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ようこそ知事室へ
【発表項目】
(資料に沿って説明)
記者:
全数把握の見直しをしないということですが、これは9月中旬以降の国の一律の実施を待つということでしょうか。それとも、県として、この問題が解消されれば、もう少し早く届出をするのですか。
知事:
我々は今回8月29日のエントリーは見送っています。兵庫県は都市型の地域を有するので、感染者数は全国の中でもかなり多い方ですから、質問のように課題がクリアになっていない中で、ある種の見切り発車は、県としては今、難しいと判断しています。
一方で、9月中旬ぐらいに国が全国一律と言っていますし、あとは神戸市からも、できるだけ早期にこの負担軽減のための措置を実施して欲しいという要望を先日受けたところです。問題がしっかりとクリアになり、フォローアップ体制などがしっかりと整えば、できるだけ早期に切り換えていくことも視野に入れてはいます。
ただ、そこは国からどういった方針が明示されるのか、そこ次第ですが、結果的には9月中旬になるのかもしれない、と考えています。
記者:
調査項目の限定のところで、中核市や政令市はどのような運用になるのでしょうか。
知事:
今日は保健所長会の会長も出席しており、保健所長会ともこれから調整をしていきますが、基本的には県所管のみならず、政令市、中核市についても、この県の方針をしっかりと伝え、負担軽減のために、発生届の大幅な項目削減についてやっていきましょう、と伝えたいと思っています。
基本的には、保健所単位での所長の判断になるかと思いますが、県はこの簡素化の方針を決定し、これから各保健所としっかりと協議をしていきたい、と思っています。
記者:
政令市と中核市については最終的には各々で判断する形になるということですか。
知事:
ただ、県の大まかな方針についてはすでに伝えてあり、概ねその方向で各政令・中核市についても理解はされています。その方向で検討していくと今は聞いています。
記者:
届出項目の削減に関して、9月5日からの運用を目指して最終調整とのことですが、これは決定ではなく、また改めて決定のタイミングがあるということですか。
知事:
県の対策本部会議の方針としては本日、決定です。
ただ、先ほど答えたとおり、政令・中核市も含めて、各保健所が最終的にどうするかの判断になってきますので。そこが、それぞれの保健所設置市がどのようにしていくか最終調整ということです。
記者:
事務的な運用に向けての調整という意味ですか。
知事:
そうです。大きな方向性としては今日、決定しており、9月5日からこのオペレーションで切り換えていく、ということを決定しました。
記者:
先週の会見で、全数把握の見直しに関して検討を進める、絞るという話があった中で、今回の対策本部会議の中で医療機関からの意見、特に、反対意見はありましたか。
知事:
今日の対策本部会議で反対意見はありませんでした。医師会、民間病院協会も、課題がクリアになっていない中で、直ちに発生届けの見直しはせずに、課題のクリアをしっかりとしてから見直しをしていく方針については、反対意見はなく、皆さん賛成でした。
記者:
今日、示した県の方針に対して、医療機関から追加の意見、アドバイスなど、何かありましたか。
知事:
国がどのような方針を示していくのか、そこをしっかりと確認をしながら、丁寧にしていくことが大事だ、ということでした。
フォローアップセンターをこれから準備していきますが、できるだけしっかりと充実したものにしていくべき、という意見もありました。特に自主療養制度を今、県として独自にしていて、ウェブ登録で申請し、メールで自動返信されるという形です。
その仕組みにより、実は自主療養している人が発熱外来にかかる際に、すごくスムーズに受付けをしやすい、県からのメール等を見せることによって。
そういった自主療養システムを使っているので、これからフォローアップセンターを作る際にも、自主療養制度のシステムなどを応用して、より使い勝手のよいものにすべきではないか、というアドバイスもありました。
記者:
今日の対策本部会議の中では反対意見がなかった、ということですが。先週の会見を受けて、現場の医療機関からは発生届を限定することに歓迎する声もあったかと思います。
今回の方針を受けて、新たに反発の声もあるのではないかと予想されます。先週の会見から軌道修正となったことについて、知事の意見を伺います。
知事:
先週、岸田総理の会見で大きな方針が示されて、全数把握の発生届の見直しをしていく、一部先行したい都道府県については緊急的な措置として対象とすることも可、という内容でした。
その時点では、私も全国知事会でも全数把握の見直しを、と言っていました。我々が自主療養制度を導入したことは、現場の負担をできるだけ減らしていきたい、ということからで、大きな方向性としては評価し、早速検討していきたい、と表明をしました。
しかし、翌日の国の説明会などを聞くと、制度にかなりまだ生煮えなところがある、と感じました。それから、国の情報も二転三転し、報道ベースではいろいろな情報が錯綜している状況です。
そういった中で、今日の対策本部会議をそのためにも開いたのですが、現場の医療機関、そして医師から、現状どうなのかなど、方針を議論しました。現場の声からも、早急な見直しを生煮えのままするよりは、しっかりと課題をクリアにした上で、丁寧に円滑に制度の移行をしていくことの方が、県民の皆さんの命、暮らしを守るためにも重要だ、という県の方針をしっかりと理解してもらったと私自身は捉えています。
いろいろなリスク、そして現実的に県民の皆さんの命と暮らしを守るために進むべき対策、道を歩んでいくことも大事だと思っています。県民の皆さんにきっちりと伝え、合意形成を図るためにも、今日、本部会議を開き、記者会見という形で説明しました。これからも説明をしっかりとしていきたい、と思っています。
記者:
発生届の項目を限定することについて。保健所業務支援室を取材した際に、発生届の様式が結構バラバラだという印象を受けました。そういった意味でも、周知などをどのようにしていくのかが大事なところかと思っていますが、考えはありますか。
知事:
リスクの低い人に対しては、発生届を限定していくという大きな方向性は、これから大事だと思っています。
その上で、各医療機関は、これまでのオペレーションもそれぞれに違うところがありますので、そこはしっかりと、保健所長会などがあるので、そこを通じて県の考えをこれから共有し、同じように進めていくようにしていきます。
それぞれの地域事情もあるので、こういった発生届の情報が必要だというところもあるとは思います。あとはやはり、現場の医者の判断で、少しこの人はここを書いておいた方がよいというものがあるかと思います。
そういったオペレーションが、現場によって少し違う面も出てくるかもしれません。大きな県の方針として、発生届についての項目を合理化していくことは、共有できたと思っています。
記者:
先ほど生煮えという言葉を使われましたが、そういった生煮えの状態で新たな指針を打ち出す、あるいは疑問点について、都道府県側の質問にもいまだ答えられていない状況について、そういった国の対応について、知事としてコメントがあればお願いします。
知事:
国としては、いろいろな知事会からの意見もあり、こういった方針を示したという理解はできますが、やはり現場を預かる自治体としては、いろいろなリスク、それから課題がある中で、見切り発車というのは、なかなか難しいというのが今の思いです。
そこはやはり制度をしっかりと固めてもらい、このようにしていくと。それから、固まる前に自治体との事前のすり合わせ、現場の声を聞いて、こういったことをする場合にはどういった課題があるのかを、早めに協議をしながらクリアにしていくプロセスが、少し今回は丁寧ではなかったか、と考えています。
2つの、本人確認の話、それに基づく公的負担が本当にできるのかどうかということと、療養証明書の発行のある、なしで保険給付に大きな差が出て不公平感が出てくることは、現場の意見等を聞けばわかる話であったはずなので。
そこを国も、あらかじめいろいろな意見を聞いて調整をしてから、こういった先行したい自治体があれば手を挙げてくださいと。しかしその場合には、この本人確認問題と証明書の交付については、このようにします、ここはできませんがこうします、ここは制度としてはなしにしますなど。
例えば、保険給付については、もう今回、発生届がなくなるので、そもそも療養証明というものを発行しない代わりに、保険給付もできない、とするなど。本人確認はしなくても、これは本人の届出をある意味、性善説で信じてよいですなどを、あらかじめクリアにしてもらえれば、いろいろな自治体が、より多く、今回は4県だけでしたが、もっと多くの自治体が、手を挙げたのではないかと思います。
記者:
切換えに向けて、フォローアップ体制の構築を検討課題に挙げていますが、具体的にどういう面を充実させていきたいなど、あれば教えてください。
知事:
自主療養制度をどのように応用できるのかがポイントです。今、自主療養制度はウェブで登録をして自動応答でメッセージがいき、そこから療養をスタートし、一定期間、例えば、療養証明書の発行もシステマティックにできるので。この仕組みをいかにフォローアップ体制に移行していくのかを、これは早急に検討に着手するように指示しています。システム担当課と医療担当課の方で、もうすでに検討は進めています。そこをどのように切換えができるのか、というのがポイントとして1点です。
どうしてもスマホではなく、電話で対応せざるを得ない場面も出てきますので、そういったときに、フォローアップセンターの電話回線など、そういった体制をどのように強化していけるのか、その2点がすごく大事だと思っています。
そこがしっかりとできれば、今すでに自宅療養者へのフォローアップセンターは、これからしようとしているフォローアップ体制と同じような、例えば、食料品の手配、ホテル(宿泊療養施設)の入所調整、入院調整など、そういうものはできています。そこは、ベースとなるものがあるので、ウェブ登録など、そういったものを取り入れて、あとは体制を強化していくことができるかがポイントだと思っています。
こういう療養証明書はどうなるのか、そこの方針を早く示して、特にここは一番大事かという気がします。我々行政の主体としては、公的サービス、公共サービスをする際には、法的な裏付けなどがきっちりとなければ、なかなか足を踏み出せないのが正直なところです。
それを、陽性者かどうかの担保がないままでいろいろなことをしていくことは、我々が例えば見切り発車で始めたとして、後で国から、やはりここはいろいろな法律上、税金の使い方として、この制度は本当にそうだったのか、本人確認を後でしてくださいと言われたとしても、それはかえって負担が生じます。
こういったところ、やはりキーとなるところは、分かっていたはずだと思います。もし、都道府県などにあらかじめ聞いてもらえれば、みんなこういう課題がありますということがわかったはずです。そこをきっちりとプロセスを丁寧にしてから制度をスタートしましょう、ということをすべきだったと思います。
記者:
発生届対象限定の国への届出について。区域内すべての保健所設置市長の意見を踏まえて、と言う話だと思いますが、神戸市から要望があったのは伺いましたが、例えば、姫路市や西宮市、ほかの中核市の意見は聞いているのでしょうか。その意見はどのようなものでしたか。
知事:
神戸市、4つの中核市すべてに意見を聞いて合意形成をしています。
神戸市からは先日、早期の見直しについての要望を受けましたが、県としての2つの課題を示し、今回については一旦見送ることで了解を得ました。
4つの中核市についても、県の大きな方向性に合意するというように、合意形成はきちんとしています。
記者:
発生届の限定という制度が9月中旬以降、全国一律に実施されるということになれば、県は独自で実施の自主療養制度との整合性という部分が、今後の課題になってくるかと思います。
例えば、自主療養制度では自主療養証明書が無料で発行されていますし、そういうところで違いが出てくる可能性もあります。対象者の要件についても、県独自の対象要件変更は不可となっていて、そのあたりで自主療養の対象者と大きく重なる部分が出てきている中で、どのように自主療養制度をやっていくのか。この1カ月近くやってきた中で、今後の見通しがあれば教えてください。
知事:
自主療養制度は、お盆の前からスタートし、だいたい1カ月が経ったところで、自主療養を登録した人は約2万人となっています。
これはもともとご案内のとおり、お盆前に、お盆期間中の医療機関のひっ迫をどのように回避していくのかが大きな課題でした。国の検査キット配布がありましたので、それをしっかりと活用しながら、県としても、医療機関、保健所の外に、セルフケアという形で自主療養を選べるようにすることで、お盆を含めたこの8月中に、しっかりと医療機関の負担軽減をしていくための制度として導入しました。
ピーク時は1日1000人を超える人が利用し、今は大体400人から500人前後となっています。この自主療養制度はやはり、お盆の期間前後の集中している時をどのように回避するのかということが主目的でした。
今回、国が、発生届の限定という方針を示している中で、自主療養制度自体をどのようにするのかも、しっかりと議論していきたいと思っています。
発生届を一部限定するということは、医療機関にとっては負担軽減になります。そうすると自主療養制度と方向性は一緒ですので、自主療養制度はなくして、こちらのフォローアップセンターに統合していくなど、合理的な方法をこれから至急検討していきたい、と思っています。
記者:
検討次第では自主療養制度の役割は終えて、国の発生届の限定の方に一本化することも可能性としてありますか。
知事:
可能性としてはあります。
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