれからですが、まずは早急にワクチン担当部局と対応を検討して、金曜日のコロナ本部会議に、そこでも少し議論もして、導入していけるのか、早い段階でしていきたい、と思います。

 

記者:

今後、重点措置を解除していくにあたっては病床使用率をいかに減らすかが大事になってくると思います。ワクチン接種の促進は、今、言われたとおりだと思いますが、それ外で何か必要だと考えていることや、強化したい、と考えていることはありますか。

 

知事:

病床使用率が、7割から少しずつ下がり始めていますが、なかなか下がり切らない。それから重症病床も少しは下がってきていますが、これ以上に下げていきたい、と思います。

そういった中で、大事なのが高齢者への対応で、特にポイントとなるのが高齢者施設への医療的な支援をどのようにしていくのかです。

これについて、今、県庁内でも、施設の担当課を含めてどのような対応ができるのかを最終的に議論して調整をしています。これは医師会との連携にもなりますが、アウトリーチしていくための仕組づくりを早急に調整します。

それを何とか動かしながら、あとは退院しやすい環境づくりです。以前、発表しましたが、コロナで入院した高齢者が、オフコロナ、陰性になった後、本来であればコロナでない病床に移って。療養が必要な人は、基礎疾患などで療養し続け、必要な人は、他の病床に転院しなければならないケースもありますが、そこをどうしっかりと進めていくかの課題。退院はできるのですが、介護が必要になった人に対しては、高齢者施設に入ってもらうほか、自宅での介護サービスを受けてもらう流れを促進して、コロナ病床からの退院をスムーズにしてもらえる流れを作っていくことが大事です。

そのため、入口ベースでの高齢者施設での医療を強化、それからワクチン接種については、高齢者施設は96%と現在進んでいますから、ワクチンもできるだけ早く100%に近づけていくことです。

それと、高齢者へのワクチン接種を今の6割台から更に上げていくことが必要で、それによって病床に入ってくる入口を抑え込んでいきながら、退院を出口として促していく戦略、この両方が必要だと思っています。県としてはそれを、1つずつ課題を抽出して、解決する策を1つずつしてきました。

これからも、きちんとしていって、病床ひっ迫をできるだけ改善して、病床使用率を下げていく取組をしていかなければならない、と思っています。

 

記者:

高齢者施設の医療的な支援を進めるにあたって、どのような課題が今、起きているのですか。

 

知事:

高齢者施設には、原則、施設利用者に対して健康管理を担当している医師がいます。施設で発生した場合に、施設内のコロナ対策を含めて、患者をどのようにするのかを、まずはその医師が考えるのですが、そこが医療機関としっかりと連携しているかどうかが、実はポイントになっています。

医療法人などが設置している高齢者施設であれば、すぐに病院・医療機関に繋ぐことができて、医療的対応がしやすい関係にもありますが。そうではない単独での高齢者施設について、どのようなところに相談をすればよいのか、どこと調整をすればよいのか、どの医師会と相談して医師を派遣してもらえばよいのか。

この繋ぎをもっと柔軟に、医療と福祉の連携の分野ですが、これをより積極的に、これまでも地域単位でしていますが、どのようにしていけばよいのかを今、考え、検討していくことと、対策をしていくことが大事です。

 

記者:

それはつまり、連携がうまくいっていない場合は入院できていない、ということですか。

 

知事:

入院はできるだけ、CCC(新型コロナウイルス入院コーディネイトセンター)で調整しているのですが、まずは初動としての対応を速やかにしていくために、医療機関と高齢者施設がより早く連携していく仕組づくりが必要だ、と思っています。

 

記者:

それは病床使用率を下げることには関係しないのですか。

 

知事:

初動を早めに、医師が施設に行くなどして、手当を早めにすることによって、重症化を少しでも遅らせること、予防することができれば、病床使用率の改善に、入口ベースから繋がっていくのではないか、と考えています。

 

記者:

退院促進について、先月の半ばぐらいに発表されたところですが、うまく回り始めているのか、まだうまく回っていないのか、いかがですか。

 

知事:

そこについては、数字的なデータは、今、手元にはないのですが。

メニューとしては用意していますので、これをしっかりと使って退院を促進することが大事です。

退院促進については、国からも様々な支援措置も含めて、メニューがかなり充実していきます。退院がしやすいような環境づくりはしていますので、ここをベースにして、しっかりとやっていきたいと思っています。

 

記者:

兵庫県社会福祉事業団が運営している施設で、一部の入居者をほぼ終日、外側から施錠した部屋に閉じ込めているという問題が、先週報道で明らかになりました。県としての受け止めと、今後の対応で何か考えていることがあれば教えてください。

 

知事:

詳細な事実関係が今、私も確認していないので、またそこは担当者から改めて説明します。

やはり基本的な考え方として、高齢者の方々を含めて、入所者の自由を拘束する、制限するという行為自体は、あってはならないことだ、と思っています。

いかなる理由があろうとも、外から施錠して出られないようにする、拘束するということは、人権の観点からも望ましくない事案です。

事実関係をしっかりと把握し、事業者への指導や対応については、しっかりとしていきたい、と思っています。

 

記者:

県議会の代表質問や一般質問で出た話について。1点目は、自民党県議団の北口議員が質問した明石市が求めている県との協議の件について。

知事の答弁では従来どおり、「副知事と副市長を中心に丁寧な議論を重ねていく」というもので、その答弁に対して北口議員は「知事と市長がコミュニケーションを十分に取ることを切に願う」と求めていました。

一方で、県の行革をめぐって市町との軋轢が生じている問題に関して、公明の松田議員の質問に対しては、知事は市町との協議の場を設けることを表明しました。

この2つの質問に共通しているのは、知事がもっと市町の首長と、積極的に議論する場を持ってはどうですか、という指摘だと思います。特に明石市との協議については、明石市長が、X(旧Twitter)などで積極的に知事に会うことを求められているのに対して、齋藤知事が沈黙しているので、正直に言えば、はたから見ていると避けているのか、と思えてしまう面があります。

すでに、この話は、当初は明石市が、県に持ちかけていた協議をしたいという、その中身よりも、市長に会うことを避ける知事という意味で、県にとっての悪いイメージがついてしまっているのではないか、と思います。

知事は議会の答弁や、先日の自民県連の総務会でも、「県議会をはじめ、市や町、関係団体とは丁寧に話をして、信頼関係をしっかりと作っていきたい」ということを、繰り返し言っていますが。公の場で何度もこうしたことを言っている上で、今後、明石市長が、求めていることに関して、どのように対応するのか教えてください。

 

知事:

明石市から様々な案件についての、協議、投げかけがされているということは、もちろんこれについては前向きに、いろいろな協議をしながら解決していかなければならないという思いは、私も持っています。

明石市に住んでいる人も県民ですので。そこで、どのような住民サービスの向上をしていくのかは、県としてもしっかりとしていかなければならない、と思います。

今まで積み上げてきた議論をどのようにベースの上で解決していくのかということも大事ですし、大きな解決に向けた判断をどのようにしていくのか、ということが大事です。

これについては、明石市と兵庫県もやはり協調関係をこれからも作っていくということは、大事です。

実務的な協議もしつつ、やはりしっかりとここは、状況に応じて、首長と会って、きっちりと議論することも大事だ、と思っています。

自民党の北口議員からの話もありましたし、あとは、首長同士が話をするということは大事だと思っていますので、。今年11月には、豊かな海づくり大会もあります。

そういった意味で、県と市、それから他の40市町もそうですが、きっちりと信頼関係を構築していくことは大事なことだと。そこはこれからもしっかりとしていきたい、と思っています。

 

記者:

昨日の北口議員の質問の中で、知事は、もともと明石市側から投げられていた医療や教育権限の移譲や、県立の文化施設という話は、もうすでにできないという話を伝えているということも述べられていました。

そういうことも、県から積極的に何かしらの発信をしなければ、明石市側の主張だけが、世の中にまかり通ってしまうのではないか、と思うのですが、そのあたりはどう考えていますか。

 

知事:

県としての対応をどのように発信していくのかは、ご指摘のとおり大事だと思っています。

昨日はそういった意味で、説明をしました。それ以外にも、公園の樹木の伐採の件や、様々なテーマごとの協議状況というものを、どのように県民の皆さんに、それから市民の皆さんに、オープンにしていくのかは、大事だと思っています。

樹木の関係、公園の関係については、公園緑地課や東播磨県民局のホームページに、議論の経過を公表しています。そういった公表や発信をどのように正確なファクトとともに県民の皆さんに伝えるかということが、大事です。それは県のホームページなり、あとはいろいろな形を通じて、これから丁寧にしていきたい、と思っています。

いろいろな経過と、議論についてファクトをしっかりと伝えていくということが、県民の皆さんと市民の皆さんに正しい情報を判断してもらうということになります。その上で対応はどうだったのか、ということがありますが。

一方的な見方だけで、印象を持たれないように、県としても、これはしっかりと、事実(ファクト)と経過を発信していくということは、しっかりとしていきたいです。

 

記者:

県民連合の竹内議員から出ていた、危機管理の観点から見た知事の住居地の件について。質問の中にあった、知事は防災部局の幹部も含めて、県幹部にほとんど自身の住所を伝えていないというところがまずありました。

議員の質問では、ほとんどの幹部という表現だったので、一部の人には伝えているのだろう。実際に、毎日の送迎があるので、もちろん知っている人もいるのだろうと。

本当に災害が起こったら、万が一その人が亡くなった場合に、誰が知事を迎えに行くのか。知事からは自転車という話も。自転車は時間の関係で出たのかもしれませんが、自身で登庁する考えがあるのかというところ。

大阪の吉村知事は、危機管理上やはり首長が1人で、災害時に、庁舎まで来るというのはダメだという話も出ていました。

阪神・淡路大震災時の貝原知事の教訓をもとに、どういった想定を立てているのか。誰が迎えにきて、知事の住居を知っている人が亡くなってしまった場合には、どうするのかなど。そのあたりを教えてください。

 

知事:

まずは、前提として知事の住居は、やはり、公人である一方で、私人であり、家族もいるという観点。それからセキュリティーの観点もありますので、全面的にオープンになることには、1つのリスクがあります。

そういった意味で私の住所については、今、一部の県の秘書課職員を中心に、伝えている状況です。これは申し訳ないのですが、理解してもらいたい、と思っています。

一方で、危機管理が、災害等が起こった際の対応については、これは当然、万全を期していくことが大事です。まず、連絡がいつでも繋がるということが大事ですので、そのためには公用携帯も持っています。そこは、全部の幹部と即時に繋がるという状況になっています。

まずは秘書課が、私の送迎も含めて対応します。もしも仮に秘書課の職員がダメだった場合でも、私に対して防災担当部局なり、私が全部局の幹部、これは副知事も含めて、県民センター長も含めて連絡がつくように、携帯電話で、なっています。そこでしっかりと連携をとりながら、していく体制になります。

そういったことと、あとは直ちに、有事が起こった場合には、あらゆる手段を講じてすぐに連絡を、携帯電話などで取り合いながら、県庁にできるだけ早く駆けつける体制は、今も作っていますし。災害・有事が起こった時には、私はやはり、当面、危機管理宿舎に住むことも想定していますので。

そういった形で住居の問題は、一昨日の竹内議員からの質問にあったとおり、公人である一方で、私人であるという、バランスの中での、判断をしなければならない面もあります。一方で、危機管理・有事の際に、連絡や送迎も含めた対応が、万全にできることは、しっかりとしていきます。

 

記者:

住所は伝えていないが、携帯電話の番号は幹部間で共有しているということですか。

 

知事:

そういうことです。

 

記者:

かなり事情が違いますが、阪神・淡路大震災の時は電話も繋がらないということが、あの当時、私も大阪に住んでいたのですが、よく覚えています。携帯電話が、繋がらなければどうするのですか。

 

知事:

あらゆるケースというものは、当然に想定されるので、全世界的に携帯電話が繋がらなくなって、日本全体が繋がらないケースというのもあります。そういったこともありますが、まずは携帯電話、衛星携帯電話も含めて、今は公用携帯が、有事でも繋がりやすいシステムになっています。そこをベースにしていきます。

もしも携帯電話が繋がらない場合には、やはり早く、県庁に駆けつけるということをしなければならない、と思っています。

それについては、本当に大きな災害が起こった際には、あらゆる手段を講じて、できるだけ早く、県庁に駆けつけるということはしたいです。あらゆる事態を想定しつつ、対応しなければならないということもありますが、今、現実的に備えることができる手段として、万全を期すためには最大限のところで今しているところを理解してもらいたい、と思っています。

昨日、竹内議員との議論で、オープン場でしましたので、県民の皆さんにいろいろな指摘、意見もあるかと思いますが。今の県の知事のスタンスとしては、そういった考え方でしているということを説明したつもりですので、県民の皆さんに理解してもらえるように努めていきたい、と思います。

 

記者:

携帯電話が繋がらなかった場合には、知事の住居を知っている人とも連絡がつかなくて、迎えも来ないという状況であれば、1人で登庁する考えですか。

 

知事:

そういうケースもある、と思います。

それは、あらゆるケースが想定されるので、すべての通信手段が遮断された場合には、私1人が、自分の力で駆けつけるということは、当然に想定としてあります。それでも、しっかりと早く駆けつけられるように、いろいろな手段を通じてしていく、ということです。

 

記者:

基本は、その住居を知っている幹部の指示で、職員が迎えに来るのを待つということですか。

 

知事:

はい。

 

記者:

住居を知っている幹部は、何人ぐらいいるのですか。

 

知事:

そこは、秘書課が確認していますので、後で確認してください。

いろいろな事態を想定して対応していかなければならないというのも分かりますが。すべてのところを想定しつつ、想定のぎりぎりのところというのもやはり、あります。

どの段階まで想定して、準備しておくのか、限度、度合いの話なので、すべての極端なところまでしようとすると、究極で私は県庁に住まなければならないという形になりますから。

そこは、あらゆる現実的なところで、どこで線を引いてしっかりとしていくのかが、大事だと思います。いろいろな見方の中で、究極ここまですれば、どうなるのだと。道が全部寸断されて、駆けつけられなくてはどうするのだ、という議論はあるのですが。そこは、バランスの問題になってきます。

県庁の防災担当の職員もすべて来られなくなったらどうするなどと言い出すと、県庁に住まなければならない、となり、やはり現実的ではないところです。

実際の個人としての生活をどのようにしていくのかと、バランスで世の中は考えていかなければならないので。その中で、あらゆる最大限の、最善の策を、どこをどう講じていけるかというところが大事だ、と思います。

 

記者:

代表質問で議会の各会派から批判が上がった、行財政改革の基本方針を定めた条例改正案について。県民連合からは、到底認められないという強い言葉も出ていました。兵庫県議会では記録が残る昭和34年以降、当局提案が否決されたことはないと聞いています。そういう意味で、今、定例会は、当局と議会の関係性というものは、非常に大きな転換点を迎えるのか、というように見ています。

そもそも、この行革案は、中身の是非以前に、市町の予算編成時期に出されたことで、拙速という批判が県議会や市町から出て、そして修正案が出された、という経緯があります。

知事は1月31日にあった県と市町の懇話会で、市長会長を務める相生市長に、見直しに対する協議の場の設置を求められ、前向きな回答をしました。そして、その不備に関しては松田議員の質問で、設けると述べて、実現させた形だと思います。

一方、この条例改正案では7条の規定を変更して、新たに法律や会計に通じた人達で審議会を構成する。人数も現状の半分以下の7人にするという形を示しています。ここで問題なのは、知事の思いが外部の有識者による専門的な議論を望んでいたということであったとしても、現在の審議会の委員に名を連ねている市長会長、相生市長、つまり、行革案に対して批判的な意見を述べた人達が、それをどう受け止めるのかということだと思います。

こうした人たちが、この条例改正案を聞いた時に、批判的なことを言えば、端的に言うと首を切られてしまう。経緯を知っている人からすれば、このように考えるのが自然なのではないか、と思うのですが。

もともと審議会の構成員を決める権限は県の方にもあるわけで、つまり政治的な配慮などの難しい話ではなくて、人と人との信頼関係、先日、知事も松田議員の質問で、「腹を割って話せる人間関係を市町との間に築いていきたい」ということを言われました。

それを踏まえると、この行革案の件で、市町ともめているこのタイミングで、今回この条例改正案を出す必要は果たしてあったのか。議員から強く批判されて議案の可決もおぼつかない状況に追い込まれていて、率直に言って今回は、これまた拙速だったのではないのかと思うのですが。

代表質問、一般質問で各会派議員からの意見を聞いて、今の考え、気持ちをお願いします。

 

知事:

様々な指摘があったことは承知しています。今回、行財政運営方針の見直し案を取りまとめるにあたって、まずは事業の見直しや、そういったものも議論しながら、一次案から修正案にしてきました。

いろいろと議論があったのが、条例案というところで、ここは行革の特別委員会の中でも一定、骨子も含めて、こういった形で見直すということも、議論をして、それからパブリックコメントもしながら、執行部側の1つの案として取りまとめをしてきた、ということがあります。

それをやはり議会に、執行部としての考え方はこうですということの案を、やはり出していくということが大事です。

その中で議会からいろいろな指摘がありましたので、そういった議論を重ねながら、これから執行部としての案を、どのように対応していくのかというのを検討していく。それを県民の皆さんにオープンな形で、よりよい案をどう作っていくのかというのを、オープンな形で示していくことが大事だ、と思っています。

そういった指摘があるからといって提出をしないよりも、今回については、一旦、執行部側の案として提案をして、議会から様々な指摘があるので、そこをしっかりと議論しながら、よりよいものを、これは、議会と対立するのではなく、いろいろな議論を踏まえながら、よりよい案を作っていくということは大事だ、と思っています。

普段の予算や一般的な条例については、事前に様々な説明をしながら、合意形成していく面もありますが、今回の条例は執行部側としては、議論を積み重ねた中で、一つの原案を作りました。大事な条例で(行財政運営方針見直しの)1つの肝なので、議会と原案を議論しながら、作り上げていくことが今回は大事です。やり方としては、この道で適切だ、と思っています。

いろいろな批判があったから、その条例案がダメだという指摘もあるかと思いますが、批判をどう受け止めて、どのように対応していくのかも大事です。議会と執行部側の民主主義のプロセスの中で、どうしていくのかが、正しい民主主義のあり方です。

昨日も一般質問の最後で藤田議員が言われたように、いろいろな意見を戦わせながら、執行部側もはじめからできないではなく、検討しますという対話ができる関係性になってきているのは、1つの新しい県政における、エポックメイキングな流れだ、という指摘もありました。

そのようなことが、民主主義としてあるべき車の両輪で、県と議会、知事部局と議会のあり方だと思います。それを総じてどう判断するのかは、県民の皆さんの考えもまたいろいろあると思いますが、そこを含めて見えるようにしていって、プロセスを提示していくことが大事です。

 

記者:

議会からも、中身に関しては評価するなど、別に、一律に頭から否定している訳ではないという言葉が何回も出ていました。繰り返しにはなりますが、ただし少し拙速だったと。

これはまた一次案の話ですが、一次案の話で受けた上で、さらにこの条例改正で、しかもこれは理念的な話なので。まさに一次案の段階で、意見の対立があった中で、このタイミングで、あえて出す必要があったのか。要は、火に油を注ぐことにならないか、とは考えませんでしたか。

 

知事:

そこはきちんとオープンなところで議論していくことが大事だ、と思っていました。いろいろな指摘がある中で、案を作り上げていくことが大事だ、と思っています。

いろいろな改革を今回、事業の見直しも含めて、20年ぶりの新しい知事のもとで、新たな県政運営をします。それは今までの20年間の知事のやり方とは違うやり方になってくるなど、いろいろとあります。

新しいやり方をする際には、どうしても今までのやり方からすると違うので、そこに対する違和感や、慣れない面もあると思います。そこはやはり政権がある意味交代した最初の時というのは、どこの県、自治体でも同じようなことがあります。最初のフリクション(摩擦、衝突)というのか、最初の起ち上げの時には、どうしてもあります。

皆さんもそうではないですか。最初に人事異動で新しい部署に行った時、上司や部下とのコミュニケーションは、最初は少しぎこちなくなることがどうしてもあります。そこはきちんと議論をしながら、丁寧に人間関係を作り上げていくことは、どこの組織や職場でも一緒です。

それと同じように20年ぶりの新しい知事が兵庫県で誕生して、県議会にとっても初めてのことですし、県民の皆さんにとっても初めてで、どうしても新しいやり方や新しいことをしていく場合には、いろいろな見方で、これは少し早過ぎるのではないかなど、いろいろな見方が当然にあります。

私としては、やるべきことを時間の中で、1つ1つしていくことは、県民の皆さんから付託された立場としては、きちんとしていくことも大事なので、7カ月が経った中で、できることをしているということです。

 

記者:

2月10日の審議会で、条例改正案の委員に説明した際に、最後に、池の波紋の話をされたと聞きました。「池に石を投げれば波紋が起きるが、やがてそれらは消える」と、その場にいた複数の人から聞きましたが、そのように言ったのですか。

 

知事:

そうです。お伝えしました。静かな池がある中、新しいやり方など、そのようなものを提示すると、どうしても少し波が立ちます。その波を我々も含めて、きちんと丁寧に説明しながら、波を抑えて、1つの調和を作り、協調関係を作っていくことが大事だと思ったので、そうした趣旨で言いました。

 

記者:

それは今、この行革案を巡っていろいろな意見はあっても、最終的には落ち着くということを伝えたかった、ということですか。

 

知事:

そうです。落ち着くように、こちらも努力をしたいということです。

最終的にずっと波が立ち続けると、これは県民の皆さんにも影響があるため、きちんと議論し合えることを強調して、議論を交わしながら、何かを作っていく、環境を作らなければならない、と思います。

そのためには、調和がとれた、県と議会の関係性も大事だ、と思っています。そのように、これから努力していきたいという意味で、その喩えを伝えました。

 

記者:

分かりました。これは本当にお伝えという形になりますが、それを聞いた人で、「我々は、池の波紋か。もう怒るというよりガクッときた」と思った人もいたようです。いろいろな受け止め方があるということだけ、かなり僣越ですが、伝えさせてください。

 

知事:

いろいろな捉え方があるのかもしれませんが、総じて言えば、みんなで、議会と一緒に、きちんと関係を作って、よい兵庫を作っていきたいという思いです。その思いは、議会でも理解してもらっている人が多いと思うので。これからも理解してもらえるように努力していきたい、と思います。

 

記者:

知事の住まいと危機管理の質問に関連して、議会の答弁でもリモートで初動対応ができるようになっているという話があり、27年前と比べかなりテクノロジーが進化したため、変わったなと思います。

一方で、住まいが県庁から車で20分の距離にあるということで、災害時の初動対応、例えばBCP的なものに、知事がどう登庁するのか、どう初動対応するのかを定めた文書は、秘書課や県庁全体のBCPのようなもので、明記しているのかどうか。

また、避難訓練的な発想で、本当にそのような対応が必要になった時に、どのように対応すべきかを、訓練的に実践したことがあるのかどうかを教えてください。

 

知事:

災害時や有事の連絡系統について、一定の連絡をどうするのかは、秘書課で整理していると思うので、そこはまた確認をしてお伝えします。

今の段階で何か災害・有事に備えた訓練をしたことはありません。必要に応じて、これからしていくことも検討したい、と思います。

 

記者:

現状、もしもBCPのように、災害時の対応を定めたものがあったとしても、知事は見たことがない、ということですか。

 

知事:

有事の場合に、秘書室長と秘書課長も含めて、連絡することは確認しているため、それを踏まえた上で、災害対応時にどうするのかというマニュアルをしっかりと運営していくことが大事です。

 

記者:

マニュアルはありますか。

 

知事:

少し確認をします。

 

記者:

行革の条例について。先ほどの知事の発言は、原案なので、今後、議会との議論の中で、修正の必要性が出てくれば、修正もあり得る、ということですか。

 

知事:

そこは本会議でも様々な指摘がありました。行革の特委や予算委員会もスタートしているため、そのような場での議論を踏まえて、どのように対応するのかは、検討していきます。

 

記者:

可能性としては、それも検討の中には、入ってくるということですか。

 

知事:

いろいろな意見をもらっているため、いろいろな可能性を検討していきたい、と思っています。まずは議会での、これからの委員会の議論など、本会議でもかなり指摘をもらったので、引き続きそれを踏まえて検討していきます。

 

記者:

知事の住まいについて。県民からすれば、災害時に、しっかりと人命と財産の、救助の対応をとることが、行政に求められている最大の使命だと思います。

あらゆることを想定すると、先ほど知事は、近くに住まなければ、県庁に住まなければならなくなると言っていましたが。少なくともこういう場合には、このように知事に連絡をするなど、例えば、秘書課長が連絡を取れない場合は、第2者である誰々さんが連絡を取る。あるいは、通常であれば近くにも、誰か県職員が住んでいて、その人がすぐに知事のところに安否を確認した上で、県庁に上がるというのが、多くの県の危機管理上の流れになっていると思いますが、今、聞いた限りでは、どうもそういうわけではない。

一番近くに住んでいる人が知事の住まいを分かっているわけではないと思うので、そのあたりは、先ほどの質問にも繋がりますが、マニュアルというのか、この人がダメなら次はこの人など。あるいは、携帯が使えなければ、衛星携帯でするということについては、想定を1つ1つ決めて、準備はしているということですか。

 

知事:

それは秘書課で、有事を含めた対応については整理していますので、必要に応じて、対応できます。

 

記者:

今、準備しているものでもって、今後、南海トラフ地震や、近年は水害もかなり甚大化していますが、県内で想定される災害について、迅速に知事と連絡を取れる体制を確保できている、ということですか。

 

知事:

はい。私たちはそう捉えています。公用携帯、それから必要に応じて様々な連絡手段をとることによって、大きな災害が起こった場合でも、万全の体制を組めるようにしているため、そこで県民の皆さんの、安全安心を守ることを、しっかりとしていきたい、と思います。

 

記者:

現行の5部から12部体制にするための条例改正案を、今定例会に提出していますが。新県政推進室については、新年度以降どうするつもりか、考えを聞かせてください。

 

知事:

新県政推進室は、私が就任してから、新しい知事ですから、考え方を含めて、スムーズに県庁に伝えることができるように立ち上げました。

その扱いは一応、年度末まで、と立ち上げた際には一旦お伝えしましたが、その後、場合によっては、年度が明けても継続することがあり得る、と伝えています。

新しい組織のあり方については、鋭意調整中ですので、また改めて組織の改編の発表の際にお伝えしたい、と思っています。場合によっては、継続もあり得る、と考えています。

 

記者:

ワクチン接種の件について。2月末時点で、高齢者の3回目接種が県内50%強で、全年齢でも20%と全国平均をやや下回っています。この現状についての受け止めと、県内でなかなか増えない要因、増やすためのポイントを教えてください。

 

知事:

本日、県内の高齢者の接種率51%という報道がありました。私が先ほど説明した61.3%は、2月末で接種対象となる人を分母とした場合の接種率になります。

高齢者の中には、そもそも1回目・2回目の接種をしていない人もいるため、どうしても分母に違いが出てきます。国もこれまで追加接種の対象となる人を分母として、いろいろな比率を出してきたので、我々としてもそこは、なぜこの数字が出てきたのかに対しては、少し思いもあるところです。

いずれにしても、そうは言いながら分母がこの場合でも60%で、100%にはなっていません。ご指摘のとおりの分母でも50%で、できるだけ多くの高齢者に、重症化を予防するためにも、ワクチン接種をしっかりとしてもらうことが大事です。

市や町が中心になってもらっていますが、接種券配布の対応については、ほぼすべての自治体で配送の手はずが整った形になっています。

あとは、県がどのようにフォローするのかですが、県の大規模接種会場をいかに活用してもらうかが大事なので。まずは、予約枠を拡充しつつ、あとは先日から実施している、接種券無しの接種や、夜間接種、また本日発表した、当日の接種予約ができるようにするなど、あらゆる柔軟な対応をこれからもしていきます。

それによって、高齢者をはじめ、接種する必要のある方々が、いつでも受けてもらえるような環境づくりをして、接種をできるだけ早くしていけるように、全力を尽くしていきたい、と思います。

 

記者:

高齢者を中心にかなりの死者が相次いでいますが、全国で人口比の死者数が、2月末時点で大阪、奈良に次いで3番目に兵庫県が多いということです。

この要因として、大阪府知事は、高齢者と若い世代の生活圏が近いことを挙げていましたが、兵庫県としても考えることはありますか。

 

知事:

ご指摘のとおり、先日報道された内容のとおり、人口当たりの死亡者数が兵庫県は高い状況になっています。これについて、どのような原因があるのかは、昨日も言ったとおり、なかなかこうだということを、分析するのが難しい面もあります。

第6波における公表された死亡者は414人で、年齢別に言うと80代が8割を占めています。高齢になればなるほど、体力がない状況が多く、コロナに感染した場合に重症化して、亡くなるケースが出てきています。

ただしこれは、兵庫県のみならず、全国的にも高齢化が進んでいるのは、同じ状況ですので、その中でなぜ、兵庫県が大阪、奈良を含めて高くなっているのかは、引き続き分析が必要です。

今度のコロナ本部会議でも、専門家に意見を聞いてみたい、と思っています。

大事なのは、この状況を踏まえながら、しっかりと高齢者施設への対応や、ワクチン接種を含めて、1人でも亡くなる人が少なくなる対策を、しっかりと全力でしていくことが大事で、そのようなことをしっかりとやりながら対応していきたい、と思います。

 

記者:

危機管理のマニュアルについて。秘書課にあるという話でしたが、それを知事は、これまでに見たことはあるのか。それともこれから目を通すのか、どちらですか。

 

知事:

一度見たことはあると思いますが、それがマニュアルなのか、いわゆる連絡手段のやり方なのかは、確認をしなければなりません。有事の際に、秘書課を含めてどのように連絡を取るのかは、確認をしています。

あとは公用携帯もあるため、例えば、防災監を含めて、幹部職員とすぐに連絡を取る体制は、携帯では繋がっているため、そのようなことを含めて、確認をしています。

 

記者:

知事自身がどのように対応するのかという、緊急時の動き方については、自身で把握しているということですか。

 

知事:

そのつもりでいます。

 

 

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