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ようこそ知事室へ
【発表項目】
(資料に沿って説明)
記者:
マスクの着用について。基本的に国の対応指針をベースにしているとのことですが、この中で、県独自のものとしては、換気および距離が保たれた会議等で発言しない場合には着用の必要はない、と。ほかに、国にはなくて、県で特に付け加えた例示はありますか。
知事:
まず、資料の注2にあるように、会議などで発言をしない場合、換気と距離がとれている場合には、息が苦しいこともあるかと思いますので、そのような場合には、マスクを着用せずに、会話をせずに黙っておく、発言をする際にはマスクを着ける、の対応でよい、と思っています。
また、国のリーフレットにも記載がありますが、図書館や美術鑑賞、公園での散歩、ランニングではマスクの着用は必要ないことを例示しました。
着用をお願いする場合は、例えば、部活の休憩室など、あとは企業の食事をする休憩スペース、そういったところで会話する場合にはマスクを着けてください。
また、屋外のイベントがこれから増えてきますが、会話をほとんど行わない場合には、すれ違う程度のためにマスクを着用する必要まではありません。ただし、会話をしたりする場合には、特に近い距離では、マスクの着用が必要です。
記者:
着用を推奨する場面の2つ、県が例示を加えた休憩室等での限定スペースの会話と、屋外イベントの近距離での会話について、これらを例示した理由は。
過去の第6波を見ても、部活中でも休憩室などでのクラスター発生が散見された、ということはあるかと思いますが、そういうことを受けて、県として例示を加えたのですか。
知事:
休憩室での会話、食事の場面で、マスクを着けずに会話したケースで、部活やいろいろなところでのクラスターが発生したことを踏まえて、着用をお願いすると。やはり、近い距離で会話を行うケースでは、マスクを着けてもらうことが大事です。反対に、それ以外の場面では、無理をしてまで着けなくてもよいと。特に、身体的距離がとれる屋内、屋外の場面、この2つは着用する必要はそこまでではない。
しかし、マスクを着用することは、ここ数年、皆でやっていきましょう、という流れになってきたので、すぐにはなかなか外せないという人が多くいます。この頃、公園や野外でも、明らかに会話もせずに歩いている場面でもマスクを着けていて、苦しそうな高齢者が増えている感じがします。
特に、子どもも、マスク着用による熱中症のリスクがある場面では、外してもよいのではないか、ということです。
一方で、会話を行う限定された場面ではしっかりとマスクを着用する、という切り換えを注意してやりましょう、と言いたいです。
記者:
学校等の対応について。臨機応変ということもありますが、これから夏で、保護者が気にするのは通学の登下校時、集団で登下校をしている小学校も多いかと思います。
その場合、どうしても距離は近くなり、しかも子どもなので会話もするでしょう。この場合、熱中症対策を含めて、県教委はどういった通知を出していますか。
知事:
県教育委員会が5月25日に出した通知の別紙に、学校におけるマスク着用の必要がない考え方をすでに提示しています。これはホームページにも出ています。その別紙の中で、いろいろなケースを書いていますが、基本的には、先ほどの場合分けの表と一緒です。
登下校時については、基本的に身体的距離が確保できる活動ですので、自転車や徒歩による登下校時、それから、熱中症のリスクが高い夏場の登下校は、基本的にマスクを着けなくてもよい、ということをすでに通知しています。
ただし、電車を使って通学している児童・生徒はマスクを着ければよいと思いますが、例えば、小学生など、家の近くから徒歩で通学している場合には、もちろん近い距離であってもしゃべりながらの通学ではマスクが必要だと思いますが、登下校については基本的にはマスクを外してもよい、との通知を出しています。
また、体育の授業についてはマスク着用の必要はない。それから、部活動についても同様で、ただし、休憩中などの場面には着けてください、ということ。
屋内であっても、例えば、美術の授業など、あとは、図書室での実習、始業式・終業式などの行事の場合、そういった明らかに会話をほとんど行わないような活動ではマスクを着けなくてもよい、という通知を教育委員会から出していますので、また後ほど情報提供します。
記者:
飲食店の利用制限の解除について。認証店に加えて非認証店も解除されていて、酒類提供の場合だけアクリル板等の設置を求める取扱いになっていますが、非認証店も解除した理由を教えてください。
知事:
全体として感染状況が落ち着いてきている状況が1点と、そういった中で、同一グループ4人以内、短時間(2時間程度以内)という原則を非認証店についても基本的には外しました。
ただし、対策としては、認証店と同じような基準で、アクリル板の設置や、換気の徹底、会話時のマスク着用を。特に、酒類を提供するところについては、会話が弾んでワーッとなる可能性が高いので、そこについては認証店並みの基準をきちんとやってください、できれば認証店になってください、ということを引き続き要請していきたい、と判断しました。
記者:
行動制限がここまで緩和されることは、感染状況が落ち着いてきているという評価だと思います。
引き続き、どういう形でモニタリングをして、当然ながら感染が再拡大する可能性もゼロとは言い切れない中ですので。再び制限をかける目安など、あるいは、モニタリングの方法について、現段階でまとまっているものがあれば、教えてください。
知事:
今は少し落ち着きつつあるといえ、まだ1日当たりで約千人という状況ですので、引き続き注視が必要です。
そういった意味で、これから大事なのが、感染のトレンドをどう把握していくのか。今、減少局面ですが、増加局面になってきた際には、注意が必要です。重症化のリスクや、病床使用率、ここはやはり引き続きしっかりと注視をしていかなければならない、と思っています。
記者:
第6波が落ち着きつつある状況で、マスク着用の緩和を含めて、飲食店の制限の緩和という流れかと思います。
昨年も8月に波が来ましたが、次の波を防ぐために注意すべきこと、県民へのメッセージについて、教えてください。
知事:
第6波は、ピーク時には本当に感染者数も多くて、厳しい状況にありましたが、それがかなり下がってきたところです。
これは、県民の皆さんの基本的な感染対策の徹底や、ワクチン接種についても、世代によってはとても進んでいますので、協力のおかげだと。改めて、協力に感謝を述べたい、と思っています。
今後、最後のメッセージにあるとおり、感染を広げない取組ということで、やはり基本的なマスクの着用。これは、資料にも記載のとおり、明らかに人との距離があって、会話がない場面では無理に着けてもらう必要がない、ということです。少し近い距離で会話をする場合には、まだマスクの着用に注意してくださいということ。あとは消毒や換気も含めた、基本的な感染対策を引き続きお願いしたい、ということです。
また、ワクチンの4回目の接種、特に重症化率の高い高齢者の方々を中心に、これから県としても準備していきますので、受けてもらいたい、ということです。
この2つで、次なる波に備えていくことが中心になるかと思います。
やはり、感染を広げない取組をしながら、地域の様々な活性化、にぎわいを取り戻していくことも大事です。先ほども言いましたが、数字も注視しながら、基本的な感染対策をしてもらい、社会経済を元に戻していくという流れを進めていきたい、と思っています。
記者:
マスクを屋外で外すことについて。なかなか、政府が外してもよいと言っても、皆さんは外していません。
そのような中で、大丈夫だとアナウンスするためにも、知事自身が、資料記載の場面で、外ではなるべくマスクを外す、といった考えはありますか。
知事:
既に屋外で、公園などで散歩する場面では、昨日もそうでしたが、特に日中は暑かったので、外し始めています。
ただし、少し人の目が気になるので、人が近くに来た際には着けたり、店に入る際には当然ながら着けます。
あとは、この周辺を歩く際も、屋外で、明らかに人との距離がとれる場合などは、マスクを外して散歩したり、移動中も。マスクを外すことは私、自らもしっかりとやっていきたい、と思っています。もちろん着けなければならないところでは、引き続き着けます。
記者:
普段から顔が知られている人だということで、アナウンスする意味で、自分としてもやっていきたい、という思いですか。
知事:
昨日もそうでしたが、日中でとても日差しが強くて、暑い時は、着けていること自体がしんどいこともあります。
そこは、人との距離をとっている場合には、自分が熱中症にならないためにも、また、外すことが自分の体を大事にするという意味でも、外すことが大事です。
そういった観点からも、屋外で着ける必要がない場合などには、外すということをこれからやっていきたい、と思っています。
記者:
認証店のアクリル板について。例えば、県庁3号館の地下食堂を知事も利用したことがあるかもしれませんが、そこにもアクリル板が設置されていますが、座った場合にアクリル板が口元よりも下にあります。何のためにアクリル板を置いているのか、きちんと意図が周知されていないケースもあるのではないか、と考えます。
そういう意味で、認証をしているものの、きちんと基準が守られているのか、調査する考えはありますか。
知事:
調査というよりも、しっかりともう一度アナウンスをしていくことが大事です。
3号館の地下の食堂は確認していませんが、低すぎて事実上、意味をなしていないのであれば、アクリル板を何のために設置するのかということ、対話の際の飛沫を防止することが大切ですので、それができるようなアクリル板の設置をしてもらうよう促していくことが大事だ、と思っています。
状況を聞いて呼びかけるようにします。
記者:
他府県のコロナ対策も取材する中で、個別の事例ですが、京都府の取組として、コロナはエアロゾル感染すると、感染源として認めているということで、そちらへの対策を進めているようです。
今日と明日に、換気対策の専門家を招いて、第6波では高齢者がたくさん亡くなったので、病院や老健施設の換気対策の調査をしているようです。
兵庫県でも、そういった観点から、これまでももちろん消毒やうがい・手洗いをしていても、院内クラスターが全国的に起こっていますので。何か足りない点があるのであれば、足していくことが大事かと思うのですが、いかがですか。
知事:
エアロゾルが1つの感染の要因になるということで、まずは換気の徹底など様々な対策をしていくことが、高齢者施設などで大事な観点だと思います。
そのあたりについて、これからも、特に高齢者施設など、リスクの高い方々が入居している施設への様々な取組を、医療部局と福祉部局が連携しながら、今、進めているところです。
そういった場所でエアロゾルをどのように回避していくのかという知見は、しっかりと持って対応していきたい、と思っています。
記者:
換気はなかなか難しい話で、空気の流れは基本的に気圧の高いところから低いところに流れていきます。もしも、この会見室に感染者がいて、廊下よりもこちらの部屋の気圧が高いと、必然的に感染者の空気が廊下に流れ出て、感染が広がります。これは1例ですが、そういう気圧差によるクラスターが、老健施設で出たところもあるそうです。
こうした話は、建築衛生学というような学問分野もあるようで、そういった新たな分野の識者の知見も、これから必要になってくるかと思いますが。
知事:
おそらく陰圧のケースだと思いますが、そういった観点から、病院ではそのあたりの知見に基づいて、個室ごとに陰圧を調整して、ウイルスが外に出ないようにするという施設整備は、すでにしているところがあります。
それらを福祉施設など、リスクの高い施設にどのように導入していけるのか。コストがかなりかかる面もありますが、そこは少し状況を見ながら、あとはアドバイザーという形で、専門家の意見も聞いてみたりして、どういうことができるのか、少し検討したい、と思っています。
記者:
飲食店の制限緩和について。感染人数の減少や、大阪府は解除していることなど、改めて、この判断をした決め手になった部分はどこですか。
知事:
資料「県独自措置の一部緩和」の3枚目です。特に、「2 新規感染者数や病床使用率の状況」として、新規感染者数が、5月20日以降、10日連続で直近の1週間前との比較で、下がっている。要は(対前週比が)1を下回っている状況が続いていること。病床の使用率も10日以上連続で20%を下回っていること。
6月1日から病床のフェーズも切り替えます。観光キャンペーンの新たなスタイルも1日から、拡大して継続していくので、このタイミングで兵庫県として判断して、飲食店についても一定、基準を緩和しました。
記者:
感染人数の減少というのは、かなり長く傾向として続いていますが、ゴールデンウイーク後の様子を見守ったから、ということですか。
知事:
ゴールデンウイーク後に、少し感染者が増加した局面が1回か2回あったので、状況を見定めたい、と思っていました。その状況を見定めながら、ここに来て10日以上連続で減少局面になっているので、解除する判断をしました。
記者:
県民も、飲食店については、関心のレベルが高い。長く我慢し続けてきたかと思いますので、改めて、この部分に関して県民に呼びかけたいことはありますか。
知事:
最後に述べたメッセージです。今回、まん延防止等重点措置などが無い、初めてのゴールデンウイークで、ようやく、感染状況を踏まえながらも社会活動を取り戻していける局面になってきた、と思っています。
県民の皆さんや飲食店をはじめ、事業者の皆さんのこれまでの協力や負担に、改めて感謝を述べたい、と思っています。
これからは、資料にも記載していますが、感染を広げないという基本的なところをしっかりとおさえながら、社会活動や飲食店などの経済を回していくよう進んでいきたい、と思っていますので、よろしくお願いします。
記者:
知事も飲食の場はこれまで慎重にしていたかと思いますが、何か自身の行動で変えようと思っている部分はありますか。
知事:
少しずつ飲食する場面が出てきています。以前勤めていた時のように週に2回、3回行くということは、まだ、全然ありません。
私自身も、いろいろな人々とのコミュニケーションは大事ですので、これから少しずつ飲食の機会は増やしたい、と思っています。
記者:
今回の飲食店の制限について、非認証店にはまだありますが、制限が撤廃されます。これまで長い間、制限がかかってきましたが、そこに対する知事の率直な思いをお願いします。
知事:
これまで2年以上にわたって、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置、それが終わった後でも、1テーブル4人以内や短時間(2時間以内)などをお願いしてきました。この間の県民の皆さん、それから事業者の皆さんの協力に、改めて感謝を述べたい、と思っています。
一方で、社会経済活動をしっかりと元に戻していくこと。地域のイベント、祭りなど、いろいろなことをこれから元に戻していき、地域の賑わいを取り戻していく、飲食店も賑わいを取り戻していくことが大事です。
これからは、基本的な感染対策に留意しながら、社会経済活動、それから地域の賑わい、社会の賑わいをしっかりと取り戻していくことが大事ですので、県民の皆さんにも理解してもらいたい、と思っています。
記者:
知事の個人的な思いとしても、まだ感染者がいる中ではありますが、光が差してきた、出口が見えてきた、といったところはありますか。
知事:
昨日も相生のペーロン祭りや、その前の週には姫路のお城まつりにも行きました。県内の人々の雰囲気もかなり明るくなってきた、と思っています。
これをしっかりと続けていくためにも、県民の皆さんのこれからの協力と、社会活動を元に戻していく、地域の賑わいを取り戻していくことを、一緒になって前に進めていきたい、と思っています。
記者:
飲食店の関係で、大阪府が資料にもあるように5月23日に解除、京都府が5月25日に解除、そこから約1週間遅れて、ということになるかと思います。
これは、兵庫県ならではの事情があったのですか。
知事:
先ほども述べましたが、ゴールデンウイーク明けに少し増加の局面があったこと。それから、やはり兵庫県は広い地域ですので、都市部のみならず、いろいろな地域もあるので、少し状況の判断を、見定めたい、という思いがありました。
そして、ここ10日間減少していて、病床使用率も減少傾向が続いていますので、このタイミングで解除の判断をしました。
6月1日からの医療のフェーズと、それから、観光の県民割のブロック拡大なども6月1日からですので、このタイミングで飲食店の制限緩和を一緒に、セットでやろう、と判断しました。
記者:
連休が開けてからの上昇傾向は、他の都道府県でも見られましたが。何か、重視した指標があれば、教えてください。
知事:
やはり新規感染者数のトレンドと、病床使用率、ここについては少し増減があった時期がありましたので、そこを見定めた、ということです。
記者:
制限をかける際には、まん延防止もそうですが、3府県が足並みをそろえて、と各知事が訴えていました。解除にあたっては、何か協議などをしたのですか。
知事:
実務的にはいろいろな情報交換をしましたが、タイミングについては、それぞれの府県の判断で、実情に応じて判断していくことで話をしてきました。
記者:
制限は足並みをそろえて、解除はそれぞれで、これはどういった差からの判断ですか。
知事:
制限の際は、3府県でいろいろと協議をしながらやっていく形でした。その時は、関西以外も、関東も中部地方も、同じような形でやっていました。その流れの中で、関西としても3府県が足並みをそろえて、規制を厳しくする際は、一体的にやっていくことも大事でしたので、合理的な判断だった、と思っています。
今回の解除については、そこまでは、地域ごとに一体的にやっていく方向では、全国的にもありませんでした。その流れの中で、兵庫県も自分たちの状況などを見定めながら、解除すべきタイミングをそれぞれの府県で判断する形になった、と理解しています。
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