更新日:2022年8月1日

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知事就任1年記者会見(2022年8月1日(月曜日))

知事記者会見内容

知事:

本日8月1日で、知事に就任してから1年が経ちました。

あっという間の1年だったと感じています。やはり中心となったのは、コロナ対応でした。就任した直後が第5波の真っ只中で、当時はデルタ株というたいへん重症化率の高い株が流行していた時期でした。

その中で、緊急事態宣言、そしてまん延防止等重点措置で、第5波、第6波に対応してきました。さらに今は、第7波の真っ只中ということで、連日1万人を超える新規陽性者が発生しており、これからもしばらく感染の状況は続くと見込まれます。

今回の波を県民の皆さんとともに乗り越えていきながら、感染防止対策と社会経済活動の両立を何とか図っていきたい、と考えています。

コロナ対応が業務の大半、多くの割合を占めていました。そういった制約があり、いろいろな地域へ行ったり、イベントに出たりといった、いろいろな取組をしていく意味では、コロナとの戦いが中心の1年でした。

そんな中でも、就任に際して「躍動する兵庫」をつくっていきたいという、私の県政の基本的な方針を掲げて、いろいろな取組と種まきを、この1年でしてきたつもりです。

令和4年度の当初予算編成も仕上げましたし、あとは、県庁の組織についても、5部制から12部制に変えたことで、県庁職員の持っている力、ポテンシャルをもっと発揮できるような組織、そして、兵庫県という魅力溢れる地域が持っているポテンシャル・力をもっと発揮していけるような、そんな県政づくり、県づくりに向けた第一歩を、何とかこの1年間で踏み出せたのではないか、と考えています。

人、モノ、投資、情報がもっと集まるような兵庫県をつくっていく。万博への準備、フィールドパビリオンも募集を開始しましたし、あとはベイエリアの活性化、さらにはヤングケアラーや課題を抱える妊産婦への対応、この躍動する兵庫に向けた新しい成長の種をまいていく。そして、フィールドパビリオンに代表されるように、兵庫県のいろいろな地域の大きな魅力、ポテンシャル、地域をより輝かせていくということ。

さらには、安全安心の網を広げるという、困っている社会的に課題を抱えている方々への下支えとなるような支援をしていくこと。これは災害・防災対策のインフラ整備もそうですが、そういったことに取り組んできた1年だったと思います。これからもしっかりと取り組んでいきます。

特に、年初に述べましたが、今年は、対話と現場主義を大事にしていきたいと思っています。昨年度に取り組んだ県政改革方針について、コロナ禍でなかなかコミュニケーションが取りづらかった中での改革を進めたことで、知事がどういうことを考えているのか、どういう方針を持っているのかが、なかなか見えづらいという指摘もありました。

今年度、コロナ禍が少し落ち着いている間でしたが、現場である県内の市町との対話、さらには議会とのコミュニケーション、経済や各種団体との緊密なコミュニケーションにもしっかりと取り組みました。

かなりこれで斎藤県政及び知事の考えていることを、キャラクターも含めて、少しずつ理解してもらえたのではないか、と自分としても思っていますし、そういった声ももらっています。

引き続き、県民の皆さんやいろいろな人との連携、そしてコミュニケーションは、これからもしっかりとやっていきたい、と思っています。

いずれにしても、躍動する兵庫の実現に向けて、私の今の任期4年間の4分の1が終わり、新しい2年目に入りました。

県が行う業務は広域的で、私が抱えているのは中長期的にいろいろな取組をやっていきたいというものなので、これから成果をどのように示していけるかも大事なテーマです。

じっくりと腰を据えてやっていく中で、10年後、20年後を見据えて、未来の子どもたちが、兵庫県が変わったなと、住みやすい、働きやすい、わくわくするような地域にしていきたい、という思いを持ってもらえるような、そんな未来社会をつくっていくことが私の大きな目標です。これに向けて引き続き取り組んでいきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いします。

 

私からは以上です。

質疑応答

記者:

中長期的に取り組んでいきたい課題もあるという話でしたが、改めて斎藤知事が4年間で最も成し遂げたいと思っている政策を伺います。

 

知事:

これは短期的な取組かもしれませんが、4年間でどのようなことをしたいかと言うと、やはり2025年万博に向けた兵庫全体を活性化していく仕組みづくりに取組んでいきたい、と思っています。

2025年ですので、ちょうど3年後、そこに向けてフィールドパビリオンにしっかりと取組んでいきます。万博は夢洲で開催しますが、その会場とベイエリアだけではなく、これを兵庫県全体の、観光も含めた地域の活性化につなげていく仕組みにして、万博が終わった後もレガシーとして、地域にいろいろな人やモノや投資が集まるような仕掛けにしていきたい、と思っています。

そのために、2025年に向けたフィールドパビリオン、ベイエリアの活性化、この間、姫路でやりました脱炭素社会に向けた取組を含めて、新しい成長の種をまいていくことを、今後3年間の軸に、経済や雇用を活性化していきたい、と思っています。

 

記者:

万博が兵庫県全体の活性化に繋がれば、ということですが、そのための課題はどういったことだと認識していますか。

 

知事:

2つあって、1つは機運醸成だと思います。2025年万博は関西でやるものだと、そして、兵庫県も主体的に取り組んでいくことです。

これは経済界や、いろいろな観光関係からの期待の声も大きくて、より多くの人々、例えば地場産業であったり、農林水産業であったり、地域の経済や社会を支えている人たちに。この万博をきっかけに、よりこの兵庫の地域社会を元気にしていく、万博が終わった後も、活性化がさらに加速していく、そんな仕組みづくりを、今、兵庫県としてやろうとしているので、しっかりと連携してやっていく、といった県民総意の機運づくりを、まずはやっていくことが大事です。

2つ目は、県はベースとなるプラットフォームや、仕組みづくりをしっかりとやっていきます。問題はそこに参画しようという仲間づくりを、しっかりと広げていくことが大事だ、と思っています。

 

記者:

県としての取組、プラットフォームづくりについて、もう少し詳しく教えてください。

 

知事:

まず、万博の機運醸成に向けては、フィールドパビリオンという取組を、すでに6月からスタートしています。これは県内の地場産業、農林水産業を始め、いろいろな、万博に向けて自分たちの地域の取組を発信したい人たちが、誰でも参加できるような仕組みにしています。

2025年万博は、21世紀型の万博ということで、環境の問題のみならず、いろいろな地域の経済の持続可能性や貧困の問題など、様々な問題を、SDGsを切り口にして、人類共通の社会課題の解決策を提示する場となっています。

それは夢洲会場のパビリオンで発信することも大事ですが、我々としては兵庫県の各地域のいろいろな取組が、実はこのSDGs、そして、人類共通の様々な食糧問題、環境問題、女性、子どもたちの貧困問題など、いろいろな課題を解決していく、世界に発信できる、すばらしい取組がいっぱいありますので。

そういう人たちの取組の現場そのものをパビリオン、つまりフィールドパビリオンとして発信できるよう、その仕組みづくりを立ち上げたところです。いろいろな人たちに興味を持ってもらい、そのフィールドパビリオンに参画する人を増やしていきたい、と思っています。

 

記者:

コロナ対策について。先日、宮城県がBA.5の対策強化宣言を出すという方針を示したようです。その点の斎藤知事の今の考えを聞かせてください。

 

知事:

国が、BA.5の対策強化宣言を新たな制度として出しました。

兵庫県はもうすでに、県民の皆さんに対して、リスクの高い場所へ行くことやマスクを外しての行動はしないようにしましょう、ということはすでに何度も言っていますし、ワクチンの3回目、4回目の接種も、これまでもしっかりと呼びかけています。

また、高齢者は、人混みは避けよう、ワクチンの4回目の接種をしようというのは、すでにしっかりとやっています。一方で、過度な行動自粛に繋がると、認知症であったり、身体機能が過度に低下するフレイル、こういったことがすでにコロナ禍で起こっていますので。

やはり健康体操など、要は、地域の集まりのカフェや、そういった人と接したり体を動かすことを、コロナ禍でもしっかりと、感染対策を徹底しながら、頑張って続けている高齢者もいますので、そういったことは頑張ってやってもらいたい、と思っています。

結論から言うと、今の時点ではBA.5の強化宣言について、兵庫県が何かしらの対応をする予定はありません。

 

記者:

つまり、その強化宣言で求めることができる内容が、今、呼びかけている内容とほとんど変わらないので、出す意味があまりないということでしょうか。

 

知事:

アナウンス効果という意味でも、すでに県としてはしっかりとアナウンスしていますし、これは高齢者を含めて県民の皆さんも十分に、今、注意をしている、しっかりと伝わっている、と思いますから。そういった強化宣言をすることによってさらに発信するというよりも、今、伝えていることをしっかりと引き続きお願いすることが大事だ、と思っています。

今週の水曜日の記者会見で、また改めてコロナ対応についての呼びかけはしますが、今日はこういった機会なので一応その触りだけ伝えます。

発熱等診療・検査医療機関(発熱外来)への受診を、陽性になった人、有症状の人がしにくい状況です。例えば、陽性を確認するためだけや、あとは医療保険の給付のための証明書を取りに行くだけなど、企業や学校へ届出をするだけのために、というような目的での医療機関の受診はできるだけ控えてもらい、まずは県の設置しているコールセンターへ相談することをお願いしたい、と思っています。

発熱外来は、60才以上の高齢者や基礎疾患のある人など、ハイリスクの人を中心に受診がしやすい状況を確保することが大事です。そこは県民の皆さんにも、有症状の人がクリニックなど受診しにくい状況になっているのはたいへん心苦しい状況ではありますが、今はすぐに医療機関に行くよりも、相談センターに相談しながら療養を自分でやっていくことが大事です。

そのためにも、食料品であったり、常備薬を、これは解熱剤でなくても風邪薬などでも一定程度の効果はあると聞いていますので、そういったものを日頃から自分自身で確保していくことを、そのような協力も、しっかりとお願いしたいと思っています。

 

記者:

この1年間を振り返って、何か反省点があれば教えてください。

 

知事:

反省点というのか、やはり、コロナ対応が第5波、第6波、第7波で、業務の大半を占めています。先ほども言いましたが、この兵庫県は広い地域ですから、いろいろな地域にもっともっと出向いて、いろいろな人と会ったり、いろいろなイベントに出たり、いろいろな地域の魅力をもっともっと堀り下げて、自分なりに見つけて、それを発信する機会をもっと増やしたかった、という思いはあります。

それはコロナ対応でどうしても仕方がなかった、というところはあります。それでも、波の間など、今年も4月あたりから精力的にいろいろと合間を見て行ってはいるので、これからまた、そこはやっていきたい、と思っています。

私だけではなくて、県民の皆さん、皆がそうだとは思いますが。学校行事や地域のイベントも、なかなか思うようにはいかなかったのではないでしょうか。

このように、兵庫県のいろいろな地域に行く機会が不足する制約があったか、と思っています。

 

記者:

抽象的な質問かもしれませんが、斎藤県政1年で、斎藤知事のスタイル、意識といったものが、県幹部、職員に浸透してきたという実感がどれぐらいあるのか、そのあたりを伺います。

 

知事:

かなり浸透しつつあるか、とは思っています。

やはり20年ぶりの知事の交代で、県庁にとっても、例えば、20代で入庁した職員も40代半ばなど、そのような感じで、ほぼ入庁してから前県政がずっと続いてきた流れの中での新しい知事の交代ですから。仕事のやり方、雰囲気、知事の指導、リーダーシップが違ったものになるというのは仕方がないと思います。

そこが違うことによって、どのように対応すればよいのか、戸惑いというものが、これは必ずどんな組織でも、皆さんもそうですが、上司が変わったりすれば、上司のスタイルが分かるまでには時間がかかるし、それは合う、合わないがある、と思います。

そんな中でも、できるだけコミュニケーション、風通しをよくすることを、これまでも頑張ってきましたので。かなり、部長クラス、次長クラス、課長クラス、それ以外の職員も含めて、斎藤知事の仕事のやり方、特に、知事との打ち合わせの時間をかなり削減しました。当初予算の協議なども、今までずっと1カ月以上かけて100時間くらいかけてやっていた。もうここは数日、数時間程度で、合理的にやりましょう、ということに変えました。

いろいろと合理的に無駄を省きながら、仕事をやっていくスタイルは、かなり浸透してきたか、と思います。これは、まだまだ時間をかけて取り組んでいくべきだ、と思っています。

 

記者:

種をいろいろとまいてきたということですが、一部、未着手のものもあるかと思います。

例えば、30人学級の実現や、県立高校の体育館への冷房設備の設置、お金がかかる部分もあるかと思いますが、このあたりについて、今後、公約としては実現を目指していく考えでしょうか。

 

知事:

30人学級については、少人数でしっかりときめ細かな指導を実現していく方向性は大事なことだと思っています。デジタル技術を使って、いろいろなICTでやっていく方向性です。

そういった活用をしながら、きめ細かな、生徒一人ひとりに応じた教育をやっていくことは、これからもしっかりとやっていく。これは高校のみならず、小中もそうですが、大事だと思っています。

30人学級については、確かに公約で掲げましたが、就任してから、いろいろと現場の状況を見させてもらうと、神戸市や阪神間含め、子どもが急増している地域では、子どもの人数が多く、クラス数も多い状況から、教室や教員の確保などを考えると、直ちに30人学級をどのように実現していくのかという具体的な道筋が、なかなか今すぐは難しいのです。

これは議会でも伝えてきましたが、今そういう状況ですが、あらゆる環境で子どもたち一人ひとりに応じて、きめ細かな教育をしっかりとやっていくことは大事な方向なので、そこはやっていきたいと思います。

それから、高校の環境改善について、冷暖房も確かに大事で、これは中長期的にやっていきたいと思いますが、まずはトイレの改修を加速化していきたいと思っています。何校か県立高校に行きましたが、トイレが和式のままという状況はまだありますので、計画的に改修を進めています。それがどのようにすればスピードアップできるのか、まずはトイレの改修についてしっかりと力を注いでいきます。

生徒側のニーズもそちらの方がすごく高く、トイレの改修を早くやりますと言うと、生徒からは早くやってください、という声が多いのです。まずはトイレの改修を頑張っていきたい、と思っています。

 

記者:

庁舎について、元町再整備の計画の中で改めて検討する方針かと思いますが、一方でやはり安全確保が喫緊の課題かと思います。

ひとまず耐震改修をするのか、あるいは民間物件を借り上げて移転するのか、そのあたりを年内には判断したい考えでしょうか。

 

知事:

庁舎の問題については、現計画については、一旦立ち止まるという形にしています。当時の試算でも700億円ぐらいだったかと思いますが、今の情勢を踏まえると、おそらくもっと、場合によっては1000億円ぐらいまで建設費が高騰して、かつ、建設の時間もかなりかかったのではないかと思います。

そういった意味で、一旦立ち止まったことは、一定の判断としてやむを得なかった、と思っています。

今後は、確かにこの庁舎も含めて耐震の問題は指摘されていますので、当面の庁舎の体制をどうするのかについては、早めに議論をしていきます。

手法としては、耐震化のやり方もありますし、場合によって別の民間なりのオフィスをしばらく借りて、出るという方法もありますが。

今年度かどうかは言及できませんが、できるだけ早く、そこについての方向性を検討していきたい、と思います。

 

記者:

耐震改修について。以前の調査の結果で、耐震改修するよりも、新しい庁舎を建てた方がコストの面でも機能の面でも優れている、メリットが大きいということで、改修を見送った経緯があるかと思います。

その上で、まだその改修という選択肢は残っているのでしょうか。

 

知事:

そこをもう一度精査をしていきたい、と思っています。改修の度合いも含めて、もう一度経費の精査をしたい、と思っています。

一方で今、資材価格を含めて、すべてが高騰している状況なので、どれぐらいの経費がかかるのか、工期も含めて、もう一度、精査することが大事です。

まだ、議論の選択肢から改修を除く段階ではない、と思います。

 

記者:

元町について、長期の計画になるかと思いますが、三宮やウォーターフロントとの住み分け、あるいは連携の上で、どのような地域にしていきたい、と現時点での知事のイメージは、どのようなものですか。

 

知事:

キーになるのは元町駅です。

元町駅が、まだ、かなり前からのスタイルで、北側が特にバリアフリーなどもできていない。階段の上り下りについても、皆さんも結構、あの階段を使用していることが多いと思います。

そこのバリアフリーなどをどうするのかを含めて、我々としては元町駅からの北側のアプローチをどのように、これからの高齢化社会、バリアフリー社会、それからSDGsもそうですが、障害者も含めて移動しやすい仕組みをどのようにしていくのか。

これはJRもおそらく課題としてはずっと持っているかと思うので。そこを含めて、開発をどのようにしていくのか、という議論をしたい。

その上で、このエリアは県庁北の相楽園もそうですが、緑の豊かな地域、それから県公館も文化の香りもするところです。そういった緑や、そういった落ち着いた空間、緑は災害時の防災機能なども含めて、一定のスペース、交流、イベントなどの観点からも、大事です。

元町駅からの北側へのバリアフリー化も含めたアプローチをどうするのか。それと緑や環境配慮すべきというような、オフィス機能をどのようにつくっていけるのか。それは災害時の対応も含めた機能を付与していけるのか、といったことをイメージとしては持っています。具体的にはこれからです。

 

記者:

コロナについては、第7波が終わった場合という条件付きで政府もいろいろな検討をしていることが報道されています。知事としては、この2年あまり続いたコロナから、任期の期間に、コロナ対策をどう変えていきたいか。あるいは、ポストコロナをどのように見ているのか。どのように政策を進めていきたいか、というのが1点。

もう1つは、ワーケーション知事室が、確か三木市(・加東市、6月に実施)が最後で、要するに1年間で2回(実施されました)。現場で情報発信していくというのが趣旨だったかと思いますが、2年目は、どのように展開していきたいのか、伺います。

 

知事:

まず、ワーケーション知事室について、8月頃にすると実は予定していました。コロナの状況もあって、一旦、時期を延期することにしています。コロナが落ち着いてから、8月下旬か9月頃には実施したい、と思っています。

夏の丹波地域でしたいと思っていましたが、再調整をしまして、秋の行楽を見据えて丹波地域でしたい、と今は思っています。まだ場所は検討中です。

本当は、先ほどの質疑にもありましたが、やはりコロナ対応がある中で、ワーケーション知事室は、全国でも誰もしていない事業の1つなので、もっといろいろな地域でしたいという思いがありましたが。

なかなかコロナ対応が優先で、しようと思った時に、時期を再調整せざるを得ない状況がありました。ここはこれから、しっかりと合間を見て行いたいと思います。その思いに変わりはありません。

それとも関係しますが、ポストコロナの社会を見据えて、どのようにしていくかということで、まずは、政府はこの波が落ち着いたら、感染症法上の2類相当の扱いを、どのように5類相当にするのかという議論に着手する、と言っていました。そこを早めに議論を進めてもらうことが大事です。

実際に、先日、保健所の現場に行きましたが、事実上、今は、2類相当の建て付けは、なかなか現場レベルでは機能しておらず、発生届が来た際に、ある程度、70歳以上や、基礎疾患を持っている人など、リスクの高い人に対する保健所からの疫学調査、というのも濃厚接触者の捜索ではなく、その人が今どういう状況なのか、という症状を把握する調査です。それをもう70歳以上の人などに限定して特化しています。

それ以外の8割ぐらいの人は、保健所の業務を支援する業務支援室の方に、その発生届が転送されて、そこからショートメールを通じて、ファーストコンタクトしているという状況です。

結局、感染症法上の2類相当が想定していた、すごく致死率や、重症化率の高い病気に対する、保健所がきっちりと介入していく、というものではなくなっています。今やそこは限定されていて、それ以外の膨大な人達を、この業務支援室を通じて膨大な量を処理していく作業になっています。

本来の感染症法の2類相当が想定しているものでは、事実上なくなってきているのが実態です。早く実態を見据えて制度修正していかなければ、医療機関も保健所もひっ迫していくだけです。

これは、第7波が収まったとしても、第8波もおそらく、同じようなBA.5からの感染力が強くて、感染者数が多くなるということになるため、そこをどのように早く軌道修正していくのかが大事です。

その上で、いろいろなポストコロナの社会をつくる、ということです。またそのあたりは、国の抗原検査キットを配布する事業に、これから県でも対応しますので、それはまた水曜日に改めて説明します。

今のところは、県が郵送を個別にする形を軸にして、有症状の人が、そこで検査をして、自主的に療養ができるような、そんな仕組みづくりができないかを今、調整しています。

医療機関や保健所にすべて何かを登録したり、という制度がかなり機能崩壊してきているので。それを事実上、修正していかなければなりません。

現場としては、そこの修正を見据えて、実態的に、どのようにコロナと付き合っていく社会システムがよいのか。兵庫県からも現場主導で、すでに保健所の機能は集約化されています。それをどのようにしていくのかを、また検討していきます。

 

記者:

全体的、抽象的な質問になりますが、就任して1年を迎えて、公約の実現度を自身で評価するとすれば、割合でも、100点満点でも構わないのですが、伺います。

 

知事:

点数で言うと、60点~70点ではないかと思っています。

100点満点はなかなか1年では難しいですし、中長期的にいろいろなことをやっていきたいという思いがあるので、60点~70点と思っています。

いろいろなところに出かけたり、イベントに行ったり、いろいろな人との交流、それからワーケーションの話もありますが、もっともっといろいろなことができた中で、コロナという制約がありましたので、そこは思うようにできなかったこともありました。

一方で、令和4年度の予算や、万博、ベイエリア、脱炭素、それから土地利用の規制緩和、ヤングケアラーなど、いろいろな取組への一歩ずつは進み始めていますので、そういった意味でも、60点~70点ではないかと思っています。

 

記者:

新年度予算案の時だったかと思いますが、特に、市や町から補助金を削除したことに対して、事前の調整が少ないのではないかという指摘もありました。

緊密にコミュニケーションを取ってきた一方で、なかなか今、言われたように、できなかった部分もあったかと思います。

そういったところについて、2年目以降は、どのように取り組んでいきたいのか、聞かせてください。

 

知事:

市や町を含めた関係者との連携は、すごく大事だと思っています。

昨年度の行革の際には、確かにそこがコロナという制約もある中で、コミュニケーションがとても制約された中での最初の1年目で、しっかりと改革の方針を出すことが大事だった中で、いろいろな指摘があったことは事実です。

そこを踏まえて、これからはやはり対話と現場主義ですので、そこはしっかりやっていきたいと思っています。特に、新年度に入ってから、県内の41市町の首長ともほぼ全員と対話をする機会、これは市役所に行って話を1対1でする機会が大半だったのですが、そういったことを増やしていますし。経済界を含めた関係団体と対話する機会もとても増やしてきましたので。これは、これからもしっかりとやっていきたい、と思っています。

そのような形で、県政の方向性、斎藤知事(私)がどういうことを考えているのか、しっかりとコミュニケーションを図りながらやっていくことが大事ではないか、と思っています。

それから、行革はこれからもしっかりとやっていくことが大事です。先日、発表したイノベーション型の業務改善型の行革を通じてやっていきたいと思います。

単に事業の廃止ありきではなく、やはり限られた財源で、事業の方向性自体は大事な取組ばかりですので。やり方や目的、手法を含めて、より時代の流れや、社会の変化に合わせて改善していく、修正していくというような、そんな行財政改革をしっかりとこれからやっていく。

なかなか、人口減少で税収が限られています。これからは、急に伸びて、財源ができたから、新しい事業がどんどんとできる、という時代ではないので。

限られた税源・財源の中で、どういった事業が効率的に、修正しながらできるのかをやっていくことに、努めていきたいと思っています。

 

記者:

財政の見える化をこの1年で進めた中で、知事選の公約で掲げた財政調整基金の100億円に関して、今の考えを改めて聞かせてください。

 

知事:

財政調整基金の積立は、今でも大事だと思っています。今、30億円前後で、これは全国の都道府県の中で、同じような財政規模も含めて、かなり少ない状況で、今のままでは厳しい、と思っています。

これは、コロナ対応もそうです。今は、国からどんどんと交付金が来ると分かっているので、それを活用していろいろな県としての事業を、どんどんと進められているのですが。

これからどんなことが起こるのか分からない時に、やはり事業を機動的にスタートするための、一定の財源が必要です。それは財政調整基金というものの、一番大事なところです。

思いとしては、やはり100億円に増やしていきたい、という思いは、今でも持っています。

ただ、知事になり、県庁に入ってみると、想定以上に財政は厳しい状況で、そのために行革を昨年度したのですが。なかなか、100億円をいつまでに達成できるのか、毎年度の決算などをしっかりとやりながら、積立を不断の取組としてやっていくことで、結果的に100億円ぐらいになればよいと思っていますが。

何が何でも100億円というものを、例えば、3年間で達成するということよりも、やはりできるだけ多くの金額を積み立てていくことが今、大事ではないかと思っています。

 

記者:

基金の集約化や預託金の廃止、ベースラインケースの見直しをしたことで、実際にかなり県債管理基金の方に充てなければならないお金が増えて。かなり現実的に難しくなったと思うのですが、今でも公約を取り下げるところまでは、まだ考えてはいないのですか。

 

知事:

それは考えていません。県債管理基金の不足額は、やはり一定は出ていて、それを計画的にやっていくことも大事です。

一方で、いろいろな事態を考えた場合に、財政調整基金の積立も大事なので。そこのバランスをしっかりと図りながら、両方の課題を改善して、達成していくことは、これからも目指したいと思っています。

 

 

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