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【発表項目】
(1)抗原検査キットの配布及び自主療養制度の開始(PDF:765KB)
(2)高齢者に関する新型コロナウイルス感染症対策の強化(PDF:338KB)
(4)夏休みにおける臨時無料検査拠点の開設(1箇所追加)(PDF:633KB)
4 新型コロナウイルス感染症に係る兵庫県対処方針(PDF:655KB)
(資料に沿って説明)
記者:
自主療養制度の枠組みの中で、自己検査で陽性となって登録した人は、県が発表する感染者数には含まれないのでしょうか。
知事:
数の把握はしますが、今の新規陽性者数には含まないで、別立てで発表するか、そこは調整しますが、発生届が出ていないので新規陽性者数には含まない形になろうか、と思っています。
記者:
これからまた検討するのですか。
知事:
そうです。
記者:
神戸市でも同じように検査キットを渡して検査してもらうような仕組みを実施していますが、この棲み分けはどうなりますか。
知事:
これは基本的に保健所設置市がどう判断するかです。神戸市は基本的にキットを配って、(陽性であれば)e-KOBEを通じて保健所経由かは分かりませんが(登録し)、確か医者数名が手分けをして電話での診断をした後で、陽性と判断すれば発生届を出す、という仕組みだと思います。医師が確認をして発生届を出すので、これは感染症法上ではコロナの陽性者という位置付けになり、数としては、神戸市はカウントするとのことです。
県は、自主的な検査によって自主療養制度の枠組みでやります。医師の診断は今の医療現場のひっ迫を踏まえると、介入してもらうことはなかなか難しい状況で、より優先度の高い人への受診機会を確保していくことが大事な局面だと思ったので判断しました。医者による陽性判定は行わない登録制度という形で自主療養する制度ですので、発生届が出ていない以上、コロナの陽性者数の中にはカウントはしません。
全数をカウントしていくことが本当に必要な局面なのかどうかの過渡期だと思います。昨日の国の専門家の会議の中でもそうでしたが、全数把握というものがどうなのか、という提言もあったとのことです。確かに数を把握していくことも大事ですが、大切なのはやはり、高齢者やハイリスクな人の発熱外来医療機関の受診機会や、保健所のフォロー観察ができるような、そんな環境づくりが大事です。今は、自主療養制度を創設して、陽性者のカウントの仕方は新たな局面として移行していきたい、というのが兵庫県としての判断です。
記者:
この自己療養する場合に、自分の症状が軽いかどうかをまず見極めて検査キットを依頼するのだと思いますが、その症状が軽いかどうかはどのあたりで判断すればよいのでしょうか。
知事:
平熱から比べて、例えば37.5度以上の熱が発生したや、喉の痛みがあったなど、コロナだと思われるような症状があった場合には、相談センターに相談することも一つの方法ですし、検査をしたいと判断した人は、県の検査キットを配送する手続きにウェブで登録することになります。
その中で、症状として重篤と判断したり、高齢者や基礎疾患のある人は、必要に応じて、発熱外来へ受診することも大事です。
ただ、今それが繋がりにくくなっている状況なので、その状況を改善していくためにも、この自主療養制度をしっかりと確保していきます。
記者:
自主療養登録センターに登録する場合は、この配布された検査キットを使わなければならないのでしょうか。
知事:
配布された検査キットでなくとも、例えば、市販の自分が購入した検査キット、いわゆるきちんとした検査キットを使って陽性判定が出た場合には、この登録制度を利用できます。
記者:
確か神戸市の取組では、対象が20代と30代に限られていたと思います。今回2歳から59歳と結構幅が広くて、2歳やそういう子どもであっても、重症化リスクは、今回、低いだろうと県は判断しているのですか。
知事:
65歳未満で基礎疾患がない人、それから妊娠をしていない人については、症状が軽い場合は、慌てて検査や受診をする必要がなく、基本的には自宅療養でよいというのが専門家からの方針で、昨日、日本感染症学会始め4学会は声明を出しています。
そういったことを踏まえて、神戸市は判断をしたかと思いますが、兵庫県としてはそういった専門家の指摘を踏まえて、今の医療ひっ迫の状況、受診機会確保のためには、2歳から59歳という比較的幅広い世代を対象にする判断をしています。
これにあたっては、県感染症アドバイザーのこども病院笠井先生始め専門家に聞いたところ、その運用でよいのではないかという意見ももらっています。
2歳ぐらいから発育が発達してきているので、痛いやしんどいなどが言える年代になっています、2歳からであれば十分に自主検査で対応できるのではないか、ということです。ただ、小さな子どもについては熱が急に上がるケースもあったり、先ほども言いましたが、今はRSウイルスやアデノウイルスなど、いろいろな子どもが高熱になるようなケース、体力が弱くなるケースもあります。そういった場合には、必要に応じて、症状が強い場合は受診をすることが大事だと思っていますし、そのためにも、この制度を作りました。
記者:
8月8日からでしたか。
知事:
8月5日からスタートです。
記者:
どこで登録するかは、また後から連絡があるのですか。
知事:
システムの内容が固まり、運用する段階になれば、また改めて担当部局が皆さんに説明する機会も作りたいと思います。
入力フォームや、どういう形でやるのか、どのエリアが対象になるのか、県民へ周知が大事なので、そのために皆さんに、制度が固まった段階で説明をします。その機会は4日中か、調整をさせてください。
記者:
BA.5の対策強化宣言に関して、先日、今のところ発令の予定はないと言われましたが、現段階でも予定がないことに変わりはないですか。
知事:
現段階でも、BA.5の宣言発出に向けた調整をするということは考えていません。大阪や京都がどのような判断をしているのか、もしかすると発出に向けた判断をしているのかもしれませんが。兵庫県としては以前から言っているとおり、高齢者を含めたすべての県民の皆さんに、リスクの高い場面を含めた行動については留意してください、ということです。ワクチン接種の3回目、4回目の接種については、これまでも言っています。
そういったことを踏まえると、今コロナというものはしっかりと県民の皆さん一人ひとりが気をつけながら、対応していく。それで、感染対策と社会活動の両立を図っていく局面だと思います。
BA.5の宣言というのもある意味アナウンス効果だけです。特に財政的に何か支援があるなど、国からの職員の派遣というものもあると聞いていますが。特に派遣してもらったからといって、何か変わるかと言うと、これは、現場でしっかりとしていくことが大事です。もちろん、そういった支援があれば、ありがたいこともあるかもしれませんが。ここはもう県として、しっかりと今まで、県民の皆さんにお願いしてきたことを引き続きしていきます。何か、この宣言をしたからどう、というよりも、今までしてきたことをしっかりとしていくことが大事です。
大事なのは、今日発表した医療へのアクセスです。それから保健現場の負担をどうやって軽減するのかを、しっかりと現場レベルで作り出していくことが大事です。高齢者を含めたハイリスクの人が受診する機会を何とか作っていくことが、宣言をするよりも、県民の皆さんの命をしっかりと守るために、具体的に必要な行動だと思います。
それを県として、いろいろと判断は悩むところもありましたが、職員、県の医師会、県内の市や町とも話し合いながら、今回の制度を兵庫県としても新たに導入して、医療機会をしっかりと、医療資源と保健所の資源をやはりハイリスクな人に集中的に投下できるような環境づくりをしていくことが大事だ、と考えています。
記者:
隣の大阪府では、高齢者へ不要不急の外出自粛を求めていますが、そこに関しても兵庫は求めていかない、ということで変わりはないですか。
知事:
今のところは、高齢者への外出自粛というのは、特に、BA.5の宣言のようにするということは、考えていません。
これも繰り返しになりますが、高齢者を含めたあらゆる県民の皆さんにリスクの高い行動は避けてくださいということは、お願いしました。今、高齢者の人々も自分で判断して、マスクを着ける、密を避けるなど、しっかりとしてもらっています。
ワクチンの4回目接種もしてもらっています。それをアナウンスすることで過度に、行動を自粛することで、認知症や、フレイルなどを進行させてしまうというリスクを考えると。今の高齢者の人々は感染症対策をしっかりとしながら、地域のカフェや、健康体操など、そういったことをしっかりとしていきたいという思いの人もいるので。そういった意欲については、感染症対策をしっかりとしながら、何とかこの社会活動を一緒になって回していこうということを、一緒に取り組んでいくことが大事です。
記者:
自主療養制度について。症状悪化時等は受診とありますが、この症状悪化というのは具体的には、先日4学会が、発熱外来の受診の目安というのを発表しましたが。これに沿った考え方ということでよいですか。
知事:
基本的にはそこに沿った考え方です。熱が4日以上続く場合、水が飲めない、ぐったりとして動けない、呼吸が苦しい、といった場合。明らかに普通に発熱して喉が痛いという状況で自宅療養しているだけではなく、少し変化が出てきた場合には、受診が当然必要です。
その場合にも、県の相談コールセンターに連絡、相談をしてもらえます。発熱外来に受診してもらうことは当然してもらわなければならない。それがしやすくするための環境整備として、自主療養制度を今回作りました。
記者:
検査キットは申し込んでからどれぐらいで届きますか。
知事:
検査キットについては、ウェブで24時間受付をしています。今の想定としては、例えば、午前中にウェブで申し込むと、翌日には到着する、という方向で調整をしています。
先ほども言いましたが、これからお盆の時期などもありますので、配送体制が少しひっ迫することがあります。その場合も含めて、今、市や町とも連携しながら、市や町も自分たちが、必要があれば配るという、協力したいという自治体も、複数出てきています。そことも連携をしながら、郵送もしくは市や町がいろいろな形で配布する、ということも併用しながらしていきます。
記者:
コロナ患者がこれだけ増えている中で、重症化リスクの高い人に、医療資源を投入するという考え方だと思いますが、例えば、その学会の発熱外来受診の目安では、37.5度以上の熱が4日間続く、といった場合には、というような書き方があります。
基本は、確かに食べ物については、日常的に備えておくことができるかと思います。解熱剤を含めた常備薬については、県民全員が常備しておく量があるのかと言われると、すこし考えづらいのではないかと個人的に思っています。
薬の処方については、4日間も、38度、39度まで熱が出る場合でも受診を控えるとなると、薬の処方ができなくなってしまう事態もあるかと思いますが。そのあたりについて、何か対応は考えていますか。
知事:
やはり自助というものも、一つの大切なテーマであるので、これは言い過ぎると薬が買えないという人もいるかと思いますが。できるだけ感染する前に、数日程度の常備薬を解熱剤を含めて準備が必要だと思います。それをしてもらうことが大切です。その上で、発熱が、当然ながら4日以上37.5度以上続く場合というものは、学会のガイドラインでも、症状が比較的重いというケースですので、受診をすることも大事です。受診し、必要な薬、それから投薬をすることも大事です。
今は本当にコロナが1日1万人という時になり、発熱外来になかなか電話しても繋がらないという状況がある中で。やはりリスクの低い人については、できるだけ受診を少し控えて、自身が持っている常備薬などで、3日、4日は、安静にしてもらうことが大事だと思っています。もちろんハイリスクの人は、受診をしてもらうことが大事です。
そういった形で、この自主療養制度で大事なのは、あくまで軽症や、リスクの低い人が対象になるということです。基本的に皆が自主療養制度に登録してください、というのではなくて、対象者というのがポイントです。やはり60歳より若い人で、基礎疾患なしや軽症の人が中心ですので、一定のハイリスクの年代の人、基礎疾患がある人、それから発熱が一定程度続く人は、受診をしてもらうことが大事だと思っています。そこのポイントは大原則としてあります。
単に陰性証明だけを取りに行くために受診したい、検査だけのために受診したいなど、そういった人々が、今でも発熱外来に問い合わせをして、予約しようとしているケースがあり、実はそれが、今日も医師会の先生と話をする中で、その人の電話応答をするだけでも、10分、20分では、済まないぐらいかかっているようです。そうすると、通常の医療機関がひっ迫する状況になっています。
ローリスクの人は基本的に自主療養というステージで、しっかりと安静にすることが、逆に言うと、ハイリスクの人々が受診しやすい環境づくりに繋がっていくので、しっかりと皆でしていきましょう、という趣旨です。
記者:
有症状者の定義が非常に難しいと思っています。特に小児の場合は、RSウイルス、アデノウイルスもすべて熱が出るということがあります。37.5度の熱が4日間も続くと親としては心配でたまらないが、検査キットが届くまで待って、それで陽性だったらコロナだと。コロナならば4日間経つまで、受診は待ってください、という話になると、これは親としてはかなりきついです。特にその38度、37.5度というのが、39度くらいまで熱が出てしまう、ということになった場合については。
陰性証明だけくださいという話はよく聞きます。そういった非常に症状の軽い人については、自主療養でするということかと思いますが、メッセージの出し方として、どのように、そこの線引きをしていくのかは、もう少しアナウンスメントしていく必要があるのではないかと思いますが、どう考えていますか。
知事:
そこは、大事なことだと思っていて、我々としても、誰でも彼でもが、受診しないでほしいと言っているつもりではなくて、やはり一定リスクの高い人は、やはり適切に医療を受けてもらうことは、大事だと思っています。
冒頭からもそうですが、高齢者、基礎疾患を有する人、それから妊婦、さらには子ども。子どもは体力がまだ、未発達なところもあります。子どもで熱がすごく高いという場合には、それはもう親も心配ですから、そういった場合には適切に受診をしてもらう。
無理に自主療養制度にしなくても、受診をすると。小児科や発熱外来に行くことは、むしろ大事です。そうすることで子どもの重症化リスクも回避できます。そのためにも、軽症の人は、できるだけ自主療養の方に行ってほしい、というメッセージです。
記者:
全数把握の問題について。現行法上、新型インフルエンザ等感染症という扱いに新型コロナがなっているので、感染症法上は建て付けとして、全数把握はしなければならないかと思います。県としては、自主登録してもらうことで、全数把握はしている、という建て付けにしているのですか。
知事:
この登録は、あくまで自主的な検査、それから配付した検査に基づく、陽性反応が出たケースでの登録になります。医師の診断でコロナだということを経て、それから発生届を出してではありません。感染症法上の医師の診断を経て、発生届を出して、コロナの陽性者としてという枠組みではないので、そういった意味では全数調査の外の領域になります。
数としては、我々も把握して、一応トータルで見ることができるようにします。感染症法上の把握すべき陽性者からは外れているというのが我々の今の判断です。そもそも、そこ(全数調査)をすべきなのかというところです。
記者:
そういう意見はたくさん出ているかと思いますが、法制度上そういうことはできますか。
知事:
我々としては、それをしていきたいと考えています。今の状況で、何が大事かというと、全数把握を法律上だからするかどうかというよりも、やはり医療受診機会をどう確保していくのかということが大事な側面になっています。
感染症法上の医師の診断を経て、発生届が出てコロナの陽性患者と認定された人を全数把握していくことは、これまでと同様にしていきます。
今回は枠外で自主検査等によって、陽性となった人を自主療養という形でしていくという仕組みを作ります。そこは運用の世界で対応できているのではないか、と思っています。
記者:
そうした運用をしている、あるいは、これからそういう運用をする都道府県や政令市はありますか。
知事:
神奈川県が同じような自主療養制度をしていると思います。ただ自主療養とカウントしている人を全数把握の枠内、枠外というのは、それぞれの判断だと思います。
兵庫県としては、自主療養で把握した人については、全数把握をどこまですべきかという議論よりも、どのように高齢者を含めた受診の確保をするかということが大事な局面になっています。今回の方針で何とか進んでいきたい、と思っています。
記者:
先ほどの質問にも重複するのですが、今回の自主療養制度によって、平時であれば病院に行きたいけれども、感染者が多い状況で、熱もそこまで高くないので、自主療養しようと判断する人が増えてくると思います。
いつまでこの制度を続けるのか、例えば、感染者がこれぐらい減ってくれば元に戻します、といった考えはありますか。
知事:
それはこれからの判断になってくると思います。この制度をできるだけ続けていく形になろうかと思っています。そもそも今の感染症法上の2類相当の現状が、医療現場もそうですが、保健所の現場でも実態と合わなくなっている状況です。本来であれば国が早く、これは知事会からも言っていますし、昨日も専門家から言われていますが、早く制度の修正を示すことが大事だと思っています。
我々としてはそれを待っていられないので、現場の判断として、今回悩みましたが、一定の自主療養という仕組みを導入して、命をできるだけ守れるように受診機会を確保していきたいという思いで踏み切りました。それが大きなポイントです。
記者:
反対に、過度に受診を自粛してしまうという、リスクもはらんでいるかと思います。そのあたりの発信の仕方にかなり工夫をする必要があると思います。
知事:
少し繰り返しになりますが、症状のある人全員が、何が何でも受診しないでくれ、というよりも、軽症の人や陰性証明だけを取りに行くなどの検査目的の人についてはできるだけ受診を少し待って、自主療養という制度の中で登録してもらい、10日間療養後に自主的に隔離解除という形にしていきたいということです。
高齢者、基礎疾患のある人、妊娠している人、体力の弱い子ども。こういった人たちはもちろん、しっかりと発熱外来を受診してもらうことが大事です。これが大前提で、自主療養したとしても症状が出て、4日以上熱が続くなど、少し顔色が悪くなっていった場合などには、躊躇なく医療機関を受診してもらうことが大事だと思っています。鶏か卵かの話になりますが、そのためにも、この自主療養の仕組みづくりを今回導入することに踏み切ったということです。
記者:
体制としては1日どれぐらいの検査や送付量などを想定していますか。
知事:
初期段階では1日1000キット。郵送は1000キットからスタートしたいと思っています。
国の配送がいつになるかは分からないので、まずは県が備蓄している数千キットを使って、配送をスタートしたいと思います。この仕組み自体が初めての取組でもあるので、1000キットからスタートして、徐々に拡大していきます。
多くの県内の市や町も配布に協力してもらえることになっていますし、国からの配送や、あとは我々も努力する形で、備蓄を増やしていきます。まずは1000キットからスタートして、少しずつ広げていきます。
記者:
この制度の趣旨としては、発熱外来がひっ迫していて、保健所も含めてひっ迫していて、何とか緩和するため、が大きな目的だと思います。
その発熱外来が実際にどれぐらいひっ迫しているのか、現状を説明できるような指標などはありますか。
なかなか一般化するのは難しいかもしれませんが、例えば、この病院では最大何時間待っているケースもあるなど、何かそのようなデータがありますか。
知事:
おそらく、ないのではないかと思います。
そのデータを調査しようとすると、それ自体が発熱外来への負担になりますし、なかなか定性的な話にとどまるかと思います。電話が繋がりにくいということや、あとは陰性確認のためだけの検査をしに来るなど、問い合わせが殺到しているというのが、いろいろな企業も、保健所の外来でやっている現場から聞こえてきています。
記者:
感染者数の推移について、前週比のグラフも示していますが、この傾きを見ると1を割るのが近いのではないかと見えます。
ピークアウトが近いのかどうかも含めて、今の見解を教えてください。
知事:
この赤のラインだけを見ると、ピーク時は2を超えていました。7月25日あたりは連休の影響もあって少し伸びましたが、1週間平均の推移では2を超えていたのが、かなり毎日下がってきて、今日は1.1という状況ですので、ピークアウトが近づいてきていると思っています。
何とかこの8月の第1週から第2週ぐらいにピークアウトしてくれば、少し状況は改善していくと思います。ただピークアウトしたとしても今、1万人以上の感染者が出ているので、それが続いていますから、そういった意味でも、医療機関への負担は、引き続き保健所の現場も含めて、ひっ迫が続きます。重症者や死者を出さないためにも、繰り返しになりますが、自主療養の制度を今のうちに創設しておくことが大事だ、と思っています。
少し先ほどの話に戻りますが、今回こういう制度を導入するのは、第7波も何とか乗り切りたいという思いもありますが、また次の波が来た場合に、いわゆる第8波の際にも、おそらく感染力が強く、伝播力が強くて重症化率が低いものが、より続く可能性もあるので、今回、制度を導入していくことは次なる波にも備えて、今のうちからやっておきたい、という趣旨もあります。
記者:
アナウンスメントについて。5日から制度を始めるということで、やはり、県民であったり、もちろん現場の医療機関であったり、制度をしっかりと周知していかなければ、同じように外来に訪れる人が多いかと思うのですが、どのように周知していこうと考えていますか。
知事:
周知がやはり大事だと思っています。
今日の医師会の先生方との意見交換でも、県民の皆さんにしっかりと周知をしていくことが大事だと。まず、県のホームページ等での周知をしっかりとやります。
皆さんにも、制度がより固まった段階で、少し未完成な段階でも、こういった制度設計で考えているということは、より丁寧に情報をお伝えします。
あと、医療機関や発熱外来の現場でも、ポスターやチラシを作って、受診ができない場合など軽症で検査目的の人は、県のこういった仕組みがありますので、そこに登録なり、検査を自主的にやるなりしてください、ということを何らかの形で伝えることが大事だと思っています。
これは、医師会との調整になってきますが、あらゆる手段を通じて、今回の自主療養制度の趣旨、それから対象となるエリア、神戸市は今回の自主療養のシステムには入っていませんので、神戸市と神戸市に住んでいない人とでの、周知の仕方をしっかりとやっていかなければなりません。
記者:
自宅療養者へ、これまでの波ですと、まずは感染が発覚した際にどのように過ごすのかなど、必要な案内も行ってきたところだと思いますが。今回システム情報登録ということで、登録された段階である程度の案内があるのか、県からそういう案内が一切ないのか、そのあたりはどういう形でされるのですか。
知事:
登録申請受付の通知を返信メールで出す際に、県のホームページや自宅療養の注意点、症状が悪化した場合には発熱外来を受けてくださいといった、いろいろなリンクを合わせて配信する形にしますので、そこで情報へはアクセスできると思っています。
スマートフォンでいろいろな登録をしている時代ですので、スマホの中で、メールですが、そこを案内すれば皆さんがSNSを通じてアクセスをしやすいことになっています。まず、そういった形でしっかりと周知をしていきたい、と思っています。
記者:
コロナ以外の要因での発熱や症状の悪化などがあると思います。今回、検査キットを送って、陰性が出たのだが、やはり症状としては(あるので別の受診を)ということに関して、県民としてはどう判断すればよいのか少し不安があると思うのですが、もう少し説明をお願いします。
知事:
今回のこの趣旨というのは、例えば、熱が出て有症状になったと、コロナ以外の普通の風邪であったり、お子さんについては、RSウイルスやアデノウイルスなど、いろいろなコロナ以外の症状で発熱したり、喉の痛みが出るというケースも普通にありますので。
そういった人が、いきなりコロナ外来を受診するのではなくて、症状が軽いということが前提ですが、県からキットをもらって検査すると、そこでもし陽性になれば、症状次第ですが、自主療養します。陽性でなければ、これは原則コロナではないので、自分なりの療養に切り換えていくことになると思います。
そういった意味でも、このシステムを導入すると、コロナ以外の病気で有症状になっている人がコロナ発熱外来に行かなくても、一般の診療なり自主的な薬で対応できることになりますので。コロナ外来以外の有症状のケースの受診の負担も軽減できることになろうかと思っています。少し言い方が難しいのですが。
記者:
少し気になるのは、軽症という前提があるからだと思います。
コロナの話ですが、これまでの波では自宅療養中に悪化した場合に相談できる窓口を設けているのですが、コロナではない場合で症状が悪化した際に、医療機関を24時間受けてよいのか、判断に迷うのではないかと思います。
その場合に、自分なりの療養だけではなくて、医療機関を受診してもよいのかどうか、知事としてはどのように考えていますか。
知事:
基本は軽症の人が、あとはリスクの低い人が、自主療養という流れでやることがベースなのですが。もちろん症状が悪化した場合には、相談センターやコールセンターに問い合わせしてもらいます。そこで相談しながら、コロナは皆さん、初めてかかる人が多いので、普通の風邪の経験と少し違う初めての経験ですので。発熱が高い場合に、自分が一体コロナのどういう症状の状況にあるのかが判断できないケースがあると思います。
そういった意味でも、この相談センターに問い合わせしてもらい、それぐらいの症状であれば、しばらく様子を見てください、また、4日ぐらい熱が続いていたり、息が苦しいのであれば、すぐに発熱外来に行った方がよいです、場合によっては救急車を呼んだ方がよいです、ということに繋げていくことは、躊躇なくそれぞれの自宅療養、自主療養している人は、これまでもそうだと思いますが、しっかりとやってもらうことは大事です。そのためにも、この制度を導入して、発熱外来が受診しやすい環境づくりをしていくことは、大事だと思っています。
記者:
基本的には軽症・無症状で、何もなく1週間過ぎるということが多いと思うのですが。例えば、相談コールセンターに一度電話すると、その人に関してはその後の健康観察を行うなど、そのような対応はあるのでしょうか。
知事:
今の状況では、コロナの陽性者として発生届が出た人へもそういうことはしていないので、基本的にリスクが高くなってきたと思えば、自分から相談センターに電話したり、あとは、救急を呼んだりという形がベースです。
私も3月にコロナ感染して、基本的には発熱が3日ぐらい続いて、そこから軽快していったのですが、神戸市だったので、最初と最後に、保健所から連絡があるというだけでした。それ以外は自分で毎日熱を測りながら、熱のシートを書いていって、だんだんと下がってきているというのを見て軽快を感じながら、14日間が過ぎました。
大半の人はそういった形で対応するものだと思います。そこで異変があれば、当然ながら相談することや、発熱外来、救急車を呼ぶということは、しっかりと躊躇なくやってもらうことが大事だと思います。
記者:
先ほどの全数把握の話などを聞いて、少し私も理解不足だったと思うのですが。要はこの自主療養の仕組みというのは、あくまでも症状のある人が、選択することができるということでしょうか。つまり発熱外来を選ぶこともできるわけですか。
知事:
もちろんそうです。
記者:
気になった場合に発熱外来に行くということについては、それを拒むものでもないということですか。
知事:
それはありません。原則として、今の日本の医療というのはフリーアクセスになっています。これはもう大前提です。個人が受診をするかしないかということは判断できますし、そこを制限しようというものではない、ということです。
これは医師会の方も受診をすべき人に対しては、しっかりと受診をできるようにしていくことが大前提ということで、基本的には本人の判断です。
ですから、有症状の人が、どうしても発熱外来に行きたい場合にそれを拒否できるものではありません。
ただ、今は全体として受診がしにくい状況になっていますので、できるだけ、どうしてもという人以外で、こういった軽症の人については、自主療養という枠組みを準備しますので、その受け皿の中で、自宅で療養することを制度として作りました。
受診しないでください、絶対行っては駄目です、というように、権利までを制限するものではありません。
記者:
あくまでも2歳から59歳の人が、自主療養制度の登録ができるということで、基本は大人になるのでしょうが、自分で症状が判断できる人たちが、自分で症状を見ながら、大丈夫だと思えば、自主療養制度を利用してもらいたい、というものでしょうか。
知事:
そうです。ただ、今の、多くの人が軽症である状況では、できるだけ症状が軽い人は、この自主療養制度を活用してもらいたいということです。
小さな子どもなどが受診してはならないといったものではありませんが、やはり社会全体として、医療資源それから保健資源をハイリスクの人へ投下しやすくするために、こういった制度を作っています。
今は国も医療学会なども、できるだけ受診は控えましょうと、昨日もそうですが、メッセージを出し始めています。ただその一方で、オンライン診療というものも一部の自治体でやっていますが、結局あれも外来と一緒ですので、数人の医師が、一人ひとりやっていくというのは、オンラインであってもリアルであっても同じくらいやはり大変なので、今のオミクロンの膨大な感染者数にしっかりと対応できるのかというと、なかなか大変だということがあります。
そんな中で受診をただ単に控えなさいというだけで終わりではなくて、一方で受診をしなくても、こういった自主療養という仕組みを受け皿として作っておくことで、必要な手続きや何かしらの行政としてのフォローができる体制を作っておくということが、とても大事だと思っています。
そこがあることによって、有症状の人がこういった制度を使おうかという合意形成をして、ここにどんどんと来てもらうことが、結果的にハイリスクな人が受診しやすい環境を作っていくことに繋がるので、そういった一歩を兵庫県として、今回歩み始めました。是非ご理解いただきたいと思っています。
あと、詳細な制度の内容は、今はまだ走りながらやっているところもありますが、保健医療部長なり担当部局に問い合わせてもらえればと思います。自主療養制度の概要については5日からの運用ですので、できれば明日中には何かしらの形で、実際のフォーマットも含めて、説明できるようにしたいと思っています。
今回、実はこういった制度を少し前から検討し、指示を出していたのですが、県の職員が自分たちでシステムを作ってくれました。情報システムの部門と保健医療の部門、それからいろいろなところが連携して、特にシステムに強い職員が何人かいますので、その職員たちが協力して、とても頑張ってやってくれたということです。
また説明があるかと思いますが、ベースは確かキントーンというアプリを改良して入力システムを作っていると聞いています。キントーンアプリで、県が今回、作り、これから運用する中で、他の自治体にも提供しやすい簡易なシステムでやっています。
兵庫県が今回、試行的にやりますが、県内の市や町、もしくはいろいろな自治体に今回の結果を受けて提供できるのであれば提供する、ということも調整していきたいと思っています。いずれにしても職員がとてもシステム構築に向けて努力したことには、改めてお礼を言いたいと思っています。
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